ENEOS 9月のベンゼンACPは前月比85ドル安

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2021年9月2日

 ENEOSは1日、9月分のベンゼンACP(アジア契約価格)を980ドル/tで決着したと発表した。8月のアジアベンゼン市況は、原油価格の下落と北米向け輸出の低迷を受けて前月比低調に推移した。こうした市場環境を反映し、9月ACPは前月比85ドル/t安で決着した。

 なお、国内価格換算想定値は、112.9円/kgとなる。

 

ENEOS 水素SC構築の4件、NEDO事業に採択

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2021年8月27日

 ENEOSは26日、CO2フリー水素サプライチェーン(SC)の構築に向けて実施する4件の実証事業が、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「グリーンイノベーション基金事業」として採択されたと発表した。

グリーンイノベーション基金を活用したCO2フリー水素サプライチェーン実証事業の全体図
グリーンイノベーション基金を活用したCO2フリー水素サプライチェーン実証事業の全体図

 今回採択された実証事業は、①MCH(メチルシクロヘキサン)SCの大規模実証、②直接MCH電解合成(Direct MCH)技術開発、③水素発電技術(専燃)実機実証、④液化水素SCの商用化実証、の4事業。なお、実証期間は2030年度末まで(④のみ2029年度末まで)を予定している。

 同社は、海外で製造した水素(ブルー・グリーン)のキャリア(輸送手段)として、ガソリンに組成が近く安定的に輸送・貯蔵ができるMCHに注目。2030年30円/N㎥の水素供給コスト達成に向け、既存設備を活用した脱水素技術や、MCHSCの構築を目指す。

 ①については、協業検討に合意してきた豪州やマレーシアなどの現地企業と共同で、海外でのCO2フリー水素とMCH製造プラントの建設・運用、MCHの海上輸送、国内の製油所数カ所の既存設備を最大限活用したMCH受け入れ・貯蔵・水素製造について、年間数万tの商用規模の技術を実証する。また、MCHから製造した水素は、製油所内で石油製品の製造プロセスに利用するほか、近隣の発電所などへ供給することも検討する。

 ②については、同社が独自開発し研究を進めてきた、再エネ由来のMCH製造の低コスト化(2050年20円/N㎥)を可能にする直接MCH電解合成技術の実用化を目指す。同技術を活用したMCH製造装置(電解槽)の大型化に向けた技術開発を行う。豪州では、商用規模の5MW級(水素製造能力:1000N㎥/h相当)の大型プラント技術の開発と実証運転に取り組む。

直接MCH電解合成(水電解との比較)

 ③については、同社がもつガスタービンを活用し、国内で初めて大型の水素専焼発電技術の適用可能性を調査し実機実証を行う。水素は燃焼温度が高く排ガス中のサーマルNOx量の上昇が大きいことや、燃焼速度が速く逆火や燃焼振動が生じやすいという課題がある。発電機メーカーと協力してこれらの課題に対応した専用燃焼器を実機に実装した技術検証を実施する。併せて、①のMCHSCの大規模実証などを通じた水素を供給することで、同社電源のゼロエミッション化の実現可能性を検討する。

 ④の実証では同社は水素キャリアとして液化水素にも取り組む。年間数万t規模のCO2フリー水素の製造、液化、出荷、海上輸送、受け入れまでの一貫した国際間の液化水素SC実証を、日本水素エネルギー(川崎重工業の100%出資)および岩谷産業と共同で行う。国内外を含め実証場所は未定だが、コンビナート地区など、パイプラインによる水素供給ポテンシャルが高い場所に受け入れ基地を設置し、近隣の発電所などへの供給インフラの構築を目指す。ENEOSは、SDGsの課題解決につながる同実証などを通じて、CO2フリー水素SCを構築し、脱炭素エネルギーの安定効率供給に取り組んでいく。

 

ENEOS 人事(9月21日/他)

2021年8月24日

[ENEOS・人事](9月21日)▽仙台製油所工務副所長藤井達也▽工務部副部長兼工務部システム計画グループマネージャー大和尚也▽水素事業推進部副部長盛武康裕(10月1日)▽出向ENEOSデジネット池田幸司▽出向同御法川直孝。

ENEOSなど3社 バイオ誘導品SC構築で調査開始

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2021年8月23日

 ENEOS、日本触媒、三菱商事の3社はこのほど、2050年カーボンニュートラル社会の実現に向けて、国内初となるバイオ原料を使用したエチレン誘導品(バイオ誘導品)の製造・販売を2024年度に開始することを目標に共同調査を行うことで合意したと発表した。

 今回の取り組みでは、ENEOSのエチレン製造・販売力、日本触媒がもつエチレン誘導品の酸化エチレン(日用品や化粧品などの原料)や酸化エチレン誘導品、エチレングリコール(ペットボトルやポリエステル繊維などの原料)の製造・販売力、三菱商事の化学原料・製品の安定供給とバイオ原料・環境負荷低減素材の事業開発・マーケティング力を連携させるのが狙い。 各社の知見を生かすことで、国内初のバイオ誘導品のサプライチェーン(SC)構築による事業化を通じ、社会が求める低・脱炭素、循環型社会実現へ貢献していく考えだ。

