丸善石油化学 日本品質奨励賞の「品質革新賞」を受賞

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2018年10月2日

 丸善石油化学は先月29日に開催された日本科学技術連盟の日本品質奨励賞委員会で、2018年度「日本品質奨励賞 品質革新賞」を受賞した。

 受賞したのは同社の営業本部機能化学品部/研究所で、受賞テーマは「ポジティブアプローチを基本とする品質マインド醸成のための品質小集団活動のシステム化」だった。

 同賞はTQM(総合的品質管理)を構成する諸要素について、他の組織の模範となる創造的で革新性を持った取り組みと、その成果を積極的に表彰するもの。

 同社の機能化学品部/研究所は、フォトレジスト製造事業者に向けて、機能性樹脂材料を提供している。以前は試作要請対応中心で、技術提案の減少や不良の再発など、組織内のリスクが顕在化していた。

 そこで同社は、独自の品質マインド(顧客志向)醸成の施策=品質小集団活動を展開。チームはアイウエオ順や誕生日順で編成、テーマは共通(「品質について考えよう」「プロセスアプローチ」など)、表彰は投票で決定、全員参加を強制しないなど、個性的な取り組みを実施した。

 この活動はQMS(品質マネジメントシステム)と一体化しており、マネジメントレビューの後に表彰を行い、組織内での位置づけを共有している。その結果、提案型サプライヤーとしての共同開発のオファーを受けたなど、有形効果を上げた。

 同活動はTQMの普及に影響可能な革新性を持ち、有効性・再現性もあることから、今回「日本品質奨励賞 品質革新賞」に値するものとして評価された。

 また「日本品質奨励賞TQM奨励賞」は、トヨタ紡繊・刈谷工場(愛知・刈谷市)、同・猿投工場(同・豊田市)、中野製作所(石川・能美郡川北町)の3者が受賞した。

 同賞は、品質の改善が着実に進展しており、さらにその継続と活動範囲の拡大が図られれば、企業の業績が向上し、より高いレベルのデミング賞実施賞の受賞に至ると思われる組織のQMSを積極的に表彰するもの。

 なお、授賞式は11月14日の午後3時40分から経団連会館(東京・大手町)で行われ、授賞式に引き続き午後6時半から、同会館で受賞記念祝賀会が催される。

 11月1日には授賞式に先立ち、各受賞組織による受賞報告講演が日本教育会館(東京・神保町)で行われる。午前10時25~55分の時間帯に、日本科学技術連盟主催の「クオリティフォーラム2018」内で行われる予定となっている。

中外製薬 がんゲノム医療に関するメディアセミナー開催

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2018年10月2日

 中外製薬はこのほど、「次世代シーケンサーによるがん遺伝子パネル検査」と題しメディアセミナーを開催した。

 同社は今年3月、ロシュ・グループの米ファウンデーション・メディシン(FMI)社の固形がんに関連する網羅的遺伝子解析プロファイリング情報を提供する「FoundationOne CDx」(海外製品名)について、日本で製造販売承認申請を行い、国内事業展開を開始。今回、「FMI事業を通じた個別医療への貢献」をテーマに説明を行った。

 次世代シークエンサー(NGS)技術の革新により、がんゲノム医療の標準化が進むことで、プレシジョンメディシンはPHC 1.0(パーソナライズドヘルスケア=個人化医療)からPHC2.0(精緻医療、個別医療)に移行しつつある。

 分子標的治療に合わせたコンパニオン診断薬から、患者のがん遺伝子プロファイルに合わせた治療提案へと変わっていく中、様々ながん腫に対し、網羅的遺伝子プロファイリングができれば、遺伝子変異に応じた治療が可能となる。

 FMI社のFoundationOne CDxは、固形腫瘍を対象として米国のFDA(食品医薬品局)に初めて認証された網羅的遺伝子解析パネル。324のがん関連遺伝子の一括検出により、コンパニオン診断薬機能と遺伝子プロファイリングが可能となっている。

 中外製薬は、このサブスクリプションビジネスによる精度・質の高い「情報サービス」の提供を行うことで、患者の適切な治療へのアクセス向上、遺伝子情報に基づく医薬品開発の加速を目指す。そしてFIC(ファースト・イン・クラス)・BIC(ベスト・イン・クラス)創薬による治療機会最大化、医薬品事業とのシナジーを図っていく。

 NGSパネル検査は自由診療となるため高額の費用が掛かっているが、同社の薬事承認・保険償還が認められれば、患者負担が軽減される見込みだ。今後については、希少フラクションに対応するため臨床情報・ゲノム情報の臨床ゲノム情報データベースを構築するとともに、薬事申請に足る品質向上を図る必要がある。

