【化学企業 入社式訓示①】東ソー 山本寿宣社長

, ,

2020年4月2日

 入社おめでとう。社員・役員を代表して、また先輩の1人として心から歓迎する。

 新型コロナウイルスは全世界的に蔓延しており、いつ終息するのか予想がつかない。業績にも影響を及ぼすだろう。当社はこれまで種々の事業や投資を手掛けてきたが、全て上手くいったわけではなく、幾多の試練を乗り越え今日に至っている。

 当社の業績はここ4年、交易条件の改善もあり、経常利益はまずまずだったが、米中貿易摩擦や英国のEU離脱問題、変動する原油や為替動向を考慮すると、取り巻く経済環境は不安定な状況が今後も続くものと予想される。

 会社がこれからも持続的に強く成長し続けるためには、全社員が今、何をすべきかを考え、実行していくことが必要であり、それが私たちに与えられた使命だと言える。ビジネスチャンスを的確に捉え、スピード感をもって果敢にチャレンジするとともに、研究開発にもより一層、力を入れていきたい。

 当社のCSR基本方針は、とりわけ、社風である東ソースピリット(①挑戦する意欲、②冷たい状況認識、③熱い対応、④持続する意思、⑤協力と感謝)を体現することだ。それぞれの重要な課題を一緒になって解決していこう。

 それらを踏まえて、入社式にあたり3つのことをお願いしておく。1つ目は、夢を大事に抱え続けること。皆さんは入社後にやりたいことがあるだろう。今後、色々と経験することになるが、将来の自分像を描きつつ初心を忘れず、今抱えている夢や希望の実現に向けて仕事に励んでもらいたい。

 2つ目は、その道のプロになることだ。まずは職場に慣れてもらうと同時に知識・経験を積んでほしい。経験や読書は人を育てる。全体感を捉えながら、社会に貢献できるよう、プロアクティブに行動できる人材になってもらいたい。

 3つ目は、語学を勉強すること。グローバルと叫ばれて数十年が経つ。当社の製品の海外売上比率は4割を超え、今後も海外での事業拡充を計画している。海外展開の際に異文化コミュニケーションのツールとして、語学力の向上を目指してもらいたい。

 東ソーの将来を担うのは、皆さんだ。共に力を合わせて、東ソーの新しい時代を築き、働き甲斐のある会社にしていこう。

【化学企業 入社式訓示①】旭化成 小堀秀毅社長

, ,

2020年4月2日

 新入社員の皆さん、入社おめでとう。入社にあたり、皆さんに3つの話をしたい。

 1つ目は、旭化成の歴史を学び理解することだ。旭化成は1922年に創業し、2022年に100周年を迎える。創業以来、時代の変化や要請に柔軟に対応し、事業ポートフォリオを変革することで成長してきた。

 現中期経営計画では、当社の特徴である「多様性」「変革力」を生かしながら、「持続可能な社会への貢献」と「持続的な企業価値の向上」を図り、サステナブルな企業となることを目指している。研修期間中、旭化成の歴史や事業について学び、当社の製品の強みと競争力とは何かをぜひ考えてもらいたい。

 2つ目はグループ理念、グループビジョン、グループバリューを心に深く刻み込むことだ。当社ではかねてより「世界の人びとの〝いのち〟と〝くらし〟に貢献します。」というグループ理念を掲げ、「健康で快適な生活」と「環境との共生」の実現を通して社会に新しい価値を提供することをビジョンと定めている。

 昨年ノーベル化学賞を受賞した名誉フェローの吉野彰さんが、リチウムイオン電池の開発によりモバイル社会の発展をもたらしたように、世界には新しいアイディアや技術で解決できる課題が多くある。

 当社グループの従業員が持つべき価値観(バリュー)を尊重し、誰に対しても「誠実」に向き合い、好奇心を持って果敢に「挑戦」し、新たな価値を「創造」することを強く意識してほしい。

 3つ目は、皆さんの将来への期待だ。近年企業を取り巻く環境は極めて速いスピードで大きく変化している。デジタル技術を推進・駆使し、新たな不連続なイノベーションを起こすことで、従来の延長線上にはない新たな成長領域を生み出す必要がある。その実現を担っていく皆さんは、仕事に対して主体的、自主的に取り組み、それぞれの分野で専門性の高いプロフェッショナルを目指してもらいたい。

