トクヤマ PVC値上げ、採算是正で安定稼働を維持

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2024年6月19日

 トクヤマは18日、PVC(汎用塩ビ、ペースト塩ビ)について、7月1日出荷分から値上げすることを決め、商社および需要家などとの交渉に入ったと発表した。改定幅は「18円/kg以上」。

 社会情勢の変化に伴い、物流費を筆頭とした諸費用や製造設備の維持更新費用に加え、中期経営計画に掲げる「地球温暖化防止への貢献」に対応する各種施策によりコストも上昇している。

 同社は、安定稼働の維持を使命としており、収益改善が急務となっている。コスト削減に鋭意努力しているものの、自助努力のみで吸収することは困難と判断し、価格改定の実施を決定した。

東レ 合繊糸・綿・不織布を値上げ、原料などコスト上昇

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2024年6月18日

 東レは17日、衣料用・産業用の各分野へ販売するナイロンやポリエステルなどの合繊糸・綿(わた)・不織布を7月出荷分から値上げすると発表した。対象製品は、ナイロン6、66長繊維(衣料用・産業用)、ナイロン6、ナイロン66短繊維、ナイロンBCF糸、ポリエステル長繊維(衣料用・産業用)、ポリエステル短繊維、ポリエステル長繊維不織布「アクスター」、ポリプロピレン長繊維不織布、アクリル短繊維。改定幅は「20~80円/kg」(海外からの輸入糸含む)。

 合繊糸と綿については、物流費の上昇を理由に、3月末に4月からの値上げを発表したが、その後も国内運輸費上昇に加えて、国際情勢変化によるスエズ・パナマ運河の混雑継続、紛争地回避輸送などにより、原料や原糸輸入のための運賃・フレート費用の上昇は継続している。また、東レおよび協力工場での国内生産工場の人手不足・要員維持のための労務費、業務委託費が上昇しているほか、円安影響により、原料や輸入原糸のコストはさらに上昇している。

 こうした事業環境下、同社はあらゆる角度から徹底的なコスト削減や効率化などを続けてきたが、コストの上昇は自助努力のみで吸収できる範囲を超えていることから、安定した品質での製品供給や、さらなる高付加価値品の開発・提案を行う体制を維持・推進するため、価格改定の実施を決めた。

信越化学工業 シリコーン製品値上げ、コスト上昇に対応

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2024年6月17日

 信越化学工業は13日、主要製品の1つであるシリコーンについて、7月1日出荷分から国内外で値上げすると発表した。対象製品は、同社シリコーン事業本部取り扱いの全てのシリコーン製品で、改定幅は「10%以上」。

 昨今、当該製品を取り巻く環境は、原材料や製造用エネルギーの高騰に加え、人件費や資材価格などの上昇により工場の建設費や設備補修費も上昇している。さらに、物流費や製品容器などの副資材も年々上昇しており、今後もさらなるコスト増加と高止まりが見込まれる。

 同社は、製造コストの削減に取り組んでいるものの、自助努力だけでコスト上昇分を吸収することは困難であると判断し、価格改定の実施を決定した。

旭化成 フィルム製品を値上げ、各種コストが上昇

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2024年6月14日

  旭化成はこのほど、シュリンクフィルム「サンテックSフィルム」およびガスパック包装用フィルム「サンノーバ」の全品種について、7月1日出荷分より値上げすると発表した。改定幅は「現行価格から15%」。

 原油・ナフサ価格は高値圏で推移し、原料メーカーのユーティリティコストの転嫁も含めて原料価格の値上がりが続く。また、今年に入り電力費が急騰し、加えて「物流2024年問題」を背景に物流費や労務費が上昇している。

 同社は、生産性向上やコストダウンに取り組んでいるものの、事業維持費用なども増加しており、自助努力で吸収できる範囲を超える状況にあることから、安定供給継続のため価格改定を決定した。

 

