【2019年 夏季特集】 三井化学代表取締役社長 淡輪敏 氏

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2019年8月13日

 増設・増強でナフサクラッカー強化、下流の競争力を向上

 ━ 昨年度の振り返りと、今年度の見通しについてお伺いします。

 三井化学淡輪社長 対外的なカントリーリスクなどがあったが、国内需要はそれなりに推移し、その状況下では比較的底堅く動いていったのではないか。ただ、原料価格の急変、特にナフサの急落は、一過性ではあるが、負のインパクトがあった。

 また、当社として反省すべきは事故がなかなか止まらないことだ。昨年6月の大阪工場・用役プラントでの火災事故も負のインパクトとなり、3年連続の最高益更新には至らなかった。ただ当期純利益が最高益を更新できたことは、一定の手応えを感じている。

 今年度については、社内に向けて、「潮目が変わった、

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三井化学 米VCとパートナー契約、新ビジネス創出加速

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2019年8月9日

 三井化学は8日、革新的な技術やアイデアをもつスタートアップ企業の成長支援を行うPlug and Play社(米国シリコンバレー)と、素材分野でのパートナーシップ契約を締結したと発表した。スタートアップ企業の早期事業化と成長を支援していくと同時に、同社の既存事業の強化と新規ビジネス創出の加速を図る。

 Plug and Play社は、革新的な技術やアイデアをもつスタートアップを、大手企業とともに支援していく世界トップレベルのグローバル・ベンチャーキャピタル/アクセラレーター。2006年の創業以来、支援先企業は2000社を上回り、資金調達総額は70億ドルを超える。企業の評価額が10億ドル以上で、非上場のベンチャー企業、いわゆるユニコーン企業を数多く輩出している。

 一方、三井化学は、長期経営計画の基本戦略の1つとして「イノベーションの追求」を掲げ、研究開発や新事業開発を行う上で、「顧客起点イノベーションの推進」と「ソリューション提案力の強化」を基本方針として取り組んでいる。

 今回のPlug and Play社とのパートナーシップ契約を通じ、国内外のスタートアップ企業への接点を増やすことで、スタートアップ企業と自社の技術や製品・サービスの掛け合わせを進展させていく考えだ。

 三井化学は、Plug and Play社のネットワークを最大限に活用しながら、スピード感あるイノベーションを追求し、今後も、既存の事業活動強化や新事業開発を通じた社会課題の解決を目指す。

三井化学の4-6月期、減収減益で上期予想を下方修正

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2019年8月2日

 三井化学の2019年3月期第1四半期連結決算は、売上高が前年同期比4%減の3428億円。営業利益は同21%減の207億円。経常利益は同37%減の198億円、純利益は同47%減の125億円となった。

 1日に開催した決算説明会で、久保雅晴副社長は「1Qは、成長3領域はおおむね前期並みだった。一方、基盤素材事業の海外市況下落の影響により、営業利益が前年同期比でマイナスとなった。経常利益についても、営業減益に加え、

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三井化学 バイオプラ原料が自律型新モビリティに採用

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2019年7月25日

 三井化学と三井化学SKCポリウレタン(韓国・ソウル)はこのほど、環境負荷低減に貢献する植物由来のバイオポリオール「エコニコール」が、ロボットベンチャーのZMP社(東京都文京区)が手掛ける1人乗り用自動運転モビリティ「Robocar Walk」に採用されたと発表した。

『エコニコール』は、ZMP社「Robocar Walk」のシートクッション(赤色部分)原料に採用された
『エコニコール』は、ZMP社「Robocar Walk」のシートクッション(赤色部分)原料に採用された

 「エコニコール」は、食料問題と競合しない非可食の植物である「ひま(トウゴマ)」から製造する、気候変動問題の解決に貢献するバイオマスプラスチック原料だ。

 バイオマスプラ認証のもとになるポジティブリストに登録済みのポリウレタン原料であり、すでに自動車シートや家具のクッション素材として同製品を使用したポリウレタンフォームの採用が広がっている。

