三井化学 メルトブローン不織布強化、増設で1.5倍に

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2020年3月25日

 三井化学は24日、100%子会社のサンレックス工業(三重県四日市市)で行っていた、メルトブローン不織布「シンテックスMB」製造設備の増設が完了し、今年1月に営業運転を開始したと発表した。

不織布製造設備を増設したサンレックス工業の外観
不織布製造設備を増設したサンレックス工業の外観

 三井化学は、産業材向け不織布需要の拡大に対応するためにラインの増設を決め、2018年8月に着工、昨年6月に完工した。1ラインの増設により、同製品の生産能力は1.5倍に拡大した。

 同社は、不織布事業を成長分野と位置づけ、自動車用シート「タフネル」、マスク・農業用シート「シンテックス」などの産業材向けに高品質な不織布を供給している。特に、メルトブローン不織布でピーク繊維径が数百ナノメートルの極細繊維銘柄「nano」では、フィルター用途を中心に製品展開を行う。

メルトブローン不織布
メルトブローン不織布

 今回の増設を機に、不織布事業のさらなる強化・拡大を図っていく考えだ。

三井化学 新型コロナ対策で支援、終息願い中国に寄付

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2020年3月24日

 三井化学はこのほど、中国での新型コロナウイルス対策の支援として、義援金100万元(約1600万円)を中国赤十字基金会に寄付すると発表した。

 同社は「このたびの中国湖北省武漢市を中心に発生している新型コロナウイルス感染症でお亡くなりになられた方々に謹んでお悔やみを申し上げますとともに、罹患された皆様に心よりお見舞い申し上げます。罹患されている皆様の早期回復と、感染の終息を心より祈念申し上げます」とコメントしている。

三井化学 「準なでしこ銘柄」に選定、女性取締役などで

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2020年3月16日

 三井化学はこのほど、女性活躍推進に優れた企業として経済産業省および東京証券取引所により、令和元年度「準なでしこ銘柄」に選定された。昨年度の「なでしこ銘柄」に続き、2年連続の銘柄選定となる。

 同社は、持続可能な成長のために多様性が必須であるとの考えから、ダイバーシティをコアバリューの1つに位置付けている。多様な人材による多様な発想は、持続的成長の基盤となるイノベーションの源泉であり、ダイバーシティの推進は重要な経営戦略の1つと捉えている。

 同社は、かねてより製造現場の交代勤務職場への女性社員配属や、総合職の積極的な採用などにより、その力を事業に活かすべく取り組みと同時に、女性社員が活躍できる風土情勢や働きやすい職場環境づくりを進めてきた。

 また、昨年6月より、社外取締役3名のうち2名に女性取締役が選任されているが、監査役を含む社外役員は、多様なバッググランドを持つ人材で構成されている。経営方針を決定する取締役では、社外役員の多様な視点から、極めて活発な議論が交わされている。

 同社は今後も、ダイバーシティの推進を通じて、社員一人ひとりが自らの強みを最大限発揮し、イノベーションを起こしていくような魅力ある会社を目指し取組んでいく方針だ。

 

三井化学 大牟田・専用線廃止へ、「炭鉱電車」PJ開始

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2020年3月12日

 三井化学は、大牟田工場(福岡県大牟田市)で運用する三井化学専用線の新たな活用に向けプロジェクトを開始した。今は原材料の搬入などを行う同専用線は、旧三池炭鉱専用鉄道の一部区間。三池炭鉱の炭鉱電車の時代から現在に至るまで、100年以上の長きにわたり活躍している。

炭鉱電車
炭鉱電車

 同社はこのほど、今年5月をめどに同専用線の廃止を決定。炭鉱電車への感謝の思いを込めて、炭鉱電車の軌跡を未来へとつなぐ「ありがとう 炭鉱電車プロジェクト」を立ち上げた。「風景の資産」の記録として、映画監督の瀬木直貴氏がメモリアル映像を制作する。

 同氏は大牟田市の小さな動物園を舞台にした、映画「いのちスケッチ」(2019年公開)などを監督。今回は炭鉱電車の歴史を振り返りつつ、1915(大正4)年以来、現在もなお現役で走り続ける姿を記録映像にする。

 瀬木氏の事務所・ソウルボートのウェブサイト(http://soul-boat.com/)では、炭鉱電車にまつわる思い出やエピソード、往時をしのぶ動画や写真の募集を始めた。完成した映像は、大牟田市と関係団体へ寄付・提供される。

