NEDO フロー合成と金属3Dプリンタで革新技術の開発に着手

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2019年2月18日

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の技術戦略研究センター(TSC)はこのほど、「機能性化学品製造プロセス」「金属積層造形プロセス」の2つの技術分野について、最新動向や課題、市場予測をまとめた「TSC Foresight」レポートを公表した。

 TSCでは、国として産業を守り立てていくために、優先度の高い技術分野の見極めを行い、産業振興を図る技術戦略を策定。その進捗状況や調査結果は、年3回のレポートとセミナーで公開している。

 発表に合わせて開催された記者説明会の冒頭で、TSCの川合知二センター長は

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NEDO 逆駆動可能なギヤの開発でロボットの関節へ期待

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2019年2月6日

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)はこのほど、横浜国立大学と共同で、従来不可能であった100分の1を超えるような高い減速比の減速機でも、逆駆動が可能なギヤ(バイラテラル・ドライブ・ギヤ)を開発した。

逆駆動可能なバイラテラル・ドライブ・ギヤ
逆駆動可能なギヤ

 同開発は逆駆動のメカニズムに特徴がある。ロボットの関節が外力に対して柔軟に動くことを可能にするだけでなく、逆駆動制動時の熱を電気エネルギーとして回収する(エネルギー回生)際の効率化を図ることができる。

 モーター情報による負荷トルクの推定が行え、小型軽量化・低コスト化・省エネ化を同時に達成する。今後は協働ロボット、アシストロボット、移動ロボットなどの関節部材や、電気自動車(EV)、電動自転車の変速機などへの展開が期待される。

 高齢化社会では、ロボットが産業界だけでなく社会全体で人の役割の一部を担う、人とロボットが共存する社会の実現が期待されている。このような共存社会では、人とロボットの意図しない接触により危険が生じるおそれがある。

 これまでは、ロボットの関節に使用されている減速機が、外力に対して柔軟に動く逆駆動性がないため接触の衝撃を吸収できず、結果として人の安全を十分に確保できなかった。さらにロボットの中核部品である減速機は、古くから数多く研究されてきたため、大きな改善の余地はないと考えられていた。

 なお、横浜国立大学は今回の開発品を、パシフィコ横浜で2月6~8日に開催される工業技術見本市「テクニカルショウ ヨコハマ2019」に出展する。

 

NEDO バイオジェット燃料製品化で昭和シェルと連携

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2018年12月7日

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)はこのほど、純バイオジェット燃料をバイオジェット燃料として最終製品にするために、NEDO事業実施者と昭和シェル石油が連携を開始したと発表した。

 同事業は、純バイオジェット燃料製造の技術開発を進めるもので、三菱日立パワーシステムズ、中部電力、東洋エンジニアリング、宇宙航空研究開発機構(JAXA)、IHIの5者が参画。今回の連携により、2030年頃のバイオジェット燃料商用化に向けた技術開発を目指す。昭和シェルは今後、純バイオジェット燃料と従来燃料の混合設備の仕様や運転方法、出荷体制などについて検討を行っていく。

 地球温暖化問題などを踏まえ、石油に代わる新しい燃料として、バイオジェット燃料の市場規模拡大が予測され、CO2排出削減効果などが期待できるバイオジェット燃料の製造技術開発が必須となっている。

 そこでNEDOは、2つのテーマで、バイオマスから純バイオジェット燃料生産までの安定的な一貫製造技術開発を行っている。一つは、微細藻類由来による技術開発。現在タイで大規模な培養池を設置し、高速で増殖する微細藻類が生成する藻油からの燃料製造プロセスの技術開発を進めている。

 もう一方は、セルロース系バイオマスを原料とする技術開発で、本年内に国内でガス化・液化技術を用いた実証設備の建設を開始する。両テーマとも、2019年度には純バイオジェット燃料の製造を開始する予定だ。 

 純バイオジェット燃料を航空機に搭載するためには、国際品質規格(ASTM International)などに適合することが必須となる。純バイオジェット燃料の品質が規格(ASTM D7566)に適合していることを検証し、さらに同規格に従って従来の燃料である石油系ジェット燃料と混合後、改めて従来燃料の規格(ASTM D1655)との適合性を検証する。これらの過程を経て、初めて搭載可能なバイオジェット燃料となる。

