日本材料技研(JMTC) JSRと環状モノマー独占ライセンスを締結

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2019年12月19日

 日本材料技研(JMTC)は16日、JSRが保有する三官能性ベンゾオキサジンおよびその硬化物に関する特許について、独占的通常実施権許諾契約を締結したと発表した。

 対象となるモノマーは、JSRが開発したベンゼン環を中心にして3つのオキサジン環を持った星型構造を有するベンゾオキサジン。

 ベンゾオキサジンは、加熱することによって無触媒で開環重合が進み、低硬化収縮性の熱硬化性樹脂であるポリベンゾオキサジンを得ることができる環状モノマーの総称。

 ポリベンゾオキサジンは、架橋反応によってフェノール樹脂と類似のネットワーク構造を形成するため「新規フェノール樹脂」と呼ばれることもある。

 ポリベンゾオキサジンは、フェノール樹脂に類似した耐熱性、難燃性、電気特性、力学特性に加え、低吸湿性、低誘電特性、低線熱膨張性など優れた特性を持つことから、航空機で用いられる炭素繊維強化プラスチック(CFRP)のマトリックス樹脂や、電子部品に使われる熱硬化性樹脂の改質剤などにおける実用化が進んでいる。

 同モノマーは、含有する3つのオキサジン環の開環重合によって高度に架橋が進み、豊富な分子間および分子内水素結合を有するポリマーネットワークが得られるため、より高耐熱な熱硬化性樹脂を得ることが期待される。

 JMTCでは、今回の契約によって取得した独占的通常実施権を活用し、主に複合材料メーカーや熱硬化性樹脂メーカーに対して同モノマーを供給することで、早期の事業化を図っていく。

 JMTCは、機能材料分野に特化したファブレス型スタートアップとして、国内の企業や大学などで開発されながら事業化に至っていない新素材技術について、ライセンスアウトやカーブアウトを通じた事業化に取り組んでいる。会社設立以来これまでに、企業5社と大学2校から、有機材料・無機材料・バイオケミカルに関する技術導入を行っている。

 今後も、企業が開発した未活用技術の商業化を進めることで、日本の素材産業におけるイノベーション創出に貢献していく考えだ。

セミコン・ジャパン2019開催 工場スマート化など展示

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2019年12月17日

 SEMIは11~13日、東京・有明の東京ビッグサイトで、半導体の全工程から、自動車や産業分野のスマートアプリケーションまでをカバーする国際展示会「SEMICON Japan(セミコン・ジャパン)2019」を開催した。

セミコンジャパン 主催者企画では「SMART Applicationsゾーン」を設けたほか、震災が多発する日本で必要なBCP(事業継続計画)に関する展示・セミナーなどを行った。「SMART Applicationsゾーン」は「SMART Transportationエリア」と「SMART Manufacturingエリア」で構成。「SMART Transportationエリア」では「自動運転パビリオン」で自動運転ソフトを搭載した自動車を披露したほか、半導体製造工程の搬送技術などを紹介した。

 同エリアに出展した帝人は、RFID管理システム「レコピック」の

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【合成ゴム特集3】JSR 高強度のSBR開発、EV含め新たなニーズに対応

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2019年12月6日

 JSRの高機能タイヤ用溶液重合SBR(S-SBR)事業は、依然として好調を維持している。低燃費タイヤ市場が年率4~5%で成長する中で、同社の昨年度のS-SBRの販売は前年度比10%程度、今年度上半期は前年同期比10%以上の伸びとなっている。

 その背景として、タイヤの需要面では、例えば中国で

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SEMI セールス・アンド・マーケティング・エクセレンス賞にJSR小柴満信会長を選出

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2019年12月4日

 SEMIは3日、ボブ・グラハム記念SEMI セールス・アンド・マーケティング・エクセレンス賞の2019年度受賞者に、JSR小柴満信代表取締役会長が選出されたと発表した。

 同賞は、インテルの創業チームの一員であったボブ・グラハム氏を称えるもので、顧客満足度を高め、半導体製造装置・材料業界の発展を促進するマーケティング活動を創案・実行した個人を表彰している。22人目の受賞者となる小柴会長は、半導体業界で極めて重要な複数世代のフォトレジストを開発し、市場に投入した功績が認められた。