 一人ひとりの成長が、旭化成の成長につながる。旭化成という場を通じて成長し、世界を舞台に活躍し、社会に貢献できる人になってもらいたい。一丸となり、旭化成グループが社会から信頼され、より多くの価値を提供できる素晴らしい会社となることを目指していこう。

 

【化学企業 入社式訓示①】住友化学 岩田圭一社長

, ,

2020年4月2日

 皆さんの門出にあたり、2つのことをお伝えしたい。

 まず、住友化学社員としての自覚と責任、そして個人としての成長だ。住友化学の社員として何をなすべきか、その自覚と責任を持ってほしい。具体的には、会社の中で各人の目指すものを実現していくとともに、そうした仕事を通じて個人として成長していくことだ。

 当社は、別子銅山の銅製錬事業の拡大によって発生した煙害問題の克服と、肥料の供給による農作物増産への貢献という2つの使命を同時に実現するために設立された。

 住友には、「信用を重んじ確実を旨とする」という教えや、「自利利他 公私一如」、すなわち事業は自らの利益と同時に社会にも利益をもたらすものでなければならない、という言葉に示される「住友の事業精神」がある。当社の設立の経緯は、まさにこの「自利利他 公私一如」そのものだ。

 一方、近年はデジタル、バイオなどの新しい技術の潮流と相まって、化学産業には、アカデミアとの密接な連携により環境問題・食糧問題・医療問題といった重大な社会課題の解決に資する、革新的な技術を生み出すことが期待されている。

 皆さんには、当社で働くことを通じて社会課題の解決に寄与し、そうした中で個人として大きく成長してほしい。また、アイデア・熱意・意欲をもってチャレンジし、この住友化学という組織を大いに活用して新しい変化を起こす楽しみをぜひ味わってもらいたい。

 2つ目は、世界を意識して仕事をすることだ。私が住友化学に入社した38年前、当時の会社のトップが話した言葉を今でも忘れたことはなく、私にとって会社生活の指針の1つとなっている。

 それは『君たちの競争相手は、近くにいる会社の同僚ではなく、世界の同業各社の若者である。世界を相手に戦っていることを常に忘れないでほしい。経営者である自分自身も、世界の会社の経営者たちが何を考え、どういう手を打とうとしているかを常に意識しながら、日々彼らに負けまいと努力している』というものだ。

 皆さんには、化学会社に限らず、同じような年代で似たような環境にある人を意識して日々の業務に取り組み、グローバルレベルの人材へと成長してほしい。

【化学企業 入社式訓示①】三井化学 橋本修社長

, ,

2020年4月2日

 入社おめでとう。はじめに、三井化学が果たすべき役割を話しておきたい。

 当社グループは、「マーケット至上主義経営に象徴されるように、自らの利益向上だけを考えるのではなく、社会の公器として、サステナビリティを真剣に考えなければ、私たちはその使命を果たせないし、生き残ることもできない」との危機感の下、2008年度からの中期経営計画以降、経済軸に環境軸と社会軸を加えた3軸による経営を掲げてきた。

 一方で、デジタル技術やバイオ技術などの先端技術は、飛躍的進歩を遂げている。我々化学メーカーには、SDGsやESGをキーワードとして、気候変動やプラスチックごみ問題といった多くの社会課題解決や、循環経済、持続可能な社会の実現などに対する大きな期待が寄せられている。また、新型コロナウイルスのような、突然現れる大きなリスクに対しても、化学の果たす役割がこれまでになく高まっている。そして、我々には、その期待に応えることができる大きな可能性があると信じている。

 世界規模で同時進行している社会の大きなうねりの中で、皆さんと当社グループの大きな可能性と貢献について、共に考えていきたい。入社に際し、次の3つのことを伝えておきたい。1つ目は安全最優先。「安全は全てに優先する」ということだ。これは製品やサービスを創って世に出す者としての基本姿勢になる。生産現場だけでなく、当社グループの全員が、自身の安全・健康はもとより、組織や社会の安全と健康も考えられる人になってほしい。

 2つ目は、「会社は機能組織であり、仲良しクラブではない」ということだ。会社は、決まったルールの中で、多様な能力を持つ人材の総合力によって目的を追求する場だ。そして個性的な強い個人の集団こそが、明日の新しい世界を創って行けると信じている。