 また、バイオジェット燃料の製品化のためには、様々な課題の抽出とその解決が必要となる。具体的には、純バイオジェット燃料と従来燃料の混合設備の仕様とその運転方法、混合後の品質検査体制、出荷体制などの実現が不可欠となる。

 

昭和電工 AIでポリマーの設計・検証試行回数を大幅低減

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2018年11月28日

 昭和電工と産業技術総合研究所(産総研)、先端素材高速開発技術研究組合(ADMAT)は27日、人工知能(AI)の活用により、要求特性を満たすポリマーを設計する際の試行回数を、約40分の1に低減できることが分かったと発表した。

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「超先端材料超高速開発基盤技術プロジェクト(超超PJ)」の委託事業として実施した。

 超超PJでは、従来の経験と勘を頼りにした材料開発からの脱却を目指し、マルチスケールシミュレーションやAIを積極的に活用することで、従来の材料開発に比べ、開発期間を20分の1に短縮することを目指している。

 3者はポリマー設計でのAI技術の有用性を実証するため、AIを活用して要求特性を満たすポリマーの探索を行った。モデルケースとして、耐熱性の指標であるガラス転移点に着目。構造とガラス転移点が判明しているポリマーの構造データ417種の中から、最もガラス転移点が高いポリマーをAIで探索し、発見までに要する試行サイクルを短縮できるか検証した。

 まず、無作為に抽出した10件のデータをAIに学習させた。学習データにはExtended Connectivity Circular Fingerprints(ECFP)という手法を応用し、ポリマーの構造的特徴を数値化したものを使った。

 次に、残りの407件の中から、最もガラス転移点の高いポリマーを、ベイズ最適化によって予測・検証を繰り返し、求めるポリマーを発見するまでの試行回数を調べた。データの選び方で結果が変わることを防ぐため、初期データを変えた試験を500回実施し、試行回数の平均値を評価した。

 この結果、平均4.6回という極めて少ない試行で、最もガラス転移点の高いポリマーを発見することに成功した。この値は、無作為にポリマーを選出した場合と比べ約40分の1で、AIによるポリマー設計の有用性を裏付ける結果と考えられる。

 今後は、同技術をさらに高度化させ、実際の機能性材料開発に活用できるよう開発を進めていく。

NEDO 太陽光の輸送分野の普及に向け国際調査を開始

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2018年11月19日

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)はこのほど、太陽光発電システムを搭載した自動車を含む、太陽光発電の輸送分野での普及に向けた国際的な調査活動「IEA PVPS Task17『PV and Transport』」を開始した。

 同活動は国際研究協力プログラム「IEA PVPS」の新たな研究テーマとしてNEDOが提案し、承認されたもの。輸送分野での太陽光発電の利用拡大を目指して、太陽光発電システムを自動車に搭載した場合の効果や、その実現のために太陽光発電に要求される仕様などについて、国際的に調査を行っていく。

 IEA PVPSは「太陽光発電システムが持続可能なエネルギーシステムとして国際協力を推進すること」を使命とする活動。その活動の中でPV and Transportをテーマとして、運営責任者である早稲田大学の廣田寿男客員教授を中心に調査を進め、2020年度末までの活動期間中に成果レポートを作成し、公表する予定だ。

 NEDOは廣田客員教授と連携し、同テーマについて国内委員会での議論の結果を国際調査活動向けに発信するとともに、国際調査の結果を国内委員会の議論に反映し、太陽光発電の輸送分野での普及を強力に推進していく。

 その活動の着実な一歩として、10月12日にスイスのベルン大学でキックオフミーティングを開催し、本格的に活動を開始した。同ミーティングには、すでに正式参加を決めていた日本、ドイツ、オーストラリアのほか、オランダ、フランス、スイス、モロッコを加えた計7カ国が参加し、活動計画書の具体化や各国の役割分担について議論した。

 今後は太陽光発電システム搭載自動車のCO2排出量削減効果やユーザーが得られる利便性、その実現のために太陽光発電に要求される仕様などについて、国際的に調査を行っていく。

 自動車などへの太陽光発電システムの搭載については、電動化への貢献の期待とともに世界各国でも熱心にその取り組みが進められており、同テーマへの参加国は今後も増え、さらに有意義な議論と連携が期待されている。

