エア・ウォーターとダイハツ工業が共同で応募した「竜王町地域循環共生型の肉牛糞乾式メタン発酵システムの開発」が、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「2021年度新エネルギー等のシーズ発掘・事業化に向けた技術開発事業(事業化実証研究開発)」に採択された。
ダイハツ滋賀(竜王)工場の地元である竜王町が進める耕畜連携に参画し、
2022年1月21日
2022年1月17日
2021年12月13日
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)はこのほど、海上輸送の脱炭素化に必要不可欠な水素やアンモニア、LNGなどを燃料とする次世代船舶の “NEDO グリーンイノベーション基金でゼロエミ船開発” の続きを読む
2021年12月8日
JFEスチールはこのほど、石炭利用産業から排出されるCO2と製鉄プロセスで生成する高炉ガスと製鋼スラグを有効利用して “JFEスチール 石炭由来CO2から有価物を製造” の続きを読む
2021年12月6日
三菱マテリアルが研究開発を進めてきたカーボンリサイクルプロセスがこのほど、「二酸化炭素の化学的分解による炭素材料製造技術開発」として “三菱マテリアル CO2からの炭素ナノ材料製造が採択” の続きを読む
2021年11月30日
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)はこのほど、「2050年カーボンニュートラル(CN)」の実現を目指し、次世代航空機の開発として、水素航空機向けコア技術や航空機主要構造部品の飛躍的軽量化に関する4テーマの研究開発事業に着手すると発表した。なお、同事業は総額2兆円のグリーンイノベーション(GI)基金事業の一環で実施する。
航空機産業は現在、コロナ禍による航空需要の落ち込みにより、世界的に大打撃を受けている。しかし、IATA(国際航空運送協会)は、今後の航空需要について2024年には2019年と同水準まで回復し、その後新興国などの経済成長を背景に年3%程度の持続的な成長を遂げると見込む。
また、ICAO(国際民間航空機関)において「燃料効率の毎年2%改善」、「2020年以降CO2総排出量を増加させない」というグローバル目標が掲げられるなど急速に脱炭素化の要求が高まりつつあり、欧米OEMメーカーを中心に機体・エンジンの軽量化・効率化や電動航空機に関する技術開発が実施されている。さらに、エアバス社が2035年に水素燃料および燃料電池を活用した「CN航空機」を市場投入すると発表したことを受けて、水素航空機の開発競争も激化している。
このような背景の下、NEDOは経済産業省が策定した次世代航空機の開発に関する研究開発・社会実装計画に基づき、今回「次世代航空機の開発プロジェクト」として計4テーマを採択。
GI基金事業の一環として、水素航空機向けコア技術開発では、①水素航空機向けエンジン燃焼器・システム技術開発、②液化水素燃料貯蔵タンク開発、③水素航空機機体構造検討、および④航空機主要構造部品の福財津形状・飛躍的軽量開発に取り組む。プロジェクトを通じて、CNを目指す動きを国内航空機産業の競争力を飛躍的に強化する機会として捉え、水素や素材など国内の要素技術の強みを最大限活用することで機体・エンジンの国際共同開発参画比率(現状約2~3割)向上を目指す。また、航空分野の脱炭素化に貢献する。
2021年11月29日
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)とKDDI、パーソルプロセス&テクノロジー社は24日、「ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト/地域特性・拡張性を考慮した運航管理システムの実証事業」で全国13地域・ドローン52機同時飛行での飛行管制の実証実験に成功したと発表した。
同日の記者説明会では、三重県志摩市で実際にドローンを飛行させての飛行管制デモンストレーションも行った。冒頭、経済産業省次世代空モビリティ政策室長の川上悟史氏は「ドローン国内市場は2025年には4倍に拡大し、 “NEDOなど 全国同時飛行の複数ドローン運航管理成功” の続きを読む
2021年11月24日
INPEX(旧国際石油開発帝石)と大阪ガスは共同で、「ガスのカーボンニュートラル化に向けたCO2‐メタネーションシステムの実用化に向けた技術開発事業」を開始する。INPEXが新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)で採択されたINPEXの助成事業の下、大阪ガスは業務委託の形で参画する。
メタネーションとは触媒によりCO2と水素から都市ガス主成分のメタン(合成メタン)を作る方法で、再生可能エネルギーで作った水素を使うことで都市ガスをカーボンニュートラル化できる。合成メタンは都市ガスの既存インフラ・機器をそのまま使え、「グリーン成長戦略」では2030年までに既存インフラへ合成メタンを1%注入することが目標だ。
