ダイセル TACフィルムの製造方法が発明奨励賞を受賞

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2021年10月15日

 ダイセルはこのほど、同社が発明した「TACフィルムの製造作業環境の改善」が、発明協会主催「令和3年度中国地方発明表彰」において、「発明奨励賞」を受賞したと発表した。同社が中国地方発明表彰を受賞するのは、平成30年度より4年連続4回目となる。

 同発明は、液晶表示装置の偏光板保護膜として用いられているセルローストリアセテート(TAC)フィルムの製造方法で、生産効率と品質の向上に寄与するもの。この方法によって、生産効率や労働環境の改善が図られるとともに、TACフィルムの薄膜化に成功し、液晶表示装置の薄型化、電池駆動時間の拡大などに貢献した。

 「地方発明表彰」は優れた発明などを生み出した技術者・研究者に対して行われるもので、1921年(大正10年)からの歴史がある。今回の表彰では、同発明の実用化による社会的貢献が評価された。なお、表彰式は今月25日に「山口市産業交流拠点施設・KDDI維新ホール」にて行われる予定。

ダイセルと京都大学 包括連携協定を締結、低炭素社会を実現

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2021年10月14日

 

循環型・低炭素社会実現に向け包括連携協定を締結

 ダイセルと京都大学はこのほど、自然と共生する低炭素社会の実現、新産業創出に役立つことを目的に包括連携協定を締結した。この協定の下、包括的研究連携協定を締結するとともに、「バイオマスプロダクトツリー産学共同研究部門」を京大宇治キャンパス内に設置する。

 包括的研究では、ダイセルのリサーチセンターと京大の5部局(大学院農学研究科、大学院人間・環境学研究科、化学研究所、エネルギー理工学研究所、生存圏研究所)とが連携し、バイオマスの新しい変換プロセス「新バイオマスプロダクトツリー」実現に向けた研究開発と、持続的循環利用を共通テーマとした基礎的研究と研究成果の社会への還元を目指す。 

 一方、「バイオマスプロダクトツリー産学共同研究部門」は、京都大学生存圏研究所、化学研究所、エネルギー理工学研究所とダイセルの共同ラボとして、国内外の多様な分野から優秀な人材が集い、学術分野、産業界、地域を繋ぐハブとして機能する研究拠点とする計画。

 ダイセルの主力製品である酢酸セルロースは、木材由来のパルプを原料とするバイオマス製品だが、木材などの天然高分子は元来溶けにくく、その製造プロセスには多くのエネルギーを消費する。同社ではこの課題に対し、京大との共同研究によって、常温常圧で木材を溶かす技術の確立を目指している。

 この技術により、セルロースに加え、木材に含まれるヘミセルロース、リグニンなども活用した「新バイオマスプロダクトツリー」が実現し、高機能製品の開発につながることが期待される。

 さらにその先に目指すのが、「バイオマスバリューチェーン構想」だ。共同研究中の新技術では、木材に限らず、農林水産業の廃棄物からも有益な成分の抽出が可能。有価で処分される素材を二次産業の原料として活用することで、一次産業の経済性を向上させ、一次産業と二次産業に循環を生む新しい「産業生態系」が構築できる。

 この経済循環によって、林業を復活させ森を再生するとともに、山・川・海を含む自然の生態系の回復にも寄与する。両者は、産学官の垣根を越えて、この構想の実現に向けて取り組んでいく。

ダイセル 酢酸セルロース、海洋生分解性の国際認証取得

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2021年10月11日

 ダイセルはこのほど、高生分解性酢酸セルロース「CAFBLO(キャフブロ)」が、海洋生分解性を証明する国際認証「OK biodegradable MARINE」を8月に取得したと発表した。

「キャフブロ」が海洋生分解性認証取得
「キャフブロ」が海洋生分解性認証取得

 今回の認証取得は、工業用コンポストで安全に生分解することを証明する国際認証「OK compost INDUSTRIAL」に加え、2つ目の生分解性認証取得となる。

 酢酸セルロースは、植物由来の「セルロース」と自然界に存在する「酢酸」を原料として製造される。天然由来かつ生分解性をもった環境にやさしい素材で、使用後には、最終的に水とCO2に生分解される。また、非可食性の素材を主原料としているため、将来懸念される食糧問題に対して影響を与えないことも特徴だ。

