昭和電工 塩素化ポリエチレンを値上げ、採算是正を図る

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2021年6月14日

 昭和電工は11日、塩素化ポリエチレン「エラスレン」について、国内販売価格を7月1日出荷分から値上げすると発表した。改定幅は、粉末が「25円/kg以上」、シートが「35円/kg以上」。

 昨今の原燃料高を背景とした主原料、各種ユーティリティの高騰、安定生産のための設備維持や環境対応の投資、物流費などの諸経費が上昇している。同社はこれまで物流や生産の合理化などによるコストダウンに努めてきたが、自助努力の限界を超える状況にあることから、今後も両製品の安定供給を維持するためには、値上げせざるを得ないと判断した。

 「エラスレン」は、ポリエチレン(PE)の分子構造に含まれる水素の一部が塩素に置き換わることでPEの結晶性が崩れ、柔軟な特性をもつポリマー。難燃・耐油・耐候性があり、自動車用ホース・電線被覆材の原料や、樹脂の改質材(難燃性、耐衝撃性付与)として利用されている。

三菱ケミカル 7月1日から酸化エチレンなどを値上げ

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2021年6月14日

 三菱ケミカルは11日、酸化エチレンおよび同誘導品について、7月1日納入分から値上げすることを決定し、需要家との交渉を開始すると発表した。対象製品と改定幅は、酸化エチレンが「10円/kg以上」、誘導品のモノエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレンカーボネートが「20円/kg以上」となっている。

 当該製品に関わる製造設備修繕費などの固定費増加、物流費の上昇に加え、原料であるエチレンのコストも上昇している。同社は、これらのコスト上昇を合理化などの自助努力のみで吸収することは困難なことから、今後の安定供給のために値上げせざるを得ないと判断した。

日本ポリプロ ポリプロピレンを値上げ、15円/kg以上

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2021年6月11日

 日本ポリプロは10日、ポリプロピレン全製品を7月1日納入分から値上げする、と発表した。改定幅は「15円/kg以上」。

 同社は今年に入り、2月1日納入分から「10円/kg以上」、3月15日納入分から「10円/kg円以上」の値上げを実施。しかし、新型コロナウイルスワクチン接種の進展から世界経済はコロナ禍から回復しつつあり、原油の需要は拡大観測が高まる一方、増産ペースは緩やかで、原油価格が大きく上昇している。国産ナフサ価格についても、原油価格の上昇に加えタイトな需給状況を背景に、5万1000円/klを超える水準まで上昇することが見込まれ、また諸費用も増加している。

 こうした厳しい経済環境の下、同社は徹底したコスト削減に努めているが、今回の原料コストの上昇を自助努力のみで吸収することは困難であり、値上げせざるを得ないと判断した。なお、前提とした国産ナフサ価格が想定を超えて上昇する場合には、改定幅を変更する可能性もあるとしている。

 

日本ポリエチレン PE全製品を値上げ、ナフサ高に対応

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2021年6月11日

 日本ポリエチレンは10日、ポリエチレン(PE)全製品を7月1日納入分から値上げすると発表した。改定幅は「15円/kg以上」。

 同社は今年に入り、2月1日納入分から「15円/kg以上」、3月15日納入分から「15円/kg以上」の値上げを実施。しかし、世界経済はコロナ禍から回復しつつあり、原油需要の拡大観測が高まる一方、増産ペースは緩やかで、原油価格が大きく上昇している。国産ナフサ価格についても、原油価格の上昇に加えタイトな需給状況を背景に、5万1000円/klを超える水準まで上昇することが見込まれ、さらにユーティリティや副資材といった諸費用も増加している。

 こうした厳しい経済環境の下、同社は徹底したコスト削減に努めてきたが、コストの上昇を自助努力のみで吸収することは困難であり、値上げせざるを得ないと判断した。

クラレ PVBフィルムなど2製品、来月1日から値上げ

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2021年6月10日

 クラレは9日、ポリビニルブチラール(PVB)フィルム「トロシフォル」とアイオノマーシート「セントリグラス」について、7月1日出荷分からグローバルで値上げすると発表した。改定幅はいずれも「0.30USドル/sqm以上」(厚み0.76mm/30ミル換算)。

