《化学企業トップ年頭所感》東ソー 山本寿宣社長

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2021年1月6日

 昨年は新型コロナウイルスの蔓延が世界経済に大きな影を落とし、終息時期も見通せない状況だ。出張・移動の自粛や会食・会議の制限、在宅勤務が続く一方で、ウェブ会議が定着し、DX(デジタルトランスフォーメーション)がより求められてきた。物事の変化に、デメリットだけでなくメリットを見出だすことも大切だ。

 今年の経営課題は、第一に2020年度業績予想の達成だ。中期経営計画の基本方針をさらに進め、外部環境の変化に耐え得る強い企業体質を目指す。

 第二に安全対策だ。安全安定運転は永遠の課題であり、技術力の向上や安全文化の醸成を引き続き目指す。異常現象や労働災害の未然防止は、安定稼働に加え現場の負担軽減にもつながる。そのためにIoTやAIなど、デジタル技術の導入も積極的に推進する。

 第三に成長戦略だ。コモディティ事業は基盤強化で競争力を一層高め、能力増強の機会を探る。スペシャリティ事業は機能性・差別化の強化と、需要増に対応できる能力増強を積極的に実施していく。新しくなった南陽・四日市の両研究所では、新規事業を1つでも多く立ち上げることを期待する。

 第四にコンプライアンスだ。法令順守は企業や個人にとって最低限守るべきルールだが、今の業務が法令に適合しているか、原点に帰り再度点検する。

 第五に現場力の強化だ。製造・研究・販売・管理の力の結集が会社の真価となる。各職場の目指すべき方向や課題の解決のため、各自がプロ意識をもち、研鑽し、自由闊達な意見交換を通して主体的に業務を行い、自負できる明るい職場になることを期待する。

 最後に持続可能な開発目標(SDGs)への対応だ。積極的な情報開示を行いCDP(気候変動)の総合評価は改善した。TCFD(気候関連財務情報タスクフォース)への賛同も表明している。CO2排出は具体的な目標や指標を掲げて対応しているが、一朝一夕に解決できる課題ではない。化学会社として「化学の革新」を通して、多角的にCO2の削減・有効利用に取り組みたい。何事にも慢心せず、使命を着実にこなし、より信頼してもらえる会社を目指していこう。

東ソー 周南市の永源山公園、ネーミングライツを取得

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2020年12月28日

 東ソーはこのほど、山口県周南市の永源山(えいげんざん)公園のネーミングライツ(命名権)取得について、周南市と契約を締結した。これにより当公園の愛称は、2021年4月1日から社名を冠した「TOSOH PARK 永源山」となる。

ネーミングライツを取得した永源山公園
ネーミングライツを取得した永源山公園

 東ソーは、創業以来85年の長きにわたり、同市に所在する南陽事業所を主力生産拠点として企業活動を行ってきた。

 永源山公園は、南陽事業所から徒歩圏内に位置し、四季折々に数多くのイベントが開催されるとともに、市民の憩いの場として親しまれている周南市を代表する都市公園。

 地域に根差して事業活動を行ってきた同社としては、多くの市民に利用されている地域社会の交流拠点である公園へのネーミングライツによる支援を通じて、地域社会に一層貢献するとともに、同社グループのCSR活動の充実にもつなげていく考えだ。

東ソー 研究・技術報告の最新巻を発刊、研究成果を紹介

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2020年12月22日

 東ソーは、最新の研究開発成果を紹介する「東ソー研究・技術報告」第64巻を今月20日に発刊した。同誌は1957年の創刊以来、同社グループの研究所、開発部、技術センターなどの研究開発部門によるテクニカルレポートとして、報文、技術資料、投稿論文要旨、講演リスト、特許情報や製品紹介など多岐にわたる内容を掲載。最新巻では、ライフサイエンスや環境・エネルギー分野で成長が目覚ましい材料に焦点をあて、高分子材料特集を組んでいる。

 総合報文では、共同研究を進める自己ドープ型導電性高分子材料の研究について山梨大学の奥崎秀典教授より最新研究が寄稿。また合わせて、研究開発部門による報文(5編)、技術資料(12編)を収録している。

 同社は研究開発を行うにあたって、持続可能な開発目標(SDGs)の考え方を取り入れ、サステナブルな社会を目指し開発を推進しており、報文・技術資料の製品・開発品にはゴールを示すロゴを付与している。

 同社は今後も、事業のさらなる発展に寄与する研究開発成果を発信していく考えだ。なお、最新巻およびバックナンバーは、同社ホームページ(http://www.tosoh.co.jp/technology/report/index.htm)で閲覧できる。

東ソー 人事(12月16日)

2020年12月14日

[東ソー・人事](12月16日)▽解兼南陽事業所機能材料製造部ハイリシカゼオライト課長、同事業所同部長清原秀樹▽高分子材料研究所CPパイロット建設チームリーダー、高分子材料研究所長阿部成彦▽南陽事業所機能材料製造部ハイリシカゼオライト課長佐橋康寛▽四日市事業所同部機能性ポリマー課長古田健二▽高分子材料研究所CPパイロット建設チーム深谷剛史。

 

東ソー 人事(12月16日)

2020年12月11日

[東ソー・人事](12月16日)▽解兼南陽事業所機能材料製造部ハイリシカゼオライト課長、同事業所同部長清原秀樹▽高分子材料研究所CPパイロット建設チームリーダー、高分子材料研究所長阿部成彦▽南陽事業所機能材料製造部ハイリシカゼオライト課長佐橋康寛▽四日市事業所同部機能性ポリマー課長古田健二▽高分子材料研究所CPパイロット建設チーム深谷剛史。

