日本ゼオン 大型TV用光学フィルムの新規ライン起工式を実施

, ,

2019年1月21日

 日本ゼオンは、昨年に新設を決めた福井県敦賀市の、光学フィルム工場での大型TV向け位相差フィルム製造ラインについて、今月17日に起工式を執り行った。

起工式の様子(右が田中社長)
起工式の様子(右が田中社長)

 起工式には、福井県の西川一誠知事、敦賀市の渕上隆信市長をはじめとする行政関係者や、同社の田中公章社長、グループ企業オプテスの赤谷晋社長など約40名が出席し、工事の無事安全を祈願した。

 プラント建設予定地は、製造子会社であるオプテス敦賀製造所(福井県敦賀市莇生野)の敷地内。今年12月の完工と、2020年4月の稼働開始を予定している。

日本ゼオン 完成予想図(赤枠の建物を建設予定)
完成予想図(赤枠の建物を建設予定)

 日本ゼオンの光学フィルム「ZeonorFilm」の生産は、シクロオレフィンポリマーを原料として世界初となる溶融押出法で行う。今後、特に大型TVのディスプレイ用にさらなる需要拡大が見込まれる中、新プラントで位相差フィルムとしては世界最大幅(2500mm幅クラス)となる同製品を生産していく。

 

【新春インタビュー】日本ゼオン代表取締役社長 田中公章氏

, ,

2019年1月17日

アジアの石化市況が昨年9月以降、下落傾向にあります。

 この動きは一時的な調整局面というよりも、ダウントレンドに入ったと見ています。今後、米中貿易摩擦の影響がいろいろな形で出てくる可能性があり、上期のような好環境に戻ることはないでしょう。これまで業界に吹いていたフォローの風が止んだ状態にあり、事業環境の悪化に備え社内の引き締めを図っています。

社長日本ゼオン また、ブタジエン価格については、上期は1700ドル程度と高値で推移していましたが、下期は一転して1000ドル程度に急落しました。

 ブタジエンは天然ゴム市況などさまざまな要因の影響を受けるため、今後も乱高下すると見ており、しっかりと製品へ価格転嫁しなければいけません。

 上期の高い原料で生産した製品の在庫がなくなりつつあり、下期は挽回できると見ていますが、楽観はできません。

 ━上期の業績は増収減益となりました。

 上期の売上高は過去最高を更新しました。ただ上期後半には、原料のブタジエンが高騰し高い原価の合成ゴムを販売したことに加え、当社の主力製品である光学フィルムでも、スマートフォン(スマホ)の在庫調整の影響を受けたため、営業利益は減益となりました。この2つの要因がなければ、利益がさらに伸長したと見ています。

 下期に入って、この2つの課題解決が大きなテーマですが、合成ゴムでは、

このコンテンツを閲覧するにはログインが必要です。お願い . あなたは会員ですか ? 会員について

日本ゼオン 中計最終年のありたい姿に向け投資を加速

2019年1月17日

 日本ゼオンは、現中期経営計画「ZS―20 PhaseⅢ」(2017~20年度)の最終年度にありたい姿として売上高5000億円以上の達成を掲げている。現有設備が高稼働を継続していることから、プラントの新増設など設備投資が大きな課題だ。

 田中公章社長は、投資計画の遅れについて、建設費の高騰をネックに挙げた。その解消に向け、金額的なことに加え人材確保や技術開発などを含めた抜本的な対策に取り組んでいるとし、

このコンテンツを閲覧するにはログインが必要です。お願い . あなたは会員ですか ? 会員について

日本ゼオン グループ企業がチェコに1月開業の現地法人を設立

,

2018年12月27日

 日本ゼオンは26日、グループ企業で各種化学商品などの仕入れ販売を行う東京材料が、チェコのプラハに現地法人「Tokyo Zairyo Czech」を設立したと発表した。

 国内外で培ったネットワークを生かした豊富な情報提供などユーザーサポート体制を確立し、現地の日系自動車部品メーカー、樹脂加工メーカーに対し、樹脂・エラストマーなど成形材料を中心に仕入れ販売を行う。

 なお、営業開始は来年1月を予定している。

 

日本ゼオン 人事(12月1日)

