大日本住友製薬 商号を住友ファーマに変更、来年4月に

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2021年5月25日

 大日本住友製薬はこのほど、商号を「住友ファーマ」に変更すると発表した。なお変更は2022年4月1日を予定している。

 2005年に住友製薬と大日本製薬が合併し、その商号を「大日本住友製薬」とした同社は、今年、合併から16年目を迎えた。その間、事業のグローバル化を実現し、がん領域や再生・細胞医薬分野、フロンティア事業といった新たな領域への参入や、大型買収・提携など数々の挑戦を行い、合併当時とは会社の姿が大きく変容している。

 こうした中、同社がさらに発展し続けるために、シンプルかつグローバルに通用する「住友」ブランドを最大限活用するとともに、新たな事業ステージに向けて変化するため、商号の変更を決定した。

エア・ウォーターなど 小名浜バイオマス発電所運転開始

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2021年5月25日

 エア・ウォーターと中国電力の共同出資会社エア・ウォーター&エネルギア・パワー小名浜はこのほど、小名浜バイオマス発電所の営業運転を開始した。バイオマス専焼発電所として国内最大級の規模と最高レベルの発電効率を誇る。

 東日本大震災で製塩事業の操業停止を余儀なくされた日本海水小名浜工場跡地を有効活用するための事業で、再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT制度)を活用し、木質ペレットやPKS(搾油後のパーム椰子種の殻)を燃料として年間約5億kWhの発電を予定している。

 エア・ウォーター&エネルギア・パワー小名浜は、再生可能エネルギー発電に取り組むことで、年間約43万tのCO2削減効果による地球温暖化防止への貢献はもとより、福島県が目標とする「県内エネルギー需要量の100%相当量を再生可能エネルギーで生み出す」ことに寄与する。さらに、東日本大震災の影響を受けたいわき市の地域活性化の一助となることを目指している。

旭化成 プラ資源循環プロジェクトを日本IBMと開始

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2021年5月25日

 旭化成は24日、資源循環社会の実現に向けたデジタルプラットフォームの構築を目指し、日本IBMの技術支援を受けた「BLUE Plastics(ブルー・プラスチックス)」プロジェクトを発足させ、来年3月末までにプロトタイプを用いた実証実験を開始すると発表した。

「BLUE Plastics」プロジェクト プラスチック資源循環のイメージ

 昨今、地球環境の保全が重要視される中、使用済みプラを資源として再利用する資源循環の推進や再生プラの利活用が進んでいる。しかし、これまで再生プラ製品のリサイクルチェーンや、原料のリサイクル比率を証明することは困難だった。

 こうした中、旭化成は、資源循環と利便性の両立という社会課題に対し、リサイクルチェーンの関連企業から消費者に至るまで、幅広く使用できる横断的デジタルプラットフォームの開発を目指してきた。

 今回の「ブルー・プラスチックス」プロジェクトでは、「IBM Cloud」上で稼働する日本IBMのブロックチェーン技術を活用し、デジタルプラットフォームの構築を目指す。

「BLUE Plastics」プロジェクト プロトタイプのアプリケーション

 実証実験のために開発されたプロトタイプは、再生プラ製品におけるリサイクル素材の使用率の表示や、リサイクルチェーンの関与企業を可視化。消費者はスマートフォンのカメラを使い、再生プラ製品に印字されたQRコードなどを読み取ることで、ブロックチェーン技術のトレーサビリティ(追跡可能性)によって来歴を確認することができる。また、リサイクル行動にポイントを付すなど消費者のリサイクル行動の変容を促す仕組みづくりを行い、新たなリサイクル文化を創造する。

 一方、同プロジェクトには、ブランドオーナーのライオン、成型および最終製品化の各工程を専門とするメビウスパッケージング、リサイクルメーカーの富山環境整備が参加しており、リサイクルチェーンメンバーがすべて揃って開発に協力していることも大きな特徴。今後さらに幅広く参画メンバーを募り、樹脂の種類や用途も拡大していく予定だ。

 旭化成と日本IBMは同プロジェクトを通じ、リサイクル率・リサイクルチェーンの可視化と、消費者行動の変容を促すデジタルプラットフォームを確立し、プラスチック資源循環を推進していく。

三菱ケミカル PMMAケミカルリサイクル、実証試験を実施

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2021年5月25日

 三菱ケミカルと連結子会社三菱ケミカルメタクリレーツは24日、PMMA(アクリル樹脂)のケミカルリサイクル(CR)の事業化に向け、今年6月に日本国内で実証設備を建設し、事業化に向けた実証試験を進めると発表した。

通常のアクリル樹脂板(左)とリサイクルされたアクリル樹脂板(右)
通常のアクリル樹脂板(左)とリサイクルされたアクリル樹脂板(右)

