《化学企業トップ年頭所感》東ソー 山本寿宣社長

, ,

2022年1月6日

 一昨年からの新型コロナウイルス蔓延が続き、現在も新たな変異株の感染拡大の影響が懸念される。さらに地政学リスクや米中摩擦など、今後も注視が必要だ。国内外の出張自粛や在宅勤務でストレスが蓄積していると思うが、ウェブ会議やDXなどのメリットを見出だしながらより良い職場環境を作ることが大事だ。

 過去の様々な困難も諸先輩や皆さんの尽力で克服し、今の東ソーがある。企業理念や東ソースピリットは今後も実践する。ここ数年は経済環境に恵まれ、財務基盤は強化し内部留保も厚くなった。企業価値の向上や環境対策などに挑戦し、さらなる飛躍への道を創造していくことが肝要だ。企業の継続には企業価値を高めることが重要で、全ての利害関係者(ステークホルダー)が必要と感じる企業を目指す。

 今年度は中計の最終年度だが、計画はほぼ達成の見込みだ。来年度からの次期中計での課題は、成長と環境のバランスだ。政府発表の2030年までのGHG46%削減をベースに、目標値を策定する。2050年までのロードマップと具体策・スケジュールは、次期中計で発表する。信頼され収益力ある化学会社であり続けるための壁は高いが、ブレイクスルーできると期待している。

 無事故・無災害による安全操業と安定収益の継続は必須だ。過去からの学びを生かし、安全対策と現場力強化に向けたプロアクティブな行動を願う。事業部は製品が陳腐化しないように事業価値を高める施策、研究部門は市場で求められる高機能製品のタイムリーな開発による製品ポートフォリオの拡充が大事だ。産学官やオープンイノベーション、IoTやMIを駆使した効率的な開発に期待する。

 今年の課題は①2021年度業績予想の達成、②安全文化の醸成、③成長による事業価値の向上、④コンプライアンスの遵守、⑤現場力の強化、⑥SDGsへの対応だ。何事にも慢心せず、与えられた使命を着実にこなし、より信頼してもらえる会社を目指していこう。

東ソー 研究・技術報告の最新巻、電気・電子材料を特集

, ,

2021年12月27日

 東ソーはこのほど、最新の研究開発成果を紹介する「東ソー研究・技術報告」第65巻を発刊した。

 同誌は1957年の創刊以来、同社グループの研究所、開発部、技術センターなどの研究開発部門によるテクニカルレポートとして、報文、技術資料、投稿論文要旨、講演リスト、特許情報および製品紹介など多岐にわたる内容を掲載。最新巻では、電子材料分野、ライフサイエンス分野、環境・エネルギー分野で成長が目覚ましい材料に焦点をあて、総合報文4報からなる電気・電子材料特集を組んでいる。合わせて、研究開発部門による報文(4編)、技術資料(10編)を収録。

 同社は研究開発を行うにあたり、SDGsの考え方を取り入れ、サステナブルな社会を目指し開発を進めている。報文・技術資料の製品・開発品にはゴールを示すロゴを付与した。同社は今後も、事業のさらなる発展に寄与する研究開発成果を発信していく。

 なお、最新巻およびバックナンバーは、同社ホームページ(http://www.tosoh.co.jp/technology/report/index.html)で閲覧が可能だ。

東ソー NOx耐性に優れたCO2回収用アミン開発

, , , , ,

2021年12月22日

東ソーは21日、石炭や天然ガスなどの化石燃料使用時の燃焼排ガスからのCO2回収に利用可能な、NOx耐性に優れる高性能なCO2回収用アミンを開発したと発表した。

化学吸収法によるCO2回収システム。劣化の少ない開発品の適用が期待される

今後は製品化に向けて、 “東ソー NOx耐性に優れたCO2回収用アミン開発” の続きを読む

東ソー 塩化カルシウム液を値上げ、安定供給を維持

,

2021年12月21日

 東ソーは20日、塩化カルシウム液を2022年1月17日出荷分から「10円/kg以上」(固形換算)値上げすると発表した。

 同社は、これまで事業採算改善へ向けてあらゆるコスト削減に努めてきたが、昨今の原燃料価格の上昇、製造設備や物流体制の修繕・維持費用の上昇により事業採算は大幅に悪化している。こうしたコスト事情の悪化は自助努力のみでの吸収が困難な状況となっていることから、今後の事業継続と安定供給維持のために値上げを決めた。

