デンカ xEV向け新放熱基板を開発、異種金属接合が可能

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2020年12月3日

 デンカは2日、電動車xEV向けの新たな放熱材料として異種金属接合が可能な窒化ホウ素(BN)樹脂複合基板を開発したと発表した。

BN 樹脂複合基板
BN 樹脂複合基板

 主にxEVなどに搭載されるモーター駆動インバーター制御用パワーモジュール(電力の制御・供給を行う電源回路集積部品)などに対応できる基板で、高機能セラミックスBNの優れた熱伝導性や電気絶縁性などの特長を生かしながら、接着性樹脂を複合させることで、従来の放熱基板では困難だった厚銅を含む異種金属の基板表裏への接合を実現した。様々な材料で構成されるパワーモジュールの小型・軽量化や熱伝導性の向上が期待される。要求特性に応じて、樹脂とBNの比率を変えて熱伝導率を調整できるため、多様な設計が可能になる。4日まで幕張メッセ(千葉市)で開催中の「高機能素材Week」で紹介する。

 同社は5GやxEVを中心に環境・エネルギー分野に注力し新素材の開発を進めており、新機能セラミックスやLCPフィルム、低誘電絶縁材料のほか、高耐熱フィルム、高耐熱仮固定接着剤、高熱伝導性フィラー(球状アルミナ、球状マグネシア、BN、窒化珪素)、誘電特性制御フィラー、アルミナ繊維、光透過性良触感起毛シートなども展示する。

デンカ 50年カーボンニュートラル目指し環境経営強化

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2020年12月1日

 デンカはこのほど、10月に日本政府が2050年のカーボンニュートラルを宣言したことを受け、世界が直面する課題に対し社会的責務を果たすため、2050年のカーボンニュートラル実現を目指すと発表した。

 製品のトータルライフサイクルまで視野に入れ、具体的には、①水力を中心とした再生可能エネルギー比率の拡大②CO2の回収・固定化・有効利用を図る革新技術(CCUS)の開発と実装展開③自社の特色を生かした環境貢献製品や環境負荷低減技術の開発・提供④プラスチックを資源として循環利用するケミカルリサイクル技術の実装展開―の4つの取り組みを加速していく考えだ。

 2016年のパリ協定発効後、世界では今世紀後半までにGHG(温室効果ガス)の排出量を実質ゼロまで削減すための対応が本格化する中、デンカは多くのエネルギーを消費する化学メーカーとして、2050年度までにGHGの実質排出量85%削減(2013年度比)を目指し、水力発電所の増設や、国内主力工場への高効率ガスタービン発電機の導入などを進めて自社の排出量削減に努めるとともに、社会全体の環境負荷低減に貢献する製品・サービスの提供・開発を推進してきた。

 今回、日本政府の方針が、これまでの「低炭素」から「脱炭素・カーボンニュートラル」へ大きく舵を切ったことを契機に、今後はカーボンニュートラルへの取り組みをさらに加速させ、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言に基づき、カーボンニュートラル実現に向けた進捗について積極的に情報開示を進めるなど、環境経営を強化していく。

デンカ 国際プラスチックフェア バーチャルに初出展

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2020年11月19日

 デンカは、国際プラスチックフェア(IPF)協議会主催のオンライン展示会「IPF Japan 2020 Virtual(国際プラスチックフェア バーチャル)」(11月18~20日)に初出展。エラストマー・機能樹脂・化成品の主力製品を紹介する中、基盤技術を応用した2つの新規開発品を展示している。

デンカIP
デンカIP

 1つが、塩ビ向け耐熱付与剤の新機能性樹脂。自動車内装材などで高い評価を得ている耐熱付与剤「デンカIP」で培った基盤技術を応用し開発され、高耐熱性と低VOCの特長を備える。塩ビ樹脂へ優れた熱安定性を付与できることから、塩素化塩ビ代替として住設資材などへ幅広く提案する。

デンカポバール
デンカポバール

 2つ目が、新規高機能塩ビ分散剤「デンカポバール」ULTIOLシリーズ。水溶性の合成樹脂「デンカポバール」は、土木・建材、乳化分散剤、接着剤など幅広い用途に使用されている。新開発したULTIOLシリーズは、塩ビ樹脂製造の様々な重合条件下で高い分散安定性を発揮し、生産性向上をもたらす。

