東ソー ジルコニア技術開発、市村産業賞功績賞を受賞

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2021年4月8日

 東ソーはこのほど、「革新技術による微細組織制御ジルコニアの事業化と新展開」で、市村清新技術財団が主催する「第53回市村産業賞」で功績賞を受賞した。

 1980年代に開発された高強度ジルコニアは、各社がセラミックスの主役になることを期待して実用化に取り組んだが、当時のジルコニアは経験を基にした粉末製造技術によるものであり、品質の安定化や量産化が困難だった。

 こうした中、東ソーは課題解決に取り組み、高強度ジルコニアに代わる微細組織制御ジルコニア(MCZ)を提案するとともに、品質安定性に優れたMCZ粉末の高生産性プロセスを確立した。次に、粒界ナノ構造・ナノ化学制御技術により広範な用途に使用できるように機能を強化した高耐久性および超高耐久性を特長とする次世代MCZを開発し、さらには高強度を維持して靭性を大幅に向上させた次世代MCZの創出にも成功した。

 このような長年の研究開発で生まれた革新技術は、ジルコニアの素材としての可能性を大幅に広げ、様々な分野での用途開発を加速。光接続部品、粉砕・分散メディア、審美歯科材料などで実用化され、市場形成を大きく進展させた。日本だけでなく世界の歯科市場をはじめ各産業に大きく貢献するとともに、今後は高度な信頼性が要求される広範な分野での展開が期待されている。

 これまでのジルコニアの技術開発および事業化の進展と将来性が高く評価され、今回の受賞に至った。同社では、今回の受賞を励みとし、今後も革新的な研究開発に取り組んでいく。

東ソー 新規卵巣がんマーカーTFPI2の測定試薬開発

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2021年4月7日

 東ソーは6日、卵巣がんの診断の補助に使用される新規マーカー「組織因子経路インヒビター2(TFPI2)」の測定試薬である「Eテスト「TOSOH」Ⅱ(TFPI2)」 を開発したと発表した。 同製品は、昨年6月に体外診断用医薬品として製造販売承認を取得。今年4月1日付で保険適用を受けており、7月下旬から販売を開始する予定だ。

 同製品は、文部科学省イノベーションシステム整備事業「翻訳後修飾プロテオミクス医療研究拠点の形成」の中で、横浜市立大学と共同で卵巣がん新規診断マーカー探索研究を実施し、得られた成果をもとに開発された。

 特長として、①健常人や子宮内膜症を含む良性腫瘍ではほとんど上昇せず、卵巣腫瘍の良性・悪性の判別に有効、②卵巣がんの中で、他の組織型と比較して卵巣明細胞がんで特に高値を示し、組織型(明細胞がん)の推定に有効、③同社専用装置(全自動エンザイムイムノアッセイ装置「AIA-2000」)により、短時間(約20分)での測定が可能、などが挙げられる。

 東ソーは、ライフサイエンス分野の製品やサービスの提供を通じて、人々の健康と福祉に関する社会課題の解決に貢献できるよう、今後も積極的に取り組んでいく考えだ。

【化学企業 入社式訓示①】東ソー 山本寿宣社長

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2021年4月2日

 入社おめでとう。社員・役員を代表して、また先輩の1人として心から歓迎する。

 新型コロナウイルスは全世界的に蔓延しており、ワクチンが開発されたとはいえ、いつ終息するのか予想がつかず、業績にも影響すると覚悟しなければいけない。当社はこれまで種々の事業や投資を手掛けてきたが、全て上手くいったわけではなく、幾多の試練を乗り越え今日に至っている。

 現在のように将来が不透明な経済環境下でも、会社が持続的に強く成長し続けるためには、経営陣のみならず全社員が過去の苦い経験を忘れずに、今、何をすべきか考え、実行していくことが必要だ。それが私たちに与えられた使命だといえる。ビジネスチャンスを的確に捉え、スピード感をもって果敢にチャレンジするとともに、研究開発にもより一層力を入れていく考えだ。

 当社のCSR基本方針は、とりわけ、社風である東ソースピリット「挑戦する意欲」「冷たい状況認識」「熱い対応」「持続する意思」「協力と感謝」を体現することであり、それぞれの重要課題を一緒になって解決していきたいと思っている。それらを踏まえて、入社式にあたり3のことをお願いしたい。