NEDOなど 光触媒で世界最高の水素生成エネルギー変換効率を達成

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2018年10月23日

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と人工光合成化学プロセス技術研究組合(ARPChem:アープケム)はこのほど、東京大学と太陽電池材料として知られるCu(In,Ga)Se2(略称:CIGS)をベースとした光触媒で、非単結晶光触媒の中で世界最高の水素生成エネルギー変換効率12.5%を達成したと発表した。

 今回開発した水素生成光触媒と、従来のBiVO4からなる酸素生成光触媒で二段型セルを組み立て、疑似太陽光照射下での水の全分解反応を試みたところ、太陽光エネルギー変換効率は3.7%を達成。この値は、2016年に公表された太陽光エネルギー変換効率の23%増に相当する。

 光触媒は太陽光エネルギーを化学エネルギーに変換する機能性材料。太陽光の強度のピークは主に可視光領域(400~800㎚)にあるため、この波長域の光を吸収する光触媒ができれば、効率よく太陽光のエネルギーを利用できる。

 しかし、従来の光触媒は、吸収波長が主として紫外光領域(~400㎚)に限られるものが多く、可視光から赤外光領域にかけての光を利用できるように、光触媒の吸収波長の長波長化が課題の1つだった。

 このため、従来よりも長波長の光を吸収する光触媒材料として、硫化物やセレン化物といったカルコゲナイド系材料の開発を進め、CIGSベースの光触媒開発に至った。

 NEDOなどは今後、高性能な酸素生成光触媒を開発し、今回の研究で得られた水素生成光触媒と組み合わせることで、2021年度末までに太陽光エネルギー変換効率10%の達成を目指す。

 なお、アープケムは国際石油開発帝石、TOTO、ファインセラミックスセンター、富士フイルム、三井化学、三菱ケミカルの5社1団体が参画する研究組合。太陽光の下、①光触媒による水の分解で水素/酸素を製造し②分離膜を用いて水素を安全に分離し③合成触媒を用いて水素と二酸化炭素から化学品原料である低級オレフィンを製造する人工光合成型の化学プロセスを確立し、化石資源からの脱却や資源問題・環境問題の解決を目指す目的で、2012年に設立された。

 NEDOなどとともに、環境に優しいモノづくりを実現するため、太陽光のエネルギーで水から生成した水素と、工場などから排出される二酸化炭素を合成して、プラスチック原料などの基幹化学品(C2~C4オレフィン)を製造する人工光合成の研究開発を進めている。

NEDO 次世代浮体式洋上風力発電システム実証機が完成

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2018年9月10日

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)はこのほど、丸紅などとのコンソーシアムで、日本初のバージ型浮体に風車を搭載した次世代浮体式洋上風力発電システム実証機を完成させた。

 同システム実証機は水深50m程度の浅い海域でも設置が可能なバージ型と呼ばれる小型浮体を採用し、コンパクトな2枚羽風車を搭載。今後、北九州市沖設置海域に向けて曳航し、係留、電力ケーブルの接続を行い、試験運転を行った後、今秋から実証運転を開始する予定だ。

 洋上風力発電は風車を支える基礎構造の形式により、海底に基礎を設置する「着床式」と、基礎を海に浮かべる「浮体式」に大別される。NEDOが実施した調査では、日本近海で洋上風力発電が導入可能な着床式と浮体式を比較すると、浮体式は着床式の約5倍の導入可能面積がある。

 しかし、世界的に商用化が進んでいる浮体式の一つであるスパー型は100m程度の水深が必要であるため、水深50~100mの範囲で着床式に対してコスト競争力のある浮体式の開発が課題となっていた。

 こうした中、NEDOでは2014年度から、同水深海域で適用可能な低コストの次世代浮体式洋上風力発電システム実証研究を開始し、実証海域の選定、浮体の設計、製造などを行い、今年6月にバージ型と呼ばれる小型浮体を製作。今回、NEDOと丸紅などのコンソーシアム(日立造船、グローカル、エコ・パワー、東京大学、九電みらいエナジー)は、このバージ型浮体にコンパクトな2枚羽風車を搭載した日本初のバージ型浮体式洋上風力発電システム実証機を完成させた。

 今後、北九州市沖15km、水深50mの海域に設置を行い、試験運転の後、今秋から2021年度までの予定で実証運転を開始する。なお、発電した電力は九州電力の系統に接続する予定だ。

