三菱ケミカル 廃棄物リサイクル先進企業と資本業務提携

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2020年8月24日

 三菱ケミカルはこのほど、サーキュラ―エコノミー(循環型経済)推進に向けた取り組みの一環として、産業廃棄物を回収処理し再資源化する事業を行うリファインバース(東京都中央区)と資本業務提携すると発表した。リファインバースが行う第3者割当増資に応じるとともに、業務委託契約を締結している。

 三菱ケミカルは、三菱ケミカルホールディングスグループが掲げる中長期経営基本戦略「KAITEKI Vision 30」の下、サーキュラーエコノミーの推進をKAITEKI実現のキーエレメントと位置づけ、使用済み製品などのリサイクルはその重要な取り組みの1つと考えている。

 リファインバースグループは、建築系廃棄物処理の収集運搬業を主とした事業を起点に、廃棄物処理から樹脂製造までの一貫した体制を築き、様々な再生資源を提供している。

 こうした中、資本業務提携することにより、リファインバースがもつ産業廃棄物全般のノウハウと、三菱ケミカルの技術および知見を融合させ、廃棄物の適切なリサイクルや有効利用を促進する。また、これまで分断されがちだった素材産業とリサイクル産業が連携することで、製品の最終処分方法に対する理解を深め、環境により優しい素材設計に生かす。

 三菱ケミカルは、サーキュラーエコノミーに関するソリューションの提案と事業化を推進するため、4月に「サーキュラーエコノミー推進部」を設置。今後も同部署を中心として、地域や事業部門の枠を超え、取引先、アカデミアやスタートアップなどとの連携を積極的に進めながら、持続可能な社会の実現に貢献していく。

東大と三菱ケミカル サーキュラーエコノミーの実現に向け協働

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2020年8月17日

 東京大学と三菱ケミカルはこのほど、サーキュラーエコノミーの実現に向け協働していくことで合意したと発表した。

 東大の未来ビジョン研究センターが8月1日付で新設した「グローバル・コモンズ・センター(CCC)」の活動に対し、三菱ケミカルが寄附を行うとともに、資源の循環・有効活用の観点で素材産業が目指すべきビジネスモデルなどについて、CCCと三菱ケミカルとで共同研究を開始する。なお、CCCのダイレクターである石井菜穂子氏は、三菱ケミカルのシニア・エグゼクティブ・フェローに就任した。

 グローバル・コモンズとは人類の持続的発展の共通基盤である地球環境システムのことを指す。CCCでは、地球環境システムの持続可能性を確保するため、社会・経済システムの根本的転換のモデルと道筋を科学的に示すことを目標としている。また、企業などと連携しながら、転換の具体的なあり様と実現経路を研究し、その実現を国際的な連携の中で促すことを目指す。

 三菱ケミカルは今年4月に「サーキュラーエコノミー推進部」を設置。同部のイニシアティブにより、グローバルな視点・規模で、事業部門の枠を超え、サーキュラーエコノミーに関連するソリューションの提案と事業化を推進し、取引先、アカデミアやスタートアップなどとの連携も積極的に進めている。

 三菱ケミカルは、豊かで持続可能な社会を目指し、その基盤である安定した地球環境を保全するというCCCのミッションに賛同し、その活動を支援することを決定。同時に、両者はCCCの活動の一環として、資源の循環・有効活用が、社会に幅広い素材を提供する化学産業のビジネスモデルとしてどのようにあるべきかなどにつき、共同研究を行うべく協議をしている。

 両者は、これらの活動を通じ、それぞれの立場から、持続可能な社会・経済システムの構築に向け貢献していく。

三菱ケミカルと宇部興産 LIB用電解液事業、合弁新社に統合

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2020年8月3日

 三菱ケミカルと宇部興産は31日、リチウムイオン二次電池(LIB)用電解液事業に関し、新設する合弁会社にそれぞれのLIB用をはじめとする電解液事業を承継させることについて共同新設分割計画書に合意したと発表した。

 今年10月1日に設立される合弁新社は「MUアイオニックソリューションズ」(出資比率は三菱ケミカル80%、宇部興産20%)。LIB用電解液の生産能力は合計3万6000t(三菱ケミカル四日市事業所の1万6000t、宇部興産堺事業所の1万t、中国常熟1万t)となる。

 両社は、2018年より合弁形態で運営している常熟宇菱電池材料を通じて、中国で同事業を共同で行ってきた。今回、提携をさらに拡大し、相乗効果による製品開発力の向上ならびに購買、生産、販売体制の効率化による経営基盤の強化を図るとともに、研究開発を統合し、両社の持つ知的財産・技術開発力を一体化することで、国内外の競争力をさらに高め、同事業の長期的な発展を図ることで合意した。

 具体的には、日本で合弁新社を設立し、日本の製造拠点をはじめとして両社の同事業に関わる資産を合弁新社に承継し、統合運営する。また、常熟宇菱電池材料は、合弁新社の100%子会社となる。