東ソー 経営概況説明会、コロナ禍でも方針継続

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2020年12月11日

研究開発ではMI注力、気候変動への対応も図る

山本寿宣社長

 東ソーは10日、都内で経営概況説明会を開催し、業績や事業戦略、研究開発、気候変動への対応などについて方針や考え方などを説明した。

 山本寿宣社長は、「コロナ感染拡大により、上期は業績が大幅に悪化した。下期は各製品の需要回復で収益が回復すると見込むがカバーできず、通期では減収減益となる」とし、 “東ソー 経営概況説明会、コロナ禍でも方針継続” の続きを読む

東ソー 新エチレン輸送船を竣工、マイナス103℃に冷却

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2020年12月10日

 東ソーは9日、グループ会社である東ソー物流(山口県周南市)が、新エチレン輸送船「翔陽(しょうよう)」を今月7日に竣工したと発表した。エチレンは、極めて可燃性と引火性が高く、十分な安全対策を実施する必要があり、既存船舶が老朽化していることから、安全・安定輸送を継続する目的で更新した。

新エチレン船竣工
新エチレン船竣工

 同船は、ガス状のエチレンをマイナス103℃まで冷却して液体で輸送できる国内でも数少ない特殊な船舶。また、環境にやさしい設計が採用され、最適な船型およびエコステータ(プロペラ効率を改善させる整流板)や摩擦抵抗低減型塗料などによる推進性能の向上、さらに、トラックコントロール(自動航路維持システム)付きの電子海図装置搭載による最適航路が実現されるなど、燃料消費量の低減を実現している。

 同社グループは、高度化・多様化・広範化する物流ニーズに対応するため、グローバルサプライチェーンの強化を図るとともに、物流の効率化や環境にやさしい物流事業を推進することで、地球温暖化防止などの環境保全にも配慮し、持続可能な社会の実現に貢献していく。

 

東ソー 新型コロナウイルス抗体検出試薬の販売を開始

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2020年12月3日

 東ソーは2日、同社の全自動化学発光酵素免疫測定装置「AIA-CL2400」および同等機種向けの専用試薬として、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のヌクレオカプシドタンパク質に対する抗体を検出できる研究用試薬「NP-Total抗体試薬」「NP-IgG抗体試薬」2種の販売を始めたと発表した。

抗体検出試薬「NP-IgG」
抗体検出試薬「NP-IgG」

 両試薬とも試薬調製が不要なため、15分という短時間で結果報告が可能であることから、同社では「新型コロナウイルス感染症の基礎的、臨床的研究に貢献できる」との期待感を寄せている。

 同研究用試薬の開発は、日本医療研究開発機構(AMED)の令和2年度ウイルス等感染症対策技術開発事業(実証・改良研究支援)の補助を受け、横浜市立大学、関東化学と共同で実施した。東ソーは現在、横浜市大をはじめ外部機関の協力を得て、「AIA-CL」装置向けの新型コロナウイルス抗原検査試薬の開発にも取り組んでおり、今後も研究現場と医療現場への貢献を目指していく。

東ソー CO2とケイ素からDEC合成、触媒技術を開発

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2020年11月30日

 東ソーと産業技術総合研究所(産総研)は27日、CO2とケイ素化合物(テトラエトキシシラン:TEOS)を原料として、ポリカーボネート(PC)やポリウレタン(PU)の原料となる「ジエチルカーボネート(DEC)」を効率的に合成する触媒技術を共同で開発したと発表した。この触媒反応は水を副生しないため、触媒の長寿命化と、高い反応効率を実現しており、実用化されれば、CO2を炭素資源として再利用するカーボンリサイクル社会への貢献が期待できる。

 CO2を様々な有用製品として活用する「カーボンリサイクル」に向けた技術開発が重要視されている。資源エネルギー庁がまとめた「カーボンリサイクル技術ロードマップ」では、CO2の化学品への利用例として、PUやPCといった「含酸素化合物(酸素原子を含む化合物)」を想定。CO2から含酸素化合物を合成する技術としては、CO2とアルコールを原料とする反応の検討が報告されているが、目的物の生成効率や反応に用いる触媒の寿命に課題があり、実用化に向けて製造プロセスの低コスト化が実現できる技術が求められている。

 こうした中、両者は、産総研がケイ素資源から直接合成する方法を開発したテトラアルコキシシランをCO2と組み合わせ、DECを高効率に合成する技術の開発に取り組んだ。DECは幅広く活用されている有用化学品だが、その製造法はホスゲンを原料としている。これまで、CO2とエタノールを原料にDECを合成する研究開発は広く行われてきたが、この反応では水が副生するため、生成したDECと水が反応して原料に戻ってしまう逆反応が進行。また、反応系中の触媒が加水分解されて活性が失われてしまうなどの要因で、高効率合成が難しいという課題があった。

 今回開発した技術では、水を副生しないテトラアルコキシシランの一種であるTEOSを原料とする方法を考案。さらにこの反応に有効な触媒を見出だして、製造プロセスの低コスト化を実現できる合成方法を開発した。今回の成果は、産総研が取り組む「砂からTEOSを合成する技術」と組み合わせることで、CO2と砂という実質的に無尽蔵ともいえる資源から有用化学品を製造する可能性を拓くもの。

 両者は今後、より低コストで省エネルギーな製造方法の確立を目指し、反応条件や触媒のさらなる改良を行う。またスケールアップの検討など、実用化に向けて必要な技術課題の解決に取り組み、2030年ごろまでの実用化を目指す。

東ソー 人事(12月1日)

2020年11月27日

[東ソー・人事](12月1日)▽セメント事業室長、取締役常務執行役員クロル・アルカリセクター長兼購買・物流部長秘書室、監査室、大阪支店、名古屋支店、福岡支店、仙台支店、山口営業所担当中国総代表、人事部関与桒田守▽セメント事業室畑謙一郎。