 また新しいビジネス価値の創出のため、多くのデータが必要なことから、さまざまな企業との連携も課題に挙げた。

日化協 化学産業全体を示す新たな指標をHPで公開

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2018年10月2日

 日本化学工業協会は個別の化学製品の動向、顧客産業の状況、化学企業の業績のデータを集約し、化学産業全体を示す新たな指標として「日化協インデックス」を、10月3日から日化協のホームページ(https://www.nikkakyo.org/basic/page/nikkakyo_index)で公開する。

 これまで、日本の化学産業全体を示す適切なデータがなかったことから、日化協は、化学産業全体の「今」をあらわす指標について検討を行い、昨年11月から会員サイトでの公開を開始していた。その後、外部有識者へのヒアリング結果を踏まえ、データ集約対象とする化学製品の品目などを一部見直した。

 同インデックスでは①「需要家向け主要化学製品の出荷指数」(化学製品の動向)ではプラスチック、可塑剤、合繊原料、合成ゴムなど9分野33品目②「需要産業総合指数(生産)」(顧客産業の状況)では化学産業と関連が強い川下産業の6業種③「企業業績(連結売上)指数」(化学産業の業績)では日化協会員企業30社-の3つの指標を公開するが、日化協が様々な見地から独自に選定したデータを基に指標化したものとなる。

 今までになかった化学産業全体を指し示す新たなデータとして、同インデックスは会員企業のほか、アナリスト、学校の授業といった教育現場など、幅広い分野での活用を期待している。なお、今回の公開日は10月3日で、次回からは毎月第3営業日に更新が行われる予定。

宇部興産 カプロラクタムの9月価格は前月比15ドル高に

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2018年10月1日

 宇部興産は、ナイロン原料であるカプロラクタム(CPL)の9月の韓国・台湾大手向け契約価格を2170ドル/tで決着。8月の価格(同2155ドル)に比べ、9月は15ドル高となった。5月の2060ドルを底値に、4カ月連続で上昇傾向となっている。

 スプレッドは、ベンゼンの9月アジア契約価格(ACP)が同900ドルに上昇したことで

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ジェイ・プラス DOPなどフタル酸系可塑剤を値上げ

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2018年10月1日

 ジェイ・プラスは28日、フタル酸系可塑剤(DOP、DINP、その他フタレート)を10月22日以降の納入分から16円/kg以上値上げすると発表した。

 原油・ナフサ価格が騰勢を強め、今年第4四半期(10―12月期)の国産ナフサは、5万8000円/klを越える勢いとなっており、原料・用役費の一段の上昇が見込まれている。

 また、物流費などの諸経費も上昇しており、これらのコスト増加を、同社の自助努力で吸収することが困難な状況となっている。

 こうした中、同社は今後とも安定供給を果たすために、今回の価格改定を実施せざるを得ないと判断した。

アプライドサイエンス 超高速3分間充電LIB量産化へ

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2018年10月1日

 水の研究開発を礎に電池の設計・製造・販売を行うアプライドサイエンス(千葉県市川市)は28日、同社が開発した3分間という超高速で充・放電が可能なリチウムイオンモバイルバッテリーの量産化を決定したと発表した。

 同社は生産を担うマレーシアのクンプラン・パワーネット社(クアラルンプール)と業務提携することで、第1弾としてスマートフォン用のモバイルバッテリーを来年春に販売開始し、同年度内にはEV(電気自動車)用バッテリーなどの量産化も目指す。

新規開発LIBを手にする鵜澤社長(左)とリャン社長
新規開発LIBを手にする鵜澤社長(左)とリャン社長

 クンプラン・パワーネット社は、精密機械加工や繊維加工を主業務とする企業。さまざまな用途で市場を拡大するリチウムイオン電池(LIB)だが、従来のLIBは充電時間が長い、電池寿命が短いといった問題や、製造コストや品質の安定性の面でも多くの課題を抱えていた。

 同日都内で行われた記者会見で、アプライドサイエンスの鵜澤正和社長(理学博士)は「電池は

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旭化成 米自動車内装材メーカーの買収手続きが完了

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2018年10月1日

 旭化成は28日、米国の自動車内装材メーカーであるセージ・オートモーティブ・インテリアズの買収手続きが、米国東部時間の27日に全て完了し、100%連結子会社になったと発表した。

 同社は7月19日に、セージ社を100%保有するクリアレイク・セージ・ホールディングスとの間で、買収に関して合意したことを発表。その後、各国競争法当局への届け出や、当局からの認可取得などの手続きを進めていた。