2018年12月4日

[日本ゼオン・人事](12月1日)▽CSR推進本部長、取締役常務執行役員、基盤事業本部長、物流統括部門長平川宏之▽カーボンナノチューブ事業担当、ゼオンナノテクノロジー副社長、取締役執行役員古谷岳夫▽総合生産センター環境安全部長後藤憲一。

 

日本ゼオン 中計最終年度の目標に向け積極投資

, ,

2018年11月2日

 日本ゼオンは中期経営計画「SZ-20」PhaseⅢの最終年度である2020年に売上高5000億円を目指し、積極的に投資を行っている。31日に開催した決算説明会で、中計の進捗状況を説明した田中公章社長は、目標達成に向けた上期の取り組みとして、エラストマー素材事業と高機能材料事業のトピックスを紹介した。

中計の進捗状況を説明する田中社長
中計の進捗状況を説明する田中社長

 エラストマーのうち、S-SBRについては住友化学との合弁による技術・生産のシナジー効果で世界のリーディングポジションを目指しており、現在、従来品に比べ低燃費性能と耐摩耗性能を向上させた試作品2点を完成させ、顧客に提案していることを明らかにした。

 8月に発表したタイにアクリルゴムの製造・販売会社を設立する事業に関しては、年産5000tの設備の20年春の生産開始に向け、準備を開始。グローバルでのGDPの伸びに比例して、化粧用品の需要が増加すると見込まれることから、主に化粧用パフに使われる高濃度NBRラテックスの生産能力の向上を4月に実施した。

 スチレン系熱可塑性エラストマー(SIS)事業の拡大では、非対称SISが、下期にエラスティックフィルム用として大型採用されることが決定したことを紹介した。

 一方、高機能材料では、

このコンテンツを閲覧するにはログインが必要です。お願い . あなたは会員ですか ? 会員について

日本ゼオンの4-9月期 売上高は過去最高も減益に

,

2018年11月1日

 日本ゼオンの2019年3月期第2四半期連結決算は増収だったものの、エラストマー素材事業部門の減益が響き、営業利益と経常利益が減益となった。31日に開催した決算説明会で、田中公章社長は「売上高は半期として過去最高だった」と述べた。

 売上高は前年同期比1%増の1690億円、営業利益は同10%減の180億円、経常利益は同6%減の203億円、四半期純利益は同1%増の145億円。

 エラストマー素材事業部門の売上高は同18億円増の1002億円、営業利益は同18億円減の95億円で、増収減益だった。ゴム事業では、国内販売は堅調に推移し、海外子会社も米国を中心に好調だったが、天然ゴムの市場価格低迷の影響から、輸出販売は前年同期を下回った。

 ゴム販売数量は

このコンテンツを閲覧するにはログインが必要です。お願い . あなたは会員ですか ? 会員について

日本ゼオン 大型TV用光学フィルムの製造ラインを新規増設

, ,

2018年10月17日

 日本ゼオンは16日、福井県敦賀市の光学フィルム工場で、大型TV向け位相差フィルムの製造ラインを新規増設することを決定したと発表した。

 敦賀地区ですでに購入済みの敷地に新規設備を建設。量産開始は2020年4月を予定しており、操業人員の新規雇用を計画している。

 「ゼオノアフィルム」は、同社独自のポリマー設計技術で開発した熱可塑性プラスチック(シクロオレフィンポリマー)から、世界初となる溶融押出法により生産された光学フィルム。

 シクロオレフィンポリマーの特性である高い光学特性と優れた寸法安定性があり、大型TVやモバイル機器のディスプレイ向けに、視野角補償や反射防止などの機能をもたせる位相差フィルムを中心として需要が拡大している。

 今回の投資は、液晶パネルの大型化に対応するもので、特徴として世界最大幅(2500mm幅クラス)の位相差フィルムの生産を可能としたもの。新ラインの生産能力は、年間5000万㎡の計画であり、既設の能力と併せて、TV向け位相差フィルムの生産能力は1億6900万㎡となる。

 同フィルムは、グループ企業で製造子会社であるオプテス北陸工場の高岡製造所(富山県)、氷見製造所(富山県)、敦賀製造所(福井県)の3拠点で製造されている。同社は、富山県と福井県敦賀市に生産拠点を分散させることで、有効なBCP(事業継続計画)対策としていく考えだ。