 一方、炭鉱電車から出る音は、人が心地よさを感じるASMR音源にアーカイブ化。quantumとオトバンクが手掛ける、企業・ブランド・商品の音を価値化するブランデッド・オーディオ・レーベルのSOUNDS GOODとのコラボを通じ、多くの人々が楽しめる「音の資産」にコンテンツ化し、公開していく。また、Seiho(セイホー)氏による炭鉱電車のASMR音源を使用した楽曲の制作も企画中だ。

 旧三池炭鉱専用鉄道は、1878(明治11)年、三池炭鉱の大浦坑から石炭を搬出するために敷設された馬車鉄道がその歴史のはじまり。1891年には蒸気機関車の運転が開始され、三池港が開港した翌年、1909年から電化が進められた。支線を含む総延長は約18.5㎞におよんだ。

 昭和の一時期、1964~72年は地方鉄道として旅客の輸送も担い、町の人々から「炭鉱電車」の愛称で親しまれた。平成初期、1997年の三井三池炭鉱の閉山とともに、その多くの路線は廃止になり、一部区間(1.8㎞)は三井化学専用線として当時の車両とともに運行を継続してきた。また、三池炭鉱専用鉄道敷跡は2015年に、世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」の構成遺産に登録された。

 6月にはメモリアル映像の完成披露試写会に併せ、5つの時代を見守った炭鉱電車のラストランイベントが開催される予定だ。

 

三井化学 尿素と微生物培養でアマモ場の再生を支援

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2020年3月11日

 三井化学は、和歌山工業高等専門学校(和歌山県御坊市)の楠部真崇准教授が進めるアマモ場再生のフィールド試験を、同社が持つ微生物培養技術で支援した。

アマモ場の様子
アマモ場の様子

 アマモは、海中の有機物の無機化や海中へ酸素を供給する役割を担う海草で、その群生地のアマモ場は、水生生物の産卵場所や幼稚仔魚の成育の場になっている。

 環境変化により減少を続けるアマモ場の再生には、従来、生分解性プラスチック容器を用いた植え付けや、アマモ種子を織り込んだ麻シートの沈設などが行われてきた。しかし、いずれも海洋ゴミを増加させる可能性があり、さらなる技術開発が必要とされていた。

 そこで楠部准教授らは、微生物の尿素の代謝を利用して砂を固化させたバイオセメントを開発。海水中で徐々に崩壊する性質があるため、バイオセメントでアマモ種子を埋包して海底に沈設すれば、アマモの成長に合わせてセメントが崩壊し、最終的には元の砂に戻る。用いる砂や微生物をアマモ場から採取し、外部環境から異物を持ち込まないことから、環境負荷をかけない海洋環境保全が期待されている。

バイオエンジベンチで微生物を培養する様子
バイオエンジベンチで微生物を培養する様子

 三井化学は今回のフィールド試験に向け、バイオセメントの原料の1つとして使用する尿素を提供するとともに、微生物の大量培養を同社茂原研究・開発センター(千葉県茂原市)にあるバイオエンジベンチで行った。同装置は、パイロットレベルの培養設備で、通常はバイオ関連製品開発のスケールアップの検討に使用されている。

 昨年12月、楠部准教授と和歌山高専の学生たちにより、同校に隣接する日高町の方杭(かたくい)海岸でフィールド試験を開始。アマモの種子を埋め込んだバイオセメントの海底への散布を行った。2月末時点ではアマモの出芽は確認されていないが、天然のアマモの出芽も見られていないとのこと。海水温15℃。出芽には海水の温度変化なども影響するという。アマモの出芽が待たれる。

アマモの種子を埋め込んだバイオセメントを散布する学生たち
アマモの種子を埋め込んだバイオセメントを散布する学生たち

 楠部准教授らは、数年をかけて定点観測と海水採取を実施し、アマモ場の拡大と水生生物の回復・維持を評価していく。なお、三井化学が今回大量培養した微生物は、今後のフィールド試験への利用を視野に入れ、和歌山高専で保管されている。

 同社は引き続き、さまざまな社会課題解決に向け、事業活動を通じて広く貢献していく。

三井化学 人事(4月1日)

