産総研など 強度と伸度を両立したセルロース繊維を開発

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2024年6月28日

 産業技術総合研究所(産総研)はこのほど、オーミケンシ、信州大学と共同で、高強度レーヨンに匹敵する強度と伸度をもつ低環境負荷カーボンナノチューブ(CNT)複合セルロース繊維を開発したと発表した。

CNT複合セルロース繊維の構造モデル

 自動運転車には、

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ノベルクリスタル 6インチ酸化Gaの単結晶製造に成功

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2024年1月22日

 ノベルクリスタルテクノロジーと信州大学、産業技術総合研究所(産総研)はこのほど、垂直ブリッジマン(VB)法によるベータ型酸化ガリウム(Ga)の6インチ単結晶の作製に世界で初めて成功したと発表した。

EFG法とVB法の概要

 Si製パワーデバイスの性能を

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アープケムなど 新光電極で太陽光‐水素変換効率10%

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2023年9月12日

 人工光合成化学プロセス技術研究組合(ARPChem:アープケム)と共同実施先の東京大学、産業技術総合研究所、宮崎大学、信州大学はこのほど、太陽光による水分解で酸素を高効率に生成する赤色透明光電極の開発に成功した。ナノロッド状構造をもつ窒化タンタル光電極で、世界トップレベルの太陽光‐水素変換効率(STH)10%を達成した。

赤色透明な水分解用光電極

 太陽光水分解・水素生成の

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信州大学など 表面対イオン制御で温度応答性グラフェン

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2023年8月3日

 信州大学と岡山大学の共同研究グループはこのほど、酸化グラフェン(GO)ナノシート表面の負電荷と対になる陽イオン(対カチオン)の種類を制御することにより、温度応答性GOナノシートの開発に成功した。

 GOナノシートは

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信州大学 微粒高分子由来の材料で安定性と分解性を両立

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2023年4月3日

 信州大学はこのほど、高分子微粒子を活用したマテリアルリサイクル手法を開発した。高分子微粒子コロイドを乾燥させるだけで高物性の材料が得られ、溶媒に浸すだけで特別な試薬や高圧・高熱条件なしで元の微粒子に分解できる。

再生可能な微粒子フィルムの製作・リサイクル

 従来の高分子リサイクルは、

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産総研 可視光水分解・水素生成の効率改良指針を明確化

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2022年1月24日

 産業技術総合研究所(産総研)はこのほど、人工光合成化学プロセス技術研究組合、徳島大学、京都大学、信州大学と共同で、可視光で水を水素と酸素に分解する酸硫化物光触媒のエネルギー変換効率の改良指針を明確化した。

 光触媒による水分解反応は太陽エネルギーで水素を生成できるため、世界中で研究開発が進められている。粉末光触媒の

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NEDOなど 世界初、大規模人工光合成で水素を製造

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2021年9月22日

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と人工光合成化学プロセス技術研究組合(ARPChem)はこのほど、東京大学、富士フイルム、TOTO、三菱ケミカル、信州大学、明治大学とともに100㎡規模の太陽光受光型光触媒水分解パネル反応器と水素・酸素ガス分離モジュールから成る光触媒パネル反応システムを開発し、太陽光による水分解で長期間安全かつ安定的にソーラー水素を分離・回収できることを実証した。世界初の実証事例。

 NEDOは、水の光分解で得たソーラー水素とCO2からC2~C4オレフィンを製造する「二酸化炭素原料化基幹化学品製造プロセス技術開発(人工光合成プロジェクト)」で、①光触媒(水の光分解で水素と酸素を製造)、②分離膜(水素・酸素の混合ガスから水素を分離)、③合成触媒(水素とCO2からC2~C4オレフィンを合成)の研究開発に取り組んでおり、今回の成果は①と②に当たる。

 光触媒パネル反応器は、透明ガラス容器にチタン酸ストロンチウム光触媒シートを格納したもので、光触媒を基板上に塗布するだけで製造できる。紫外光で水を分解し、量子収率はほぼ100%。疑似太陽光の連続照射による耐久性試験では、初期の8割以上の活性を2カ月以上(屋外試験で約1年に相当)維持した。この反応器を連結した3㎡のモジュールをプラスチックチューブで連結し、100㎡規模の反応器とした。屋外環境で水素と酸素が2対1の混合ガスを発生。その太陽光エネルギー変換効率は夏期には0.76%であった。

 ガス分離モジュールで水素濃度約94%の透過ガスと、酸素濃度60%以上の残留ガスに分離。天候・季節によらず、水素の回収率は約73%だった。水素濃度4~95%の混合ガスは着火すると爆発するが、1年以上の屋外試験で一度も自然着火・爆発はなかった。爆発リスクの確認のために、光触媒パネル反応器、ガス捕集用配管、ガス分離モジュールに意図的に着火したが、いずれも破損や性能劣化はなかった。

 今後、可視光にも応答するエネルギー変換効率5~10%の光触媒の開発と、光触媒パネルの低コスト化と一層の大規模化、ガス分離プロセスの分離性能とエネルギー効率の向上のための技術開発を進め、実用化を目指す。

 

 

NEDO 人工光合成、収率ほぼ100%の光触媒開発

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2020年6月12日

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と、三菱ケミカルや三井化学などが参画する人工光合成化学プロセス技術研究組合(ARPChem)はこのほど、紫外光領域ながら世界で初めて100%に近い量子収率(光子の利用効率)で水を水素と酸素に分解する粉末状の半導体光触媒を開発した。信州大学、山口大学、東京大学、産業技術総合研究所(産総研)との共同研究によるもの。これまでの光触媒では量子収率が50%に達するものはほとんどなく、画期的な成果といえる。

