クラレ PVB樹脂を値上げ、原燃料費など上昇で

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2021年11月10日

 クラレは9日、ポリビニルブチラール(PVB)樹脂「モビタール」を12月1日出荷分からグローバルで値上げすると発表した。改定幅は、国内向けが「60円/kg以上」、アジアパシフィック、北中南米、中東・アフリカ向けが「600米ドル/t以上」、欧州向けが「500ユーロ/t以上」。

 同製品については、5月と7月に値上げを実施したものの、その後も主要原材料や燃料、物流費用などを含めたコストの上昇は継続しており、同社の自助努力によるコスト吸収の範囲を超えてきている。このような状況下、安定供給を維持するために、価格改定の実施を決めた。

三井化学 EPT全銘柄を来月から値上げ、安定供給図る

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2021年11月10日

 三井化学は9日、自動車部品や電線ケーブル、その他の工業部品などに使われるEPT(エチレン・プロピレン・ターポリマー)「三井EPT」全銘柄を12月1日納入分から値上げすると発表した。改定幅は、「40円/kg以上」。

 EPTの需給状況は、コロナ禍からの自動車生産回復による旺盛な需要により、グローバルで需給バランスが大きくひっ迫している。同社は、顧客の旺盛な需要に応えるためプラント高稼働を継続しているが、設備維持・補修のコスト上昇に加え、原材料・副資材・物流費なども高騰。EPT事業の採算を大きく圧迫していることから、中長期にわたる健全な事業運営が危ぶまれる状況となっている。こうした環境下、今後も同事業を継続し、安定供給を確保するために、価格改定に踏み切った。

東ソー ペースト塩ビ樹脂値上げ、原燃料高で今年3度目

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2021年11月9日

 東ソーは8日、ペースト塩ビ樹脂を12月1日納入分から「43円/kg以上」値上げすると発表した。同製品は、3月、6月に続く今年3度目の値上げ。

 経済活動の再開に伴う需要回復が進み、原油・ナフサをはじめあらゆる資源価格の急激な上昇が続いている。また、原燃料価格の騰勢に加え、プラントの維持・メンテナンス費用、物流費の高騰が収益を大きく圧迫している。

 同社は今年2度の価格改定を実施し自助努力も続けてきたが、こうしたコストの増大は従来の改定水準を遥かに上回るものとなっており、事業採算の確保が不可能な状況にある。このような環境下、同社は、今後も徹底したコスト削減に注力していくものの、安定供給継続のためには価格改定を実施せざるを得ないと判断した。

プライムポリマー PEとPP値上げ、ナフサ高騰に対応

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2021年11月9日

 プライムポリマーは8日、ポリエチレン(HDPE、L‐LDPE)、ポリプロピレン(PP)について、11月22日納入分から値上げすると発表した。改定幅は、PEとPPの全製品が「15円/kg以上」、「エボリュー」が「21円/kg以上」となっている。ただ、ゴムなどの副資材コストも上昇しており、一部製品については追加の値上げを実施する。

 コロナワクチン普及に伴う景気回復により原油需要が増加する一方、OPECプラスの緩やかな増産ペース、北米原油設備のハリケーン被害の長期化により、原油価格は高騰を続けている。国産ナフサ価格は、原油価格の上昇に加え、アジア域内の堅調な需要を受け6万7000円/klを超える水準で推移すると見込まれる。

 同社は、厳しい経済環境下、あらゆるコストダウンに懸命に取り組んでいるが、こうした原料と副資材コストの高騰は自助努力により吸収できる水準を超えるものとなるため、価格改定を実施せざるを得ないと判断した。なお、想定したナフサ基準価格が大きく変動する場合は、改定幅の修正もあるとしている。

東亞合成 アクリル製品を値上げ、原料高などに対応

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2021年11月8日

 東亞合成は5日、アクリル製品を15日出荷分から値上げすることを決め、需要家との交渉に入ると発表した。対象製品は、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2エチルヘキシル、アクリル酸イソブチルの5製品。改定幅はいずれも「40円/kg以上」。

 対象製品については、原料アルコール価格や用役・物流費用の上昇に加え、保全・修繕費も増加するなど厳しい事業環境が継続している。同社では、生産効率化や物流合理化によるコスト削減に努めているが、自社での吸収は困難だと判断。適正品質の製品を安定供給していくために、今回の値上げに踏み切った。

