出光興産 PC樹脂を値上げ、昨年12月に続き2回目

,

2021年3月19日

 出光興産は18日、電子電機部品、家電部品、自動車部品、建材などに使用されるポリカーボネート(PC)樹脂について、今月22日出荷から値上げすると発表した。対象製品は「タフロン」「タフロン ネオ」で、改定幅は「80円/kg以上」となっている。

 PC樹脂のアジア市況は、昨今の中国を中心としたアジア圏の需要回復に伴い、昨年半ばから上昇が継続。また、主原料であるビスフェノールAも需給のひっ迫に伴い価格が急騰しており、大幅なコスト上昇が見込まれる。

 同社は昨年12月に「100円/kg以上」の値上げを実施したが、その後も主原料、副資材、物流コストの上昇が続いている。同社は、一層のコスト低減努力に取り組んでいるものの、こうしたコストの高騰は自助努力により吸収できる水準を超えていることから、今回の値上げを決定した。なお、想定した市況環境が今後大きく変動する場合は、改定幅を修正するとしている。

出光興産 メチルエチルケトンを値上げ、コスト高に対応

,

2021年3月18日

 出光興産は17日、主にインキ溶剤や接着剤、樹脂加工溶剤に使用されるメチルエチルケトン(MEK)について、4月1日出荷分から値上げすると発表した。改定幅は「40円/kg以上」。

 MEKの主原料である国産ナフサ価格は、主要産油国による協調減産継続と新型コロナワクチンの普及に伴う景気回復への期待を背景とした原油価格の上昇に伴い、2Q(4-6月期)は4万7000円/klを超える水準が想定され、MEKの生産において大幅なコスト上昇が見込まれる。また、これに加え、安定生産継続のための修繕費の上昇などにより生産コストも上昇している。こうした中、同社は、一層のコスト低減努力を継続していくものの、値上げせざるを得ないと判断した。

 なお、想定したナフサ価格が大きく変動する場合は、価格改定幅の修正を行うとしている。

東ソー ポリウレタン原料MDIを50円/kg値上げ

,

2021年3月18日

 東ソーは17日、ポリウレタン原料のジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)類全製品について、4月1日出荷分から「50円/kg」値上げすると発表した。

 同社は国内顧客への安定供給に努めてきたが、ここ数年にわたり、日本のMDI市場価格は輸入品を含めた競合各社との競争により下落傾向にある。一方、コスト面では原油価格の上昇に伴いMDI原料価格は上昇しており、さらに安定生産・安定販売のための設備修繕費や物流費も上昇している。こうした状況下、国内顧客への安定供給を維持するために今回の価格改定を決定した。

ランクセス 酸化鉄、酸化クロム顔料の製品価格を改定

, ,

2021年3月17日

 独ランクセスはこのほど、2月8日付で酸化鉄顔料と酸化クロム顔料の価格を世界的に改定し、以降の出荷分より即時に適用する、と発表した。酸化鉄顔料は1tあたり110ユーロ、酸化クロム顔料は1tあたり220ユーロ(または相当する現地通貨)の値上げとなる。なお、製品と地域によって状況が異なるため、具体的な内容は個別に連絡するとしている。

 同社は世界最大の合成酸化鉄顔料メーカーで、有数の酸化クロム顔料メーカーだ。数十年の実績を持ち、持続可能な厳しいガイドラインに基づいて製造している。高い着色力を持ち、建材、塗料・塗装、プラスチック、紙などの着色剤として提供されている。

三井化学 アセトン、IPAなど3製品を月末から値上げ

, , ,

2021年3月17日

 三井化学は16日、アセトン(AC)、メチルイソブチルケトン (MIBK)、イソプロピルアルコール(IPA)の3製品について、3月25日出荷分から値上げすると発表した。改定幅は、ACが「29円/kg以上(ナフサ要因以外のその他のコスト増分五円以上を含む)」、MIBKが「36円/kg以上(同)」、IPAが「19円/kg以上(同)」。

 3製品の主原料であるナフサの国産基準価格は、2020年度下期(10-3月期)の3万5000円/kl程度から、今年2Q(4-6月期)には4万7000円/klを超える大幅な上昇が見込まれる。加えて、同製品の製造にかかる用役費・副原料費、および昨今のドライバー不足や働き方改革への対応による、物流費や修繕費の大幅増もコストを押し上げている。

 こうしたナフサ価格の高騰をはじめとしたコスト増は、自助努力の範囲を超えるものであり、同社は一層のコスト低減を行った上で、安定供給体制の維持を図るためにも価格改定せざるを得ないと判断した。なお、想定したナフサ水準が変動する場合は、改定幅の修正もあるとしている。