 革新的なフォトレジストにより、半導体の微細化と低消費電力化の継続的な進展が実現しているが、小柴会長は、193㎚(ナノメートル)ドライレジスト、193㎚液浸レジストおよびEUVレジストという、いずれも半導体業界の微細化推進にとって極めて重要な技術に重点を置き開発を加速。

 JSRの研究開発イニシアティブと顧客との橋渡し役を務め、企業と顧客ニーズを一致させた。また、193㎚ドライからの次世代露光技術選択では、153㎚から193㎚液浸へ大きく方向転換を行う中心的な役割を果たした。

 SEMIのアジット・マノチャプレジデント兼CEOは、「SEMIは、小柴氏が最も刺激的で進歩的な業界リーダーの一員に加わったことを誇りに、そして喜ばしく思う。小柴氏のビジョンや決意、イノベーティブな精神は、われわれの業界の前進に役立ってきた。小柴氏の半導体製造業界への多大な貢献は、SEMIそしてその会員が広く認めるものだ」とコメントしている。

 なお、東京ビッグサイトで開催される「SEMICON Japan 2019」(12月11~13日)のプレジデントレセプションの際に、同賞の授賞式が執り行われる。

JSR 東名ブレースとデジタル装具製造支援で合弁会社

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2019年11月21日

 JSRは東名ブレースとともに、3Dプリンティングなどデジタル技術を活用した義肢装具の設計・製造支援サービスを提供する合弁会社「ラピセラ」を11月6日付で設立したと発表した。

 この新たな設計・製造の支援サービスで、義肢装具士はこれまで手作業で行ってきた装具の設計・製造を一貫したデジタルワークフロー上で実行できるようになることから、義肢装具の生産性と利用者の満足度が同時に向上すると期待されている。

 JSRグループでは、個別化医療実現への貢献を目的に〝デジタル×マテリアル〟をキーワードとして、義肢装具に関する研究開発と社会実装をJSR・慶應義塾大学医学化学イノベーションセンター (JKiC) で進めている。この取り組みの早期具現化を目指すJSRと、総合義肢装具メーカーとして豊富な臨床経験と伝統的製作技術をもつ東名ブレースの合意により、今回のラピセラ設立に至った。

 さらに新社では、JSRの出資先である米国Carbon社の最新鋭3Dプリンティング技術を導入するとともに、慶應義塾大学SFC研究所とJSRが取り組んでいる文部科学省センター・オブ・イノベーション (COI) プログラム「感性とデジタル製造を直結し、生活者の創造性を拡張するファブ地球社会創造拠点」の3D設計技術に関する共同研究成果も活用することで、義肢装具利用者一人ひとりに合わせた革新的なデジタルサービスを展開していく。

 JSRと東名ブレースは、本事業を通じて個別化医療を促進し、医療の質の向上に努めていく考えだ。

JSR 川崎市殿町に新研究所を着工、2021年に開所へ

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2019年11月12日

 JSRは11日、川崎市殿町の国際戦略拠点キング スカイフロントに2021年7月の開所を目指し、新研究所を着工したと発表した。新研究所の名称は、「JSR Bioscience and informatics R&D Center(JSR BiRD)」。

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外観イメージ

 未来に向けた価値の創出に取り組み、同社グループのライフサイエンス技術の集約に加え、オープンイノベーション促進を目的に設置する。また、今後本格化するデジタル変革に向け、新研究所をインフォマティクスの拠点として強化していく計画。加えて、首都圏に位置し、羽田空港に対面する同地域は世界へ向けての発信基地として最適な立地であり、新研究所では新規ビジネス創出を実現する。

 その施策として、①ライフサイエンス研究の深堀りと社会実装:同社は、JSR・慶應義塾大学 医学化学イノベーションセンターにおいて、世界最高峰の医学研究者と精密医療・幹細胞生物学と細胞医療・微生物叢・先端医療機器の共同研究を実施。新研究所は、その中でも微生物叢、特に最近注目されている腸内細菌の生菌製剤化を中心に研究を進める拠点としていく。

