三菱ケミカル カーボンクラッドロールが未来技術遺産に

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2018年9月11日

 三菱ケミカルとサンレイ工機(千葉県白井市)はこのほど、共同で2012年に製造したカーボンクラッドロール(製品名「カーボリーダー」)が、国立科学博物館が選定する「未来技術遺産」に登録されたと発表した。

 同製品は三菱ケミカルのピッチ系炭素繊維素材を用いた、直径350mm×長さ9200mmの世界最長のフィルム製造用ロールで、長尺のカーボンロールとしては世界で初めてサンレイが製造した。

 鉄やアルミなど従来の金属材料を使ったロールは、その重さからロール自体がたわみ、高速回転時に発生する振動などが避けられず、フィルム製品のしわや傷が発生する要因となっていた。

 一方、三菱ケミカルのカーボンクラッドロールは、軽量でロールの真円度・円筒度が高く、ロール自体の重さのバランスも高い精度で保たれているため、ロールのたわみが少なく、振動が抑えられ、フィルムの品質向上・生産性向上コスト低減に貢献できる。

 未来技術遺産は日本で「科学技術の発達上重要な成果を示し、次世代に継承していくうえで重要な意義を持つ科学技術史資料」と「国民生活、経済、社会、文化の在り方に顕著な影響を与えた科学技術史資料」の保存を図るとともに、科学技術を担ってきた先人たちの経験を次世代に継承していくことを目的に、国立科学博物館が実施している登録制度。2008年から毎年実施され、これまでに二百四十件の資料が登録されている。

 今年は新たに19件が登録された。通常、未来技術遺産は製造から十年以上経過されたものが選出されるが、三菱ケミカルのカーボンロールは、登録されている全259件の中で最も新しいものになる。

三菱ケミカル 薄膜・高強度のPP系多孔質フィルムを開発

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2018年9月6日

 三菱ケミカルはこのほど、リチウムイオン電池(LiB)や分離膜などで省エネ・省資源に貢献できるポリプロピレン(PP)系多孔質フィルムを開発したと発表した。

 この研究成果は、内閣府総合科学技術・イノベーション会議が主導する革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)の1つである「超薄膜化・強靭化『しなやかなタフポリマー』の実現」の一環として取り組んだもの。

 同プログラムでは、PP系の多孔質フィルムであるLiBのセパレーターに着目し、そのタフ化を目指した研究開発に取り組んできた。車載用への需要が高まっているLiBは、高容量化が重要課題であり、セパレーターの薄膜化が有効であると言われている。しかし、単に薄くすると機械的強度が下がり、本来のセパレーターの機能を担保できないという問題があった。

 同プログラムではセパレーターを構成する多孔質フィルムの薄膜化と高強度化の両立を目指し、各種製法による多孔質フィルムについて、放射光X線散乱法などを用いた高次構造解析と機械的特性試験との結果から、高強度化するための材料設計指針を構築し、それを具現化するため、材料と製膜プロセスの両面から検討を重ねた。

 その結果、従来の性能(電気絶縁性、リチウムイオン透過性)を維持しながら、厚みを従来の主流であった20~30μmから5μmまで薄膜化するとともに、単位厚みあたりの突き刺し強度を2~3倍まで高めることに成功。これにより、理論上、電池容量を20%程度向上させることが可能となった。

 ImPACTプログラム・マネージャーの伊藤耕三氏(東京大学教授)は「今回の研究は多孔質フィルムをタフ化する新たな材料設計指針の確立につながるとともに、LiBの高容量化を実現可能な画期的成果と言える。今後は同成果が他の多孔質フィルムにも適用され、幅広い用途に展開されることを期待している」と話している。

三菱ケミカル 米国でゼオライト膜「ゼブレックス」を初納入

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2018年9月3日

 三菱ケミカル(MCC)と米国のエイミティス社はこのほど、MCCのバイオエタノール製造プロセス向けのゼオライト膜「ゼブレックス」を、エイミティス社保有の製造プラントに導入することで合意したと発表した。

 MCCは同じ三菱ケミカルホールディングスグループである、大陽日酸の米国子会社マチソン・トライガスと共同でエイミティス社と協議を進め、北米でのマーケティングの戦略提携先である、エンジニアリングメーカーの米国ICM社を通じ、提携第1号案件として、世界最大規模のゼブレックスをエイミティス社に納入する。

