イトーヨーカ堂はこのほど、神戸大学と共同で、人工知能(AI)を活用した空調エネルギー削減 システム「AI スマート空調システム」をイトーヨーカドー店舗に本格導入すると発表した。
セブン&アイグループの
2024年9月9日
2024年7月23日
2024年4月17日
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2022年6月27日
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新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と神戸大学はこのほど、目的物質の生産能力を大幅に高めた細胞「スマートセル」を開発するプラットフォームの確立を目指すため、これまでに開発してきた要素技術を集積したパイロットラボを神戸大学先端融合研究環の統合研究拠点内に整備した。両者は、植物や微生物による高機能品生産技術の開発「スマートセルプロジェクト」に取り組んでいる。
同プロジェクトでは開発している基盤技術を中心に先端的なバイオテクノロジーと計算科学を組み合せることで、設計(デザイン)、構築(ビルド)、試験(テスト)、学習(ラーン)のワークフロー(DBTL)を展開し、医薬品を含むファインケミカルやバイオベース化学品、バイオ燃料などの様々な有用物資生産にバイオプロセスを取り入れ、ものづくりを加速させることを目指している。
今回、両者は、同プロジェクトに参画する様々な機関が共同開発した要素技術群が集積されたパイロットラボを神戸大学先端融合研究環の統合研究拠点内に整備。このパイロットラボでは、既存の手法では数年かかっていたスマートセルの開発を、独自に開発した長鎖DNA合成技術やハイスループット組み換え技術と高速・高精度の細胞代謝物測定技術を組み合わせることで従来の5分の1以下の期間で実現できる。
今後、実際に企業などがパイロットラボを「スマートセル開発プラットフォーム」のプロトタイプとして広く活用することにより、ターゲットとする特定の物質に対するスマートセルを高速に構築し、高機能な化学品や医薬品などを効率よく生産する次世代産業「スマートセルインダストリー」の創出を目指していく方針だ。
2020年7月21日
ユニチカはこのほど、長瀬産業と共同提案した「有機溶剤回収の省エネルギー化を目指した耐溶剤性分離膜プロセスの開発」が、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の2020年度「戦略的省エネルギー技術革新プログラム/実用化開発」の助成事業に採択されたと発表した。実施期間は、2020年7月~2023年2月。両社のほかに、神戸大学とナガセテクノエンジニアリングが参画し、ユニチカが開発したナイロン中空糸ナノろ過膜「WINSEP NF」の実用化を目指す。
有機溶剤の分離・濃縮に多用される蒸留法は、エネルギー消費の大きいプロセスのため、蒸留に由来するCO2排出量は国内化学産業のCO2排出量の40%に達し、日本のCO2排出量の約4%を占めている。蒸留に使うエネルギーを低減させる方法として、熱交換器による熱回収などがあるが、所要エネルギーを数割減らす程度で、抜本的な解決には至っていない。
一方、膜分離法は相変化を伴わない分離法であり、蒸留法と比べ100分の1~1000分の1もの大幅な省エネ化が可能になる。しかし、海水淡水化などの水処理分野では広く実用化されているものの、水処理用の膜は耐溶剤性がなく、有機溶剤分離には利用できなかった。
こうした中、ユニチカは耐溶剤性が高いナイロンに着目。研究を進めた結果、幅広い有機溶剤に耐性をもつナイロン中空糸ナノろ過膜「WINSEP NF」の開発に成功した。
今回の助成事業では、同開発品の実用化へ向けて、長瀬産業らとの共同開発を進めていく。「WINSEP NF」の特長は、①均質かつ緻密な孔形成により高い強度をもつ②溶液中に溶解した分子量1000程度の物質も分離する③フェノール類、含ハロゲン系溶媒を除く幅広い有機溶剤に使用可能で、トルエン、酢酸エチル、メタノールなどの溶剤系で安定的に膜分離できる―ことが挙げられる。