 1つ目は、夢を大事にし、10年、20年後の自分像を描くことだ。この先数十年、世の中の変化とともに東ソーも大きく変貌していくことが想像される。皆さんが今抱いている希望やその初心を忘れないのと同時に、数十年後に自分がなりたい姿をイメージし、夢や希望の実現に向けて仕事に励んでほしい。

 2つ目は、その道のプロになることだ。入社後まずは職場に慣れて知識・経験を積み、仕事の核心を理解・把握した上でプロアクティブに行動できる人材になってもらいたい。その行動が社会への貢献にもつながると信じている。

 3つ目は語学の勉強だ。当社製品の海外売上比率は4割を超え、今後も海外事業の拡充を計画している。海外展開での異文化コミュニケーションのツールとして、語学力の向上を目指してほしい。東ソーの将来を担うのは皆さんだ。力を合わせて、東ソーの新しい時代を築くとともに働き甲斐のある会社にしていこう。

東ソー 健康経営優良法人(大規模法人部門)に連続認定

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2021年4月1日

 東ソーはこのほど、「健康経営優良法人2021(大規模法人部門)」に昨年に引き続き認定された。「健康経営優良法人認定制度」とは経済産業省が優良な健康経営に取り組む法人を「見える化」し、社会的に評価ができる環境を整備することを目的とした顕彰制度。

 同社は、健康づくり委員会を中心として、従業員の心身の健康づくりをサポートするため、「体力づくり」「生活習慣の改善」「メンタルヘルス」を3本柱に、ウォーキング活動や食育・禁煙・適正飲酒をテーマとしたイベント、産業医や外部講師によるメンタルヘルス講習会など、様々な健康づくり活動を展開している。

同社は「働きやすい職場づくり」をCSR重要課題として位置づけ、従業員の健康と職場環境の維持・向上は企業としての責務であり、健全な企業経営のためには必要不可欠なものという理念を掲げている。今後も従業員の自発的な健康づくりのために環境を整備し、その活動を積極的にサポートしていく。

健康経営優良法人に認定
健康経営優良法人に認定

東ソー ポリウレタン原料MDIを50円/kg値上げ

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2021年3月18日

 東ソーは17日、ポリウレタン原料のジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)類全製品について、4月1日出荷分から「50円/kg」値上げすると発表した。

 同社は国内顧客への安定供給に努めてきたが、ここ数年にわたり、日本のMDI市場価格は輸入品を含めた競合各社との競争により下落傾向にある。一方、コスト面では原油価格の上昇に伴いMDI原料価格は上昇しており、さらに安定生産・安定販売のための設備修繕費や物流費も上昇している。こうした状況下、国内顧客への安定供給を維持するために今回の価格改定を決定した。

東ソー 臭素関連の歴史的資料が「化学遺産」に認定

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2021年3月11日

 東ソーはこのほど、同社が所蔵する臭素に関わる歴史的資料が、資源に乏しい日本にあって臭素製造の歴史を現代に伝える貴重な資料として、日本化学会より第12回「化学遺産」に認定された。認定対象となった資料は、①臭素分離濃縮装置の竹の充填材、②臭素製造設備修理時のアルバム、③磁製臭素容器、④磁製臭素容器の図面の4つ。

化学遺産に認定された臭素の資料
化学遺産に認定された臭素の資料

 同社は国内最大の臭素メーカーとして製造販売を手掛けている。臭素の大量生産の歴史は、1941年に海軍が航空機燃料のアンチノック剤の添加剤の原料として、臭素の大量生産を化学会社に要請したところから始まる。当時の最大の技術的課題は酸性度の高い臭素設備内部の充填材だったが、東洋曹達工業(現・東ソー)は竹材を選択。当初、竹材の寿命は長くて半年と言われたが、実際には10年以上も使用でき安定生産に寄与した。

 南陽事業所(山口県周南市)では、1961~1973年まで操業した臭素製造設備で使用した竹の充填剤の一部を保存・公開しており、今回、化学遺産に認定された4つの資料も保管している。なお、認定化学遺産第056号「苦汁・海水を原料とする臭素製造設備と磁製容器」として同社グループ会社のマナックが所蔵する臭素蒸留塔および磁製容器も一緒に化学遺産に認定された。

