三菱ケミカル シュガーエステルとポリグリエステルを値上げ

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2021年11月11日

 三菱ケミカルは10日、シュガーエステル製品およびポリグリエステル製品について、12月1日納入分から値上げすると発表した。対象製品と改定幅は、「リョートー シュガーエステル」および「サーフホープ SE」が「150円/kg」、「リョートー ポリグリエステル」が「100円/kg」、各種シュガーエステル配合品および各種ポリグリセリンエステル配合品が「配合比率相当」となっている。

 当該製品については、ショ糖、脂肪酸、グリセリンに代表される主要原料および副原料、包材、輸送費などの価格上昇に加え、製造品質維持のための労働力確保、認証維持管理、国内外法規制対応を含む品質保証対応のためのコストも上昇し、事業環境は厳しい状況にある。同社は、コスト削減などを継続的に行ってきたが、自助努力のみで吸収することは困難なことから、安定供給体制を維持、整備するため、値上げせざるを得ないと判断した。

三菱ケミカル 酢酸ビニルモノマーを値上げ、原料価格が上昇

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2021年11月5日

 三菱ケミカルは4日、酢酸ビニルモノマーについて、11月8日出荷分から値上げすると発表した。改定幅は「30円/kg」。

 当該製品の原料であるエチレンおよび酢酸などの価格は想定以上に上昇を続けている。同社は、これらのコスト上昇分を、自助努力のみで吸収することは困難であることから、今後の安定良い卯休を維持するため、値上げせざるを得ないと判断した。

三菱ケミカル 植物由来の防湿シート、製薬会社に採用

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2021年11月2日

 三菱ケミカルは1日、同社が開発した植物由来原料を用いた防湿シートがアステラス製薬の包装材料として採用されたと発表した。植物由来原料を用いたシートが医薬品包装用のPTP(プレススルーパック)に採用されるのは、世界初となる。

 三菱ケミカルのPTP用シート「スーパーホイル」は、高防湿性、透明性、成形加工性といった特長をもつ、錠剤・カプセル包装用防湿シート。同製品は顧客の要望に応じた機能設計などが評価され、採用が進んでいる。

 今回の開発品は、従来の特長はそのままに、原料の50%以上を植物由来へ切り替えた製品で、日本バイオプラスチック協会が定める「バイオマスプラ」マークも取得している。

 こうした取り組みが、経営計画で「サステナビリティ向上の取り組み強化」を戦略目標の1つに掲げるアステラス製薬に評価され、10月から一部製品での商用生産への導入が開始された。

 三菱ケミカルは、三菱ケミカルホールディングスグループが掲げる中長期経営基本戦略の下、循環型社会の実現に向け、バイオマスプラスチック製品の拡充を進めている。今後も、高い機能と環境性能を併せもつ製品の開発・提供を通じて、持続可能な社会の実現やSDGsの達成に貢献していく。

三菱ケミカル 半導体精密洗浄事業、ドイツで能力増強を決定

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2021年11月2日

 三菱ケミカルは1日、グループ会社であるドイツのCleanpart ドレスデン社の半導体精密洗浄の事業拡大のため、洗浄能力の増強を行うことを決定したと発表した。投資金額は約1000万ユーロで、2022年末の稼働を予定している。

半導体洗浄事業 独・Cleanpart ドレスデン社

 Cleanpart ドレスデン社は、主にドイツ東部を中心に半導体の精密洗浄サービスを提供し、同エリアにおいて高いシェアを誇る。世界的に半導体需要が旺盛となっており、顧客の生産をサポートするため、洗浄能力を拡大する。今回の増強では、Cleanpart ドレスデン社の敷地内にクリーンルーム棟を新設し、最新技術を用いた洗浄設備や洗浄工程での廃棄物を減らす環境配慮型設備などを導入する予定だ。

