信越化学工業は4日、マイクロLEDを用いたディスプレイの製造工程で使われる材料を新たに開発・上市したと発表した。マイクロLEDディスプレイメーカーの生産性と競争力の向上に資する材料で、引き続き顧客の要望に応えるため、製品展開を行っていく。
マイクロLEDディスプレイは、微小なLED素子を各画素に配置した自発光ディスプレイで、その高いコントラストと明るさ、信頼性に加えて省エネルギーも期待されることから「究極のディスプレイ」と呼ばれている。
一方、その製造で、テレビやスマートフォンなどのディスプレイへの適用を実現するためには、工程の効率化やプロセス時間の短縮、歩留りの向上などが課題とされている。
今回開発した材料は、超平坦な基板上に、粘着剤フリーでドライな接着層を形成したマイクロLED移送用スタンプと、基板を保持したまま、洗浄工程や移送など種々のプロセスを可能にする仮支持基板。これらの製品は課題を解決できる材料として、良好な評価を得ている。
加えて、同社ではこれら製品のほかに、封止材やアンダーフィルなど、マイクロLEDディスプレイの製造工程に不可欠な材料の開発も行っている。
同社はマイクロLEDディスプレイを製造するために求められる、様々な材料を提供できる「One‐stop Solution Provider」であるための取り組みを行い、「究極のディスプレイ」の実現と普及に、顧客とともに貢献していく。