 3つ目は、「挑戦・学習・内省」を繰り返して成長してほしい。学業と異なり、仕事での答えは1つではない。だから誰でも失敗する。挑戦し、失敗から学び、内省し、そして粘り強く、何度でも挑んでもらいたい。その先には必ず、成長した自分と組織が見えるはずだ。優れた洞察力と構想力、そして強い実行力を持てるよう、共に日々の挑戦と発見を積み重ねていこう。期待している。

 

【化学企業 入社式訓示①】三菱ケミカルホールディングス 越智仁社長

, ,

2020年4月2日

 当社は、資本効率の向上(MOE)に加え、革新的な製品やサービスの創出(MOT)、人類、社会、地球の持続可能性向上に資するソリューションの提供(MOS)の3つの価値の総和を企業価値として、この価値を高める「KAITEKI経営」を推進している。

 MOEの側面では、当社はポートフォリオ改革と成長戦略の着実な実行により収益性を向上させ、安定した事業構造を構築してきた。中期経営計画「APTSIS20」の最終年度である今年度は、着実な努力を積み重ねていくとともに、次期中計に向けた基盤強化と明確な戦略の構築を進めていきたい。

 多極化する世界を舞台に事業を成長させる上では、MOTの向上が欠かせない。自前技術の強化は大前提だが、積極的に外部との協奏・連携を行い、スピード感をもって市場のニーズに即応することが重要だ。あらゆる業務の基盤として、デジタル技術の習得も必須である。

 当社が2011年から取り組んでいる「KAITEKI経営」の精神は、昨今脚光を浴びるSDGsが掲げる目標とまさに軌を一にする。当社は、2050年のありたい社会像から、2030年における当社のあるべき姿をバックキャストして中期的方向性を示す「KAITEKI Vision 30」を策定した。

 世界の大きな変化を機会と捉え、どのようにチャレンジし、どのようなソリューションを創出し、持続的成長が図れるのか、皆さん一人ひとりの問題意識やアイディアが重要である。まさにこれから、「2030年に向けた新たな挑戦」が始まろうとしており、若い皆さんの新鮮な発想力、高い活力、そしてチャレンジ精神に大いに期待する。

 重要なのは次の3点である。①熾烈な競争を勝ち抜くために、すべてのチャンスを活用し「貪欲に学べ」〝Curiosity〟②自らの業務役割を深く考え、行動を起こし、責任を持ってやり遂げよ。「仕事のプロになれ」〝Deep Insight〟③失敗を恐れず新たなフィールドへ果敢に挑戦し、価値を創造し続けよ。「積極的に行動せよ」〝Active Thinking〟。

 新入社員の皆さんの「ゼロからの積極果敢なチャレンジ」に期待する。

 

積水化学 体験型家づくりショールームが大阪にオープン

, ,

2020年4月2日

 積水化学工業のグループ会社であるセキスイハイム近畿は、同社本社内にショールーム「ハイムデザインミュージアム大阪」を先月28日にオープンさせた。

 「ハイム デザインミュージアム大阪」鳥観図
「ハイム デザインミュージアム大阪」鳥観図

 同社では、セキスイハイムを「より詳細に、より明快に」ユーザーに理解してもらうため、地域ごとに多くの情報発信拠点を整備。昨年は「セキスイハイムミュージアム滋賀」や「暮らしミュージアム京都」を開設した。

 今回オープンした「ハイムデザインミュージアム大阪」は、セキスイハイムの構造や性能を気に入って「安全・安心」を感じたユーザーに、インテリアやエクステリアの実物を見て、触れることで、より豊かな暮らしを具体的にイメージしてもらうことを目的としている。

エントランスラウンジ
エントランスラウンジ

 また、住まいに関する様々な分野の専門スタッフが在籍する近畿本社内にあるため、ユーザーとのスピーディーな打ち合わせが可能となり、満足度の向上を目指す。さらに、スタッフの移動時間などの削減や〝新しい打ち合わせスタイルの模索〟などを通じ、業務の効率化による働き方改革を推進する。

 

東洋紡 室内光で高変換効率のOPV用発電材料実用化へ

, ,

2020年4月2日

 東洋紡はこのほど、薄暗い室内で世界最高レベルの変換効率を実現するガラス基板の有機薄膜太陽電池(OPV)小型セルや、軽くて薄いPETフィルム基板のOPVモジュールの試作に成功した。

