《化学企業トップ年頭所感》宇部興産 泉原雅人社長

, ,

2020年1月8日

 昨年は、国内では平成が終わり、令和という新しい時代が始まるという節目の年だった。世界の政治・経済情勢は、自国中心主義の風潮がますます強まる中、米中貿易摩擦などの貿易障壁の高まりや英国のEU離脱問題の混迷、地政学リスクなど、不安定な政治的状況が実態経済に大きな影を差すようになり、中国など主要各国で成長の同時減速という事態が広がった。

 不透明な政治情勢を背景とした景気の落ち込みは、今年も当面続くと思われる。とはいえ、その中で新たな時代の胎動は着実に進んでいる。今年の始まりにあたり、皆さんに次の2点をお願いする。

 1つ目は、1人ひとりが心身ともに健康であること。職場の安全については、環境事故撲滅や設備保全の改善のための取り組みも含め、活動の有効性を検証し、必要に応じた見直しを行いながら、安全文化を定着させていこう。

 昨年のラグビーワールドカップ以来、「ONE TEAM」という言葉が盛んに言われ、流行語大賞にもなったが、まさにチームとして変化に立ち向かい、力を発揮するための大前提は1人ひとりの安全と健康だ。今年も、個人の生活と職場の両方で、安全と健康に努めてほしい。

 2つ目は、自分の仕事のやり方が今の時代に合ったものか、あるいは今後の時代の流れを見据えた時に、その進むべき方向性に合ったものか、改めて見直し、積極的に変えてほしい。

 先行きが不透明な時代であるからこそ、少しでも先を見る努力をし、将来に備えつつ自分の今の仕事を軌道修正していくことを、1人ひとりが心掛け、「変えながらやり抜く」ことが肝要だ。常に「最新の未来」を探り、それを踏まえてやり方は調整しながら、しつこくやり抜く努力をしよう。

宇部興産 人事(2020年1月1日)

2019年12月27日

[宇部興産・人事](2020年1月1日)【化学カンパニー】▽研究開発本部ライフサイエンス研究室長大矢修生▽同本部同室副室長山本祥史▽ナイロン・ファイン事業部工業薬品営業部営業第一グループリーダー弘中隆▽同事業部同部営業第二グループリーダー綿貫耕平▽同事業部同部営業第三グループリーダー蔵野勝之▽化学生産本部堺工場製造第二グループリーダー河村賢▽同本部宇部ケミカル工場機能品製造部機能品製造第三グループリーダー藤丸克俊▽同本部同工場同部ポリイミド材料生産技術グループリーダー菰田倫久▽同本部同工場同部無機材料生産技術グループリーダー西村英樹【建設資材カンパニー】▽技術開発研究所セメント開発部環境技術グループリーダー丸屋英二。

宇部興産 組織改正(2020年1月1日)

2019年12月27日

[宇部興産/組織改正](2020年1月1日)【化学カンパニー】▽研究開発本部①「萩原研究室」を「ライフサイエンス研究室」に改称する▽ナイロン・ファイン事業部①「工業薬品営業部」の「宇部工薬営業グループ」、「東京工薬営業グループ」、「大阪工薬営業グループ」、「名古屋工薬営業グループ」を改組し、「営業第一グループ」、「営業第二グループ」、「営業第三グループ」を新設する▽化学生産本部①「宇部ケミカル工場機能品製造部」の「機能品生産技術グループ」を改組し、「ポリイミド材料生産技術グループ」と「無機材料生産技術グループ」を新設する。

 

宇部興産 「宇部72カントリークラブ」を市川興業に譲渡

, , , ,

2019年12月24日

 宇部興産はこのほど、同社完全子会社の宇部興産開発が運営するゴルフ場事業を、市川興業(東京都練馬区)に譲渡することを決定したと発表した。19日に宇部興産と宇部興産開発の取締役会で譲渡契約を承認し、宇部興産開発と市川興業との間で株式譲渡契約を締結した。来年3月2日に株式譲渡を実行する予定。

 宇部興産開発が運営するゴルフ場事業は、1960年の営業開始以来、4コースを有する西日本最大級のゴルフ場として発展し、数々のトーナメントも開催してきた。しかし、国内のゴルフ人口が減少傾向をたどる中、ゴルフ場業界は今後も厳しい事業環境が見込まれることから、利用者へのさらなるサービス向上と同事業の中長期的な発展を図るためには、ゴルフ場経営を主要事業とする企業に事業の運営を委ねるべきであると判断し、市川興業に譲渡することにした。

 事業譲渡に当たっては、今月、宇部興産開発が設立した「宇部72カントリークラブ(CC)」へ同事業を分割移管させた上で、宇部72CCの全株式を市川興業に譲渡する。ゴルフ事業譲渡に伴い、宇部興産は特別損失を約48億円計上し、法人税などを考慮した親会社株主に帰属する当期純利益は約25億円減少する見込み。2020年3月期通期連結業績予想については、10月28日に公表した業績予想の修正が必要と判断される場合、速やかに公表する。

宇部興産 日本液炭の新工場へ炭酸ガスの供給を決定

, , , ,

2019年12月13日

 宇部興産は12日、宇部藤曲工場(山口県宇部市)で副生される炭酸ガスの有効利用を図るため、日本液炭が新たに建設する液化炭酸工場向けに、原料となる炭酸ガスを供給することを決定したと発表した。供給開始は2021年11月を予定している。