 インフォマティクス、オミックス解析(生体内のゲノム、転写物、タンパク室、代謝物と臨床情報とを網羅的に解析する手法)と共に、半導体材料事業などで培ってきたエンジニアリング、自動化技術を用いて成果の早期社会実装を目指す。

 ②インフォマティクスの強化:同社は、デジタル変革を見据えインフォマティクス技術に注力。社内にはマテリアルズ・インフォマティクス推進室を設置し、デジタル変革による研究開発力の強化と新たな価値の創出に取り組んでいる。

 それに加え、IBM Qネットワークハブ(慶大量子コンピューティングセンター内に開設)への参画や、先駆的なデジタルトランスフォーメーションカンパニーとの協業によって先進技術を習得しており、実験結果や材料性能の事前予測なども推進。新研究所を拠点に、インフォマティクス活動をより活性化し、本格化するデジタル変革を顧客への価値へつなげていく。

 ③新事業を創出するためのインキュベーション:変化のスピードが加速している現在、新事業創出には、オープンイノベーションにより生み出された複数の価値を育成・支援し、新たなエコシステムを構築することが必要になる。同社は、新研究所の実験設備、オフィスをパートナーに広く開放することで、新規ビジネスの創出を支援し、その成長を促進していく。

JSRの4-9月期 エラストマー事業など不調で減収減益

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2019年10月29日

 JSRの2020年3月期第2四半期連結決算は、売上収益が前年同期比2%減の2401億円、営業利益は同15%減の190億円、親会社四半期利益は同19%減の135億円となった。

 28日の決算説明会で、宮崎秀樹取締役常務執行役員は「エラストマー事業と合成樹脂事業は上期の計画を下回った。エラストマー事業は合成ゴムが低迷、合成樹脂事業は

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JSR ペプチドリーム社と特殊ペプチド共同研究を開始

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2019年9月24日

 JSRは20日、ペプチドリーム(神奈川県川崎市)と、抗体医薬品などのバイオ医薬品の精製過程で行われるアフィニティクロマトグラフィーに適用可能な特殊ペプチドの共同研究を開始することで合意したと発表した。

 アフィニティクロマトグラフィーとは、クロマトグラフィー担体に固定された特異的なリガンドと、目的のタンパク質との可逆的な吸着反応を利用して分離・精製する技術で、特異的なリガンドとして現在は組み換えプロテインA、G、Lなどが使われている。

 今後、ペプチドリームがもつ創薬開発プラットフォームシステム「PDPS」を用いて、種々の目的タンパク質に可逆的・特異的に吸着しアフィニティクロマトグラフィーに適用可能な特殊ペプチドの探索を行い、JSRがもつアフィニティクロマトグラフィーに関する様々な知見や豊富な実験データを組み合わせ、両社で新たなアフィニティクロマトグラフィー担体の開発を目指す。

 医療現場で広く使われている抗体医薬品などのバイオ医薬品製造は主に、CHO細胞などを培養し目的とするタンパク質を作る工程と、その産生細胞を除去し、多くの不純物が含まれる中から目的タンパク質を精製する工程に分類される。

 この精製に用いられるクロマトグラフィーは、プロテインAなどのタンパク質リガンドを使うアフィニティクロマトグラフィーを始めとして、イオン交換クロマトグラフィー、その他種々のクロマトグラフィーが目的に応じて使用されている。

 特殊ペプチドと新たなクロマトグラフィー担体の開発・商品化により、①化学合成特殊ペプチドは従来のタンパク質リガンドと比べ、均一な品質のリガンドをより安定的に大量製造できるなどの特徴を生かして、バイオ医薬品精製プロセスの簡便化・低コスト化に貢献する②物理的に小さい特殊ペプチドをリガンドとすることで、精製効率そのものを向上させる③これまでアフィニティクロマトグラフィーでは精製が難しかったバイオ医薬品の精製が実現できるなど、バイオ医薬品精製プロセスの簡便化・低コスト化を目指す。