三菱ケミカル 難燃性内装材向けに消臭・抗菌付きの新製品を投入

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2018年12月18日

 三菱ケミカルは17日、難燃性を高めた内装材向けのアルミ樹脂複合板「ALPOLIC(アルポリック)/fr INNER LIGHT」に、消臭・抗菌機能を付加した新たなグレードを今月下旬から発売すると発表した。

 同製品は、アルミニウム合金の表面の塗膜が、排泄臭や生ごみ臭、たばこ臭などの原因となるアンモニアや硫化水素などの悪臭物質を吸着し、室内の不快な匂いを低減。また、食中毒や下痢などの要因となる黄色ブドウ球菌や大腸菌に対しても抗菌効果を発揮する。今後、抗菌製品技術協議会(SIAA)が制定した抗菌シンボルマーク「SIAAマーク」取得にも対応していく予定だ。

 同社では不燃性能に加えて消臭・抗菌機能を持つ同製品を内装仕上げ材のラインアップに追加することで、たばこの分煙化が必要な飲食店や公共のトイレ、病院、福祉・介護施設、レストランの厨房や住宅のキッチンなどを最適な用途と位置づけ、より幅広い分野での拡販を目指す。

 また同製品は、製造ラインで一括してプレコーティングすることにより、消臭・抗菌機能をもつ塗料を後工程で塗布したり、施工現場で塗装したりすることなく、より低コストで提供できる。加えて、表面がアルミニウムのため、金属調の意匠性に優れるほか、割れや破片が飛散するなどの危険性も低減できる。

 「アルポリック」は表面にアルミニウム、芯材に樹脂を使用した3層構造からなるアルミ樹脂複合板。さまざまな意匠・加工性・耐候性を持つシリーズを取り揃え、幅広い用途で使用されている。1970年代の生産・販売開始から現在に至るまで国内トップシェアを誇り、海外でも世界130カ国以上への販売実績がある。

 今年10月に、今回の新製品のベースとなる「アルポリック/fr INNER LIGHT」を発売。新たに開発した難燃性が高い芯材を採用することで、単位重量当たりの潜在燃焼発熱量を従来品の十分の一に低減し、高い評価を得ている。

 

三菱ケミカル 京東と中国最大級の「植物工場」の稼働開始

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2018年12月10日

 三菱ケミカルと中国市場を牽引するECサイト「京東商城(ジンドンしょうじょう:JD.com)」を運営する、京東集団は7日、昨年6月の両者合意に基づき、北京市通州区で三菱ケミカルが京東に納入した植物工場が完成し、稼働を開始したと発表した。

三菱ケミカルの佐々木等常務執行役員(左)と京東集団 の王笑松FMCG 事業・食品事業総裁
三菱ケミカルの佐々木等常務執行役員(左)と京東集団 の王笑松FMCG 事業・食品事業総裁

 また、京東と三菱ケミカルは、今後も植物工場事業で協力関係を継続していくことを目的に、戦略的パートナシップ契約を締結した。

 今回の京東と三菱ケミカルとの協業により、京東は栽培から配送まで、全ての生産過程の品質をコントロールできるようになる。三菱ケミカルの技術で安全な野菜を栽培し、京東のコールドチェーンとECのプラットフォームの統合により、新鮮な野菜を収穫したその日に消費者に届けることができる。

 新工場は、広さ1万1040㎡におよぶ中国最大級の植物工場。育苗までを人工光で行い、以降は太陽光を利用して効率的に生産を行う併用型の水耕栽培システムを採用している。温度、湿度、光、液肥などを自動制御し、天候や季節に変動されることなく、高品質で均一な野菜を生産できる。また、従来の栽培方法と比較して、大幅な節水、肥料の低減と生産スピードの向上が可能となる。

中国最大級の植物工場
中国最大級の植物工場

京東は、現在この植物工場で、ほうれん草やレタス、サラダ菜などを生産しており、今月から同社が中国で展開する生鮮スーパーで販売を開始する。京東と三菱ケミカルは今後、トマトやキュウリ、イチゴなど、さらに多くの野菜や果物の生産についても検討していく。

 両社は生産、倉庫管理、流通から販売まで、農業の新しいモデルを探求し、安全で高品質な製品を消費者に提供することを目指すという京東の試みを実現するため、緊密に協力していく方針だ。

三菱ケミカル 人事(2019年1月1日)

2018年12月6日

[三菱ケミカル・人事](2019年1月1日)▽大陽日酸常務執行役員CCO(大陽日酸グループCCO)併せて全社的内部統制管理責任者二又一幸▽コンプライアンス推進統括執行役員人事部、労制部、人材・組織開発部、内部統制推進部所管、常務執行役員総務部、法務部、広報部所管片山博史。

 

三菱ケミカル イオン交換樹脂の値上げと供給制限を実施

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2018年11月30日

 三菱ケミカルは29日、イオン交換樹脂「ダイヤイオン」を来年1月1日出荷分から平均20%値上げし、同製品の供給制限を実施すると発表した。

 対象製品は、ポーラス型イオン交換樹脂、キレート型イオン交換樹脂、超純水用イオン交換樹脂ほかイオン交換樹脂全般。供給制限の内容については、製品ごとに個別設定を行い、2015~2018年の顧客ごとの年間平均供給量に対する一定割合を基準とするとしている。

