世界的に低燃費タイヤの需要拡大が見込まれる中で、旭化成は溶液重合スチレン・ブタジエンゴム(S‐SBR)の生産能力増強を図っている。
末端に官能基を持つS‐SBRは、タイヤのゴム部材の補強に使われるシリカやカーボンブラックといったフィラーを、ゴム材料中に均一に分散させることで、フィラー間で発生する摩擦によるエネルギーロスを抑制することができる。
このため、低燃費タイヤに不可欠な原料となっており、世界的なタイヤに対する規制強化を背景に、S‐SBRの世界全体での成長率は
2018年8月30日
2018年8月30日
2018年8月30日
三井化学は29日、自動車用・産業用バッテリーの需要拡大に対応するため、岩国大竹工場(山口県玖珂郡和木町)の超高分子量ポリエチレン「ハイゼックスミリオン」の生産設備を増強し、7日から営業運転を開始したと発表した。これにより同製品の生産能力は、約15%増強され年産8500tとなった。
ハイゼックスミリオンは、同社オリジナルの触媒技術とプロセス技術を活用して開発された、平均分子量が最大600万の超高分子量ポリエチレン。耐薬品性・耐摩耗性・耐衝撃性・自己潤滑性に優れており、リチウムイオンバッテリーのセパレータや、産業資材・医療器具など様々な分野で利用されている。
同社は「ハイゼックスミリオン」を重点事業であるモビリティ分野の戦略製品の一つに位置づけており、今後も事業のさらなる強化・拡大を積極的に推進していく考えだ。
なお、同製品は形状が均一で溶解性に富み、顧客サイドでの加工過程で省力化が期待できることから、環境貢献価値が高い製品として同社グループが独自に設けている評価基準のBlue Value製品に認定している
2018年8月30日
日本ゼオンは29日、アクリルゴムの製造・販売事業を展開するため、タイに100%子会社を設立することを決定したと発表した。
会社名は「Zeon Chemicals Asia Co.Ltd」(仮称)で、所在地はタイ国・ラヨーン県。設立時期は10月中旬を予定している。
アクリルゴムは耐熱性、耐油性に優れた特殊ゴムの一つで、その特性を生かし、内燃機関搭載車のシールやガスケット、ホースなどの素材として使われている。
パワートレインの電動化が進む一方、世界の内燃機関搭載車の伸びとターボ搭載車比率の高まりによって、アジア地域を中心にアクリルゴムの需要増が見込まれる。同社はアクリルゴムの需要増を着実に取り込むことで、合成ゴム事業のさらなる強化を目指す。
2018年8月30日
積水化学工業は29日、合わせガラス用中間膜の製造・販売を行う米国連結子会社「SEKISUI S‐LEC AMERICA,LLC.」(SSA:ケンタッキー州ウィンチェスター市)が、1億5000万円を投じて、SSA本社・工場に発電出力814kWの太陽光発電設備を導入したと発表した。
今回の太陽光発電設備により、SSAの年間使用電力量の約1割にあたる1044MWh/年の発電が期待される。SSAではこの発電電力を、本社・工場での自家消費に利用する。これにより579t‐CO2/年のGHG(温室効果ガス)排出量の削減を見込む。
積水化学グループでは、これまで、日本国内で8222kWの太陽光発電設備をグループ会社の施設で導入しているが、すべて売電に充てており、自家消費を目的とした大規模の太陽光発電設備の導入はグループで初となる。
積水化学グループは、環境中期計画「SEKISUI環境サステナブルプラン Accelerate」(2017~19年度)で、13年度比6%のGHG排出量削減(13年度実績94.2万t‐CO2)を目標に掲げている。
この目標達成のため、120億円の環境貢献投資枠を設定し、GHG排出量削減に効果のある設備の導入・更新を推進。今回のSSAの太陽光発電設備は、この枠組みを活用したもの。グループ全体では、現在までに2.7万t‐CO2/年の削減にめどをつけている。
また、同社グループは、30年度までの長期GHG排出量削減目標を設定しているが、同目標は、今年6月にSBT(科学的根拠)イニシアチブによる化学業界初となる認証を取得している。
2018年8月30日
住友商事はこのほど、サミット酒田パワーが山形県酒田市で建設を進めてきた酒田バイオマス発電所の商業運転を、23日に開始したと発表した。
同発電所は、住友商事の100%子会社のサミットエナジーが2012年12月に設立したサミット酒田パワーを事業主体として建設・運営を行うもので、酒田北港に位置する酒田臨海工業団地に設けた。発電容量は5万kWで、山形県で最大、東北で最大級のバイオマス発電所となる。
