三菱ガス化学 BioPQQのウイルス抑制作用、特許出願

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2021年10月27日

 三菱ガス化学はこのほど、「BioPQQ」(ピロロキノリンキノン二ナトリウム塩)のもつネココロナウイルスの増殖抑制作用に基づく特許を出願したと発表した。ピロロキノリンキノン二ナトリウム塩は生物界に広く存在し、ビタミンやラジカルスキャベンジャーとしての機能をはじめ多くの生理活性が明らかにされている。

 同社ではこれまで「BioPQQ」の様々な可能性を追求してきたが、ウイルスの感染予防効果をもつ化合物を探索する中で、動物細胞を用いた実験で「BioPQQ」によるネココロナウイルスの増殖阻害作用を確認し、この作用に基づく考案について特許出願を行った。今後、学会での発表を予定している。

 同社は、独自の培養技術により、2008年にピロロキノリンキノン二ナトリウム塩を食品向けとして世界に先駆けて開発し、「BioPQQ」のブランド名で機能性食品素材として販売。米国に次いで日本でも2014年に機能性食品素材として認められ、また、2018年には欧州委員会よりNovel Foodとしての指定を受けたことで、欧州でも食品素材としての流通が正式に認められた。

 昨年3月には国際的なアンチドーピング認証である「インフォームドチョイス」の認証を受けた。これはアスリート向け食品の原材料として使用できることに加え、全ロット製品について第三者による品質評価がなされた安心・信頼のブランドとしての国際認証の取得であり、今後多くの人々の健康の維持・増進に役立つ素材としての活用が期待される。

 同社は、食品素材として様々な可能性をもつ「BioPQQ」の拡販をすすめるとともに、今後進むべき新たな事業領域の1つに定める〝医・食〟領域の拡大を図っていく。

三菱ガス化学 四日市工場のホルマリン生産、来年8月停止

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2021年10月19日

 三菱ガス化学はこのほど、四日市工場におけるホルマリンの生産について、来年8月末をめどに停止すると発表した。

 ホルマリンは、メタノールから作られる化学品で、住宅建材、樹脂原料などの多種多様な用途に幅広く使用されている。同社は現在、四日市工場のほか、新潟工場、水島工場、合弁会社、関係協力先を含め8カ所の生産拠点を保有している。その中でも四日市工場は、1968年以来、50年にわたってホルマリンを生産しており、設備の老朽化が進んでいる。

 同社は、中期経営計画に掲げる事業ポートフォリオ改革の一環として、生産拠点の集約を図るために同工場の生産終了を決定した。なお、四日市工場品を使用している顧客に対しては、他拠点での生産品に切り替えを要請していく。

三菱ガス化学 オランダにMXDA製造子会社を設立

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2021年10月13日

 三菱ガス化学はこのほど、メタキシレンジアミン(MXDA)の製造子会社「MGC Specialty Chemicals Netherlands」を、オランダ・ロッテルダムに設立すると発表した。生産能力は年産2万5000tで、2024年7月の稼働を予定している。

 同社グループは、中期経営計画において「環境変化に強い収益構造への転換」を目指し、事業ポートフォリオ変革を推進。差異化事業に位置づけているMXDA事業については、今後も長期的な成長が期待される市場を見据え、経営資源を積極的に充当することで、競争優位性をさらに高めることを目指している。MXDAは優れた防食性、耐薬品性といった特長をもつことから、主にインフラ向け塗料、コーティング材用途に使用され、長期的に安定した成長が見込まれている。

 こうした中、既存用途に加え、風力発電用ブレードの補修材用途でも市場が拡大。2024年までに生産能力の増強が必要となっており、MXDAの最大市場である欧州において、オランダ・ロッテルダム工業地帯に100%出資の製造子会社を設立することを決定した。

 同社グループは今回の製造子会社設立により、市場の成長に対してタイムリーな能力増強を行い、さらに拠点の多極化によるBCP(事業継続計画)強化を実現することで、今後も安定的にMXDAを供給していく。

三菱ガス化学 CN達成に向けた取り組み状況を発表

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2021年9月6日

 三菱ガス化学はこのほど、2050年カーボンニュートラル(CN)の目標達成に向けた7つの取り組みの状況を発表した。

 ①次世代エネルギーとしてのアンモニアでは、基礎化学品事業部門基礎化学品第一事業部内に燃料アンモニア事業推進チームを設置し、国内外他社との協業を含めた燃料アンモニア事業化の検討を加速させ、国内への燃料アンモニア供給の早期実現を目指す。また海外ソースの安定確保に向け、パンチャ・アマラ・ウタマ社(インドネシア)のCO2地下貯留への間接出資に次ぐ調査・検討を進めている。

 ②環境循環型メタノール構想では、CO2を原料とするメタノール製造について、新潟工場のメタノールパイロット設備で実証試験を開始した。

 ③新潟エリアを中心とする取り組みでは、石油資源開発と共同でCO2の有効活用検討を始めた。またCCUS(CO2回収・貯留・活用)による「ブルー水素」をメタノール原料とする、水素利活用促進も視野に入れている。