日鉄ケミカル&マテリアル エポキシ樹脂を値上げ、原料高騰に対応

,

2021年3月16日

 日鉄ケミカル&マテリアルは15日、各種エポキシ樹脂製品について、4月1日出荷分から値上げすると発表した。対象品および値上げ幅は、BPA・BPF系液状/固形エポキシ樹脂が「60円/kg」、BPA・BPF系液状/固形エポキシ樹脂蒸留品が「90円/kg」、フェノキシ樹脂が「60円/kg」、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂が「60円/kg」。

 主原料である、ビスフェノールA(BPA)、ビスフェノール、フェノール類、エピクロルヒドリン(ECH)はナフサ価格の上昇による影響を受け、高騰を続けている。加えて、BPAや液状エポキシ樹脂は世界的な需給ひっ迫に伴い、歴史的に暴騰した価格が継続しており、従来からの原料基準以上の値上げが避けられない状況にある。こうした中、同社は、安定供給と事業継続のために値上げせざるを得ないと判断した。

三菱ケミカル PVA製品群を値上げ、コスト上昇に対応

,

2021年3月16日

  三菱ケミカルは15日、ポリビニルアルコール(PVA)製品群を今月22日出荷分から値上げすると発表した。対象製品は「ゴーセノール」(PVA)、「ゴーセネックス」(PVA特殊銘柄)、「ニチゴーGポリマー」(アモルファスビニルアルコール系樹脂)、「セーフリンク」(ゴーセネックスZ用架橋剤)で、改定幅は国内取引価格が「30円/Kg」、輸出取引価格が「300ドル/t」「250ユーロ/t」となっている。

 同社は今年2月、これら製品について輸出取引価格の値上げを実施したが、その後もPVA系樹脂の需給バランスはタイトな状況にあり、また各種コストの上昇により事業収益は悪化が進んでいる。これらのコスト上昇は、自助努力による吸収の範囲を超えるため安定供給に支障が出始めており、今後もこの傾向が続くと見られる。同社は、安定供給を維持するために、採算是正が必要であると判断した。

ジェイ・プラス フタル酸系可塑剤を値上げ、来月から実施

,

2021年3月15日

 ジェイ・プラスは12日、フタル酸系可塑剤(DOP、DINP、その他フタレート)について、4月1日以降納入分から「35円/kg以上」値上げすると発表した。原油・ナフサ価格が騰勢を強めており、今年2Q(4-6月期)の国産ナフサ基準価格は5万円/klをうかがう水準で推移。また、国内の可塑剤や可塑剤原料の需給ひっ迫により、原料の調達も困難となっており、大幅なコスト上昇が避けられない状況となっている。

 こうした中、今後とも現状の供給を維持していくためには、価格改定を実施せざるを得ないと判断。同社は先月に実施した「11円/kg以上」の値上げに引き続き、追加値上げを打ち出した。なお、2Q国産ナフサがさらに高騰した場合には、価格の改定幅を見直す場合があるとしている。

新日本理化 フタル酸系可塑剤など値上げ、原料高騰で

, ,

2021年3月12日

 新日本理化は11日、フタル酸系可塑剤とエポキシ系可塑剤について、今月22日納入分から値上げすると発表した。改定幅は、フタル酸系可塑剤全般が「37円/kg以上」、エポキシ系可塑剤全般が「28円/kg以上」。

 同社は、原油・ナフサ高に起因する可塑剤原料の高騰を受け、先月15日納入分から「15円/kg」のフタル酸系可塑剤の価格改定を発表した。しかし、その後も原油市況は大幅に上昇を続け、コロナ不況から日本を除く世界市場の急激な回復もあり、原料アルコールはひっ迫。可塑剤の主原料の安定調達が困難を極めており、4月以降、状況次第ではさらなる値上げや販売制限をせざるを得ない可能性も高まってきた。同様にエポキシ系可塑剤についても、原料高の影響を受けている。

 これらのコスト上昇分は自助努力のみで吸収できる範囲を大幅に超えていることから、同社は安定供給の継続のため、追加値上げの実施を決定した。

ランクセス 1,6-ヘキサンジオールを世界的に値上げ

, ,

2021年3月11日

 ランクセスはこのほど、1,6-ヘキサンジオール(HDO)について世界的に値上げすると発表した。改定幅は「800ユーロ/t」で、即時に適用される。

 HDOは、高性能コーティング、繊維、接着剤、ポリウレタン、ポリカーボネートジオールの重要な前駆体であり、エポキシ樹脂の反応性希釈剤としても使われている。