カネカ 塩ビ樹脂を再値上げ、原燃料価格の高騰に対応

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2021年11月5日

 カネカはこのほど、塩化ビニル樹脂の全品種について11月20日出荷分から値上げすると発表した。対象製品は、汎用塩化ビニル樹脂のほか、塩化ビニルペースト樹脂を含む特殊塩化ビニル樹脂全ての品種で、改定幅は「40円/kg以上」。

 同社は、今年に入り3月と6月に価格改定を実施したが、その後もナフサをはじめとした各種原燃料が高騰を継続。これに伴い、原材料・ユーティリティ・物流・設備の保守保全などにかかる全てのコストが急増している。同社は、国内への安定供給を果たすため、価格改定が必要と判断した。

三菱ケミカル 酢酸ビニルモノマーを値上げ、原料価格が上昇

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2021年11月5日

 三菱ケミカルは4日、酢酸ビニルモノマーについて、11月8日出荷分から値上げすると発表した。改定幅は「30円/kg」。

 当該製品の原料であるエチレンおよび酢酸などの価格は想定以上に上昇を続けている。同社は、これらのコスト上昇分を、自助努力のみで吸収することは困難であることから、今後の安定良い卯休を維持するため、値上げせざるを得ないと判断した。

トクヤマ 化学品3製品を値上げ、採算是正を図る

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2021年11月4日

 トクヤマは2日、液体塩化カルシウム、重曹(重炭酸ナトリウム)、イソプロピルアルコール(IPA)の3製品について、12月1日出荷分から値上げすると発表した。改定幅は、液体塩化カルシウムが「10円/kg以上(固形換算)」、重曹が「22円/kg以上」、IPAはローリーが「18円/kg以上」、容器が「30円/kg以上」となっている。

 昨今の原燃料価格の高騰による製造コストの上昇、物流費や物流インフラを中心とした設備の維持・更新コストも上昇しており、事業採算が大幅に悪化している。同社は、今後も安定供給を長期的に継続していくにあたり、これらのコスト上昇を自社の合理化努力のみで吸収することは困難と判断し、3製品について価格の修正を決定した。

東ソー ポリエチレン全製品を再値上げ、ナフサ高に対応

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2021年11月4日

 東ソーは2日、ポリエチレン(PE)樹脂全製品について、11月22日納入分から「14円/kg以上」値上げすると発表した。なお、同社は11月1日からの値上げを実施しており、3週間後の再値上げとなっている。

 対象製品は、低密度PE「ペトロセン」、直鎖状低密度PE「ニポロン-L」「ニポロン-Z」、超低密度PE「LUMITAC」、高密度PE「ニポロンハード」「ニポテック」、エチレン酢酸ビニル共重合体「ウルトラセン」、ポリオレフィン系接着性樹脂「メルセン」、高溶融張力PE「TOSOH-HMS」。

 PE樹脂の主原料である国産ナフサ価格は、原油価格の上昇に加え、アジア域内の堅調な需要を受けて騰勢を強めており、6万7000円/klに迫る水準まで上昇している。同社は、徹底したコスト削減に努めているものの、こうした急激なコスト事情の悪化は自助努力のみで吸収することが極めて困難であることから、今後の安定供給を図るためにも値上げせざるを得ないと判断した。

三井化学 アセトンなど4製品を値上げ、原料・包材費高で

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2021年11月4日

 三井化学は2日、アセトン(AC)、イソプロピルアルコール(IPA)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、MIBK類を、今月11日出荷分から値上げすると発表した。値上げ幅はナフサ上昇分に対し、ACが「16円/kg」、IPAが「13円/kg」、MIBKとMIBK類が「21円/kg」。ドラム缶入りはそれぞれさらに「10円/kg」プラス。

 対象製品は8月にも値上げを実施しているが、その後も主原料のナフサ価格は高騰を続け、今年7-9月期は5万3700円/kl近辺にまで上昇、足元では6万5000円/klを超える状況にあり、10-12月期には6万2000円/kl程度と大幅な上昇が見込まれている。加えて、鋼材の上昇とドラム缶の需給ひっ迫のため、世界的にドラム缶の価格が大幅に上昇しており、同社が調達するドラム缶についても大幅な値上げを受けている。

 こうした中、コスト低減に取り組んでいるが、ナフサ価格とドラム容器の高騰は自助努力の範囲を超えていることから、安定供給体制の維持を図るためには、価格改定せざるを得ないと判断した。なお、想定したナフサ水準が変動する場合は、改定幅の修正もあるとしている。