《取材こぼれ話》生分解性プラの用途開発、浄水器へ展開

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2020年2月19日

ポット型浄水器のカートリッジを「BioPBS」化(開発中)
ポット型浄水器のカートリッジを「BioPBS」化(開発中)

 三菱ケミカルが開発した植物原料由来の生分解性プラスチック「BioPBS」(PBS:ポリブチレンサクシネート)の用途開発が進んでいる。

 同社グループ会社で浄水器を販売する三菱ケミカル・クリンスイがこのほど開催した「クリンスイ2020発表会」の中で、「BioPBS」を活用した製品の展示を行っていた。

 同発表会は取引会社などへ向け、浄水器の新製品やトピックスを訴求するもの。環境訴求型材料の活用検討の一環として、ポット型浄水器のカートリッジへの生分解性プラの応用を提案していた。

 活性炭やセラミック、中空糸膜フィルターを備えたカートリッジは、1本で2リットルのペットボトル100本分の浄水化が可能というエコなものだが、役目が終われば廃棄となる。さらに環境への対応を図るために、

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《取材こぼれ話》熱電発電の効率化に求められる素材とは

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2019年9月5日

 NEDOはこのほど、熱エネルギーを直接電気エネルギーに変換する熱電材料を、汎用元素だけを用いて開発し、モジュール化にも成功した。実証試験では、5℃の温度差で発電するモジュールを用い、IoT機器の自立電源としての有用性を示した。

画期的な鉄-アルミニウム-ケイ素系熱電発電モジュール
画期的な鉄-アルミニウム-ケイ素系熱電発電モジュール

 同事業で材料開発や材料合成、性能評価を行った、物質・材料研究機構(NIMS)の高際良樹主任研究員は、今後想定される研究課題として、人体に装着するセンサーの自立電源への応用などを挙げた。

 体温と外気の温度差はせいぜい1℃。この温度差で装置を動かすには、熱電材料の高性能化もさることながら、熱をどう効率的に吸収するか、どう逃がすかが問題になってくるという。

 熱電素子の両面の温度差で発電する熱電発電モジュール。たとえば、熱を受ける上部には熱伝導率の高い受熱シートが必要になってくるし、下部には放熱に有効なシートが求められる。高際主任研究員は、素材の提供・開発といった側面から、化学メーカーの参加を呼び掛けていた。

 NEODは省エネルギーの観点から、未利用熱の革新的な活用技術研究開発を推進している。未利用熱とは、製造プロセスの中で利用されずに排出される工場の排熱や、自動車のエンジン回りから出る熱をはじめ、エアコンの排熱、住宅の窓や壁から放熱とさまざまなものがある。

 石油や天然ガスといった1次エネルギーをベースにすると、その60%は未利用熱として排出されているという。この未利用熱の活用法の1つとして、熱を電気に変換する熱電材料の開発が進められている。いわば熱のリサイクルだ。

 今回の開発が画期的なのは、汎用元素の鉄、アルミニウム、ケイ素のみからなる熱電材料を開発したことだ。200℃以下の低温熱源を利用する熱電材料の場合、ビスマス‐テルル系の化合物が知られているが、どちらも希少元素(レアメタル)である上に、テルルは毒性が非常に強いことなどの課題があった。

 高際主任研究員は、開発した革新的な鉄(Fe)‐アルミニウム(Al)‐ケイ素(Si)系の熱電材料(Thermoelectric Material)を、その頭文字から「FAST(ファスト)材料」と命名した。

 FAST材料のさらなる高性能・高機能化には、化学メーカーが提供する素材がカギとなりそうだ。

 

《取材こぼれ話》クリンスイ仕込みの出羽桜 「呑みすぎるほどに雑味なし」

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2019年2月28日

 原宿駅近くの神宮前交差点から裏道に入り、ゆるい坂を上る途中にクリンスイが運営する「MIZUcafe」があった。ここで「出羽桜 純米吟醸酒 Cleansui仕込み(瓶火入)」が呑める。

出羽桜
クリンスイの超軟水で醸造した出羽桜

 三菱ケミカル・クリンスイと、山形県天童市にある蔵元・出羽桜酒造のコラボでこしらえたオリジナル吟醸酒。仕込み水にクリンスイが供給する超軟水を使用している。

 ガラス張りの店内に入り、出羽桜をボトルで注文。アテは山形グルメがお勧めらしく、「山形新庄名物とりもつ煮」「山形丸魚の炙りホタルイカ」「平田牧場三元豚の豚しゃぶサラダ」の3品を頼んだ。まもなくテーブルに、白箱入りの出羽桜とグラスが3つ運ばれてきた。