バイオマス燃料は住友商事の生活資材・不動産本部を窓口として、国産木質チップや輸入木質ペレットなどを調達する。国産木質チップは、山形県産を中心とした未利用材や林地残材などを活用し、バイオマス燃料の約4割を賄う。輸入木質ペレットなどは国外から幅広く調達する。また、発電した電気はサミットエナジーを通じて電力需要家向けに販売する。
バイオマス発電は木質チップ(未利用材・間伐材・一般材)や木質ペレット、パーム椰子の殻(PKS)などを燃料として発電する、カーボンニュートラルな再生可能エネルギー。さらに、再生可能エネルギーの中でも天候に左右されず、24時間フル稼働を前提とする「ベースロード電源」に分類され、安定して電気を供給する。
サミットエナジーは事業会社を通じて、酒田バイオマス発電所のほか、稼働中の糸魚川バイオマス発電所(5万kW)と半田バイオマス発電所(7.5万kW)の計3カ所の大型バイオマス発電所を保有・運営する、国内最大級のバイオマス発電事業者である。。
2018年8月30日
富士フイルムはこのほど、米国の高度先端医療機関であるインディアナ大学医学部(IUSM)と、AI技術を活用した医療画像診断支援システムの開発に関して共同研究を開始すると発表した。
近年、CTの多列化など画像診断装置の高性能化に伴い、診断画像の枚数が増大しており、医師がこれらの大量の画像を効率的に読影・診断できるソリューションが求められている。
また、AI技術の活用で画像から病変の疑いがある箇所を検出したり、過去の症例と照合しレポートを半自動で作成したりするなど、医師を支援し、医療現場の効率化に貢献できるシステムが期待されている。
同社は、医師の診断ワークフローを総合的に支援する、AI技術を活用した画像診断支援システムの研究開発に注力。複数の自社開発プロジェクトに加え、優れた技術を持つ国内外のAI技術ベンダーとも積極的にパートナーシップを組み、各社のAI技術を同社システム上で利用できる仕組みの開発を推進している。
IUSMは、米国内に17の病院と約3万3000人の従業員を擁する、高度先端医療機関であるインディアナ大学病院と提携しており、画像診断の知見やノウハウを豊富に保有。
今回の共同研究では、同社の画像処理技術やAI技術と、IUSMの豊富な読影・臨床知見を融合することにより、医師の画像診断プロセスやノウハウを取り込んだAI技術を開発するとともに、グローバル展開を見据えて、医師の診断ワークフローを支援する最適なシステムを探索する。
まずは、同社のAI技術による①加齢や臓器不全などの疾患によって全身の筋力や身体機能が低下するサルコペニアを対象とした診断・治療支援の可能性②脳神経領域での病変候補の検出および定量化による読影支援の可能性について、共同で検証していく。
同社は医療画像診断支援、医療現場のワークフロー支援、医療機器の保守サービスに活用できるAI技術の開発を進め、これらの領域で活用できるAI技術を〝REiLI(レイリ)〟というブランド名称で展開し、各市場のニーズやワークフローに適したソリューションとしてグローバルに提供していく予定。
今後、ビッグデータ化する診療情報に対してAI技術を活用し、医療現場の様々なニーズに応える幅広い製品・サービスを開発・提供することで、さらなる診断の効率化と医療の質の向上、人々の健康の維持増進に貢献していく考えだ。
2018年8月30日
岩谷産業はこのほど、中央研究所(兵庫県尼崎市)の水素研究設備をリニューアルし、国内最高レベルでの機器の耐久性評価試験や、水素適合性材料評価などの試験研究が可能な設備を導入したと発表した。
2013年の中央研究所の開所に伴い、水素研究設備としてマイナス253℃の極低温の「液化水素研究設備」と「超高圧水素ガス研究設備」を導入したが、開所から5年を経過し、水素ステーションの安全性の追求や建設コストの低減、さらに水素エネルギー社会のインフラ整備に向け、より高度な評価試験に対応する必要が生じてきた。
そのため今回、「液化水素研究設備」と「超高圧水素ガス研究設備」の双方の設備仕様や構成を見直し、国内で唯一の「極低温」と「超高圧」両方の水素研究設備を、国内最高レベルの試験が可能な環境へ整備するとともに、配管や機器に用いられる金属材料の水素脆性(ぜいせい)を調べることが可能な「水素適合性材料評価研究設備」も新たに導入し、大学や試験研究機関との共同研究を通し技術開発をさらに加速させていくことにした。
同社は、水素のリーディングカンパニーとして、水素ステーションをはじめとする水素製造プラントで使用される配管機器や金属材料の試験評価を行い、建設コストの低減につなげるとともに、保安技術やエンジニアリング力の強化に取り組んでいる。今後も水素エネルギー社会の早期実現に向けて、積極的に役割を果たしていく考えだ。
2018年8月30日
2018年8月30日