 対象製品の主要原材料や物流費用など含めたコストの上昇は、同社の自助努力によるコスト吸収の範囲を超えてきている。こうした中、安定供給を維持するために価格改定を実施する。なお二製品については、5月からの値上げも打ち出していた。

クラレ PVB樹脂を値上げ、安定供給の維持図る

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2021年6月10日

 クラレは9日、ポリビニルブチラール(PVB)樹脂「モビタール」について、7月1日出荷分からグローバルで値上げすると発表した。改定幅は、国内向けが「50円/kg以上」、アジアパシフィック、北中南米、中東・アフリカ向けが「500USドル/t以上」、欧州向けが「400ユーロ/t以上」となっている。

 対象製品の主要原材料や物流費用などを含めたコストの上昇は、同社の自助努力によるコスト吸収の範囲を超えていることから、安定供給を維持するために今回、価格改定の実施を決めた。

 

東洋スチレン ポリスチレンを値上げ、コスト高に対応

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2021年6月7日

 東洋スチレンは3日、ポリスチレン(PS)樹脂とPS難燃樹脂「トーヨースチロール」について、7月1日納入分から値上げすることを決定し各需要家との交渉に入ったと発表した。対象製品および改定幅は、GPグレード、HIグレード、特殊グレードが「27円/kg以上」、難燃グレードが「42円/kg以上」となっている。

 昨今の諸原料の高騰により、主原料であるスチレンモノマー価格が上昇。加えて難燃グレードに使用する難燃剤も高騰を続けている。同社は、継続したコスト低減活動に取り組んでいるが、これらの価格上昇は自助努力を超えるものであり、安定供給と事業継続を図るためには、適正な価格体系の維持確立が不可欠と判断した。

出光ライオン オレフィン系合成樹脂複合材料を値上げ

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2021年6月7日

 出光ライオンコンポジットは4日、オレフィン系合成樹脂複合材料「カルプペレット」について、6月21日納入分から値上げする、と発表した。改定幅は「15円/kg以上」。

 原油価格の上昇やコロナワクチンの普及による経済活動の回復期待、円安の進行、安定したナフサ需要などを背景に、国産ナフサ価格は高止まりとなっている。同社の主原料であるポリプロピレンなどの合成樹脂価格やエネルギーコスト上昇に起因する加工費や物流費も上昇しており、今後もこうした状況が継続する見通しにある。同社は、今後も最大限の合理化努力を継続していくが、自助努力だけではこれらのコストアップの吸収は困難と判断し、今回の値上げを決定した。

新第一塩ビ 塩化ビニル樹脂を値上げ、採算是正を図る

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2021年6月7日

 新第一塩ビは4日、汎用・ペースト用などすべての塩化ビニル樹脂について、6月25日以降の出荷分から値上げすると発表した。改定幅は、汎用品・ペーストとも「12円/kg以上」。

 塩化ビニル樹脂の国内需要は、新型コロナの影響も徐々に払拭されてきたことで回復基調にあり、また、アジア・米国をはじめとした海外需要も堅調で海外市況も高値で推移している。

 同社は、今年4月に値上げを実施したが、その後もエネルギー需要の増加を背景に原油・原料ナフサ価格が上昇していることに加え、石炭価格の上昇に伴うユーティリティコストの増加や物流コストの増加も続いており、事業収支は厳しい状況にある。同社は、引き続き全社をあげて合理化への努力に取り組んでいくものの、製品の安定供給体制を維持するためには、採算是正を目的とした値上げが必要であると判断した。

DIC PPS樹脂を値上げ、原料などコスト高に対応

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2021年6月7日

 DICは4日、PPS樹脂製品「DIC.PPS」について、6月10日出荷分から値上げすると発表した。対象製品と改定幅は、PPSコンパウンド(強化タイプ)が「50円/kg」、PPSコンパウンド(非強化タイプ)が「80円/kg」、PPSニートポリマーが「80円/kg」となっている。

 昨今の物流諸経費および原料・副資材価格の高騰により、製品コストが大幅に上昇している。同社は、かねてより様々な合理化施策に取り組んできたが、自社内で吸収できる限界を超える状況にあることから、今後の安定供給と品質の維持・向上を図るために、値上げが避けられないと判断した。