東ソー PPS樹脂を再値上げ、安定供給の継続図る

,

2021年12月20日

 東ソーは17日、PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂「サスティール」の全グレードについて、2022年1月1日出荷分から値上げする、と発表した。改定幅は、ベースレジンが「95円/kg以上」、コンパウンドが「65円/kg以上」となっている。

 同社はかねてよりPPS樹脂の品質向上、安定供給、ならびにコスト削減に努めてきた。今年5月に価格改定を発表したが、主原料・副原料・各種ユーティリティはさらに高騰しており、自助努力で吸収できる限界を超えている。こうした状況下、同社は安定供給継続のため、追加の採算是正を実施せざるを得ないとの判断に至り、今回の値上げを決定した。

出光興産など 周南市と木質バイオマス材利活用で連携協定

, , , , , ,

2021年12月16日

 出光興産、東ソー、トクヤマおよび丸紅は15日、山口県周南市との間で木質バイオマス材利活用と森林整備などに関する連携協定を締結したと発表した。今後は、同市の市有林を活用した共同実証事業の実施に向けて、検討を進めていく。

 同協定は、今年1月に設置された「周南市木質バイオマス材利活用推進協議会」を契機として、周南市と各社が、同市での木質バイオマス材の利活用と森林整備などの推進を図ることを目的としたもの。同協定に基づき、①木質バイオマス材の利活用と地産地消②森林の整備と有効活用③その他、木質バイオマス材の利活用と森林整備などの推進を図るために必要と認める事項、の3点について連携を図る。

周南市の市有林

東ソー ポリウレタン原料TDI値上げ、原料高騰に対応

,

2021年12月10日

 東ソーは9日、ポリウレタン原料のTDIについて、2022年1月4日納入分から値上げすると発表した。改定幅は「50円/kg」。

 昨今、トルエンを始めとする原料価格の高騰が継続しており、さらにユーティリティコストや物流コストも上昇している。同社は、これらのコスト上昇を自社の合理化努力のみで吸収することは困難であることから、2023年度の事業撤退まで安定供給を継続するために、価格改定の実施を決定した。

東ソー 北海道大学が創設した「鈴木章賞」に単独協賛

, , , ,

2021年12月9日

 東ソーは8日、北海道大学が鈴木章名誉教授の功績を称えるとともに、化学分野の学術進歩を支援する目的で、「鈴木章賞」を創設したことを受け、単独協賛企業として同賞の支援を決定したと発表した。

 2010年にノーベル化学賞を受賞した同大学の鈴木章名誉教授は、2008~2019年にかけて、同社グループの技術アドバイザーを務めた。その間、2017年には「東ソー研究・技術報告」第61巻の巻頭言を執筆するなど、研究開発指導に加えて、同社の情報発信活動(リクルート資料、CSRレポート、共著専門書作成など)に大いに貢献している。

 「鈴木章賞」には2つの賞が設けられ、実験化学分野「Akira Suzuki Award」、および計算(理論)化学・情報科学分野「ICReDD Award」において、化学反応開発に顕著な功績を収めた研究者に授与される。今回、初代「鈴木章賞」の受賞者が決定し、授賞式および受賞講演会が2022年3月12~13日に開催される予定。

 東ソーは、今後も化学分野の技術発展への貢献を続けていく。

東ソー 固形カセイソーダを値上げ、安定生産・供給図る

,

2021年11月30日

 東ソーは29日、固形カセイソーダを12月21日出荷分から「20円/kg以上」値上げすると発表した。対象製品は、「トーソーパール」とフレークカセイソーダ。

 固形カセイソーダの国内需要は昨年を上回るペースで推移し、海外市場、特にアジア市場では需要の伸長に供給不足が重なり、市況価格が上昇。加えて、物流費や設備の更新・補修費、エネルギーコストの上昇は、同社の自助努力の限界を超えており、適正な採算確保が困難な状況となっている。

 同社は引き続き、コスト削減をはじめ、省力化や合理化などあらゆる施策を実施しているが、国内の需要に対して安定生産・安定供給を継続するためには、今回の価格改定が必要だと判断した。