 また今回の案件は、バイオエタノールの生産量で、世界シェア約50%の米国へのゼブレックス導入第1号案件となる。

 エイミティス社は、既存プラントで採用している従来のPSAプロセスから、ゼブレックスに置き換えることで、約25%のエネルギー消費量削減を達成し、1年間で約1万6000千tのCO2排出量を削減する。

 近年、米国やブラジルを中心に世界各国で、カーボンニュートラルでCO2排出抑制につながる燃料として、トウモロコシやサトウキビ、キャッサバなどのバイオマスを原料とする、バイオエタノールの利用が普及しつつある。さらに今後は、非可食原料から作られる第2世代のバイオエタノールも、米国やインドなどで本格的な生産が見込まれている。

 バイオエタノールを燃料として用いるためには、一定以上の濃度まで脱水する必要がある。ゼブレックスは最先端のゼオライト膜脱水システムで、再生工程が不要で連続的な脱水が可能であるため、PSAプロセスに比べ、エネルギー消費量を20~30%程度削減できる。

 ゼブレックスは新設だけでなく、PSAプロセスからの置き換えや増設によっても、CO2排出量の削減、オペレーションコストの削減、生産効率向上による増産、安定運転が可能となる。

 エイミティス社が事業展開する米国カリフォルニア州では、LCFS(低炭素燃料基準)を施行し、積極的に自動車燃料の温室効果ガス排出規制に取り組んでいる。ゼブレックスの採用により、バイオエタノール製造時のCO2排出量削減への貢献が期待できる。

三菱ケミカル 欧米で先端技術投資に注力

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2018年8月29日

 三菱ケミカルホールディングスは28日、本社で記者懇談会を開催し、業績や中期経営計画(2019~20年度)などの進捗と、経営方針について説明を行った。越智仁社長は「今年度は薬価改定などの影響により、コア営業利益を減益で予想しているが、4―6月期は好調に推移した。MMAやPCなどが想定以上の市況を維持し、機能商品も堅調に推移している。スマートフォンの減速が懸念材料だが、回復してくるだろう」とし、目標数値達成への手応えを示した。

 ポートフォリオ改革については「グループ会社の統廃合が進んでいる。3社統合(三菱ケミカル)で計画したシナジー効果500億円(事業費350億円、固定費150億円)についても順調だ」とし、M&Aや事業撤退など計画通りに進捗しているとした。

 M&Aの方向性については「これからは

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三菱ケミカル 人事(10月1日)

2018年8月29日

 [三菱ケミカル・人事](10月1日)▽情電・ディスプレイ部門 情報電子本部半導体ソリューション事業部長楠本匡▽同部門同本部ディスプレイマテリアルズ事業部長、同部門同本部同事業部グループマネジャー辻成夫。

三菱ケミカル フィルム製品を9月21日納入分から値上げ

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2018年8月28日

 三菱ケミカルは27日、フィルム製品を9月21日納入分から、各々300円/連(15µm換算)値上げすると発表した。

 対象製品は、二軸延伸ガスバリアナイロンフィルム「スーパーニール」、二軸延伸ナイロンフィルム「サントニール」、透明蒸着フィルム「テックバリア」ONY系の3製品。

 カプロラクタム価格の高騰により、これらの製品の原料であるナイロン樹脂の価格が上昇していることに加え、電力・燃料費・物流費なども上昇し、製造コストを押し上げるとともに事業採算を圧迫している。

 同社はこれまでも、継続的なコスト削減を行ってきたが、現在の価格体系では安定的な製品供給が困難と判断し、今回の価格改定を決定した。

三菱ケミカル ドイツの半導体関連サービス会社を買収へ

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2018年8月22日

 三菱ケミカルは21日、欧州・米国で半導体関連サービス事業を展開するドイツのCleanpart Group(Cleanpart社)の株式を取得することで、ドイツの投資ファンドDeutsche Beteiligungsと合意したと発表した。同社の子会社で、Cleanpart社に出資するService Investmentから、十月をめどに全株式の引き渡しを受ける予定。

 Cleanpart社は、欧州・米国で半導体メーカー向けに、半導体製造装置の精密洗浄やコーティングサービスなどの事業を展開している。欧州でのリーディンカンパニーの一つであるとともに、米国でも優れた技術に基づくサービスを提供し、業界有数の地位を築いている。一方、三菱ケミカルグループの新菱(新菱社)は、同様の事業を日本やアジア地域を中心に展開している。

 Cleanpart社と新菱社は

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