 なお、展示会は会期終了後も来年5月21日まで継続され、閲覧が可能だ。展示会詳細についてはIPF公式ホームページ(https://www.ipfjapan.jp/)を参照のこと。

 

デンカ シンガポールでの事業開始40周年、重要な戦略拠点に

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2020年11月19日

 次世代事業と人財に投資、イノベーションを創出

 デンカは今年、シンガポールでの事業開始から40周年を迎える。

 同社は、マンガン乾電池や高圧ケーブル被覆材向けに使われるアセチレンブラック(AB)の生産強化のため、日本の化学メーカーの先駆けの1社として1980年にシンガポールに進出。その後、ABに加え、半導体封止材向けに世界的シェアをもつ溶融シリカから様々な用途に拡大するスチレン系樹脂、そして塩ビ合成繊維「トヨカロン」まで最先端の技術を誇る事業を次々に展開し、現在4拠点で7製品を生産している。

 さらに、2009年にアジア・パシフィック地域の事業を統括する持株会社、2013年には周辺国でのインフラ投資拡大に対応するために特殊混和材の東南アジア事業統括拠点を設立し、2016年には熱帯感染症対策に貢献するライフサイエンスの研究拠点を設立した。

 これらの事業展開を経てシンガポールの事業拠点は、

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デンカ インフルエンザワクチンの原液製造新棟を竣工

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2020年11月17日

 デンカは16日、五泉事業所(新潟県五泉市)に、インフルエンザワクチンの原液製造用新棟を竣工したと発表した。

インフルエンザワクチン原液製造新棟
インフルエンザワクチン原液製造新棟

 同社はインフルエンザワクチンを製造する国内主要メーカーとして、増加する予防接種の社会的ニーズに応えるため、2018年にインフルエンザワクチンの生産能力増強を決定。約160億円(関連設備を含む)を投資し、現在の原液製造設備(新潟工場36号棟)の2倍の能力をもつ新棟を建設した。今後、関係者の協力を得ながら安全最優先の下、各設備の検証や試運転を行い、2022年シーズンから稼働し生産量の増加を図る。

 同社は、経営計画「Denka Value‐Up」の中でヘルスケア領域を重点分野と位置づけている。インフルエンザワクチンならびに新型コロナウイルスを含む各種ウイルス抗原迅速診断キット「クイックナビ」シリーズを製造・販売する国内唯一のメーカーとして、感染症対策を社会的責務と捉え、予防・検査体制の拡充と人々のQOL向上に貢献していく。

デンカの4-9月期 減収減益も、通期では増益に修正

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2020年11月10日

 デンカは9日、2021年3月期第2四半期(4-9月期)の連結業績(日本基準)の連結決算を発表した。オンライン会見の中で山本学社長は、「中期計画の成長戦略を推進し、スペシャルティ事業の成長は着実に進んでいる。コロナ禍にあっても収益性向上に貢献している」と語った。売上高は前年同期比17%減の1603億円、営業利益は21%減の121億円、経常利益は15%減の123億円、純利益は8%減の100億円だった。

 セグメント別では、エラストマー・機能樹脂部門の

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デンカ 窒化珪素を能増、機能性セラミックス材料を強化

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2020年11月6日

 デンカは5日、xEV向け放熱材料の事業強化の一環として、大牟田工場(福岡県)で製造する窒化珪素の能力を現行比から約3割増強すると発表した。稼働時期は2022年度下期を予定しており、機能性セラミックス事業の強化を目指す。

窒化珪素
窒化珪素

 窒化珪素とは熱的・機械的特性に優れた代表的なエンジニアリングセラミックの1つであり、同社は生産能力、市場シェア共にトップクラスを誇っている。xEVの普及に伴い、放熱材料市場の伸長だけでなく、車載部品の高性能化により、高熱伝導性や高信頼性など、その要求水準が飛躍的に高まっている。同社の窒化珪素は、高熱伝導性をはじめ高強度、耐摩耗性、高信頼性といった特長から、車載駆動用インバーター向け放熱基板や風力発電向けベアリングボール、半導体製造装置など構造材用途で高い評価を得ている。今回の能力増強により、安定供給体制をさらに強化するとともに、多様なユーザーニーズに答えていく。