 具体的には共同調査により、3社はグローバルな原料調達力や、既存のエチレン・エチレン誘導品の製造能力と販売チャネル、川崎コンビナートの供給物流インフラを活用し、バイオ誘導品の製造・販売の実現性について市場ニーズを把握することで、より具体的な評価を行っていく。

 ENEOSはグループ長期ビジョンの中で、低炭素・循環型社会への貢献を掲げ、環境対応型事業の強化に取り組んでいる。日本触媒はグループ長期ビジョンにCO2排出量の削減やリサイクル技術開発、脱炭素への取り組みなど、果たすべきサステナビリティの実現を掲げている。また、三菱商事はエネルギーと素材分野で、社会価値・環境価値・経済価値の3価値を同時に実現する事業の構想・実行を通じ、最重要テーマに掲げる低・脱炭素社会実現への貢献を目指している。

 各社はそれぞれのビジョンに基づき共同調査を進め、持続可能性に配慮した原料を使用するバイオ誘導品普及の早期実現を目指す。

 

ENEOS CO2フリー水素SC構築へ、調査事業開始

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2021年8月20日

 ENEOSはこのほど、CO2フリー水素サプライチェーン(SC)構築を目指し、「東京湾岸エリアにおける水素利活用調査事業」と「むつ小川原地区における水素地産地消モデル調査事業」を実施すると発表した。

 ENEOSは脱炭素に向けた本格的な水素の大量消費社会を見据え、国内外でCO2フリー水素SC構築に取り組んでいるが、今回その一環として、同社製油所を起点とした水素利活用調査事業と、水素キャリアである有機ハイドライド(MCH:メチルシクロヘキサン)を利用した水素地産地消モデル調査事業を実施する。

東京湾岸エリアでのCO2フリー水素サプライチェーンの全体像

 東京湾岸エリアでは、川崎臨海部を中心とする東京湾岸エリアでCO2フリー水素供給モデル構築を目指した調査を行い、製油所をCO2フリー水素受け入れ・供給拠点と想定し、既存パイプラインを活用した大規模水素需要家への効率的な水素供給モデルの構築を検証する。具体的には、川崎市と連携し、既存パイプラインの調査や当該エリア立地企業へのヒアリングを行い、既存設備の有効活用と水素パイプラインの拡充に対する課題を整理していく。

むつ小川原地区と東北エリアでのCO2フリー水素サプライチェーンの全体像

 一方、むつ小川原地区では、再生可能エネルギーを利用したCO2フリー水素の地産地消モデル構築に向け、MCHを利用して再エネが豊富な同地区と同地区外での水素需要の拡大を目指す。具体的には、同社独自の水素エネルギーマネジメントシステム(EMS)を活用し、同地区の再エネから効率的にCO2フリー水素を製造しMCHに変換するプロセスについて検証する。 また、東北地方の製油所や発電所などの大規模水素需要家へのMCH供給と石油備蓄タンクへのMCH貯蔵についても検証する。

ENEOSのCO2フリー水素サプライチェーン構築に向けた取り組み

 なお、両調査事業は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が実施する「水素社会構築技術開発事業/地域水素利活用技術開発/水素製造・利活用ポテンシャル調査」の委託先として採択された。

 

ENEOS 人事(9月1日)

2021年8月3日

[ENEOS・人事](9月1日)▽水素事業推進部水素サプライチェーン技術グループマネージャー板倉大輔。

ENEOS 8月のベンゼンACPは前月比25ドル高

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2021年8月3日

 ENEOSは2日、8月分のベンゼンACP(アジア契約価格)を1065ドル/tで決着したと発表した。7月のアジアベンゼン市況は、堅調な域内需要に支えられ、堅調に推移した。こうした市場環境を反映し、8月ACPは前月比25ドル/t高で決着した。

 なお、国内価格換算想定値は、122.2円/kgとなる。

ENEOS 超高圧・高圧電線絶縁用PE、3万t増強

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2021年7月30日

 ENEOSは29日、100%子会社であるENEOS NUCが、超高圧・高圧電線の絶縁用途向けポリエチレン(PE)の生産能力を約3万t増強すると発表した。再生可能エネルギーの電源開発を背景に増加する需要に応えたもので、川崎工業所内に約120億円を投資して新設備を建設し、2023年12月の商業運転開始を予定している。

ENEOS 超⾼圧・⾼圧電線ケーブルの写真
超⾼圧・⾼圧電線ケーブルの写真

 世界的な脱炭素化の動きに伴い、洋上風力発電など遠隔地にある分散化型電源の送電線や、欧州で始まった送電の地域間ネットワーク化など、送電線の需要成長にあわせて地中送電用電線の絶縁材の需要が急増している。