 ソーラー水素の実用化に向けた大幅なコスト削減には、太陽光エネルギーの変換効率向上が必要だ。そこには、利用光の波長範囲を広げることと、各波長での量子収率を高めることの2つの要素がある。前者は光触媒のバンドギャップ(電子励起に必要なエネルギー)の幅がカギになり、後者は触媒調製法や助触媒との組み合わせで決まる。今回は後者に注力し、ほぼ100%の量子収率を達成するとともに、触媒の構造・機能・調製方法などを明らかにした。

 代表的な酸化物光触媒SrTiO3(Alドープ)を、フラックス法により2種の結晶面を持つ粒子にすると、光で励起された電子と正孔が各結晶面に選択的に移動する異方的電荷移動という現象が起こる。この特性を利用して、各結晶面に水素生成助触媒(Rh/Cr2O3)と酸素生成助触媒(CoOOH)を光電着法により選択的に担持した。

 その結果、光励起した電子と正孔は再結合せずに各助触媒に選択的に移動するため、吸収光のほぼ全てを水分解反応に利用することに成功した。光励起された電子と正孔の一方通行移動は植物の光合成で行われているが、複雑なタンパク質構造によるため、人工的な再現は非現実的だった。今回の光触媒の構造は簡易であり、高活性光触媒の設計指針となる。

 今回は紫外光しか吸収しないため、降り注ぐ太陽光エネルギーの一部しか利用できない。可視光を吸収するバンドギャップの小さな光触媒に応用することで、太陽エネルギーの利用度は上がる。バンドギャップの小さな化合物での水分解にはさらに高度な触媒性能が求められるが、今回の触媒設計指針を応用することにより、製造プラントの省スペース化や製造コストの低減が期待される。

 NEDOらは、引き続き光エネルギー変換効率の向上を進め、人工光合成技術の早期実現を目指していく考えだ。

NEDO・信州大 腰サポートウエアを開発、PVCで軽量化実現

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2020年1月20日

 NEDOはこのほど、信州大学とポリ塩化ビニール(PVC)ゲルアクチュエーターを搭載した、腰サポートウエアを開発したと発表した。重量が2kg程度と軽量で、低消費電力なのが特徴。また、PVCゲルアクチュエーター自体が弾力的に変形しやすいため、装着時の拘束感が少なく、装着者へのストレスが少ないサポートウエアとなっている。

 国内外で深刻な高齢化が指摘されている中、介護や物流現場などで動作支援に貢献できるウエアラブルロボットを、社会や個人に広く普及させることが急務となっている。従来の電磁モーターを搭載したサポートウエアは、重く硬く、駆動音が大きく、拘束感が強いことなどが課題となっている。

 そこで、NEDOと信州大は「次世代人工知能・ロボット中核技術開発」事業で、駆動源にPVCゲルアクチュエーターを採用し、持ち上げ動作を補助する腰サポートウエアを開発した。

 積層したPVCゲルアクチュエーターを直径約6cm、長さ約45cmの筐体に格納し、本体に取り付けた上肢・下肢ハーネスを、肩・大腿部にそれぞれ装着して使う。アクチュエーターの駆動に伴い、アクチュエーター下部に接続されている下肢ハーネスを引き上げることで、上肢と下肢間に引張力が発生し、能動的に腰の負担を軽減することができる。

 加えて、低消費電力・柔軟・軽量・静音など、人との親和性が高いウエアラブルロボットの実現を可能にした。今後、さらなる軽量化や高出力化、安全性の確保のための研究開発を行い、2021年までに製品化を目指す。

ADEKA ナス由来成分で血圧や気分改善効果を実証

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2019年11月26日

 ADEKAはこのほど、信州大学や北海道情報大学などと、日頃からストレスを感じているⅠ度高血圧者と血圧が高めの健常人(正常高値血圧者)を対象とした臨床試験(プラセボを用いた二重盲検ランダム化比較試験)により、ナス由来コリンエステルを含むナス搾汁粉末の継続摂取による血圧改善効果と気分改善効果を確認したと発表した。

 この研究成果は、ナスの食品機能性を高水準の臨床試験で証明した世界初の成果で、栄養学の分野で評価の高い国際学術誌「Nutrients」に掲載された。

 同研究は、農業・食品産業技術総合研究機構の生物系特定産業技術研究支援センター(生研支援センター)の委託プロジェクトである、革新的技術開発・緊急展開事業「新規機能性成分によるナス高付加価値化のための機能性表示食品開発」で創出した研究成果の一部。

 わが国の農林水産業の国際競争力強化に向け、ナス栽培農家の所得向上という明確な開発目標の下、栽培作物ではナスにだけ新規機能性成分・コリンエステルが豊富に含まれるという信州大・中村造蔵准教授の発見に基づいて、ナス生産者・企業・大学・研究機関がナス高機能化コンソーシアムを組んで、社会実装を視野に入れたナス・イノベーションに、2017年度から3年間にわたり取り組んできた。

 コンソーシアムには、ナス生産者として倉澤農園、研究機関として信州大、北海道情報大、農研機構、高知県農業技術センター、企業としてADEKAのほか、サラダコスモが参画。また、研究成果の普及とナス製品開発販売のために、安芸農業振興センター、高知県農業協同組合、三井食品工業、島貿易、ウェルナス(信州大発ベンチャー)が協力機関として参加している。

 同研究成果をもとに、ナス由来コリンエステルを関与成分とする機能性表示食品(生鮮ナスおよびナス加工品・サプリメントなど)の開発を加速させ、製品化と販売を視野に、引き続き官民学共同チーム一丸となって進めていく。なお、今回の研究成果については、アグリビジネス創出フェア2019(11月20~22日:東京ビッグサイト)で紹介を行った。