 三菱ケミカルグループの半導体精密洗浄事業は、アジア・欧米にそれぞれ拠点をもち、ワールドワイドに展開している。業界のグローバルリーダーとして、グループ会社と連携し品質の良い精密洗浄サービスの提供を通じて、顧客の継続的かつ効率的な半導体生産をサポートしている。今後も「MCSS」の統一ブランドのもと、グローバルに半導体関連のソリューションをワンストップで提供していく方針だ。

 Cleanpart ドレスデン社の佐藤龍平マネージングディレクターは、「ドイツ東部では、半導体の生産量が大幅に増加している。三菱ケミカルのビジョンである〝KAITEKI実現〟に基づき、この地域における顧客の長年のパートナーとして、新たな〝グリーン〟プロセスの設備を導入する。これによって洗浄能力を拡大し、生産をサポートしていく」と述べている。

三井化学 バイオPET参入、三菱ケミとライセンス契約

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2021年10月29日

 三井化学は28日、三菱ケミカルがもつバイオマス原料由来ポリエステルに関わる基本特許(日本国特許第4380654号)を含む関連特許について、両社間でライセンス契約を締結したと発表した。

 三井化学は、再生可能なバイオマス原料を使ったポリエチレンテレフタレート(PET)の特許ライセンスを取得することで、顧客からの要望も高い国内でのバイオPET製品分野に参入し、同製品を含むバイオマス戦略の推進を図っていく考えだ。生産については、開始時期は未定だが、岩国大竹工場(山口県和木町)での生産を予定している。

 バイオPETは、ペットボトルをはじめ様々な用途が見込まれており、従来の石油由来の製品と比べ、温室効果ガスの排出量削減への貢献が期待される。三井化学は、気候変動とプラスチック問題を一体として取り組むべき重要な社会課題と捉え、プラスチックを巡る課題に対し、バリューチェーン全体を視野に入れた、リサイクル戦略とバイオマス戦略に注力している。

三菱ケミカル PVA製品群を再値上げ、コスト上昇に対応

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2021年10月27日

 三菱ケミカルは26日、ポリビニルアルコール(PVA)製品群について、国内と輸出の取引価格を11月1日出荷分から値上げすると発表した。

 対象製品はPVA「ゴーセノール」、PVA特殊銘柄「ゴーセネックス」、アモルファスビニルアルコール系樹脂「ニチゴーGポリマー」、ゴーセネックスZ用架橋剤「セーフリンク」で、改定幅はいずれも国内価格が「40円/kg」、輸出価格が「400USドル/t」または「350ユーロ/t」となっている。なお、PVA製品群の価格改定の実施は、今回が今年5回目となる。

 現在、PVA系樹脂の需給バランスがタイトな状況にあり、対象製品も供給が一層ひっ迫している。さらに、各種コストの上昇も継続しており、同社の事業収益は悪化が進んでいる。こうした中、同社は、安定供給を維持するためには採算是正が必要であると判断し、今回の値上げを決定した。

三菱ケミ 生分解樹脂と循環型社会の取り組みが優秀賞に

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2021年10月26日

 三菱ケミカルホールディングスと三菱ケミカルは25日、「第9回プラチナ大賞」(主催:プラチナ構想ネットワーク、プラチナ大賞運営委員会)において、「生分解性樹脂「BioPBS」と地域資源を用いた循環型社会の構築」が、優秀賞(グリーン技術革新賞)を受賞したと発表した。

「BioPBS」を起点とした循環型社会構築の取り組み

 三菱ケミカルは、プラ廃棄物の増加、海洋プラごみ問題や地球温暖化という環境問題の解決に通ずるひとつの手段として、「BioPBS」の開発を推進。「BioPBS」は土壌中の微生物によって、水とCO2に完全に分解されることからプラ廃棄物削減に貢献でき、また原料が植物由来であるため、CO2の排出量削減に寄与できる。