 今回、三井化学SKCポリウレタンは、「エコニコール」を「Robocar Walk」のシートクッション用の原料としてZMP社に提供。一般のポリウレタンフォームと比較して、原料製造から廃棄までの過程で、27%のCO2削減を実現した。

 ZMP社が〝移動のパートナー〟と位置づける「Robocar Walk」は、人の移動を変革する自動運転車両「RoboCar」シリーズの新モデル。移動に不自由を抱える人に対し、目的地までの自律移動により、空港、商業施設、観光地など様々な場面で、安心・確実な移動を提供する。

 ZMP社の谷口恒社長は、「当社は、人に共感されるデザインを目指してロボットの設計を行ってきた。『エコニコール』を採用することで、人だけでなく、環境にも優しいロボットを製作でき、顧客へより一層の価値提供が可能になる」との考えと採用の経緯を語る。

 三井化学グループは今後も、「エコニコール」をはじめとした気候変動問題へ貢献する素材や技術を提供し、用途展開を推進することで、循環経済の実現に貢献していく。

 なお、「Robocar Walk」は、ベルサール飯田橋ファースト(東京都文京区)で26日まで開催中の、自律移動技術フォーラム「ZMP World 2019」で公開されている。

三井化学 人事(8月1日)

2019年7月23日

[三井化学・人事](8月1日)▽フード&パッケージング事業本部コーティング・機能材事業部内田陸▽フード&パッケージング事業本部コーティング・機能材事業部接着剤GL大嵜武▽研究開発本部合成化学品研究所ウレタン材料設計GL笹野茂年▽名古屋工場製造部長仙波克己▽経理部業績管理GL高玉義紀▽経理部SCM-GL澤田宣行▽DMノバフォーム小山正人。

 

三井化学 PET樹脂値上げ、物流費や修繕費の高騰で

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2019年7月19日

 三井化学は18日、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂を8月15日納入分から6円/kg値上げすると発表した。

 PET樹脂については、近年の物流費や修繕費などの高騰から、コストアップが顕著となっている。

 同社では、これまで合理化などのコストダウンに注力してきたが、自助努力で吸収できる範囲を超えており、今後の安定供給継続のため、今回の価格改定を実施せざるを得ないと判断した。

三井化学グループ 袖ケ浦で技術交流会開催、17社が技術披露

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2019年7月11日

 三井化学は10日、袖ケ浦センター(千葉県)で開催する同社グループの技術交流会を報道関係者に公開した。

技術交流会「Tech Finder 2019」会場となった、三井化学袖ケ浦センター
技術交流会「Tech Finder 2019」会場となった、三井化学袖ケ浦センター

 三井化学グループでは、オープンイノベーション推進の一環として、グループ企業間の連携を強化するために、技術交流会を行っている。

 昨年からは、関係会社の技術(technology)を互いに見つけ出す(find)という意味を込め、呼称を「Tech Finder」としている。

 今回が4回目の開催。研究開発本部長の福田伸常務によれば、「縦割りでは、例えば

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三井化学 クリエイターと光で空間を作るレンズを製作

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2019年7月2日

 三井化学は、これまでなかったような新しい視点で「素材の魅力」を分かりやすく伝える、クリエイターとのコラボレーションプロジェクト「Material Meets Creative Team」の第7弾を、広告・クリエイティブの専門誌「月刊ブレーン」8月号に発表した。

 第7弾は同社グループの持つレンズ素材と光学設計技術を組み合わせ、ライゾマティクスの坂本洋一氏とのコラボレーションで、光で空間を作り出すレンズ「optical walls」を製作した(紹介動画:https://youtu.Be/DsmtPiimPtQ)。

 同社はメガネレンズ材料やスマートフォンカメラレンズ材料などの光学材料を保持しており、特に高屈折率メガネレンズのデファクトスタンダード材料「MRシリーズ」では、さまざまなラインアップを保有している。

 今回同社グループのアークが持つ光学設計技術と組み合わせ、光の形状を変化させる「optical walls」を製作した。拡散光のLEDの光が「optical walls」を通過することで、直線光に変換され、何もない場所に光で区切られた空間を創り出す。

