三菱ケミカル アクリル樹脂CR、解重合技術の実証に成功

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2021年12月10日

 三菱ケミカルおよび連結子会社である三菱ケミカルメタクリレーツ(MCM)は9日、米国アジリックス社(米国オレゴン州)と進めてきたPMMA(アクリル樹脂)の解重合技術の検討において、アジリックス社のプラントスケール設備で同技術の実証に成功したと発表した。

 アジリックス社は、ポリスチレンをはじめとする様々なプラスチックに適用できる、独自の熱分解技術を保有。3社は、2020年よりラボスケールでのアクリル樹脂の解重合試験を行ってきた。今年8月からアジリックス社のプラントスケール設備で本格的な実証試験を実施し、アクリル樹脂の解重合に成功した。なお、実証試験で得られた解重合後の分解物は、従来法で製造されたMMAと同水準の品質レベルまで純度を高めるべく、イギリス・ウィルトンにある同社グループのパイロットプラントで蒸留精製検討を進めている。

 三菱ケミカルとMCMは、かねてよりアクリル樹脂のリサイクルに向けた検討を行っており、日本ではマイクロ波化学と協力し、事業化に向けた実証試験を進めている。今回、アジリックス社でのプラントスケール設備における実証試験の成功を受けて、欧州と日本国内でその地域特性に適したアクリル樹脂のケミカルリサイクル(CR)プラントの建設に向けたさらなる検討を加速する。

 三菱ケミカルは、MMAおよびアクリル樹脂の世界ナンバーワンシェアのメーカーとして、同事業のサーキュラーエコノミー実現に向けた取り組みを積極的にリードしていく。