2020年3月9日

[三井化学・人事](4月1日)▽ヘルスケア事業本部パーソナルケア材料事業部ホームケア材料GL甲斐慶一郎▽同事業本部同事業部メディカル材料GL石橋大樹▽同事業本部不織布事業部衛材GL兼務、同事業本部同事業部副部長産材GL兼務才本芳久▽同事業本部企画管理部山本隆史▽MTアクアポリマー池田歓▽モビリティ事業本部エラストマー事業部齊藤範綱▽同事業本部機能性コンパウンド事業部伊藤雄一▽同濱隆司▽同事業本部同事業部エンプラGL澤田有史▽同事業本部コンパウンド管理室PPコンパウンドGL今井常広▽同事業本部同室生産技術GL河本英男▽同事業本部企画管理部津谷恭平▽ジャパンコンポジット志熊孝弘▽三井化学アグロ小出和彦▽基盤素材事業本部工業薬品事業部アンモニア・有機GL永松雅司▽同事業本部ライセンス事業部中山康▽新事業開発センターICT材料事業推進室長宮田史也▽同センターエネルギーソリューション室長塩田剛史▽同センターオープンイノベーション推進室長井上佳尚▽購買部石原正裕▽経営企画部松浦陽▽コーポレートコミュニケーション部広報GL多田祐美▽市原工場茂原分工場管理部長猿渡和孝▽大阪工場製造2部長砂田栄勇▽岩国大竹工場安全・環境部長本田祥也▽大牟田工場技術部長上野雄一▽同工場総務部長総務GL兼務CSR―GL兼務坂元敬太▽エア・ウォーター炭酸長谷山豊▽生産・技術本部生産・技術企画部木原敏秀▽同本部エンジニアリングセンター企画管理GL兼務、同本部同センタープロジェクトGL相澤武彦▽同本部安全・環境技術部加藤一彦▽解兼研究開発本部合成化学品研究所電池材料GL、理事研究開発本部合成化学品研究所長小畑敦生▽フード&パッケージング事業本部コーティング・機能材事業部兼務、研究開発本部合成化学品研究所笹野茂年▽同本部同研究所ウレタン材料設計GL金山宏▽同本部同研究所電池材料GL野木栄信▽同本部同研究所工業材コートGL武井宏之▽同本部生産技術研究所重合触媒GL金子英之▽同本部同研究所プロセス基盤技術GL内藤清嗣▽同本部同研究所ファインケミカルプロセスGL石山淳一▽同本部同研究所コンパウンドプロセスGL蔦谷英世。

 

三井化学 コーポレートガバナンス・オブ・ザ・イヤーを受賞

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2020年3月4日

 三井化学は、一般社団法人・日本取締役協会が主催する「コーポレートガバナンス・オブ・ザ・イヤー2019」のWinner Companyに選定された。

授賞式での宮内日本取締役協会長(左)と淡輪社長
授賞式での宮内日本取締役協会長(左)と淡輪社長

 同表彰は、政府による成長戦略の1つとして、日本企業の稼ぐ力を推し進めるため、コーポレートガバナンスを用いて、中長期的に健全な成長を遂げている企業を後押しする目的で、2015年度より実施されている。

 今回、東証一部上場企業約2000社の中から、2019年度の受賞企業3社のうちの1社として同社が選定された。選定理由として、①総合化学という厳しいビジネス環境の中で、事業構造改革で付加価値の高い分野へ挑戦するための手段として、ガバナンスを効果的に使い直近4年間でROE10%も改善させたこと

 ②人事諮問委員会でのサクセッションプランの討議、ESG活動への積極的な取り組みなど、バランスの良いコーポレートガバナンスに堅実に取り組んでいること 

 ③表彰の歴史で初の旧財閥系・重厚長大型企業の受賞であり、このことは伝統的な日本企業も真剣に取り組めば、ガバナンスを効果的に活用できると実証するものであること、を挙げている。

 帝国ホテル東京で開催された表彰式で淡輪敏社長は、「選定いただき、社員一同大変光栄だ。当社は、1997年の合併以前から社外取締役を選任し、2006年からは独立社外取締役を複数選任するなど、一歩ずつ地道にコーポレートガバナンスを意識した経営を取り進めてきた。今回の受賞を励みに、よりコーポレートガバナンスの実効性を高め、当社の企業価値向上を図っていく」とコメントしている。

 