 スタッフが箱の封を切り、緑色の瓶を取り出す。手際よく栓を開けグラスに注ぎ始めると、『いい香り』と同行の酒通がいう。ワインのようなフルーティーな香りがふわっと広がってきた。グラスを手に取る。無色透明。喉越しはよくスッと流れていく。ミネラルを極限まで取り去った超軟水で仕込むと、ここまで雑味がなくなるものなのか。もう一人の酒通は『どんな料理にも合いそう』といい、チーズ系を推す。熱々チーズの「ラクレットサーモン」を追加で注文した。

 

 

《取材こぼれ話》日本ゼオン 子会社での減損の主因は

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2019年2月6日

 日本ゼオンは2019年3月期第3四半期連結決算で、前年同期に続き、シンガポール子会社のS―SBR製造設備の減損を行った。

 先月31日の決算説明会の質疑応答でその理由を問われ、平川宏之常務執行役員は「(S―SBRを製造している)シンガポール工場と徳山工場からの販売数量は確実に伸びているが、当初狙っていた、

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《取材こぼれ話》三井化学 「ブリコラージュ」と創業の精神

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2019年1月30日

 三井化学は、先日開催された「ウェアラブルEXPO」への出展を機に、「ブリコラージュ」という取り組みを始めた。

 試行錯誤や創意工夫といった意味合いを持つ。その眼目は、協業者や消費者と一緒になって今ある素材やテーマをどう発展させていくかを考え、社会の真のニーズ「ヴィジョナリー」を捉えることにある。

 一方、同社は0(ゼロ)から1(イチ)を生み出し、無限の未来を創造する施策を継続中だ。デザイナーなど外部の視点を取り入れ、素材のもつ潜在的可能性を探っている。

 研究開発本部長の福田伸常務は同展示会の特別講演で、新たな取り組み「ブリコラージュ」に触れるとともに、「(創業者らは)きっと

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《取材こぼれ話》帝人フィルムソリューション 車づくりを変える技術

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2019年1月16日

 昨年12月に開催された「高機能Week2018」で、自動車業界から特に注目を集めていたブースがあった。帝人フィルムソリューションである。

 担当者によれば、国内の全乗用車メーカーと海外の有力乗用車メーカーが、それぞれ10~15人ほどの大人数で、こぢんまりしたブースを訪れたという。

 紹介していたのはたった一つ。自動車向けフィルム塗装だ。

 あらかじめフィルム塗装した自動車用鋼板を、プレス成形する革新的な技術である。これを採用すると、自動車生産プロセスから、

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《取材こぼれ話》日本化学会 なぜ国際周期表年の閉会式を日本で?

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2018年12月26日

 2019年は、メンデレーエフが元素の周期律を発見して150周年に当たる。また、2年前の2016年には、4つの新元素名が確定し、周期表第7周期までが完成した。

 これらを記念して、国連とユネスコが制定したのが、「国際周期表年2019」(IYPT2019)である。その制定に当たっては、国際純正・応用化学連合(IUPAC)が主導した。

 来年は国内外でイベントが開催され、IUPAC関連の国際イベントでは、開会式を1月にパリのユネスコ本部などで、閉会式は12月に東京で行われることになった。

 それにしても、なぜ日本なのか。日本化学会の「国際周期表年2019実行委員会」は、

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《取材こぼれ話》ブルーイノベーション 開発のきっかけは福島原発事故

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2018年12月19日

 ソリューションプロバイダーのブルーイノベーションは、プラントなどの屋内点検ソリューションとして、設備点検ドローン「エリオス」を採用した。

 これは、スイス・フライアビリティ社製である。直径40センチで、通常のドローンが苦手な「狭く暗く汚い」場所を得意とする。

 ブルーイノベーションによると、このドローンを開発するきっかけとなったのは、実は東京電力・福島第一原子力発電所の事故だという。

 内部の様子が分からないことをニュースで知った、フライアビリティ社のエイドリアン・ブリオCEO兼共同創設者が、

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《取材こぼれ話》リケンテクノス インドに製造拠点を設ける必然性

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2018年12月12日

 リケンテクノスは来年1月、インドで販売会社の設立を予定している。2019年3月期第2四半期決算説明会で、生産拠点の建設について問われた常盤和明社長は、「まだ具体的なアイデアはないが」と前置きした上で、

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《取材こぼれ話》東レ 炭素繊維事業で想定外のトラブル

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2018年12月5日

 東レの2019年3月期第2四半期連結決算は、売上高と経常利益が過去最高だったにもかかわらず、営業利益は減益になった。さらに、通期業績予想の営業利益と経常利益を下方修正した。

 その要因について、日覺昭廣社長は「ドイツのコンポジット子会社で、想定外の工数と費用がかかっているため」と説明した。

 子会社は設計から成形まで行うことができ、レーシングカーやスポーツカーなどの特殊な車両で実績があった。しかし、そうした車の部品は

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