 同社は長年培ったセルロース化学技術を応用し、より生分解しやすい分子構造を見出だし、従来製品の品質を保ったまま、特に海洋での生分解速度をさらに高めた新製品「キャフブロ」を開発。

 近年、人間が出す大量のプラスチックゴミによる海洋汚染により、漁業や海洋生態系、人の健康などへの影響が大きな社会的課題となっている。同社は酢酸セルロースおよび「キャフブロ」の普及を通じてこの社会的課題の解決を目指す。

 酢酸セルロースは、メガネフレーム、繊維、液晶保護フィルム、化粧品など人々の生活の中で広く利用されている素材。可塑剤を加えることで、他のプラスチック同様に熱成型も可能となる。

 同社は今後も、パートナー企業や自治体と協力し、海洋への流出が懸念される様々な製品へ酢酸セルロースと『キャフブロ』が採用されるよう用途開発を進めていく。

ダイセル OPSシート事業を終了、2022年3月末で

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2021年10月7日

 ダイセルおよびダイセルミライズは6日、中期戦略に基づく事業構造改革の一環として、二軸延伸ポリスチレン(OPS)シート事業を2022年3月末で終了すると発表した。

 同社は、合成樹脂事業の強化を掲げ、重合から成型加工までの垂直統合型事業として取り組んだポリスチレン事業の一環として、1994年に同事業を開始。しかし、近年は需要の減少による市場の縮小が続き、回復のめどが立たない状況となっている。

 こうした中、同社は、中期戦略の事業ポートフォリオにおいて、同事業を「改革」事業として位置づけ、鋭意、業容の立て直しを検討してきた。ただ、将来的な成長戦略を描くことが難しく、経営資源配分最適化の観点から、同事業を終了することを決定した。

 同社は今後、同事業の経営資源を「次世代育成」事業、「成長牽引」事業へと振り向け、中期経営目標達成に向けて引き続き努力していく。

ダイセル 人事(1日)

2021年10月1日

[ダイセル・人事](1日)事業創出本部事業創出センター主任研究員、ダイセル・エボニック北川友紀▽パフォーマンスマテリアルズ本部長補佐堀信介▽マテリアルSBUアセチルBUセルロースマーケティング部長、同SBU同BU長兼同SBU事業推進室副室長奥村浩一▽同SBU同BUセルロースマーケティング部主任部員川上昭彦▽同SBU事業推進室研究開発グループ主席研究員、同SBUアセチルBUセルロースマーケティング部主席部員樋口暁浩▽スマートSBU事業推進室研究開発グループ主席研究員、パイクリスタル社長平井成尚(11月1日)▽チェーンプロダクションカンパニー品質保証部品質保証グループ主任部員白石容章。

ダイセル エクオール配合サプリ、リニューアルして発売

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2021年9月24日

 ダイセルはこのほど、同社が運営する大人の女性のためのウェルエイジングブランド「ウェルメソッド」が、エクオール配合サプリメントを「ウェルメソッド ソイエクオール」としてリニューアル発売したと発表した。

エクオール配合サプリメント「WELLMETHOD ソイエクオール」
エクオール配合サプリメント「WELLMETHOD ソイエクオール」

 女性らしさをキープする成分とよく似た構造をもつ「エクオール」は、豆腐や豆乳などの大豆食品を摂取することで、大豆イソフラボンの一種であるダイゼインが腸内で代謝され生成される。しかし、ダイゼインを代謝できる腸内細菌がない、あるいはその能力が十分に働かない場合は、「エクオール」を生成することができない。特に日本人女性の約半分は「エクオール」の生成が難しいと言われている。

 同サプリメントは、大豆イソフラボンの腸内代謝物である「エクオール」を配合しており、1日2粒で10㎎の摂取が可能だ。

 今回のリニューアルでは、コアターゲットである40歳からの女性のことを本気で考えているブランドとして、消費者に記憶され、愛され続ける商品を生み出すことを目指し、ブランドのキービジュアルデザインを策定。日本文化と歴史の模倣を軸とし、同ブランドの立ち上げ経緯やフィロソフィーを伝えることができる要素を散りばめ、大人の女性のウェルエイジングを象徴するモチーフとして、菊紋(長命)、芍薬(美しさ、幸福)、猫(招福)、流水紋(禍を洗い流す)を配置した。またパッケージ自体も開封がしやすいように仕様を変更。さらに、バイオマスPETを最外層に採用するなど環境に配慮した商品づくりにも取り組んでいる。

