東レ 合繊糸・綿・不織布を再値上げ、コスト上昇を転嫁

,

2023年4月3日

 東レはこのほど、合繊糸・綿・不織布について、4月出荷分から値上げする、と発表した。

 対象製品は、ナイロン6糸(長繊維)・綿(短繊維)、ナイロン66糸(長繊維)・綿(短繊維)、ナイロンBCF糸(長繊維)、ポリエステル糸(長繊維)・綿(短繊維)、アクリル綿(短繊維)およびポリエステル長繊維不織布で、改定幅は「現行価格から30~50円/kg」。

 合繊用粗原料の急激な価格上昇は、円安により引き続き高い水準にとどまる。また、世界的に燃料エネルギー価格の高騰が継続。副資材の価格や運輸費も含めた各合繊素材の製造、物流コストが高止まり、今春から電気・ガスの値上げも計画され、コストアップが見込まれる。さらに、委託先の加工コストも大幅に上昇しており、サプライチェーンを維持するためには価格転嫁が避けられない状況にある。

 こうした中、同社は、徹底的なコスト削減と効率化による自助努力を続けてきたものの、各種コストの上昇は吸収できる範囲を超えていることから、安定品質での商品供給や国内生産基盤の維持のために、粗原料ベースの価格フォーミュラを結ぶ顧客へのエネルギーコストの転嫁や、過去の未転嫁部分の遡及改定を含めた値上げの実施を決定した。なお、2021年12月以降、これで五回目の値上げとなる。

住友化学 PEとPPを値上げ、コスト上昇に対応

, ,

2023年4月3日

 住友化学はこのほど、ポリエチレン(PE)およびポリプロピレン(PP)について、4月14日納入分から値上げすると発表した。改定幅は、PEおよびPPの気相法が「8円/kg」、PEの高圧法が「15円/kg」。

 ウクライナ情勢などを背景に燃料価格が高騰しており、工場で使用する電力・蒸気などの用役費が大幅に上昇している。特に製造過程で多くのエネルギーを必要とする高圧法の製品は、気相法と比べ影響が大きい。また、副原料の価格も高騰している。こうした中、同社は、これらの大幅なコスト増加は自助努力だけでは吸収し得ないことから、安定供給を継続するために、価格改定の実施を決定した。

ポリオレフィン各社 コスト上昇分の転嫁が急務

, ,

2023年4月3日

ナフサ価格は弱含み、用役費の高騰が収益を圧迫

 ポリオレフィン各社は、3月に入ってからポリエチレン(PE)およびポリプロピレン(PP)の値上げを相次いで発表し、需要家との交渉が本格化している。

 改定幅を見ると

コンテンツの残りを閲覧するにはログインが必要です。 お願い . あなたは会員ですか ? 会員について

旭化成 PE全製品を値上げ、用役費などコストが上昇

,

2023年3月31日

 旭化成はこのほど、ポリエチレン(PE)全製品について、4月1日出荷分から値上げすると発表した。対象製品は、「サンテック‐LD」「サンテック‐HD」「サンテック‐EVA」および「クレオレックス」で、改定幅はいずれも「10円/kg以上」。

 原油、ナフサをはじめとする商品相場は、景気回復期待による上昇予想がある一方で、欧米での金融不安拡大による景気減速懸念が台頭し、先行き不透明な状況にある。しかし、電力をはじめとする用役の高止まりは確実視され、資材価格および人件費の高騰による影響で製造設備の維持、補修費用も大幅に増加している。

 こうした厳しい経済環境下において、同社は、あらゆるコストダウン、合理化に取り組んでいるものの、これらのコスト上昇分を自助努力で吸収することは極めて困難なことから、値上げせざるを得ないと判断した。