 同社は経営計画に基づく成長戦略の一環として、5G・xEVを中心とした環境・エネルギー分野に注力。1915年の創業以来培ってきた無機材料の高温焼成・窒化反応・粒径制御などの基盤技術をもとに、球状溶融シリカ、窒化ホウ素、球状アルミナ、蛍光体など多岐にわたる機能性セラミックスを提供するトップメーカーとして、先月市場に投入した球状マグネシアのほか、新たな素材の開発にも積極的に取り組んでいる。また、今後需要の増加が見込まれるLIB向け超高純度アセチレンブラックの安定供給に努めるとともに、5G用途のLCPフィルムや低誘電絶縁材料(LDM)など、機能性セラミックス以外の新素材開発も進め、環境・エネルギー分野の2022年度の営業利益200億円達成を目指す。

 同社はSDGsを羅針盤に、通信速度の高速化や電気自動車の性能向上に向け5G・xEV用途を広げ、スペシャリティー事業の成長を加速させていく方針だ。

環境・エネルギー分野の主力製品図
環境・エネルギー分野の主力製品図

 

デンカ 診断キットの変更承認、ウイルスを同時に診断

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2020年11月2日

 デンカは30日、インフルエンザウイルス抗原診断キット「クイックナビ‐Flu2」の製造販売承認事項一部変更承認を厚生労働省より同日付で受けたと発表した。

 今回の承認により、日本感染症学会からの提言で推奨されている新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスの同時検査を行う際に、鼻腔ぬぐい液も共用できることが明確化され、一般の医療機関での検査体制拡充が期待される。

 また、鼻腔ぬぐい液については、「クイックナビ‐Flu2」についても、「クイックナビ‐COVID19 Ag」と同様に、医療従事者の管理の下、受診者による検体採取が可能となった。これにより、医療従事者の感染リスクがさらに低減され、受診者の負担も軽減される。これら一部変更承認は販売提携先の大塚製薬から販売される製品にも適用される。

 デンカは感染症への対策を社会的責務と捉え、今後も関係官庁や公的機関、国内外の研究機関の協力と支援により、様々な角度から研究開発を進め、医療現場のニーズに応える予防・検査体制の拡充に貢献することで、人々のQOL向上に寄与していく考えだ。

インフルエンザウイルス抗原迅速診断キット 一部変更承認
インフルエンザウイルス抗原迅速診断キット 一部変更承認

 

デンカ 青海工場に高効率ガスタービン発電機を竣工

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2020年10月30日

 デンカは29日、ESG経営に基づくCO2などの温室効果ガス排出削減の取り組みとして、クロロプレンゴムやセメント・特殊混和材などの製造拠点である青海工場(新潟県糸魚川市)に約40億円の環境投資を行い新たに自家発電用の高効率ガスタービン発電機を竣工したと発表した。現行の火力発電に比べ発電効率が約25%向上し、年間8000㎘以上の燃料使用量(原油換算)と1万6000t以上のCO2排出量を削減する。

青海工場の高効率ガスタービン発電機
青海工場の高効率ガスタービン発電機

 同社は化学メーカーの責務として、パリ協定を念頭においた中長期の温室効果ガス排出量削減目標を策定。1万6000t以上のCO2排出削減により中期目標の全削減量の約3%、エネルギー起源の排出削減量の約6%相当の削減効果を見込む。十分な排出削減・省エネ効果を達成できるとして経済産業省より約5億円の補助金交付「エネルギー使用合理化等事業者支援事業」の採択を受けている。

 中長期的なクリーンエネルギー利用拡大の一環として、現在、千葉工場(千葉県市原市)への高効率ガスタービン発電機導入による年間約1万2000t以上のCO2削減を目指しており、新潟県姫川と青海川で建設中の2カ所の水力発電所稼働による年間約3万5000tのCO2削減と合わせ、全体で年間6万3000t以上のCO2を削減する。

 今後もSDGsを羅針盤に環境保全・保護の取り組みを進め、地球環境に配慮した企業活動を通じて持続可能な社会の実現に貢献する考えだ。

デンカ 人事(11月1日)

2020年10月19日

[デンカ・人事](11月1日)【五泉事業所】▽研究開発本部ワクチン開発部長、同事業所副事業所長兼試薬開発部長権平文夫【電子・先端プロダクツ部門】▽先端機能材料部課長金燦錫(12月1日)【DEMD】▽電化電子材料(大連)有限公司総経理杉野純治【大牟田工場/デンカイーマテリアル】▽大牟田工場第三製造部回路課長兼デンカイーマテリアル岩元豪(1月1日)【DAS】▽電化精細材料(蘇州)有限公司副総経理城石靖暢。