ダイセル にんにくの希少成分、機能性表示食品で販売

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2021年9月14日

 ダイセルはこのほど、カラダの疲れを感じている人のための機能性表示食品「S-アリルシステイン」について消費者庁に届け出を行い、受理されたと発表した。同成分を含む素材は昨年7月に販売を開始していたが、さらに販路を拡大していく予定だ。

にんにく中のS-アリルシステインが機能性関与成分として受理
にんにく中のS-アリルシステインが機能性関与成分として受理

 S-アリルシステインは、強い抗酸化作用をもつにんにく由来の機能性成分。ただ、にんにくにはごく微量にしか含まれない希少成分であり、にんにくを熟成する過程で増加する。S-アリルシステインを指標成分の1つとし、熟成にんにくエキスを機能性関与成分とした疲労感の軽減効果を訴求する機能性表示食品は、すでに他社品で受理されていたが、S-アリルシステイン単一成分を機能性関与成分とした疲労感を軽減する機能性表示食品は初となる。

 今回の届け出は、システマティックレビュー(SR)による届け出で、採用文献として同社が実施した研究成果を使用しており、機能性関与成分による研究レビューで、機能性を評価している。

 1日にS-アリルシステイン2㎎を含む試験食品またはプラセボ食品の摂取を四週間継続し、摂取前後に運動負荷試験を実施し、身体作業負荷中、回復期および翌朝起床時の主観的な疲労度の評価についてVAS法により行った。その結果、運動負荷試験中は各群に有意差はなかったが、回復2時間後に試験食を摂取した群では、プラセボ食を摂取した群に比べ運動後の疲労度が有意に少ないことを確認した。

 同社は今後、今回の届け出受理の実績をもって、サプリメントメーカーへ素材販売を本格的に開始し、抗疲労を訴求した機能性表示食品の届け出支援を行っていく。

ダイセル 人事(9月1日/他)

2021年8月26日

[ダイセル・人事](9月1日)▽社長室長、モノづくり革新センター長三好史浩▽事業支援本部人事グループ主席部員山口照夫(10月1日)▽品質監査室主席部員安田雄一▽解兼同、生産本部生産技術センター工業化グループ主任研究員津田麻衣子▽レスポンシブル・ケア室環境創造グループ主席部員古田大輔▽ヘルスケアSBU事業推進室事業戦略グループ主任部員佐藤智彦▽生産本部生産技術センター工業化グループ主席研究員米満寛之▽事業支援本部人事グループ人財サービスチームリーダー關根崇史▽チェーンプロダクションカンパニー姫路製造所網干工場生産部生産グループセルロース室担当リーダー田村和巳▽同カンパニー新井工場生産部生産グループ合成品室担当リーダー兼ダイセル新井ケミカル生産開発部合成品生産課長熊田健司▽同カンパニー大竹工場品質管理部主任部員小田峰裕▽解兼同カンパニー新井工場生産部生産グループ合成品室担当リーダー兼ダイセル新井ケミカル生産開発部合成品生産課長、同カンパニー同工場同部長兼同カンパニー同工場同部生産グループリーダー兼ダイセル新井ケミカル生産開発部長石黒裕規▽ダイセルバリューコーティング生産部長舟引武司▽ダイセル・セイフティ・システムズ第一工場生産部開発生産グループ副グループリーダー、兼ダイセル・セイフティ・システムズ第一工場主席部員岩切敏郎。

ダイセルの4-6月期 各製品の販売増で増収増益

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2021年8月4日

 ダイセルは3日、2022年3月期第1四半期(4-6月期)の連結業績を発表した。売上高は前年同期比34%増の1114億円、営業利益4.5倍の139億円、経常利益3.9倍の152億円、純利益19.3倍の123億円となった。

 セグメント別にみると、 “ダイセルの4-6月期 各製品の販売増で増収増益” の続きを読む