《化学企業トップ年頭所感》宇部興産 泉原雅人社長

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2021年1月7日

 昨年は世界中が新型コロナウイルス感染症に翻弄された。我々の日々の生活も、当社グループの各事業も大きな影響を受けたが、様々な感染防止策を徹底しながら事業継続に努め、需要の激変に対応できたことに心から感謝する。

 コロナ禍による景気変動に対し、レジリエントな強い事業・製品と、大きな影響を受けた事業・製品が明暗を分け、各部門の事業課題が明確になった。

 コロナが扉を開けた変化の時代は始まったばかりだ。我々は様々な変化を新たな日常として受け入れ、この時代をタフに乗り越えていかなければならない。まずは、皆が心身ともに健康であることを願う。会社としては、職場の安全確保や感染予防、従業員の心身の健康増進のための様々な施策に引き続き取り組んでいく。皆さんは個人の生活の中でも感染予防に留意しながら、適度な運動により在宅勤務が続くことによるストレスを溜めないなど、一層の安全と健康に努めてほしい。

 もう一点、変化が激しく先の見えない時代だからこそ、足元の対応だけにとらわれず、長期的な方向性を見据え、ありたい姿に向けて一歩一歩ともに前に進んでいこう。

 今年は2030年を目指した長期ビジョンを策定し、その実現に向けた中期経営計画の策定をスタートさせる。ポストコロナの世界はまだまだ見通せないが、ESGへの意識のさらなる高まりやDX(デジタルトランスフォーメーション)の進展を前提とし、当社グループの経営構造の変化を踏まえた将来像を明確化したい。着実に歩み続ければ、道の先には必ず明るい陽の当たる場所が開けている。