 取得価額は約7億米ドル(約791億円)で、取得価額にセージ社の純有利子負債を加えて算出した買収価格は、10億6000万米ドルになる。

 旭化成は以前からスエード調人工皮革「ラムース」をセージ社に販売していた。セージ社は自動車内装材に用いる各種繊維製品の開発・製造・販売を手掛けており、シートファブリック市場で、世界一のシェアを保持している。

 内装材に関する総合提案力や高いデザイン力、加工技術などにより、自動車メーカーと部品メーカーに対し、高いプレゼンスを持っている。

 旭化成は自動車分野向け事業の拡大を加速させるため、セージ社の事業を取り込むことを検討し、昨年10月から協議を始め、買収することで合意した。

独ランクセス DMTD誘導体の合成用製造ラインを新設

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2018年10月1日

 ドイツの特殊化学品メーカーのランクセスは28日、マンハイム拠点で、ジメルカプトチアジアゾール(DMTD)誘導体の合成用の新製造ラインを新設すると発表した。

 DMTD誘導体は、潤滑剤に添加される多機能特殊添加剤。今年5月に新設した製造ラインを新たにDMTD誘導体の製造にあてることで、これらの特殊添加剤の年間製造能力を倍増させる。投資額は数百万ユーロ。

 DMTD誘導体は、主に銅やニッケル、コバルトなど、いわゆる非鉄金属を含む合金鋼と接触する、潤滑油用の腐食防止剤として使われる。合金から非鉄金属イオンの溶出を防ぎ、活性の高い化学品から金属表面を保護することで、合金鋼の機能の保持と長寿命化を実現する。また、高圧・極端な状況下で金属面が相互に接触する場合でも、DMTD誘導体は金属表面に付着し、潤滑油として機能する。

 このため、DMTD誘導体は腐食防止機能に加え、極圧添加剤とも呼ばれている。さらに、これらの添加剤は潤滑油内で活性の高い化学品の分解生成物と反応し、吸収することで分解生成物が長期間、素材にダメージを及ぼすことを防ぐ。これらの多機能添加剤の主な用途は工業用油、グリース、金属加工油である。

 アディティブスビジネスユニットの潤滑油添加剤ラインの責任者であるマーティン・ ゼーヴェ氏は「新しいプラントは、高品質の潤滑油添加剤のニーズに応えるだけでなく、新たな顧客獲得に貢献し、また急速に成長する市場に対応する、ランクセスのパッケージ添加剤のさらなる開発にもつなげていく」と述べている。

DNP バイオマテックインキを開発

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2018年10月1日

 大日本印刷(DNP)はこのほど、植物由来の原料を一部に使用することで環境への負荷を軽減する「バイオマテックインキ」を開発したと発表した。

 同製品は、石油由来のインキと同等の物性があるため、洗剤やシャンプーなどの詰め替えパウチや、ボイルやレトルト、電子レンジなどに対応可能な高い機能を必要とする包装材の印刷インキとしても使用できる。

 加えて、植物由来原料を使用した包材「DNP植物由来包材バイオマテック」シリーズの「バイオマテックPET、酸素や水蒸気のバリア性の高い「バイオマテックIB-PET」「バイオマテックVM-PET」などとバイオマテックインキを組み合わせることで、包装材全体として温室効果ガスの排出量削減が期待される。同社ではさらに、モノマテリアル(単一素材)パッケージへの適用も視野に入れている。

 DNPは持続可能な世界を実現するために、2030年までに達成すべき17の国際目標であるSDGsの実現を目指した取り組みを進めている。その一環として、温室効果ガスを製品のライフサイクル全体で削減できる、植物由来原料を使用した包装用フィルム「DNP植物由来包材バイオマテック」を2006年に開発。今月上旬には、使用済みプラスチックのリサイクルの観点から、食品や日用品用途向けに、よりリサイクルしやすいモノマテリアルで構成したフィルムパッケージを発表した。

 今回は、さらなる環境負荷の低減や温室効果ガスの削減を目指し、新たに植物由来の原料を使用した「バイオマテックインキ」を開発。食品や日用品などの軟包装材での基本物性の評価と、供給体制の構築を完了させた。

 今後は、食品・日用品メーカーとともに、「バイオマテックインキ」への切り替えを進めていく。なお、10月2~5日に東京ビッグサイトで開催される「TOKYO PACK2018(2018東京国際包装展)」では、新規開発品「バイオマテックインキ」や「モノマテリアルパッケージ」の出展を予定している。