 超高圧・高圧電線は社会的に重要なインフラであり、極めて高い品質が求められる。そのため、電線絶縁用PEの製造には、通電時の損傷原因となる樹脂中の微細な異物を徹底的に除去するクリーン化技術と、絶縁性能を向上させる添加剤などの配合技術を要する。

2020年に商業運転を開始した、超⾼圧・⾼圧直流電線⽤絶縁製造設備

 同社は、交流の最高電圧50万V架橋絶縁用PEを世界で最初に上市するなど、世界で数社だけが保有するこれらの技術を強みに、30年以上にわたり絶縁用PEを開発・生産・販売してきた実績をもつ。また長期間の使用に耐え得る優れた品質性能は、世界トップクラスとの評価を得ている。現在はアジアの電線加工メーカーへの販売が主だが、欧州の電線メーカーからも供給を要請されており、今回の生産能力増強で新たな需要を確実に取り込み、さらなる競争力強化を図る狙いだ。

 ENEOS NUCは、今回の増強と昨年商業運転を開始した超高圧・高圧直流電線用架橋絶縁用PEを柱に、世界市場で重要な役割を果たし、さらなる技術開発と市場成長にあわせた供給体制の検討を続け、将来の社会インフラ構築への貢献を目指していく。

ENEOS 非接触POSなどSSで新サービス実証開始

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2021年7月29日

 ENEOSはサービスステーション(SS)の利便性向上を目指し、Dr.Driveセルフ荻窪店(東京都杉並区)で業界初の取り組みとなる非接触POSの導入をはじめ、リモート接客、デジタルサイネージといった新デジタル技術サービスの実証実験を開始する。

非接触POSのイメージ
非接触POSのイメージ

 同取り組みは、新型コロナウイルスの感染拡大を受けてさらに高まる利用者の非接触・非対面ニーズや、恒常的な人手不足の解消という運営店のニーズへ対応を目的としている。

 非接触POSの実証では、「空中ディスプレイ+赤外線センサー一体型」機器と「赤外線センサー後付け外設端末」の二種類を設置。空中ディスプレイは、空中に映し出されたバーチャルPOS画面の操作を赤外線センサーで感知するもの。既存の機器には、画面上に赤外線センサーを設置し、操作画面の数㎝手間で指の動きを感知させることで、画面に直接触れることなく注文が行えるようにする。

リモート接客の利用風景
リモート接客の利用風景

 一方リモート接客は、エネオスカードやENEOSでんきの入会手続きを、SSスタッフに変わりリポートオペレーターが対応することで、店舗の省力化を図る。高度な説明が伴う商材についてもリモートオペレーターが説明を行う。

 また、採光式デジタルサイネージを店舗内入口付近の窓側に設置する。外の光を取り込み室内の明るさを保ちながら告知を展開。ポスターや看板などの廃棄物削減と交換作業の手間を省き、より効率的で効果的な告知を目指す。こうしたデジタル技術活用の有効性、操作性、耐久性、認知度合いなどを検証していく。

 

ENEOS 静岡市と次世代型エネ・地域づくりで合意

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2021年7月26日

 ENEOSはこのほど、静岡市との間で「静岡市清水区袖師地区を中心とした次世代型エネルギーの推進と地域づくりに係る基本合意書」を締結したと発表した。 

ENEOS清水製油所跡地(黄色網:清水油槽所内遊休地、赤色網:油槽所エリア、青色網:港湾区域)
ENEOS清水製油所跡地(黄色網:清水油槽所内遊休地、赤色網:油槽所エリア、青色網:港湾区域)

 両者は相互に連携し、ENEOSの清水製油所跡地(清水油槽所内遊休地)を中心に「次世代型エネルギー供給プラットフォーム」を構築するとともに、「まち」と「みなと」が一体となった魅力的で持続可能な地域づくりを進める。

 具体的には、ENEOSは再生可能エネルギーをはじめとした地産地消による自立型エネルギーの供給体制を整備し、蓄電池などの最新技術を活用したエネルギーの効率化・多様化、災害時のレジリエンス向上、モビリティサービスを含めた新たな付加価値サービスを提供する、次世代型エネルギー供給プラットフォームを構築。静岡市はそれに協力する。同合意により、地域との相乗効果を生む事業開発を推進し、2024年度ごろの運用開始を目指す。

 昨年7月、ENEOSは静岡県と次世代型エネルギーの推進と地域づくりに係る基本合意書を締結。同製油所跡地を中心に次世代型エネルギー供給プラットフォームの構築に向けた検討を進めており、その中で静岡市とも協議を行ってきた。ENEOSは2040年に自社が排出するCO2のカーボンニュートラルを掲げ、一方、静岡市は2050年温室効果ガス排出実質ゼロに向けた取り組みの推進を表明している。今後は静岡県、静岡市、ENEOSの3者で相互に連携を図り、脱炭素社会の実現に貢献する地域づくりを行っていく。