同開発品は、例えば電子産業、化学産業の分野で多量に排出される有機溶剤の回収再利用や、医薬・農薬産業の分野で生理活性物質を熱により失活させることなく濃縮したいといったニーズに応えられる可能性がある。幅広い有機溶剤で使用できることから、NEDO助成事業では具体的な用途を想定し、様々な分野での実用化に向けた研究開発を進めていく考えだ。
2020年1月24日
神戸大学などの研究グループは、糖を使い分けることで微生物の増殖と物質生産を独立してコントロールする「Parallel Metabolic Pathway Engineering(PMPE)」という新しい技術を開発し、ナイロンの前駆体となるムコン酸の生産性向上に成功した。
神戸大学大学院工学研究科の藤原良介博士後期課程学生(日本学術振興会特別研究員DC1)、田中勉准教授、理化学研究所環境資源科学研究センターの野田修平研究員らの研究グループは、科学技術振興機構(JST)などの助成を受け新技術の開発に取り組んだ。
同研究では、食糧生産と競合しないリグノセルロース系バイオマスの、主な加水分解物の糖であるグルコースとキシロースに着目。このグルコースをモノづくりに、キシロースを微生物の増殖に使えるような代謝デザインを施した大腸菌を構築した。
微生物を利用したモノづくりでは、原料が微生物自身の増殖などに利用されるため目的生産物の生産性が低下する一方、増殖を制限すると微生物が弱り全体の生産量が減るという問題がある。これは、通常の微生物では、取り込んだグルコースとキシロースを1つの代謝系で代謝し、目的物質を生産すると同時に微生物が生きるために使用するため。
そこで、PMPE技術では、微生物の代謝を2つに分けて糖代謝を独立させることにより、グルコースは全て目的物質の生産に、キシロースは微生物の生育・維持のために使われるようにした。グルコースは生育・維持のためには一切使われないため、収率を大きく向上させる。
同研究では、改変した大腸菌にムコン酸生産経路を導入し、グルコースとキシロースからムコン酸生産を行い、最終的にムコン酸を4.26g/ℓ生産することに成功した。その収率(理論上の最大収量に対する実収量)は世界最高値となる、1gのグルコース当り0.31gとなった。
さらに、PMPE技術の他の目的生産物への応用を検討した結果、芳香族化合物であり必須アミノ酸でもあるフェニルアラニンや、食品や医薬品の添加剤として用いられる1,2‐プロパンジオールの生産性を向上することにも成功。PMPE技術が様々な物質の生産性・収率の向上に有効であり、汎用性の高い技術であることを示した。
糖を使い分けさせることで微生物の代謝を制御するPMPE技術により、さまざまな糖類が混在する実バイオマスの有効利用にも大きく貢献できると考えられている。
2019年12月24日
千葉工業大学次世代海洋資源研究センターと産業技術総合研究所、東京大学、海洋研究開発機構、神戸大学はこのほど、南鳥島周辺の排他的経済水域(EEZ)で、マンガンノジュールが密に分布する領域(マンガンノジュール密集域)を地図上に示し、その面積を正確に算出する方法を世界で初めて確立した。
計5回の研究航海で調査した、南鳥島EEZ内約15万5500㎢の範囲の中の40%にも及ぶ広大な海底が、マンガンノジュール密集域であることを突き止めた。その面積は四国と九州を足し合わせた面積に匹敵する。密集域は南鳥島EEZ内の様々な海域に及んでいるため、南鳥島EEZの残りの未調査海域を考慮すれば、さらに面積は広がると予想される。
南鳥島EEZにはマンガンノジュールのほか、レアアース汚泥やマンガンクラストといった海底資源が、豊富に存在することが近年明らかにされている。その中で、南鳥島EEZに分布するマンガンノジュールは、コバルトを多く含むという特徴がある。コバルトはエコカーやスマートフォンのリチウムイオン電池に必須の元素で、集積回路の多層配線技術の銅やタングステンに代わる金属となりうる重要なレアメタルであるが、価格変動が激しく、供給リスクがあることが問題となっている。
今回の手法では、マンガンノジュール密集域に、実際にどの程度の量のレアメタル(特にコバルト)が含まれているかを直接知ることはできない。しかし、今後マンガンノジュールの化学分析を精密に行ってレアメタル含有量を明らかにし、今回開発した面積算出法と組み合わせることで、南鳥島EEZ内に存在するレアメタルの総量を精度よく算出することができるようになり、有望海域の効率的な絞り込みに繋がると期待される。