東ソー PE樹脂全製品値上げ、「20円/kg以上」で実施

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2021年3月9日

 東ソーは8日、ポリエチレン樹脂全製品を4月1日納入分から「20円/kg以上」値上げすると発表した。対象製品は、低密度ポリエチレン「ペトロセン」、直鎖状低密度ポリエチレン「ニポロン‐L」「ニポロン‐Z」、超低密度ポリエチレン 「LUMITAC」、高密度ポリエチレン「ニポロンハード」「ニポテック」、エチレン酢酸ビニル共重合体「ウルトラセン」、ポリオレフィン系接着性樹脂「メルセン」、高溶融張力ポリエチレン「TOSOH‐HMS」。

 ポリエチレン樹脂の主原料である国産ナフサ価格は、原油価格の高騰と、アジア域内の需給ひっ迫と円安を背景に騰勢を強めており、4万8000円/klを超える水準にまで上昇している。同社は徹底したコスト削減に努めているが、原料価格の高騰に加え、物流費、設備維持・補修費用の上昇による急激なコスト事情の悪化は自助努力のみで吸収することが極めて困難であることから、今後の安定供給を図る上でも価格改定を実施せざるを得ないと判断した。

東ソー ペースト塩ビ樹脂を値上げ、安定供給を図る

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2021年2月10日

 東ソーは9日、ペースト塩ビ樹脂について3月1日納入分から値上げすると発表した。改定幅は「12円/kg以上」。

 ペースト塩ビ樹脂の基礎原料である国産ナフサ価格は、コロナ影響で一時大きく下落したものの、足元では経済回復を見越した堅調な需要と原油市況の高騰を背景に上昇している。また諸経費も、定期修繕日数の長期化に加え、プラント老朽化対策費用、国内物流費の上昇が重なり事業環境が大きく悪化している。

 一方、需給環境は、国内需要が徐々に回復傾向にある中で、コロナ対策として塩化ビニル製医療用手袋の世界的需要は極めておう盛な状況が続いている。このような環境下、同社は、徹底したコスト削減に努めてきたが、安定供給継続のためには価格改定を実施せざるを得ないと判断した。

 

東ソーの4-12月期 クロアリを中心に改善傾向強まる

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2021年2月3日

 東ソーは2日、2020年度第3四半期(4-12月期)の連結業績を発表した。売上高は前年同期比13%減の5166億円、営業利益23%減の506億円、経常利益27%減の512億円、純利益25%減の345億円。決算会見において、米澤啓上席執行役員は「前年同期比では減収減益となったが、10-12月期は、

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東ソー 周南市で自家発バイオマス燃料使用の協定締結

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2021年1月29日

 東ソーは28日、山口県周南市と同市にある和泉産業との間で、公共施設から発生する剪定樹木を、東ソー南陽事業所の自家発電所用燃料として利用することについて、「周南市公共施設発生樹木のバイオマス燃料製造及び自家発電所燃料使用に関する協定書」を締結したと発表した。今年4月1日から開始される。

(写真左から)東ソー南陽事業所の田代克志所長、藤井律子周南市長、和泉産業の和泉貴信社長。協定締結式にて
(写真左から)東ソー南陽事業所の田代克志所長、藤井律子周南市長、和泉産業の和泉貴信社長。協定締結式にて

 具体的には、同協定に基づき、和泉産業は周南市内の公共施設から発生する剪定樹木を同社の周南バイオマスセンターで破砕・チップ化し、東ソーへの輸送を行う。一方、東ソーは木質バイオマス燃料である同チップを自家発電所で石炭と混焼することにより、CO2量で年間100t前後、温室効果ガス(GHG)排出量の削減を進めていく。

南陽事業所の自家発電所
南陽事業所の自家発電所

 東ソーは、気候変動問題に関わる課題として、GHG排出量削減への取り組みが事業の中長期的な成長に繋がると考えており、今後も引き続き、エネルギー使用の効率化、GHG排出量の削減、CO2の分離回収・原料化による有効利用に向けた技術開発を推進していくことで、持続可能な社会の実現に貢献していく考えだ。