三井化学 新型ウイルス感染防止対策、在宅勤務を実施

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2020年3月4日

 三井化学は、今回の新型コロナウイルスの感染リスク低減、感染拡大・集団感染の防止の目的で、従来の対策に加え社内対応の強化を実施する。

 本社(汐留地区)在勤者約1300名については、今月4~19日まで原則テレワークでの勤務。ただし、業務上出社が必要な場合は、職場ごとに調整を行い、その場合も通勤時の混雑を避けるため、フレックスタイム制度(時差出勤)を積極活用する。

 一方、本社以外の在勤者は今後の状況を見て判断する(他地区事務所および各工場は今回の対応には含まない。また、本社地区関係会社はそれぞれの状況を鑑み個別に判断を行う)。

三井化学 人事(4月1日)

2020年3月3日

[三井化学・人事](4月1日)▽ヘルスケア事業本部パーソナルケア材料事業部長富樫和彦▽同事業本部不織布事業部長草野和也▽同事業本部企画管理部副部長土屋武昭▽モビリティ事業本部機能性ポリマー事業部長奥山岳男▽同事業本部コンパウンド管理室長是久金造▽同事業本部企画管理部長両角直樹▽フード&パッケージング事業本部企画管理部長垣元剛▽基盤素材事業本部石化原料事業部長兼同部アロマGL兼千葉ケミカル製造有限責任事業組合永野伸一▽石油化学工業協会岡本和人▽サンレックス工業社長川人光一郎▽新ヘルスケア事業開発室副室長、同事業本部企画管理部長市村聡▽新事業開発センターロボット材料事業開発室長田和努▽エムシー・ビジネスサポート社長松永秋彦▽総務・法務部副部長兼同部秘書室長佐藤裕紀▽参事小久江晴子▽コーポレートコミュニケーション部長井上純一▽研究開発本部研究開発企画管理部副部長関口未散▽生産・技術本部生産・技術企画部長阿部真二▽同本部海外技術部長嶋康孝▽同本部安全・環境技術部技術研修センター長辰巳雅彦▽同本部同部長大谷悟。

 

三井化学 知床で海洋ごみ清掃活動実施、動画を公開

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2020年2月28日

知床の海岸でフレコン8袋分の漂着ごみを回収
知床の海岸でフレコン8袋分の漂着ごみを回収

 三井化学グループは、サステナビリティ活動の一環として、「世界自然遺産応援プロジェクト」を展開している。

 屋久島、小笠原に続く第3弾は、2005年に世界自然遺産に登録された北海道・知床半島の海岸で実施。同地を抱える斜里町と環境省が主催するクリーンアップ活動に協賛し、三井化学と北海道三井化学の従業員が、漂着ごみや投棄ごみを回収した。このほど、その模様を収めた活動紹介動画をウェブに公開した。

 クリーンアップ活動は昨年10月22日、世界自然遺産の登録地域の中央部、西海岸に位置するルシャ地区で行った。普段は人の立ち入りが禁止されている自然豊かな同地区は、世界有数のヒグマ高密度生息域でもある。清掃活動前にヒグマと遭遇した際の対処法の説明を受け、知床財団のスタッフが遠方に現れたヒグマを監視する中で回収作業が始められた。

 北海道三井化学の平間亮介さんは「出身地が道東なので、知床の海岸をきれいにしたい」、同じく同社から参加した稲熊清伸さんは「今、問題となっている海洋プラスチックごみ問題を、知床の海岸で直に見てみたかった」と、動画の中でそれぞれの参加への思いを語る。

 地元漁業協同組合のボランティアを中心に、総勢34人が参加。漁網やブイなどの漁具や国内外から流れ着いた包装資材、廃タイヤなどフレキシブルコンテナバッグで8袋分(=約8㎥)の海岸ごみを回収した。

 作業を終えた三井化学コーポレートコミュニケーション部の多田祐美さんは、「今後、プラスチックごみをどう処理していくのか、どうリサイクルできるのか、身をもって体験するいい1日になった」と、清掃活動を振り返った。

 三井化学では2015年から、社員と会社が寄付基金を積み立てる共同CSR「ちびっとワンコイン」の枠組みを通じて、海洋ごみ問題のパイオニアであるJEAN(ジーン)の活動を支援しており、現状把握と自分たちができることを考える講演会やワークショップを随時開催している。

 また19年度は全世界の三井化学グループを挙げたクリーンアップキャラバンを実施。今回、知床での海洋ごみ問題の現状を知り、北海道三井化学とともにクリーンアップ活動に参加した。三分55秒の動画は、専用サイト(https://youtu.be/qq_alXVyUsE)や、三井化学のウェブサイトで公開している。