グラノプト グローバルニッチトップ企業100選に選定

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2020年7月17日

 三菱ガス化学はこのほど、持分法適用会社のグラノプト(秋田県能代市)が経済産業省の「グローバルニッチトップ企業100選」(素材・化学部門)に選定されたと発表した。グラノプトがもつ世界シェアと利益の両立、技術の独自性と自立性、サプライチェーンの重要性などが評価された。

 同社が製造・販売するファラデーローテータは、Bi置換希土類鉄ガーネットの厚さ100~500㎛の単結晶膜で、磁界によって光の偏光方向を回転させるもの。5G基地局やデータセンター向けの光アイソレータや光サーキュレータなどに不可欠な材料である。

 今後も、「小さくても世界№1のエクセレントカンパニー」のスローガンの下、優れた品質の製品を提供し、光通信分野の発展へ貢献していく。

 

三菱ガス化学 次世代低損失BTレジン積層板材料が受賞

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2020年7月9日

 三菱ガス化学の次世代低損失BT(ビスマレイミド・トリアジン)レジン積層板材料「CCL‐HL972LFG/GHPL‐970LFG」と「CRS‐791」はこのほど、「第16回JPCA賞」を受賞した。

 同賞は、日本電子回路工業会(JPCA)が主催・運営する2020年JPCAショー/マイクロエレクトロニクスショー/有機デバイス総合展などでの新製品・新技術促進による活力向上と総合的技術の進歩発展を目的とし、全出展企業がエントリーした製品・技術から選出される。学術界、電子回路業界、専門誌編集者など有識者から成る選考委員会で、「独創性」「産業界での発展性・将来性」「信頼性」「時世の適合性」を基準に選考される。

 同社独自のBT樹脂技術による高耐熱性積層材料は、半導体パッケージ用途などで使われている。この高周波用途向け「HL972LF(LD)」の次世代材料として、低損失性を進化させた「HL972LFG/LFG(LD)」と電子部品の低背化を実現する低誘電率ビルドアップ材「CRS‐791/792FX」「GHPL‐970FT」を開発。5Gの高周波数領域での高速・低損失信号伝送に対応する、低誘電率・低誘電正接特性の高精細配線が可能な材料を、樹脂改良技術で達成したことが評価された。

 同社は今後も新しい技術を追求し、BT積層材料で市場の要求に速やかに応えることで、高度情報通信社会の発展に貢献していく考えだ。

 

三菱ガス化学など 福島天然ガス発電所の営業運転を開始

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2020年5月27日

 三菱ガス化学はこのほど、同社が9%出資し事業パートナーとして参画している福島ガス発電(FGP)が、相馬港4号埠頭(福島県相馬郡)で建設を進めていた福島天然ガス発電所1号発電設備(1号機)について、先月30日に営業運転を開始したと発表した。

1号機外観 (現地写真:2020年4月現在)
1号機外観 (現地写真:2020年4月現在)

 2016年に、FGPとFGPへ出資する事業パートナー5社(三菱ガス化学、石油資源開発〈JAPEX〉、三井物産、大阪ガス、北海道電力)は、トーリング方式による相馬港天然ガス発電事業の推進と、その事業基盤となるLNG発電所(出力59万㎾×2基)の建設を決定。1号機が昨年12月から発電を開始し、電気事業法で定められた使用前自主検査にすべて合格したことから、先月30日からの営業運転に至った。

 トーリング方式とは、パートナー各社が各々調達した燃料を、FGPが電気に変えて相当量の電力を各社に返し、各社が独自に販売する、電力自由化に即した方式。同発電所は、低廉で環境負荷の小さい電力の安定供給を目指している。

 燃料には化石燃料の中で最も温室効果ガス(GHG)や大気汚染の原因物質(SOx、NOxなど)の排出が少ないLNGを気化したガスを使用し、発電効率の高いガスタービン・コンバインドサイクル方式(燃焼ガスタービンと排熱蒸気タービンを併用)を採用した。さらに、最新の要素技術を加えることにより、現時点で世界最高クラスとなる約61%の発電効率を実現している。

 なお、2号機は今夏の営業運転開始を目指し、現在は試運転中。また、2期工事となる、隣接するJAPEX相馬LNG基地敷地内への23万kl級地上式LNGタンクは今夏に操業を開始する予定で、LNG気化設備増設分は先月に操業を開始した。これら設備の操業開始後の運用を含めた管理、事業パートナー5社が持ち込むLNGの貯蔵と気化、気化したガスの同発電所への送出などの業務は、FGPからJAPEXに委託している。

 同社を含む事業パートナー5社とFGPは、電力全面自由化やGHG排出量削減などの市場環境の変化を踏まえた、低廉で環境負荷の小さい電力の安定供給を目指し、引き続き同事業を推進する考えだ。