サン・トックス ポリオレフィンフィルムを値上げへ

,

2023年3月28日

 サン・トックス(レンゴー66%、トクヤマ34%)はこのほど、OPPフィルムおよびCPPフィルムの全製品について、4月21日出荷分から値上げすると発表した。改定幅は「500㎡あたり300円以上(厚み20㎛相当品)」。昨年9月に打ち出した値上げ幅を修正しての改定となる。

 エネルギーコストの大幅な上昇や副資材価格、物流費の上昇に加え、原料価格も値上がりしている。同社は、こうしたコストの上昇が自助努力で吸収できるレベルをはるかに超えていることから、顧客へ安定して製品を供給するため、価格改定の実施を決定した。

積水化成品工業 発泡PSシートを値上げ、コストが上昇

,

2023年3月28日

 積水化成品工業はこのほど、発泡ポリスチレンシート(PSP)について、4月1日出荷分から値上げすることを決定し、需要家との交渉を開始したと発表した。改定幅は、一般原反・ラミネート原反ともに「10円/kg以上」。

 PSの主原料となるナフサ・ベンゼン価格は円安局面の継続で高止まりの様相を見せている。また、エネルギーコストやその他副原材料なども値上がりしている。同社は、これらのコスト上昇を、自助努力だけで吸収することは限界があるため、安定供給と事業継続の観点から今回の値上げを決定した。なお、同社は昨年11月に「5円/kg以上」の値上げを実施しており、その分を合わせると「15円/kg以上」の値上げとなる。

旭化成 塩酸を値上げ、4月1日から「8円/kg以上」

,

2023年3月27日

 旭化成は24日、塩酸について4月1日出荷分から「8円/kg以上」値上げすると発表した。

 塩酸事業では製造設備の維持・補修費などが年々上昇していることに加え、原燃料および物流コストが高騰していることもあり、事業採算が著しく悪化している。こうした中、同社は、生産および物流コストの削減・効率化に継続的に取り組んできたものの、今後、国内で安定供給ならびに事業継続を行うためには、価格改定が不可避であると判断した。

レゾナック 排ガス処理装置の除害筒の再生費を値上げ

, ,

2023年3月23日

 レゾナックは22日、半導体ドライエッチングガスの排ガス除害装置製品に使用される除害筒の再生費について、5月1日納入分から値上げする、と発表した。対象製品と改定幅は、「クリーンエスZ型再生費(酸性ガス除害装置)」が「現行価格の15%以上」「クリーンエスPF型再生費(地球温暖化ガス〈PFCガス〉除害装置)」が「同25%以上」。

 排ガス処理装置「クリーンエス」は、半導体のドライエッチング工程などで排出される特殊ガスの毒性の無害化や、地球温暖化係数の高いガスを分解する装置。半導体の製造工程において、地球温暖化へのネガティブインパクトの低減に貢献している。乾式充填剤を用いた排ガス処理装置は、分解性能を維持するため、一定量のガスを処理する度に除害筒を交換する必要がある。

 除害筒の再生を取り巻く事業環境は、昨今の原料価格高騰や、輸送費、その他のコスト上昇等、大変厳しい状況が続く。同社はこれまで、様々な施策を行い再生費の低減に努めてきたが、自助努力により吸収することが困難なことから、今後も製品の安定供給を維持するために、価格改定せざるを得ないと判断した。

日本ポリエチレン PE全製品値上げ、採算是正を図る

,

2023年3月23日

 日本ポリエチレンは22日、ポリエチレン(PE)全製品について、4月1日納入分から値上げすると発表した。改定幅は、「ノバテックLD」「カーネル」が「20円/kg」、その他製品が「10円/kg」。

 昨今のエネルギー価格高騰によるユーティリティコストの上昇は、当初の想定をはるかに超える水準で推移し、また、物流費、副資材、外注加工費などの諸費用も大きく増加している。こうした中、同社は、徹底したコスト削減に努めているが、これらコストの上昇を自助努力のみで吸収することは困難であることから、今後の安定供給のため、採算是正として価格改定せざるを得ないと判断した。