中外製薬 新型コロナ対策を支援、国内医療関係者に寄付金

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2020年6月5日

 中外製薬はこのほど、新型コロナウイルス感染症の治療や感染予防に従事する日本国内の医療関係者を支援するため、寄付金を拠出した。日本財団LOVE POCKET FUND「新型コロナプロジェクト」に4000万円、東京都「守ろう東京・新型コロナ対策医療支援寄附金」に1000万円で、寄付総額は5000万円となっている。

中外製薬 コロナの抗体医薬品をA*STARと共同研究開始

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2020年5月26日

 中外製薬はこのほど、同社グループのシンガポール研究拠点である中外ファーマボディ・リサーチ(CPR)が、シンガポール科学技術研究庁(A*STAR)とともに、新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)に対する抗体医薬品の共同研究を開始したと発表した。

 共同研究は、A*STARの関連機関であるシンガポール免疫学ネットワーク(SIgN)を通じ、シニア主席研究員Cheng‐I Wang博士の率いる研究チームにより見出だされた治療薬候補となりうる抗体に関するもの。

 リード抗体は多様性の高い人工ヒト抗体ライブラリから取得されており、COVID‐19を引き起こすコロナウイルスに対する中和能を示している。CPRは、抗体研究に関する世界トップクラスの技術力を生かし、抗体の最適化を進め、独自の抗体エンジニアリング技術を適用することで、開発候補抗体を作製する。

 中外製薬の奥田修社長COOは、「中外製薬は、イノベーションにより世界の医療と人々の健康に貢献することをミッションとしている。抗体研究は、我々のイノベーション追求の中の柱であり、これまで革新的医薬品や独自の創薬技術を生み出してきた」とした上で、「新型コロナウイルスの流行は、人類が過去数十年に直面した様々な危機の中で、最も深刻な被害をもたらしている。A*STARと共に、世界中で進むこの脅威への対応の一助となるべく、一刻も早く臨床応用への可能性を拓くことを目指し尽力していく」と語った。

 なお、A*STARと中外製薬は、グローバルヘルス技術振興基金の助成の下、これまでにデング熱に対する共同研究プロジェクトを実施している。

 

中外製薬 1-3月期決算(23日)

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2020年4月24日

[中外製薬/1―3月期決算](23日)単位100万円、カッコ内は対前年同四半期増減率。▽連結(国際会計基準:IFRS)=売上収益179,424(16.3%)、営業利益72,411(57.1%)、四半期利益51,533(47.1%)、株主に帰属する四半期利益51,533(47.1%)。

中外製薬 新型コロナ対象に「アクテムラ」の臨床試験を実施

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2020年4月13日

 中外製薬はこのほど、ヒト化抗ヒトIL‐6レセプターモノクローナル抗体「アクテムラ」について、新型コロナウイルス肺炎(COVID‐19肺炎)を対象とした国内第Ⅲ相臨床試験を実施すると発表した。

 8日に、日本国内の重症COVID‐19肺炎の入院患者を対象とする「アクテムラ」の第Ⅲ相臨床試験の実施に向け、医薬品医療機器総合機構に治験届を提出した。今後、試験の詳細を確定の上、速やかな患者登録の開始を目指す。

 海外では、米国、カナダおよび欧州を含む世界の重症COVID‐19肺炎の入院患者約330例を対象として、「アクテムラ」と標準的な医療措置を併用した場合の安全性と有効性を、プラセボと標準的な医療措置の併用と比較する無作為化二重盲検プラセボ対照第Ⅲ相臨床試験(COVACTA試験)の実施をロシュ社が発表している。

中外製薬 カンボジアでチーム医療推進ワークショップ

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2020年3月25日

 中外製薬は、特定非営利活動法人ジャパンハートがカンボジアで運営する「ジャパンハートこども医療センター」で、現地医療関係者を対象としたチーム医療推進ワークショップを開催した。

 カンボジアでは、近年都市部を中心に急速な経済成長が続く一方、保健・衛生に関しては、医療関係者の絶対数の不足や、国民の医療・衛生に対する知識不足、保険制度の不備などの理由により、国民に等しく良質な医療が提供されるには至っていない。また、医療現場では人員、設備などさまざまな制約の下で、医師や看護師をはじめ多くの職種を含む医療関係者がいかに連携を強化し、質の高い医療を提供できるかが課題となっている。

 こうした中、カンボジアでのチーム医療の推進を目的とし、現地で医療関係者を対象とするワークショップを開催。ジャパンハートが運営する医療センターで行われた2日間(2月22~23日)のワークショップには、日本人を含む医師、看護師など計21名が参加。コミュニケーション上の課題解決スキルの学習を通じた医療の質の向上を目的に、1日目はクメール人スタッフを、2日目は日本人スタッフを対象にプログラムを実施した。現地の受講者に対しては、クメール語の通訳を介し母国語で実施することにより、日頃の思いや考えを引き出すことにつながった。

 日本では、患者に関わる医療のさまざまな担い手が、各々の高い専門性を前提に目的と情報を共有し、互いに連携・補完しつつ医療を提供するチーム医療が、治療の高度化・複雑化の進むがん領域で特に進んでいる。

 中外製薬は、がん領域のリーディングカンパニーとして、患者中心のチーム医療の支援に長年携わってきた。中期経営計画の戦略テーマである「Sustainable基盤強化」の実現に向け、6つの重点強化領域を掲げており、「保健医療アクセス」はこの1つ。今後もグローバルヘルスへの貢献を目指す取り組みに注力していく考えだ。