 アクリル樹脂は優れた透明性・耐光性をもつプラスチック製品で、自動車のランプカバー、看板、水族館の水槽、塗料、建材などに幅広く用いられており、その世界需要は300万tを越える。また昨今では、飛沫感染防止用のアクリル樹脂板の需要が世界各地で増加している。

 両社は、かねてからアクリル樹脂のリサイクルに向けた検討を推進。環境に対する意識が世界でも先行し、よりスピード感が要求される欧州においては、現行のリサイクル技術を導入したアクリル樹脂リサイクル設備建設の検討を進めており、近いうちに決定する見通し。

実証設備の完成予想図
実証設備の完成予想図

 一方、日本国内では、アクリル樹脂のリサイクル技術検討のパートナーであるマイクロ波化学と協力。同社大阪事業所内で新たに建設を進めていた実証設備が6月に完成する。欧州と日本国内でその地域特性に合わせたそれぞれのアプローチで、2024年の稼働を視野に、アクリル樹脂のリサイクルプラントの建設に向けた検討を本格化する考えだ。

 廃アクリル樹脂は、製造工場から出る廃材に限らず、将来的には広く市場から回収することを視野に入れる。廃車からのテールランプなどのアクリル樹脂の回収、そのCRや再利用について、本田技研工業とともにスキームの検討を進めており、今回の実証設備を用いたリサイクルシステムの実証試験についても共同で実施していく。

 三菱ケミカルのアクリル樹脂リサイクル技術により製造されたMMA(メチルメタクリレート)とそれを原料として製造されたアクリル樹脂は、透明性をはじめ通常品と同水準の性能を保つとともに、製造工程でのCO2の排出量が従来よりも70%以上削減できると見込んでおり、環境負荷低減に大いに貢献することが可能である。

 同社はMMAおよびアクリル樹脂における世界ナンバーワンシェアのメーカーとして、同事業のサーキュラー・エコノミー実現に向けた取り組みを積極的にリードしていく。

 

レンゴー セロファンの海洋生分解の認証を取得

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2021年5月24日

 レンゴーはこのほど、同社が製造・販売しているセロファン(厚み26㎛以下)が「OK biodegradable MARINE」認証を取得したと発表した。土中に比べ微生物が少ない海水中での生分解性を証明する国際認証だ。

 海水中で6カ月以内に90%以上生分解するか基準物質(セルロース)に対して90%以上の生分解度、かつ分解生成物の生体への安全性が証明され、TÜV AUSTRIAより認証された。昨年の「ビスコパール」に続いての認証。

 セロファンは木材パルプを原料とした透明なフィルムで、FSC認証原材料による森林の環境保全に配慮した製品であり、バイオマスマークの認定(バイオマス度95)も受けている。自然界(土中、海水中)の微生物によって水と炭酸ガスに分解され、社会的課題であるプラスチックゴミ問題の解決への貢献が期待される。

 今後も、環境にやさしい製品の開発と供給に努めていく考えだ。

日化協 安全表彰・技術賞・RC賞の受賞者を決定

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2021年5月24日

 日本化学工業協会は21日、日化協3賞(安全表彰、技術賞、RC賞)の受賞者を決定したと発表した。

 優れた安全活動を実施し模範となる事業所を表彰する「安全表彰」では安全最優秀賞にカネカ滋賀工場、社会全体の発展や環境の改善に大きく寄与した革新的で優れた科学技術や製品の創出を表彰する「技術賞」では総合賞に東レ(テーマ「抗血栓性人工腎臓の開発と工業化」)、レスポンシブル・ケア(RC)活動の普及や活性化に貢献した事業所、部門、グループや個人を表彰する「RC賞」では大賞に三井化学の技術研修センター(テーマ「三井化学 技術研修センター 体験・体感型研修の取り組み」が、それぞれ選出されている。

宇部興産 中計進捗、業績回復も数値目標から乖離

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2021年5月24日

化学のスペシャリティ化推進、環境問題にも注力

 宇部興産は19日、中期経営計画「Vision UBE 2025‐Prime Phase‐」(2019~2021年度)の進捗状況について、電話会議による会見を行った。泉原雅人社長は「昨年度は、コロナ影響で化学・機械の両部門の需要が上期を中心に大きく減退し減益となった。今年度は回復過程にあるものの、中計目標からは乖離する」との見通しを示した。成長戦略については、

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東洋紡 新素材・材料系のスタートアップファンドに参加

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2021年5月21日

 東洋紡はこのほど、新しい素材や材料の開発に取り組むスタートアップ企業(マテリアルテックスタートアップ)を対象とする投資ファンド「JMTCケミカル&マテリアルズ投資事業有限責任組合」に、一次募集出資者として参画したと発表した。

