日本化学工業協会 日本動物実験代替法学会のLRI賞、受賞者決定

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2021年10月7日

 日本化学工業協会はこのほど、日本動物実験代替法学会(JSAAE)内に設立した日化協LRI(長期自主研究活動)賞の第6回目の受賞者を正式に決定した。

LRI賞を受賞した花王 安全性科学研究所の安保孝幸氏
LRI賞を受賞した花王 安全性科学研究所の安保孝幸氏

 LRI賞は、研究者奨励および育成の一環として、〝化学物質が人の健康や環境に与える影響〟に関する優れた業績をあげた研究者を表彰しており、今回、花王 安全性科学研究所の安保孝幸氏[テーマ(邦題):in vitro眼刺激性試験Short Time Exposure法における高揮発性物質の適用範囲拡大と予測性検証]が受賞した。

 安保氏はin vitro眼剌激性試験であるSTE法に関する研究を精力的に進め、STE法のOECDテストガイドライン採択に貢献した。その後も研究を継続し、高揮発性物質への適用範囲拡大を達成。

 さらには、医薬部外品・化粧品の安全性評価におけるSTE法のガイダンス策定にも関与し、現在はCosmetics Europeと共にSTE法と他のin vitro試験法を組み合わせた評価体系のOECDテストガイドライン化に向けて国際的に活躍している。試験法開発だけでなく、その実用化への貢献も大きく、安保氏の今後の一層の活躍が期待される。

 なお、授賞式は、11月11~13日にハイブリッド形式で開催される「JSAAE第34回大会」にて行われる予定。

 

日化協 日本動物実験代替法学会、LRI賞受賞者を決定

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2019年10月1日

 日化協はこのほど、研究者奨励(育成)の一環として、〝化学物質が人の健康や環境に与える影響〟に関する優れた業績を上げた研究者を表彰するため、日本動物実験代替法学会(JSAAE)内に設立した日化協LRI賞の第4回目の受賞者を、東京理科大学工学部情報工学科の寒水孝司(そうず・たかし)氏に決定したと発表した。

 受賞テーマは「小標本データにおけるEffective Time50(ET50)の区間推定法」。実験条件である比較的少数の測定時点と組織数から得られるデータ数であっても、皮膚刺激性試験代替法の指標(50%細胞生存率)を安定的に偏りなく区間推定(95%信頼区間の構築)できるようにした。これにより、ヒト表皮モデルの効率的な使用が可能になり、試験法の有用性が大きく向上したことが評価された。

 また、バリデーション、第三者評価、統計的研究を通じて動物実験代替試験法の開発と実用化に大きく寄与してきており、今後もさらなる貢献が期待される。授賞式は11月21日に産業技術総合研究所(茨城県つくば市)で開催する日本動物実験代替法学会第32回大会で執り行われる予定。

 なお、LRIとは長期自主研究活動のこと。「日化協LRI賞」はLRIの認知拡大と理解促進を図るとともに、同分野の優れた若手の研究者、世界をリードするような新しい研究分野を発掘することを目指して2015年に設立された。