 なお、三菱ケミカルの100%子会社の英・MC Ionic Solutions UK、100%孫会社の米・MC Ionic Solutions USは、今回の統合の対象外となっている。

 

三菱ケミカル 欧州の炭素繊維リサイクル会社を買収

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2020年7月31日

 三菱ケミカルは30日、サーキュラーエコノミー(循環型経済)の推進に向けた取り組みの一環として、ドイツにある炭素繊維リサイクル事業を手掛けるCFK Valley Stade Recycling(CFK)、およびcarboNXT(cNXT)を、スイスのグループ会社を通して買収することを決定したと発表した。来月8月上旬をめどに買収を完了させる予定。

 今回買収するCFKは、炭素繊維を使用したプリプレグなどの中間材を加工する際に発生する端材を、モビリティを中心とした顧客から回収するネットワークや、回収した端材をリサイクルする技術をもち、cNXTはそのリサイクル製品の販売を行っている。

 三菱ケミカルは今年、炭素繊維プリプレグメーカーであるドイツのc‐m‐p社、エンジニアリングプラスチックリサイクルを手掛けるスイスのMingerグループを買収。日本ではグループ会社「新菱」が炭素繊維リサイクル事業を手掛けているが、今回の買収により欧州についても、炭素繊維および炭素繊維コンポジットの製造から製品回収、リサイクルまでのチェーンを確立する。今後はリサイクルした製品を再度原料として同社グループで利用することにより、顧客に対して製品のリサイクルも含めたトータルソリューションを提案していく。

 三菱ケミカルは、三菱ケミカルホールディングスグループが掲げる中長期経営基本戦略「KV 30」の下、サーキュラーエコノミーの推進をKAITEKI実現のキーエレメントと位置づけ、製品のリサイクルはその重要な取り組みの1つと捉えている。

 今後も、炭素繊維コンポジット業界のフロントランナーとしてユーザーへのソリューション提案力を強化し続けるとともに、循環型社会の実現に向けて貢献していく考えだ。

 

三菱ケミカル 米国発の体験型店舗に和食テーマのクリンスイを出品

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2020年7月27日

 三菱ケミカルは22日、グループ会社で浄水器の製造販売を行う三菱ケミカル・クリンスイが、8月1日にオープンする日本初上陸の体験型店舗「b8ta Tokyo‐Yurakucho」に「和食のためのクリンスイ」シリーズの3製品を出品すると発表した。

出品される「和食のためのクリンスイ」シリーズ 3 製品
出品される「和食のためのクリンスイ」シリーズ 3 製品

 「b8ta」は2015年に米国サンフランシスコ近郊のパロアルトで誕生した体験型店舗。有楽町と新宿に同時にオープンし、最新のガジェット類や雑貨から、日本の職人技や素材の特性を生かした商品など、幅広いラインアップが登場する。

 クリンスイ社はかねてより米国「b8ta」のビジネスモデルである「サービスとしての小売り(RaaS:リテール・アズ・ア・サービス)」という新業態に注目し、2019年より「b8ta」での商品展開を開始していた。米国での商品展開を経て、さらに直販オリジナル製品の販売拡大や新たなマーケティングのため、日本初上陸の有楽町店にも出品することを決定した。

有楽町店の店舗イメージ
有楽町店の店舗イメージ

 出品する製品は、クリンスイの公式サイトを中心に販売している「和食のためのクリンスイ」シリーズから、お米をおいしくするためのポット型浄水器「クリンスイ JP407‐R」、お茶をおいしくするためのポット型浄水器「クリンスイ JP407‐T」、出汁をおいしくするためのポット型浄水器「クリンスイ JP407‐D」の3製品となっている。

 

三菱ケミカル 7月15日から酸化エチレンなどを値上げ

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2020年7月2日

 三菱ケミカルは1日、酸化エチレンおよび同誘導品を7月15日納入分から値上げすると発表した。

 対象製品は、酸化エチレン、モノエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレンカーボネートで、値上げ幅は各製品とも「10円/kg以上」。

 当該製品の製造設備は、老朽化や労働力不足による賃金の高騰を背景として、機器更新費用や設備保全費用が大幅に上昇している。同社は、これらのコスト上昇を合理化などの自助努力のみで吸収することは困難と判断し、今後の安定供給と事業継続のため、今回の値上げを決定した。

三菱ケミカル 独社と業務提携、3D樹脂パウダーに進出

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2020年6月16日

 三菱ケミカルは15日、3Dプリンティング用樹脂パウダーを製造販売するAM Polymers社(AMP社:ドイツ・ヴィリッヒ市)と、PBT(ポリブチレンテレフタレート)パウダーの共同開発と販売に関する独占的な業務提携に合意したと発表した。これにより、三菱ケミカルは、3Dプリンティング用樹脂パウダーの製造販売事業に初進出する。