OPV用発電材料
OPV用発電材料

 同社は昨夏より、再生可能エネルギーなど先端分野の研究を行うフランスの政府研究機関CEAと共同研究を実施していた。今後は温湿度センサーや人感センサーなどのワイヤレス電源用途を中心に同材料を電池メーカーなどに提案し、2022年度中の実用化を目指す。

 OPVはその特徴から、次世代の太陽電池として注目を集めている。溶媒に溶かした炭素や硫黄原子などを含む有機物の発電材料を、電極を備えたガラスやプラスチックの基板上に塗布するなどして作製される。軽くて薄い形状に加工できることから、現在普及している無機太陽電池では設置が困難な壁面や布地などにも貼付が容易になる。あらゆるものがインターネットにつながるIoTに欠かせないセンサー類や、ウェアラブルデバイスのワイヤレス電源として展開が期待されている。

 同社は、ファインケミカル事業で長年培った有機合成技術を応用し、低照度の室内用光源でも高い出力が得られるOPV用発電材料の開発に取り組んできた。開発中の材料は、ノンハロゲンの溶媒にも容易に溶かすことができ塗布時のむらが抑えられるため、個体差が少なく安定した発電が可能になる。

PETフィルム基板のOPVモジュール
PETフィルム基板のOPVモジュール

 同材料の早期実用化に向け、昨年6月から半年間、CEAと共同研究を実施。溶媒の種類や塗布の手法を最適化したことで、世界最高レベルの変換効率を実現するガラス基板のOPV小型セルの試作に成功した。

 薄暗い室内と同等である220ルクスのネオン光源下の検証では、卓上電卓に使用されるアモルファスシリコン太陽電池の1.6倍に相当する約25%の変換効率を確認した。また、ガラスよりも発電材料の塗布が難しいPETフィルムを基板にしたOPVモジュールの作製にも成功。有効面積18㎠の試作品が、同照度下で約130㎼の出力を達成した。

 

JNC 水力発電所が改修工事完成、営業運転を開始

, ,

2020年4月2日

 JNCは1日、水力発電所「白川発電所」(熊本県菊池郡大津町)の改修工事が完成し、営業運転を開始したと発表した。同社グループは、環境・エネルギー分野を重要な事業ドメインと位置づけている。国内に13カ所の水力発電所(最大出力合計9万6900㎾)と、4カ所の太陽光発電所(同1万6000㎾)を持ち、再生可能エネルギーによる発電事業に取り組んでいる。

JNC 白川発電所
白川発電所

 同社の水力発電所は全て「流れ込み式」を採用。河川水からごみを取り除いた後に、水路を通して水槽へ導き、水圧鉄管を落下させることで水車を回して発電する仕組み。大規模なダムを必要としないため環境負荷が低く、CO2排出量が少ない、貴重な純国産のエネルギーと言える。

 同社は、2013年より各水力発電所の大規模改修工事を進めており、今回、白川発電所が営業運転を開始した。一連の大規模改修工事では、8カ所目の営業運転開始となる。熊本地震の影響により工期延長となったが、水車・発電機を高効率の機器へ更新することで、認可取水量を変えずに出力を500㎾(約6%)増強した。

 同社は、これまで培ってきた発電技術を生かし、周辺環境に配慮しながら、将来にわたり安定したエネルギーの供給で持続可能な社会に貢献していく方針だ。

 

東ソー 南陽事業所・新研究本館が本格稼働、製品開発を加速

, ,

2020年4月2日

 東ソーは1日、主要な生産・研究開発拠点である南陽事業所(山口県周南市)で、新研究本館を本格稼働したと発表した。

外観
外観

 同施設は、無機系並びに有機系スペシャリティ製品の研究開発機能強化を目的に、最新鋭設備を備える研究本館と研究ベンチ棟を建設する計画の下、今年1月に竣工し、稼働開始に向けて準備を進めてきた。

 研究本館内には、無機材料研究所、有機材料研究所、技術センター、および東ソー分析センター(100%子会社)の研究開発に関わる4部門が集約され、異分野の研究者が同じフロアに集まり、知的交流が活発となる工夫が図られている。

エントランス
エントランス

 部門間の連携強化による技術シナジーの促進により、ゼオライト、ジルコニア、環境薬剤、導電性材料などのスペシャリティ製品の開発を加速させる。

 同社は、引き続き独自の新たな価値の創出を通じ、社会課題の解決に貢献していくことを目指す方針だ。