 同ファンドは、日本材料技研(東京都中央区)が代表社員を務めるJMTCキャピタル合同会社を無限責任組合員として、今年4月1日に設立。革新的な技術をもつシードステージ(起業前、起業直後)にあるマテリアルテックスタートアップの成長を支援するため資金提供を行う。

 東洋紡は、2018年に欧州基盤の化学系ベンチャーファンドに参画するなど、オープンイノベーションによる事業開発を推進。今回、設立の企画段階より日本材料技研との連携を図り、一次募集出資者としての参画を決定した。同ファンドを通じて入手する、同社の事業領域と親和性の高いマテリアルテックスタートアップの情報を活用し、協業機会の創出を目指す考えだ。

 東洋紡は、「素材+サイエンスで人と地球に求められるソリューションを創造し続けるグループ」を〝めざす姿〟として掲げる。今後も有望なスタートアップ企業への支援を通じて、社会課題の解決に貢献していく。

旭化成 「知財功労賞」経済産業大臣表彰を受賞

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2021年5月20日

 旭化成はこのほど、経済産業省特許庁が主催する「知財功労賞」の経済産業大臣表彰を受賞した。「知財功労賞」は毎年、経済産業省特許庁が、知財制度を有効に活用し、円滑な運営・発展に貢献のあった企業などに対して行っている。

「知財功労賞」経済産業大臣表彰

 今回、同社は「知的財産権制度活用優良企業」として、特許分野での知財活動が評価された。具体的には、①事業の利益を守り、事業の価値の最大化を実現するという恒久的な知財ミッション(サステナブルIPゴールズ)を掲げ、徹底して事業貢献を意識した知財活動を実施、

 ②デジタルトランスフォーメーション(DX)による事業高度化に知財面から貢献するため、事業環境の分析や事業戦略の策定にあたっては知財情報等を活用したIPランドスケープ活動を全社横断で推進。またDXによる事業構造の転換に備え、知財部内に専門のIPDXチームを組織し、先行技術調査ガイドラインや発明創出ガイドラインを作成し、全社支援を行っている、

 ③研究者に対する知財マインド向上を目的とした教育カリキュラムが徹底されており、現名誉フェローの吉野彰氏をはじめとし、代々の研究者に高い知財マインドが継承されている、などが受賞理由に挙げられている。

 同社は今後も知的財産権を有効に活用し、新規事業の創出や事業戦略の立案などに役立てることで、「持続可能な社会の実現」と「持続的な企業価値の向上」の双方を実現していくことを目指していく。

プラ循環協 プラ製容器包装の環境貢献、調査研究を報告

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2021年5月20日

 プラスチック循環利用協会はこのほど、機能性包装が適用された備蓄食品(アルファ米、クッキー)の環境貢献に関する調査研究を報告した。同協会では、プラスチック製食品容器包装について、ライフサイクルアセスメント(LCA)手法を用いた環境影響評価を実施している。

 今回は、災害備蓄食料に注目し、機能性包装(蒸着フィルム)が適用された備蓄食品について、環境負荷削減効果に関わる定量的解析を行った。研究調査内容として、災害備蓄食品に関する報告書に示された備蓄期間終了後の有効活用と廃棄の割合に基づき、備蓄食品として販売されているアルファ米、クッキーについて備蓄から賞味期限までの消費シナリオを、機能性包装および一般包装に適用しLCAを実施。

 調査結果として、賞味期限1年の一般包装品の負荷を基準とすると、アルファ米の機能性包装製品において賞味期限3年の場合、GHG排出量は57%の削減、賞味期限5年の場合、74%削減効果となった。

 同様にクッキーでは、賞味期限3年の場合、GHG排出量は65%削減、5年の場合は79%の削減効果となっている。日本全体に備蓄されているアルファ米とクッキーの総量(推計)に基づき、すべての包装を賞味期限5年の機能性包装に置き換えた場合のGHG削減貢献の可能性量は、約5万7000t-CO2eと推算された。また、推奨されている最低3日分の備蓄食品について、1日当たりの備蓄量をアルファ米2食、クッキー1食の組み合わせを適用すると、日本全体でのGHG排出削減の可能性量推計は約14万t-CO2eと推算された。

 同協会は、「社会的に欠かすことのできない災害対策物資に関わる備蓄食品において、プラ製容器包装が提供する環境負荷削減への貢献を示すことができた」とし、「プラ製食品包装の適用による食品ロス発生の抑制は、食品安全保障の改善や、GHG排出量削減など気候変動対策の一つとしてその寄与は大きい」としている。