三井化学は17日、ハイドロキノン(HQ)を12月1日出荷分から「390円/kg」値上げすると発表した。約3年半ぶりの実施。
現在HQは、アクリル酸やMMAモノマー、アクリロニトリルの重合禁止剤やゴムの添加剤などの需要が着実に伸長する一方、供給面ではカテコール需要の低迷に加えて、中国の電力制限や環境規制強化に伴い稼働制限が拡大し、アジア市況は上昇している。
こうした中、需給タイト感は当面継続する見込みであり、同社は国内市場への安定供給を継続するため、今回の値上げに踏み切った。
2021年11月18日
2021年11月18日
2021年11月18日
三井化学は17日、ビスフェノールA(BPA)を12月1日出荷分から値上げすると発表した。改定幅は「19円/kg以上」、フレコンバッグ品はさらに「1円/kg」のプラスとなる。4月に続く今年2度目の価格改定。
BPAの取引価格は、主原料のベンゼンをはじめ、ナフサ、用役(C重油)などを勘案して協議の上、決定している。足元では原燃料価格の上昇により、ベンゼンは120円/kg、ナフサは6万5000円/kl、C重油は7万5000円/klを超えるレベルで推移。また、包装材料のフレコンバッグ費用も原材料費、物流費などの上昇に伴い大幅に上昇している。
同社はあらゆるコストダウンに取り組んでいるが、こうしたコスト上昇は自助努力により吸収できる水準を超えていることから、安定供給を持続するためには、価格改定を実施せざるを得ないと判断した。
2021年11月18日
トクヤマは17日、固体カセイソーダの国内価格について、2022年1月1日出荷分からの値上げを決定し、商社および需要家などと交渉に入ったと発表した。改定幅は「25円/kg以上」。
原料である液体カセイソーダは、東南アジアを中心とした旺盛な需要を背景に需給バランスがタイト化し、固体カセイソーダの需給バランスにも大きく影響している。また、製造設備の維持・更新コストに加え、昨今の原燃料価格の高騰により電解製造コストや物流コストも上昇し、事業採算は大幅に悪化している。
同社は、今後も安定供給を長期的に継続していくにあたり、自社の合理化努力のみで吸収することは困難であると判断し、価格修正の実施を決定した。
2021年11月17日
出光興産は16日、ホットメルト接着剤の粘着付与材やポリオレフィン用樹脂改質剤などに使用される水添石油樹脂「アイマーブ」の全グレードについて、12月1日出荷分から値上げすると発表した。改定幅は「40円/kg以上」。
主要産油国による協調減産継続とコロナ禍からの世界経済の回復基調を背景とした原油価格の上昇や、需要が増える冬場を控えた需給ひっ迫懸念に伴うエネルギー価格全般の上昇に伴い、当該製品の原料コストや用役費、また設備維持を目的とした修繕費や物流費といった各種コストが増加している。
同社は、厳しい経済環境下、コスト低減に継続して取り組んでいるものの、このようなコストの高騰は自助努力により吸収できる水準を超えるものとなっているため、値上げせざるを得ないと判断した。なお、想定した原料など各種コスト状況が大きく変動する場合は、価格改定幅を修正することもあるとしている。
2021年11月17日
JNCは16日、シリコーン「サイラプレーン」全製品について、12月1日出荷分から値上げすると発表した。改定幅は「現行価格から20~40%以上」。
昨年来、シリコーン製品の主原料である金属ケイ素の価格は上昇が続き、特に、この半年間の上昇は、過去に類を見ない高騰となっている。加えて、シリコーン製品の製造に必要なエネルギーや、輸送、副資材などのコスト上昇にも歯止めが掛からず、事業収益の急激な悪化を招いている。
こうした中、同社はこれまで、あらゆる面からのコスト削減に努め、コスト上昇を自助努力で吸収してきたが、その努力はすでに限界に達していることから、需要家への安定供給責任を果たすことを最優先と考え、価格改定の実施を決定した。
2021年11月17日
日本ポリプロは16日、ポリプロピレン全製品について12月1日納入分から値上げすると発表した。改定幅は「15円/kg以上」。同社は、10月21日納入分から価格改定を行っており、短期間での再値上げとなっている。
新型コロナウイルス感染拡大による世界経済の停滞から回復しつつある中、原油の需要は拡大観測が高まる一方、OPECプラスの追加増産見送りや米国のハリケーン被害の長期化もあり原油価格は高騰を継続している。国産ナフサ価格も原油価格の上昇に加え、タイトな需給を背景に6万5000円/klを伺う水準まで上昇することが見込まれ、また諸費用や副資材コストも増加している。
こうした厳しい経済環境の下、同社は、徹底したコスト削減に努めているものの、今回の原料コストの上昇を自助努力のみで吸収することは困難であることから、値上げせざるを得ないと判断した。なお、前提とした国産ナフサ価格が想定を超えて上昇する場合には、改定幅を変更する可能性もあるとしている。
2021年11月16日
DICは15日、可塑剤について11月25日納入分から値上げすると発表した。対象製品と値上げ幅は、ポリエステル系可塑剤が「61円/kg以上」、アジピン酸系可塑剤(DOA、DINA)が「54円/kg」、トリメリット酸系可塑剤が「69円/kg以上」、特殊可塑剤が「64円/kg以上」となっている。
可塑剤の主原料である各種酸・グリコール・アルコール類は、原油・ナフサ価格の上昇および国際市況高騰による内外価格差是正を背景とした価格改定が発表されている。またそれに伴い、ユーティリティ・物流費用も上昇し続けている。
同社では、引き続き自助努力による吸収を続けているが、昨今のコスト上昇を吸収することは極めて困難な状況にあることから、今後の事業継続を図るために値上げが避けられないと判断した。
2021年11月16日
2021年11月15日
東洋紡は、自動車エアバッグ用の原糸と基布を12月1日出荷分から値上げする、と発表した。改定幅は、「現行価格から15~20%」の値上げ。中国市場向けは「現行価格から15~30%」の上げ幅となる。
対象製品の主原料のナイロン66は、産業用繊維や自動車部品用途で需要が伸長する一方、ナイロン66樹脂や原料は2月の北米寒波影響などによる供給不足から、原料価格が高騰。また、エアバッグ用基布のコート剤として使用するシリコーン樹脂は、原料の金属シリコンの生産が主要生産地の中国で電力不足により大幅に落ち込んでいることなどを背景に、シリコーン樹脂の需給はひっ迫し価格も大幅に上昇している。加えて、原油・天然ガス価格急騰による製造コスト、米中を中心とする景気回復に伴う人件費、コンテナ輸送などの物流費も上昇を続ける。
こうしたコスト上昇は、自助努力の範囲を大きく超えていることから、同社は今後も安定した生産、販売、開発体制を維持するために値上げを決めた。