サバティエ反応によるメタネーションの基本的要素技術は確立されており、今後、合成メタン製造コストの低減と設備の大規模化などの実用化に向けた技術開発が必要だ。2024年度後半から2025年度にかけて、INPEX長岡鉱場内で回収したCO2から合成メタンを製造する実証実験を行い、同社の都市ガスパイプラインへ注入する予定だ。合成メタン製造能力は約400N㎥/hで、世界最大級の規模。INPEXは2017年から長岡鉱場で行っている合成メタン製造能力8N㎥/hのメタネーション基盤技術開発の経験を生かして事業全体の取りまとめや設備のオペレーションを担う。
大阪ガスは、石油系原料からの都市ガス・代替天然ガス製造で培った省エネルギーメタン製造の触媒技術やスケールアップの設計ノウハウなどのエンジニアリング力を生かし、設備設計とプロセス最適化を担う。また名古屋大学は、反応挙動把握のための反応シミュレーションの技術開発を行う。
並行して、オーストラリアなどの再エネ由来のグリーン水素製造が安価な国でメタネーションを行い日本へ輸入する事業性評価や、環境価値の国内移転に向けた制度検討なども行う。将来的には、海外で商用規模(1万N㎥/h)の実証事業を行い、さらに6万N㎥/h規模での商用化を視野に入れて取り組んでいく。
同事業を通じて、INPEXと大阪ガスの両社は、CO2-メタネーションによる都市ガスのカーボンニュートラル化の早期社会実装に向けて取り組んでいく考えだ。
2021年11月22日
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)はこのほど、CO2を資源として捉え化学品や燃料、鉱物へ有効利用するカーボンリサイクル技術について新たに6件の技術開発テーマを採択した。実施期間は2025年度までの5年間で、事業総額は約130億円。
カーボンリサイクル技術は、火力発電などで排出されるCO2を分離・回収し有効利用することで、大気中への排出を抑制するもので、今年6月策定の「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」では、キーテクノロジーに位置づけられている。カーボンニュートラル社会の実現に向け、技術的選択肢の増加・強化を加速する。
昨年度採択の7テーマに、新たに化学品分野2件、燃料分野1件、鉱物分野3件の計6件を追加。化学品分野の「CO2直接合成反応による低級オレフィン製造(IHI)」と「メタノール合成の最適システム(JFEスチールなど)」、燃料分野の「大規模メタネーションによるメタン製造(INPEX)」、鉱物分野の「製鋼スラグを活用したCO2固定(神戸製鋼所など)」、「製鋼スラグの高速多量炭酸化よる革新的CO2固定(JFEスチール)」と「CO2の化学的分解による炭素材料製造(三菱マテリアル)」に関する技術開発を推進する。
カーボンリサイクル技術の関連産業への利用可能性を拡大しCO2の大気中への排出量をより多く削減することで、カーボンニュートラル社会の実現を目指す。
2021年11月16日
宇部興産、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、産業技術総合研究所(産総研)、先端素材高速開発技術研究組合(ADMAT)は15日、共同で、固体高分子型燃料電池(PEFC)向けの高性能なコアシェル型触媒の合成に成功し、その高効率合成も実現したと発表した。
PEFCは、高いエネルギー変換効率や長寿命、低温作動(室温~100℃)などの特長をもち、FCV(燃料電池自動車)の動力源や家庭用コージェネレーションシステムなどで利用されている。
エネ変換効率をより向上させるためには、正極(カソード電極)での酸素還元反応(ORR)の活性を高める必要があり一般的には白金が採用されている。しかし白金は高価で資源量も少ないため、使用量を大幅に低減しながらもエネ変換効率を向上させる手法の確立が求められている。
そこで近年は、触媒粒子の外表面(シェル)部分のみに選択的に白金を存在させ、粒子の内部(コア)部分を他の金属で置き換えた構造をもつコアシェル型触媒により、白金利用効率の向上を目指す研究が活発化。しかしコアシェル型触媒の合成法として普及している銅‐アンダーポテンシャル析出(Cu-UPD)法は工程が非常に複雑かつバッチ式であるため、生産性が低いことが課題となっていた。
こうした背景の下、NEDOは「超超プロジェクト」で、計算・プロセス・計測の三位一体による機能性材料の高速開発に取り組んでおり、その一環として四者共同で、カソード触媒の白金使用量の大幅な削減を可能とするコアシェル型触媒を効率的に合成する技術開発を行ってきた。
今回、1日当たり数十種の触媒を連続・自動合成することが可能なハイスループットフロー合成装置を使って、短時間で最適なコアシェル構造をもつ触媒合成条件を確立し、またプロセス条件を最適化して、従来比十倍以上の触媒の高効率合成プロセスを実現した。この成果によりPEFCで課題となっている高い白金コストを大幅に低減することで、燃料電池触媒のより一層の社会実装を促進するとともに、脱炭素社会の実現に貢献する。