 昨年来、国内外でのイオン交換樹脂の需給が逼迫している。同社は安定供給に注力してきたが、一部製品については堅調な需要に供給が追い付いていない状況にある。

 こうした中、需給が逼迫している製品の供給安定性の確保、安全操業の継続、品質の維持のため、生産品目の制限と価格改定が必要と判断し、今回の実施を決定した。

 

三菱ケミカル 植物由来PCDが東レの人工皮革に採用

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2018年11月22日

  三菱ケミカルは21日、植物由来のポリカーボネートジオール(PCD)「BENEBiOL」が、東レが発売する環境配慮型のスエード調人工皮革「Ultrasuede(ウルトラスエード)BX」の原料として採用されたと発表した。

「BENEBiOL」を採用したスエード調人工皮革「ウルトラスエード BX」
「BENEBiOL」を採用したスエード調人工皮革「ウルトラスエード BX」

 BENEBiOLは、2015年4月に三菱ケミカルが上市した世界初の植物由来PCD。非可食のひまし油から得られる特殊な原料を使用することで、従来のPCDを用いた場合に比べ、ポリウレタン樹脂に優れた風合いと柔軟性、強度を付与することができる。スエード調人工皮革の原料に植物由来PCDが採用されたのは初めて。

 PCDは水酸基(OH基)を1分子中に2個以上持つ化合物であるポリオールの一種。一般的に、PCDはポリウレタン樹脂やポリエステル系樹脂などの原料として使用する。PCDから製造された樹脂は、その優れた耐久性から人工・合成皮革や自動車の内外装塗料材料、電子機器向けの樹脂コーティング剤に使われている。

 同社はPCDなど地球環境にやさしく、高機能な植物由来素材の事業展開を積極的に進めている。今回は、原料供給を通じて、環境配慮型のスエード調人工皮革の開発をサポートすることで、新たな価値を提供することが可能になった。

 同社では今後も、機能性ポリオールを含む植物由来素材の開発を推進し、省資源と循環型社会の構築に貢献していく方針だ。

三菱ケミカル PMMAレジンとアクリルシートを値上げ

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2018年11月20日

 三菱ケミカルは19日、PMMAレジン「クリペット」とアクリルシート「アクリライト」の国内価格を、来月出荷分からいずれも20%値上げすると発表した。

 2製品の原料であるMMAモノマーの需給バランスは、需要が堅調に推移する一方、供給面ではメーカー各社の大型定修の実施でタイト化が継続しており、市況は依然高水準となっている。

 また、PMMAレジン・アクリルシートの需要も世界的に堅調に推移しており、需給バランスも引き締まった状況が続く中、国内では人手不足などで物流費の上昇が顕著となり、梱包などの副資材価格も上昇している。

 同社はさまざまな合理化によるコスト吸収を進めているが、足元ではそれを上回る費用の増加が発生している。こうした状況下、同社は顧客への製品の安定供給体制を維持するため、今回の価格改定を実施することにした。

三菱ケミカル 赤色蛍光体特許侵害訴訟で中国企業に勝訴

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2018年11月13日

 三菱ケミカルは12日、中国での赤色蛍光体特許侵害訴訟で、被告である煙台希爾徳新材料(Shield社)による同社特許の侵害を認める一審判決が、10月30日に出されたと発表した。

 三菱ケミカルは、2015年1月23日付でShield社に対して、物質・材料研究機構(NIMS)と同社が共有する赤色蛍光体に関する特許を侵害しているとして、中国での蛍光体製品の生産や販売などの侵害行為の差し止めと、損害賠償を求める訴訟を深圳(セン)市中級人民法院に提起していた。

 これに対し、同法院は同社の主張を認め、Shield社による当該侵害行為の差し止めと同社への合計600万元(約1億円)損害賠償金の支払いを命じる判決を下した。

 中国はLEDパッケージの最大の生産国であり、赤色蛍光体の主用途である白色LEDパッケージでも最大生産量を誇る。その中国で同社の主張を認めて差し止めと損害賠償を命じた今回の勝訴判決は、長年積極的に投資、事業展開を行ってきた同社にとって非常に意義深いものとなる。

 また、今回の勝訴判決は蛍光体産業のみならず、白色LED産業全体でも重要な意味をもち、今後の両産業の健全な発展と秩序維持につながる。同社は今後も、他社が同社特許を侵害する製品を実施するようなことがあれば、適正な対応を取る考えだ。

 

三菱ケミカル 人事(19年4月1日)

2018年11月12日

 [三菱ケミカル・人事](2019年4月1日)▽茨木研究所長加藤 邦泰▽技術部副部長高機能ポリマー部門高機能ポリマー企画部部長付宮忠司▽同部大垣事業所長松本良弘▽同部熊本事業所長勝浦章夫▽水島事業所事業所長付勝田一。