 

中外製薬 アクテムラのコロナ対象臨床試験、米社が承認取得

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2020年3月25日

 中外製薬は24日、同社が創製したヒト化抗ヒトIL‐6レセプターモノクローナル抗体「アクテムラ」(トシリズマブ〈遺伝子組み換え〉)について、米国ジェネンテック社が重症の新型コロナウイルス肺炎による入院患者を対象とした臨床試験の実施につき米国食品医薬品局(FDA)の承認を取得したと発表した。

 

中外製薬 12月期決算

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2020年1月31日

[中外製薬/12月期決算](30日)単位100万円、カッコ内は対前期増減率。▽連結(国際会計基準:IFRS)=売上収益686,184(18.4%)、営業利益210,597(69.4%)、当期利益157,560(69.3%)、株主に帰属する当期利益157,560(70.4%)。

《化学企業トップ年頭所感》中外製薬 小坂達朗社長

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2020年1月21日

 昨年、当社は3カ年の中期経営計画「IBI 21」を発表し、初年度として期待を上回る成果を挙げることができた。

 新製品では、抗がん剤「テセントリク」市場浸透と適応拡大が順調に進展し、自社創製の血友病A治療薬「ヘムライブラ」がグローバルで大きく成長した。

 がんの個別化医療では、包括的がんゲノムプロファイリング「FoundationOne CDx」、がん種を問わず特定の遺伝子変異を有する固形がんで承認を取得した「ロズリートレク」を発売し、がんゲノム医療への貢献を目指している。

 研究開発では、「ヘムライブラ」に続く成長ドライバーとして期待する、リサイクリング抗体サトラリズマブ(予定適応症:視神経脊髄炎スペクトラム)が日米欧の同時申請を果たし、抗体に続く新規モダリティである中分子医薬品の開発も順調に進捗した。将来の成長を支える基盤整備も進み、新たな中核的研究拠点である中外ライフサイエンスパーク横浜が着工している。

 まさに、新たに掲げた「患者中心の高度で持続可能な医療を実現する、ヘルスケア産業のトップイノベーターになる」という目標に向かい、着実に歩みを進めた1年だった。今年も独自のサイエンス力・技術力に基づくイノベーションを通じた医療への貢献を目指し、一層取り組みを進めていく。

 サトラリズマブを世界の患者にいち早く届けるため、ロシュと共に引き続き努めるとともに、「テセントリク」の複数の適応拡大をはじめとする承認申請を着実に実行していく。次世代のイノベー ションとしては、新たな抗体エンジニアリング技術を用いたスイッチ抗体の臨床試験が今年スタートの予定で、中分子医薬品についても、「IBI 21」の期間中に臨床開発に着手することを目指し、引き続き進めていく。

 また、製薬産業を取り巻く激しい環境変化に対応するため、必要な改革も推進する。環境変化に対応し、持続的な成長を実現するためには、中外製薬グループ全体の機能をさらに強化し、スピードと機動力を高める必要がある。

 特に重視するのがデジタルへの対応であり、デジタル・ITを活用した一元的な戦略の確立・実行に向け、昨年新設したデジタル・IT統轄部門の下、AIを活用した革新的な新薬創出と、バリューチェーン効率化をスピーディーかつ強力に推し進めていく。

 世界の医療と人々の健康に貢献するため、全社員が一丸となり、新しい技術や方法を積極的に取り入れながら、今年もイノベーション創出に果敢に挑戦していく。

中外製薬 新社長に奥田氏が就任、小坂社長は会長CEOに

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2019年12月19日

 中外製薬は17日、同日開催された取締役会において、小坂達朗社長最高経営責任者(CEO)が代表取締役会長CEOに、奥田修上席執行役員プロジェクト・ライフサイクルマネジメント共同ユニット長が社長最高執行責任者(COO)に内定したと発表した。永山治代表取締役会長は名誉会長となる予定。なお同件は、2020年3月下旬の株主総会後の取締役会で正式決定される。

中外製薬 奥田新社長
奥田新社長

 異動の理由について同社は、「CEOが全社経営戦略および重要案件の意思決定を担い、COOが業務執行上の意思決定を行う体制とし、意思決定の迅速化ならびに経営力のより一層の強化を図るため」と説明している。

 新社長COOとなる奥田氏は、「新社長COOの指名を受け、大変光栄であると同時に、未来を託された重責に身の引き締まる思いだ。価値あるソリューションで社会に貢献し、社会とともに持続的成長を遂げることが当社の基本方針であり、その過程で、成長した当社がさらに画期的なイノベーションを生み出す持続的好循環を築くことが私の使命である。革新的医薬品を核とするイノベーションで患者と医療に貢献することを改めて約束するとともに、当社を目指す姿である〝ヘルスケア産業のトップイノベーター〟とすべく尽力していく」とコメントしている。

 奥田氏は日本で創製された初めての抗体医薬品である「アクテムラ」の臨床開発責任者、のちライフサイクルリーダーを務め、同製品のグローバル展開において、臨床開発から発売に至るまでロシュとの協働の中枢として貢献した。

 2015年以降は経営企画部門を率い、中期経営計画や今年発表した新ミッションステートメントの策定を主導し、同社の新たな目指す姿と価値観を提示した。

 なお、座右の銘は「百折不撓」。