日清紡ホールディングスは、連結子会社であるJRCモビリティが、大手自動車メーカーの車載機器の開発支援を行っているドイツ現地法人のRBIとLEASの2社を買収し完全子会社化したと発表した。
日清紡グループでは「環境・エネルギーカンパニー」グループとして、「モビリティ」「インフラストラクチャー&セーフティー」「ライフ&ヘルスケア」の3つの戦略事業領域で未来社会の創造に取り組んでいる。今回の買収は、主力である「モビリティ」領域のITS(高度道路交通システム)事業の拡大・成長を図るもの。
JRCモビリティは輸入車に搭載するETC車載器を製造・販売している。ETCのような道路課金システムは世界的に広がりつつあり、車載器搭載を義務付ける国もある。しかし、システムの仕組みや方式が国により異なるため、車載器の仕様が多種多様化しており、開発スピードの向上が重要な戦略となる。
こうした中、JRCモビリティと協力関係にあり、開発エンジニアリング機能と組み立て・ロジスティック機能を持つ現地法人2社を買収。ドイツに拠点を持つことで、欧州自動車メーカー向けの車載器ビジネスを機動的かつ戦略的にグローバル展開することが可能となった。
現在、自動車業界ではCASE(コネクティッド、自動化、シェアリング、電動化)という新たな領域での技術革新が進んでいる。高度な情報通信技術分野で多くの実績と強みを持つJRCモビリティが、コネクティッド領域の発展に貢献することで、日清紡グループのモビリティ領域をさらに成長させるエンジンの役割を果たしていく。