 同社は、昨年から八ヶ岳エリアで「BioPBS」を起点とする循環型社会形成のプロジェクトを実施している。「BioPBS」を使用した紙コップ、ストロー、カトラリーなどを使用後に回収。八ヶ岳中央農業実践大学校でコンポスト処理(堆肥化)し、その堆肥を協力農家で野菜栽培に活用するという資源循環の実証事業を行っている。さらに、この循環システムで育てた野菜を「サステイナブル野菜」にブランド化。三菱ケミカル関係会社のカフェで提供されるメニューに取り入れ、消費者がプラごみ問題について考えるきっかけを与える活動も進めている。

 良質で美味しい野菜を食べてもらうことで、八ヶ岳野菜の価値向上と地域活性に繋がることも期待される。また、生産野菜をこども食堂(子どもたちに食事を提供するコミュニティ)へ寄贈する活動も積極的に行っており、コロナ禍での地域密着型社会貢献にも取り組んでいる。

 今回、こうしたプロジェクトが地域活性化にも貢献する資源循環の取り組みとして評価され、プラチナ大賞の優秀賞を受賞した。三菱ケミカルホールディングスグループでは、今後も地域と連携しながら、資源循環システムの構築を目指していく。

三菱ケミカル 配線基板用樹脂フィルム、高周波特性を向上

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2021年10月25日

 三菱ケミカルは22日、プリント配線基板用熱可塑性樹脂フィルム「IBUKI」について、電気特性を向上させ、高周波領域における伝送損失を低減した新グレード「New-IBUKI(仮称)」を開発したと発表した。東京ビッグサイトで開催される「JPCA Show 2021」(10月27~29日)に出展し、初めて紹介する予定。

 「IBUKI」は、接着剤を用いずに一括多層プレス加工を容易にした、プリント配線基板用熱可塑性樹脂フィルム。優れた寸法安定性、高周波特性、低温加工性、耐熱性、加水分解特性といった特長をもっており、配線基板用絶縁基材などに使用されている。

 今後普及が見込まれる5Gなどの次世代通信では波長が短い高周波が使われるため、従来の素材では電波を損失させ、通信に支障を来すおそれがあり、新素材の開発が求められている。

 今回開発した「New-IBUKI」は、「IBUKI」の特長はそのままに、高周波領域における伝送損失を軽減させた製品で、次世代通信用の配線基板材料として活用できる。電子機器の薄型化、小型化、高機能化に伴い、プリント基板は今後ますます高多層化、部品内蔵化が進むと見られている。

 同社は、顧客ニーズの多様化・高度化に対応する開発を進めることで、「IBUKI」シリーズのさらなる普及と、事業の発展を目指していく。

三菱ケミカル Twitter公式アカウントを開設

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2021年10月19日

 三菱ケミカルはこのほど、Twitterの公式アカウント(https://twitter.com/MitsubishiChemi)を開設した。運用コンセプトは「三菱ケミカル×化学×〝あなた〟」。

 化学メーカーである同社の素材や技術は、最終製品として人々の目に触れることは少ないが、日常のあらゆるところで〝あなた〟の生活を支えている。同アカウントでは、そんな同社の製品や技術をはじめとする事業活動やイベントなどの情報を、〝あなた(ユーザー)〟の視点に立って、タイムリーに伝えていく。

 また、化学の豆知識や地球を取り巻く社会課題など様々な情報を、わかりやすく発信していく。

三菱ケミカル 共押出多層フィルムを値上げ、コスト高に対応

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2021年10月19日

 三菱ケミカルは18日、共押出多層フィルムの各製品について、11月1日出荷分から値上げすると発表した。対象製品は、無延伸ナイロンフィルム「ダイアミロンC」、無延伸共押出多層フィルム「ダイアミロンM」「ダイアミロンMF」で、改定幅は「現行価格の10%」となっている。

 原油・ナフサなどの市況高騰により、原料価格が上昇していることに加え、設備維持費用・物流費なども上昇しており、製造コストを押し上げ、事業の採算を圧迫している。こうした中、同社は、これまでも継続的なコスト削減に鋭意努力してきたが、現在の価格体系では安定的な製品供給が困難であると判断し、値上げの実施を決定した。