DIC PSとスチレン系製品値上げ、各種コストが上昇

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2024年6月12日

 DICは11日、ポリスチレン(PS)製品およびスチレン系製品について、7月1日納入分から値上げすると発表した。対象製品は、「ディックスチレンGPPS」、「ハイブランチ」、「ディックスチレンHIPS」、「エラスチレン」で、改定幅はいずれも「20円/kg以上」。

 昨今の国産ナフサ・ベンゼン価格の高騰によりPSの原料価格が上昇している。同社は、自助努力による吸収を検討してきたが、これらのコスト増加を吸収することは極めて困難な状況にあることから、今後の安定供給と事業継続を図るためには、価格改定が避けられないと判断した。

DIC 各種顔料製品を値上げ、原材料価格の上昇に対応

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2024年6月11日

 DICは10日、同社グループが取り扱う顔料製品について、7月1日出荷分より値上げすることを決定したと発表した。対象製品は無機顔料(ビスマス系顔料・焼成顔料)、一部のHPP顔料、アルミ系顔料、フタロシアニン顔料およびこれら加工顔料で、改定幅は「5~15%」(一部例外製品あり)。

 近年、世界経済は地政学リスクの高まりや供給制限といった複合的な要因の影響を受けている。今年4月から再び原材料価格が上昇に転じており、すべての産業に影響を及ぼしている。

 同社は、原料と顔料分散体の主要な供給元として、原材料価格の上昇を最小限に抑えるためにあらゆる努力をしているが、原材料費の増加は避けられない状況となっている。財務的な持続可能な運営を継続し、顧客に高品質な製品を提供し続けるためには、価格改定が必要と判断した。

東ソー ポリウレタン原料MDI値上げ、高コスト是正

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2024年6月11日

 東ソーは10日、ポリウレタン原料のジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)類全製品について、今月17日出荷分から値上げすると発表した。改定幅は「45円/kg以上」。

 昨今、物流費、業務委託を含む人件費、原材料費、エネルギーコストなどが上昇している。加えて、設備の維持・保全にかかる調達・工事関連費用も増え続けており、事業収益を大きく圧迫している。こうした環境下、同社は、製品の安定生産・安定販売を維持するためにも、価格改定を実施せざるを得ないと判断した。

東洋スチレン ポリスチレン樹脂値上げ、原料価格が上昇

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2024年6月10日

 東洋スチレンは7日、ポリスチレン樹脂「トーヨースチロール」について、7月1日納入分から値上げすることとし、各需要家との交渉に入ったと発表した。改定幅は、GP、HI、難燃、特殊の各グレードとも「19円/kg以上」。

 今年4月以降、主原料のナフサ・ベンゼン価格が上昇、スチレンモノマー価格も高騰している。同社は、コスト低減に取り組んでいるものの、原燃料価格のコスト増は自助努力の範疇を超えていることから、安定供給と事業継続を図るため、価格改定せざるを得ないと判断した。

 

東ソー PPS樹脂値上げ、固定費・物流コストが上昇

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2024年6月6日

 東ソーは5日、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂「サスティール」全グレードを6月17日出荷分から値上げすると発表した。改定幅は「40円/kg以上」。

 同社はこれまでPPS樹脂の品質向上や安定供給、コスト削減に努めてきたが、種々の物価高騰を背景とした固定費、物流コストの上昇は自助努力で吸収できる範囲を超えている。こうした状況下、今後の安定供給維持のためには採算是正が必要との判断から、価格改定の実施を決定した。

大洋塩ビ 塩化ビニル樹脂を値上げ、「17円/kg以上」

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2024年6月6日

 大洋塩ビは5日、塩化ビニル樹脂を7月1日納入分から「17円/kg以上」値上げすると発表した。

 同社はこれまで日本国内の顧客に安定的な供給を果たすため、生産設備・人員の合理化などあらゆる施策を講じてきた。 しかしながら昨今の生産設備の修繕・維持費および物流費の高騰、原料価格・用役費の高止まりなどのコスト構造の未曽有の変化により、収益は、自助努力だけでは操業継続に支障をきたしかねない危機的な状況にある。

 こうした中、今後も国内での安定供給を継続するため、価格改定の実施を決定した。