 一方、AMP社は、3Dプリンティングの製法の1つである粉末造形法に使用される樹脂パウダーを専門に取り扱う。3Dプリンタの市場が拡大している欧州を中心に顧客基盤を確立しており、ポリプロピレンやポリエチレンなどの樹脂を粉末化する過程で、3Dプリンティング用に造形性・物性を強化する技術に優れる。

 同提携に基づき、三菱ケミカルでは、PBTを組成段階から3Dプリンティング用にカスタマイズし、難燃性などの物性を付与できるパウダーを共同開発。開発品のPBTは、樹脂パウダーとして主流となっているPA12(ナイロン12)に比べて吸水性が低いため、造形時の取り扱いが容易といった特長がある。近日中に顧客評価のための試作品を欧州で順次提供していく予定だ。粉末造形法による3Dリンティングは、パウダーから造形するため複雑な形状が可能で、造形時間も短いため、量産性が必要とされる自動車や航空機部品への採用が期待されている。

 三菱ケミカルは、今回の提携を通じて3Dプリンティング用の樹脂パウダーの開発と販売ネットワークを強化し、積極的に事業を展開していく。

3D中面用写真2 PBTパウダーによる粉末造形3Dプリンタ造形品サンプル
PBTパウダーによる粉末造形3Dプリンタ造形品サンプル

三菱ケミカル ポリエステル長繊維「ソルーナ」の販売を終了

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2020年6月15日

 三菱ケミカルは12日、ポリエステル長繊維「ソルーナ」の販売について今年12月をめどに終了すると発表した。

 同社は、「ソルーナ」の原糸生産を2009年よりユニチカグループ(ユニチカ、ユニチカトレーディング、日本エステル)に委託し、原糸・加工糸・テキスタイルの販売を継続して行ってきた。しかし、衣料品の国内市場が縮小するとともに、輸入品が増加する中で、同事業の採算性は急速に悪化している。

 このような状況下、三菱ケミカルは、原糸の差異化や機能素材に集約した販売などの経営努力を重ねてきたが、現状と今後の事業環境を精査した結果、同事業を継続することは困難であると判断し、同製品の販売を終了することを決定した。8月末日で原糸生産委託を終了し、12月末日で販売を終了する予定。

 同社は、三菱ケミカルホールディングスグループの中期経営計画「APTSIS 20」に基づくポートフォリオマネジメントに取り組んでいる。今後も、成長市場で技術開発や用途開拓を進めることで、高機能成形材料事業の強化を図っていく考えだ。

NEDO 人工光合成、収率ほぼ100%の光触媒開発

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2020年6月12日

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と、三菱ケミカルや三井化学などが参画する人工光合成化学プロセス技術研究組合(ARPChem)はこのほど、紫外光領域ながら世界で初めて100%に近い量子収率(光子の利用効率)で水を水素と酸素に分解する粉末状の半導体光触媒を開発した。信州大学、山口大学、東京大学、産業技術総合研究所(産総研)との共同研究によるもの。これまでの光触媒では量子収率が50%に達するものはほとんどなく、画期的な成果といえる。

 ソーラー水素の実用化に向けた大幅なコスト削減には、太陽光エネルギーの変換効率向上が必要だ。そこには、利用光の波長範囲を広げることと、各波長での量子収率を高めることの2つの要素がある。前者は光触媒のバンドギャップ(電子励起に必要なエネルギー)の幅がカギになり、後者は触媒調製法や助触媒との組み合わせで決まる。今回は後者に注力し、ほぼ100%の量子収率を達成するとともに、触媒の構造・機能・調製方法などを明らかにした。

 代表的な酸化物光触媒SrTiO3(Alドープ)を、フラックス法により2種の結晶面を持つ粒子にすると、光で励起された電子と正孔が各結晶面に選択的に移動する異方的電荷移動という現象が起こる。この特性を利用して、各結晶面に水素生成助触媒(Rh/Cr2O3)と酸素生成助触媒(CoOOH)を光電着法により選択的に担持した。

 その結果、光励起した電子と正孔は再結合せずに各助触媒に選択的に移動するため、吸収光のほぼ全てを水分解反応に利用することに成功した。光励起された電子と正孔の一方通行移動は植物の光合成で行われているが、複雑なタンパク質構造によるため、人工的な再現は非現実的だった。今回の光触媒の構造は簡易であり、高活性光触媒の設計指針となる。

 今回は紫外光しか吸収しないため、降り注ぐ太陽光エネルギーの一部しか利用できない。可視光を吸収するバンドギャップの小さな光触媒に応用することで、太陽エネルギーの利用度は上がる。バンドギャップの小さな化合物での水分解にはさらに高度な触媒性能が求められるが、今回の触媒設計指針を応用することにより、製造プラントの省スペース化や製造コストの低減が期待される。

 NEDOらは、引き続き光エネルギー変換効率の向上を進め、人工光合成技術の早期実現を目指していく考えだ。