三菱ガス化学の3月期 海外メタノール持分法利益が大幅減

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2020年5月15日

 三菱ガス化学は14日、電話会議による2020年3月期の決算会見を開催した。藤井政志社長は「光学樹脂ポリマーや、BTなど電子材料の販売数量は増加したが、ポリカーボネートや高純度イソフタル酸、メタノールなどの市況が下落し減収減益となった。海外メタノール生産会社の利益が大幅に減少し、経常利益以降は減益幅が拡大した」と総括した。

 売上高は前年度比6%減の6133億円、営業利益は17%減の342億円、経常利益55%減の311億円、純利益62%減の211億円だった。なおメタノール事業では、サウジアラビア合弁事業に掛かる一過性費用として78億円を計上している。

 今年度の通期業績予想については、売上高5%減の5800億円、営業利益21%減の270億円、経常利益16%減の260億円、純利益20%減の170億円を見込む。

 藤井社長は「新型コロナウイルスの影響として

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JXTGエネルギー 「バイオマス・ショア寄付講座」に参画

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2020年4月14日

 JXTGエネルギーは、東京大学大学院農学生命科学研究科に開設されている「バイオマス・ショア寄付講座」に対し、三菱ガス化学、三菱商事および日新商事と共同で寄付を行っている。

 同講座が実現を目指す「バイオマス・ショア構想」は、大気中のCO2を削減しながら産業活動を行う社会の構築を目標としている。具体的には、海洋深層水湧昇流のある砂漠海岸で、海洋深層水を淡水と高濃度海水に分離し、淡水で農業・緑化、高塩濃度海水で藻類を培養し、それぞれの過程でCO2を吸収させることで高付加価値な生産物を得るシステムを構築するもの。また、同システムには再生可能エネルギーを活用する構想となっている。

 同講座は2016年に開設され、2018年4月の三菱ガス化学が参画した第1期では、バイオマス・ショア構想の基本コンセプトの構築、実施候補地の確認などの基盤づくりが実施された。今年4月から開始する第2期では、同構想の実現可能性が検証される予定。

 JXTGエネルギーは、遺伝子組み換えを一切行わない独自の発酵技術を用いて、天然色素であるカロテノイドの生産性を高める研究開発を進め、アスタキサンチンやレアカロテノイドの商品化を達成している。高塩濃度海水で培養し得られる藻類には、タンパク質やグリセロール、グルタチオン、脂質などに加え、同社が扱うカロテノイド類も含まれることから、同講座への寄付を決定した。

 同社は「2040年JXTGグループ長期ビジョン」の達成に向け、機能材事業分野での「発酵生産技術」をはじめとする製品開発力の強化を通じて、革新的な事業を創出し、新たな価値を創造していく考えだ。

三菱ガス化学 台湾で超純過水の一貫生産体制を構築へ

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2020年2月19日

 三菱ガス化学はこのほど、半導体の製造工程で使用される超純過酸化水素(超純過水)事業のさらなる伸長を目指し、台湾子会社での工業用過酸化水素(工薬過水)製造設備の建設を決定したと発表した。

 超純過水は、主に半導体の製造工程で、洗浄・エッチング・研磨剤として使用される。今後、5GやIoT、クラウド、AIなどの進展による用途拡大により、半導体需要は長期的に伸長していくことが見込まれ、半導体の微細化に伴い、より高品質で大量の超純過水需要が高まっている。

 同社グループは、国内の3拠点(四日市、山北、佐賀)、海外7拠点(韓国2工場、米国3工場、シンガポール、台湾)に超純過水製造設備を構え、世界最高レベルの品質とそれを保証する分析・品質保証体制を持っている。世界トップシェアのリーディングカンパニーとして、これまで多くの顧客と取引を拡大してきた。

 また、超純過水に加え、半導体製造工程で使用される各種電子工業用機能性薬液も事業展開しており、いずれも高い支持を受けている。

 台湾では巨大半導体工場の建設が相次いで進み、今後も大型投資が予定されており、高品質な超純過水の需要が急増している。これらの需要に応え、供給安定性・高品質・コスト競争力を伴った超純過水の製造販売を実現し事業拡大を推進するため、工薬過水製造設備を建設し、稼働中の超純過水設備へ、原料となる工薬過水(原料過水)を供給することで、原料過水から超純過水までの現地一貫生産体制を実現する。

 同社グループは今回の供給体制強化を行うことで、今後も全世界的に、また長期にわたり続くと予想される半導体産業の成長に貢献するとともに、超純過水、電子工業用機能性薬液をはじめとする半導体製造に不可欠な材料供給のリーディングカンパニーとして、さらなる発展を目指していく考えだ。