NEDO 「超スマート社会」で研究開発テーマを採択

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2018年9月6日

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)はこのほど、人工知能(AI)などの先進技術を活用した「超スマート社会」の実現に向けた研究開発プロジェクトを開始し、新たに6件の研究開発テーマを採択した。

 今回は大学を中心に各種デバイスメーカーなどを委託先として、「生産性」分野から3件、「健康、医療・介護」分野2件、「空間の移動」分野1件のテーマが採択された。NEDOは各事業を通じ、スマートモビリティ、地域介護システム、食品バリューチェーンなど、社会の様々なニーズにきめ細かく対応でき、あらゆる人が質の高いサービスを受けられる「超スマート社会」の構築を推進していく。

 政府が2017年に策定した「人工知能の研究開発目標と産業化のロードマップ」の中で、AI技術の社会実装が求められる重点分野として、「生産性」「健康、医療・介護」「空間の移動」の3つを設定。これを受けNEDOは、三分野を対象に研究開発プロジェクトを開始した。

 同プロジェクトでは、これまで開発や導入が進められてきたAIモジュール、データ取得のためのセンサー技術、研究インフラを活用しながら、サイバー(仮想)とフィジカル(現実)の両空間が高度に融合した「超スマート社会」を実現するための研究開発・実証を行う。

 AI技術は、欧米を中心に先行的なソフトウエアプラットフォームの研究開発が盛んだが、社会実装の実用例はまだ少ない。NEDOは同プロジェクトを通じて、日本の得意分野にAI技術を応用することで競争優位性を確保するとともに、AIの有効活用に不可欠な現場データの明確化と取得・蓄積・加工のノウハウを確立し、AIの社会実装の先行的な成功事例を創出していく考えだ。

 なお、同プロジェクトは「人工知能技術適用によるスマート社会の実現」として、実施期間は18~22年度(予定)、予算は約59億円を見込んでいる。

NEDO AIベンチャー企業の研究テーマを採択

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2018年8月28日

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)はこのほど、AIの社会実装を進めることを目的に、優れたAIベンチャー企業の研究テーマ6件を採択したと発表した。

 全国から応募のあった30件の研究テーマの中から、書面による一次審査と、プレゼンとデモンストレーションによるコンテスト方式の二次審査を行い、2件の共同研究を含む6件(7社1大学)の研究テーマを選定した。今後、各者はマテリアルズ・インフォマティクス、ロボット、細胞診断といった、AIを活用した各々の研究テーマの完成・実現に向け、二年間を上限とした研究開発に取り掛かる。

 同事業は政府の「人工知能技術戦略」を踏まえたもの。NEDOは、同戦略の重点3分野「生産性」「健康、医療・介護」「空間の移動」でのAI社会実装を加速し、AIベンチャー企業の市場参入を促進するため、ベンチャー企業が参入しやすい公募事業の実施に取り組んでいる。

 2回目の公募となった今年度は、「生産性分野」から最優秀賞1件と審査委員特別賞3件、「健康、医療・介護分野」から最優秀賞1件と審査員特別賞1件の研究テーマを採択した。

 昨年度の実施では、委託企業が東京圏内に偏るという課題が浮かび上がってきた。「日本全体の産業力向上を考えると、全国さまざまなところからベンチャーが立ち上がってほしい」(NEDOロボット・AI部の渡邊恒文プロジェクトマネージャー)との思いから、今年度は仙台、名古屋、大阪、福岡の地方都市でも応募促進イベントを開催。今回は東京圏内に加え、愛知県と島根県のベンチャー企業も選ばれることとなった。

 NEDOは同支援事業以外にも多くのベンチャー委託事業を手掛ける。渡邊プロジェクトマネージャーによると、地方都市としては福岡市でのベンチャー企業がかなり活性化している印象があり、また大学周辺でいえば、金沢工業大学や奈良先端科学技術大学院大学を中心とする地域で、ベンチャー企業の動きが盛んだという。

 今年度の研究テーマが採択された企業は、「DeepX」(東京都)、「PuRECおよび名古屋大学」(島根県・愛知県)、「MICIN」(東京都)、「IDECファクトリーソリューションズおよびRapyuta Robotics」(愛知県・東京都)、「MI‐6」(東京都)、「ロックガレッジ」(茨城県)の7社1大学。

 2年間の研究開発の後、各者の成果を踏まえた上で、NEDOはベンチャー企業間のマッチング、さらには他業種企業とのマッチングまで支援していく。