 今回の「optical walls」のコンセプトは、これまでのレーザーやプロジェクターを用いた空間演出ではなく、安全性が高く、軽量な新しい空間演出のアプローチを実験すること。今回のレンズ設計を用いることで、軽量な光学パーツで済むため、例えばドローンを使った空間演出などを容易にする。

 なお、プロダクトのアイデアとコンセプトの背景を、特設ウェブサイト・https://www.Sendenkaigi.com/mccr/で後日公開する。

 

三井化学 「物流環境負荷軽減技術開発賞」を受賞

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2019年6月28日

 三井化学はこのほど、5月24日に日本物流団体連合会主催の「第20回物流環境大賞」で、山九と合同で「物流環境負荷軽減技術開発賞」を受賞したと発表した。合成樹脂輸送(500kgフレキシブルコンテナバッグ)の内航船へのモーダルシフトと、積載効率向上による環境対策が評価された。

 三井化学は従来、千葉県から広島県への合成樹脂(500kgフレコン)の輸送をトラックのみで行っていた。しかし、二段積みができない当該製品の特性上、12tトラックに8t分の製品を平置きしていたため、トラックの積載率は67%に留まり、積載の効率化が課題だった。

 そこで二段積み用の専用ラック(意匠取得)と、このラックが収まる特殊20フィートハイキューブコンテナ(実用新案取得)を製作し、積載効率の向上を図ると同時に、コンテナ化によって内航コンテナ船へのモーダルシフトを可能にした。

 これらのことから、CO2の削減(環境への配慮)と省人化(ドライバーの働き方改革に貢献)、安定輸送の確保を実現した。

 同社は今後も、より一層の物流の環境負荷軽減に取り組んでいくという。

 

三井化学 自主行動宣言を提出してホワイト物流推進に参画、

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2019年6月26日

 三井化学は25日、国土交通省・経済産業省・農林水産省が提唱する「ホワイト物流」推進運動の趣旨に賛同し、自主行動宣言を「ホワイト物流」推進運動事務局に提出したと発表した。

 自主行動として「予約受付システムの導入」「パレット等の活用」「入出荷情報等の事前提供」「高速道路の利用」「船舶や鉄道へのモーダルシフト」「荷役作業時の安全対策」「異常気象時の運行の中止・中断」に取り組む。

 具体的には、予約受付システムの導入により、待ち時間短縮に努める。パレットと通い箱などを活用することで、荷役時間を削減。荷主からの入出荷情報をよりスピーディーに提供し、物流事業者の準備時間を確保する。

 高速道路の利用と料金の負担に関して真摯に協議に応じ、長距離輸送については、船や鉄道を積極利用してGHGガス削減に努める。作業手順の明示、安全通路の確保、足場の設置などの対策を講じ、作業者の安全確保を徹底する。異常気象が発生した際や、その発生が見込まれる際には、無理な運送依頼は行わない。

 「ホワイト物流」推進運動は、深刻化が続くトラック運転者不足に対応し、国民生活や産業活動に必要な物流を安定的に確保するとともに、経済の成長に寄与することが目的。

 トラック輸送の生産性の向上・物流の効率化、女性や60代以上の運転者なども働きやすい「ホワイト」な労働環境の実現を目指している。三省が4月、上場企業・各都道府県の主要企業約6300社の代表者に対し、参加の呼びかけを開始した。同社では今後、関係者の理解を得ながら取り組み項目を拡充していく。

 同社グループは2016年から京葉臨海地区で、近隣の化学メーカーの参加を得て、サンネット物流とともに小口製品の共同物流を開始。2017年には山九、三井・デュポンポリケミカル(現:三井・ダウポリケミカル)、日本貨物鉄道、丸運とともに、国交省が進める「モーダルシフト等推進事業」の認定を受けている。

 昨年には三井化学物流部が日本化学工業会の「レスポンシブル・ケア優秀賞」を受賞した。