 ④水素キャリアや燃料としてのメタノールは、独自技術で開発したメタノールから水素を製造するプロセスを販売し、分散型、オンサイトでの水素製造・供給方法として一定の地位を築いた。「環境循環型メタノール構想」と組み合わせ、CN実現と温室効果ガス(GHG)削減に向けた水素製造・供給方法として有効だとしている。

 ⑤地熱・LNG・バイオマス発電によるCO2排出抑制では、同社出資のLNG発電を行う福島天然ガス発電所の電力を低GHG排出の移行エネルギーとして活用しつつ、再生可能エネルギー事業の拡大を目指し、建設中の安比地熱発電所に加え、新規地熱発電やバイオマス発電などの検討も進めている。

 ⑥エネルギーとしての水素の実用的利用では、燃料電池(FC)フォークリフトを新潟工場内に順次試験導入。小型の水電解装置で燃料水素を供給するが、再エネ電力の使用も見据えている。

 また、⑦社内での取り組みでは、GHG削減ロードマップに従い使用電力の再エネ化検討を進め、4月からは、投資計画に社内炭素価格制度を導入した。

三菱ガス化学 ガスバリア性接着剤でモノマテリアル包材

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2021年7月15日

 三菱ガス化学はこのほど、ガスバリア性接着剤「マクシーブ」によりモノマテリアル包材の酸素バリア性と耐屈曲性が向上したと発表した。パッケージにおいても、プラスチック使用量削減、賞味期限延長、リサイクルの容易さといった持続可能なソリューションが求められ、従来の異種材料構成に代わりポリプロピレン(PP)系のアルミ蒸着フィルムから成るモノマテリアル包材が着目されている。

 しかし、これらPPモノマテリアル構成ではバリア性は不十分で、屈曲による酸素バリア性の低下も課題である。「マクシーブ」はエポキシ樹脂とアミン系硬化剤からなる二液系エポキシ硬化型のガスバリア性接着剤で、基材フィルムとシーラントフィルムとの接着に使用すると、ラミネートフィルムにガスバリア性を付与できるため、食品向け包材や工業用途などで広く使用されている。

 今回、アルミ蒸着PPフィルムのドライラミネート工程に「マクシーブ」を適用することで、酸素バリア性は従来型接着剤の使用時と比べ100倍以上、かつ屈曲による酸素バリア性低下が著しく抑えられたモノマテリアル包材の実現が可能となった。

 プラスチック使用量削減による環境負荷低減、賞味期限延長による食品ロス削減、リサイクルが容易なモノマテリアル包材への適用といった、持続可能なパッケージ向けソリューションとしての「マクシーブ」の積極的な拡販を通じて市場開発を加速するとともに、経済的価値と社会的価値の両立を目指していく。なお詳細は、日本包装学会第30回年次大会で紹介した。

 

三菱ガス化学 植物由来原料で樹脂を製造、米社と連携

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2021年6月17日

 三菱ガス化学はこのほど、非可食の植物由来原料から化学品を製造する技術をもつ米国・オリジン・マテリアルズとの間で、植物由来原料からの化学品の開発と工業化に向けたパートナーシップを構築しPIPE(上場企業の私募増資)よる出資をすると発表した。

 三菱ガス化学は、事業活動を通じて持続可能な社会を実現・発展させていく目的の下、発電時のCO2発生が少ない地熱発電や、環境循環型メタノールの実証計画を推進。2050年カーボンニュートラル達成に向け、温室効果ガスの排出削減長期目標を設定した。また、ポリカーボネートやポリアミド、ポリエステルなど多くの有用なプラスチックおよびその原料などを製造・販売しており、今回のオリジン社とのパートナーシップにより、植物由来原料を使った化学品の製造など、ライフサイクルを通してCO2排出量を削減できる製品の開発を推進していく。

 同社は、こうした活動によりカーボンニュートラル実現に向けた取り組みを推進し、「地球規模での気候変動課題の解決」という社会と分かち合える価値を創造することで、持続可能な社会の実現に向けて貢献していく。

三菱ガス化 四日市のPOM生産を停止、タイ拠点に集約

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2021年6月3日

 三菱ガス化学はこのほど、四日市工場(三重県四日市市)におけるポリアセタール(POM)の生産について、2023年9月末を目途に停止すると発表した。POMは、耐摩擦性・耐クリープ性・耐疲労性・耐薬品性に優れたエンジニアリングプラスチックスで、自動車、電気・電子、精密機器などの部品の材料として広く使用されている。

 同社グループは、四日市工場のほか、タイ・韓国・中国に生産拠点をもち、「ユピタール」などのブランドで高品質なPOMを世界中に供給している。四日市工場では、1981年以来、40年にわたってPOMを生産してきたが、プラント規模が年産2万tと小さいことに加え設備の老朽化が進んできたこともあり、厳しい採算を余儀なくされていた。こうした背景から、タイ拠点に生産を集約し、より競争力のある供給体制でPOM事業を展開することを決定した。

 現在、四日市工場品を使用している顧客には、タイ品への切替えを依頼。また、タイ拠点においては、旺盛なPOM需要に対応するため、今後の増産を検討する予定だ。今回の生産停止は、昨年12月に発表した韓国POM事業再編に続く事業強化のための施策の一環となる。同社は、引き続きPOM事業の発展に努めていく。