宇部藤曲工場
宇部藤曲工場

 宇部藤曲工場は、2013年からグループ会社の宇部アンモニア工業の工場運営業務を受託。宇部藤曲工場のアンモニア製造工程で副生される炭酸ガスを、日本液炭が同工場内に新設する液化炭酸・ドライアイス製造設備向けに供給する。

 液化炭酸は冷却用途(ドライアイス)や溶接用のカバーガス向け、農業用途、各種産業用途などで用途が拡大。宇部興産は原料供給を通じて、液化炭酸の需要増に対応するとともに、炭酸ガスの有効利用によりCO2排出の削減を図る。

 宇部興産は、中期経営計画の基本方針として〝資源・エネルギー・地球環境問題への対応と貢献〟に取り組んでおり、引き続き、サプライチェーン全体でエネルギー使用量削減・廃棄物利用拡大などによる温室効果ガス削減に努めるとともに、環境負荷低減に貢献する技術・製品の創出・拡大をより一層推進していく考えだ。

大陽日酸 子会社が宇部工場を新設、液化炭酸ガス・ドライアイス製造

, , , , ,

2019年12月12日

 大陽日酸は11日、子会社の日本液炭が山口県宇部市の宇部興産の敷地内に、液化炭酸ガスとドライアイス製造工場=宇部工場=の新設を決定したと発表した。生産能力は、液化炭酸ガスが200t/日、ドライアイスが150t/日(黒崎工場、水島工場からの移転分を含む)で、2021年11月の完成を予定する。投資額は約60億円。

 日本液炭は、国内の石油精製や化学プラントから副生される炭酸ガスを回収し、液化・精製して、液化炭酸ガスやドライアイスとして販売することで、環境負荷低減に貢献している。しかし、近年の原料ガスの大幅な減少により、製品需給が恒常的にひっ迫している状況にある。

 こうした中、宇部興産から借用する敷地内に、同社のアンモニア製造プラントから副生される炭酸ガスを原料として製品を製造する宇部工場を新設し、炭酸ガスの再利用促進とともに、製品の安定供給体制を確保していく。

 これと同時に、ドライアイス製造機能を、日本液炭の黒崎工場(三菱ケミカル・福岡事業所内)と水島工場(同・岡山事業所内)から宇部工場に移転集約。ユーザーのニーズに併せた使用形状まで加工できる設備も備えることにより、ドライアイス事業の効率化を進めていく考えだ。

宇部興産 カプロラクタムの12月価格は前月比135ドル安

, ,

2019年12月12日

需給バランスが悪化、春節明けまで回復見込めず

 宇部興産は、ナイロン原料であるカプロラクタム(CPL)について、12月(上旬決め)の韓国・台湾大手向け契約価格を前月比135ドル/t安の1265ドル/tで決着した。契約価格が1300ドル/tを下回ったのは、2016年2月の1175ドル/t以来となる。

 今年のCPL価格は年初から上昇基調となり、4月と5月には1790ドル/tを記録したが、

このコンテンツを閲覧するにはログインが必要です。お願い . あなたは会員ですか ? 会員について

宇部興産・山口東京理科大 細胞培養関連テーマで共同研究

, , , ,

2019年11月20日

 宇部興産はこのほど、山口東京理科大学(山陽小野田市)と包括連携下の共同研究実施第1弾として、多孔膜素材を用いた培養幹細胞の長期維持機構の解明に関する研究を開始すると発表した。なお、両者は今月15日付で共同研究契約を締結している。

 宇部興産・化学カンパニー研究開発本部の萩原研究室では、超耐熱性多孔薄膜「ポリイミド(PI)多孔質膜」を基質に応用した細胞培養法に関して研究を重ねてきた。その結果、ヒトおよび動物細胞の高効率大量培養が、このPI多孔質膜を用いて実行可能であることを見出だし、一連の発明を特許として出願、新規事業開拓に向けバイオ医薬品向けタンパク質産生などの産業利用を目指した取り組みを展開している。

 これらの発明の1つとして、再生医療などで注目を集めるヒト間葉系幹細胞への応用に関して、通常の培養方法では細胞の老化によって失われる幹細胞の性質を、PI多孔質膜を用いることによって数カ月から1年以上の長期培養でも維持可能であることを発見した。産業での活用に向け、この現象のメカニズム解明や各種用途への適用性開拓など、さらなる研究開発が重要となる。

 一方、山口東京理科大学・薬学部再生医療学分野の嶋本顕教授は、早老症の研究に長期にわたって取り組み、細胞の寿命とテロメアの関係を始めとした細胞老化のメカニズムについて、多くの研究成果を報告してきた。そして疾患特異的iPS細胞の樹立やモデル動物への展開といった幅広い研究経験を踏まえて、同大学では再生医療の視点から幹細胞の老化について研究を開始している。

 この両者の共同研究により、双方の経験やノウハウを活用しながらPI多孔膜を用いた培養ヒト幹細胞の長期維持の解析を進め、研究を加速させることが今回の新規連携の目標となる。両者の隣接市という立地の利点も活用しながら密度の高い研究連携を展開し、将来的には再生医療でニーズが高まる高品質幹細胞の大量生産や幹細胞エクソソームの安定供給などへの応用を展開する。