三菱ケミカル 経営執行制度を変更、人材配置の柔軟性を向上

,

2020年10月1日

 三菱ケミカルは30日、経営を担う人材の役割と責任を改めて定義するとともに、意思決定のスピード、および事業運営を担当する人材配置の柔軟性をさらに向上させるため、11月1日付で経営執行制度を変更すると発表した。

 同社は、大きく変化する市場環境や激化するグローバル競争に適応するとともに、多様な人材をひきつけ、多様な人材が活躍できる環境を実現するため、人事制度改革を進めている。今回、その一環として執行役員制度を変更することにより、職責・職務と処遇の関連性を明確にし、経営執行を担う人材をより柔軟に配置する体制とする。

 新たな経営執行制度の具体的内容は、①執行役員の再定義:常務執行役員を「当社全社の経営を率いる戦略的な機能を担うポジションに従事する者」とし部門長および共通部門所管役員など経営幹部を任命、②「経営執行職」の新設:「事業運営における中核を担い、担当領域の成長を担うポジションに従事する者」とし本部長・部長および場所長などを中心とした幹部人材を任命、③「理事役」の廃止、となっている。

 同社は今後も、会社と人材が互いに選び、生かしあう関係を構築し、ともに成長していく文化を形成することにより、事業を成長させるとともに、KAITEKI実現を目指していく。

 

帝人ファーマ 訪問介護事業の本格展開に向けて新会社を設立

, ,

2020年10月1日

 帝人ファーマは30日、地域包括ケアシステムによる地域社会への貢献をさらに発展させるため、これまで取り組んできた訪問看護事業を独立させ、帝人訪問看護ステーションを設立したと発表した。10月1日から本格稼働を開始する。帝人ファーマは、同事業を独立させることで、サービス利用者により高品質なケアを提供するとともに、医療機関・居宅介護支援事業所などときめ細かに連携し、地域包括医療体制の確立に貢献していく。

 同社は、2025年をめどに国が目指している地域包括ケアシステムの構築を見据え、医薬品と在宅医療の営業組織を再編。患者のデータを医療機関や介護施設で共有することができる医療・介護多職種連携情報共有システム「バイタルリンク」を展開するなど、地域密着型の総合ヘルスケアサービス事業に取り組んでいる。

 一方、1999年に立ち上げた訪問看護事業では、在宅医療機器を使用する患者の適正使用をフォローするなど、在宅医療事業の補完的な役割を担ってきており、現在は全国で13拠点の訪問看護ステーションを運営・展開している。今回、訪問看護事業を独立させて設立した新会社は、これまでの既存事業を補完する存在から、より主体的に経営を行う事業へと転換し、さらに地域密着型総合ヘルスケアサービスを進展させていく。

 同社は今後、社会に評価される訪問看護事業会社を目指し、大規模ステーションの展開、活動エリアのコンパクト化によって訪問効率を高めるとともに、所属する訪問看護師への教育の充実や、理学療法士など専門職の拡充などにより、利用者へのサービス向上を図っていく。

 また、グループ内の既存事業の強みを生かし、業務フローのデジタル化、および在宅医療事業やバイタルリンクとのシナジー効果の創出を目指す。これらの取り組みにより、2025年度までにバイタルリンク事業と合わせた地域包括ケア事業全体として売上100億円を目指す方針だ。

 

宇部興産と三菱マテリアル セメント事業統合の最終契約

, , , , ,

2020年10月1日

2022年に完全統合、宇部三菱セメントを吸収

 宇部興産と三菱マテリアルは29日、両社のセメント事業およびその関連事業などを統合することについて統合契約書を締結したと発表した。来年4月に折半出資の統合新社を設立し、2022年4月をめどに事業統合を図り、両社のセメント販売・物流機能をもつ宇部三菱セメントを吸収する。

宇部興産会見:宇部興産 泉原雅人社長(左)、三菱マテリアル 小野直樹社長
宇部興産 泉原雅人社長(左)、三菱マテリアル 小野直樹社長

 国内基幹産業であるセメント産業は、国内需要が減退する中、エネルギー価格の著しい変動など、事業環境が厳しさを増している。両社は、1998年に折半出資により宇部三菱セメントを設立し一定の効果を実現してきたが、将来に向けたセメント事業の成長のためには、従来の関係を発展させた新たな体制の構築が必要となっていた。

 統合に向けた協議を進めた結果、宇部興産がもつ①宇部地区での大型港湾施設、コールセンターなどのインフラ設備、②全国に拡がる生コンクリートの製造・販売網、③宇部マテリアルズの無機材料事業などと、三菱マテリアルがもつ①国内最大の生産能力を誇る九州工場、②豊富な石灰石資源を有する東谷鉱山、③高い競争力をもつ米国セメント・生コンクリート事業など、セメント事業およびその関連事業などがもつ長所を全て持ち寄ることが最適と判断し、統合することを決定した。

 同日、開催された会見の中で三菱マテリアルの小野直樹社長は、「川上領域であるセメント製造と川下領域である生コンクリート事業を含めた新たな体制を構築することが最善策であるとの共通認識をもった」とし、「国内事業においては、

コンテンツの残りを閲覧するにはログインが必要です。 お願い . あなたは会員ですか ? 会員について

東洋紡 犬山工場、フィルム製造ラインで火災事故

, ,

2020年9月29日

 東洋紡・犬山工場(愛知県犬山市)で27日午後9時ごろ、食品包装向けの2軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム製造ラインで火災事故が発生し同社従業員3人が被災、病院に搬送されたが搬送先で2人の死亡が確認された。うち1人は現在も入院中。

 28日午前9時現在の同社の第4報によると、同日午前1時10分に公設消防による鎮圧宣言が出されたのち、同午前7時45分に鎮火宣言が出された。物的被害、事業所外への影響、火災原因、製品出荷への影響については現在調査中としている。

 同社では事故対策本部を設置し、関係当局の指導を仰ぎつつ、事故原因の究明などを全力で進めていく方針だ。

帝人 ビズジーンと提携、ウイルス濃縮デバイスを商業化

, , , ,

2020年9月29日

 帝人は28日、ビズジーン(大阪府茨木市)との間で、各種ウイルスによる感染症を、早期に短時間で判定する迅速診断キットに用いるウイルス濃縮デバイスの商業化に向けて、帝人がビズジーンに出資し資本・業務提携を行うことで合意したと発表した。

ウイルス濃縮デバイスの試作品
ウイルス濃縮デバイスの試作品

 両社は、2018年よりデングウイルスをはじめ各種ウイルスを濃縮する技術の開発を進め、簡便な操作でウイルスを捕集し迅速に濃縮することができる技術を開発。高い孔径精度や厚み制御に強みがある、帝人の高機能メンブレン「ミライム」を濃縮膜として使用しており、設計を微細に変化させることで、様々なウイルスへの対応が期待されている。こうした中、同技術を使用した濃縮デバイスの商業化に向け、サプライチェーンの確立、量産体制の構築などを目的に資本・業務提携を行った。

 今回、商業化を目指すウイルス濃縮デバイスは、シリンジ(注射筒)の先端に取り付ける樹脂成型品の中にシート状の「ミライム」を内包。孔径や厚みなどの制御と表面処理技術により、ターゲットのウイルスを濃縮することを想定している。これにより、感染症診断に使用する検体中のウイルス濃度を高めることで、体内のウイルス量が少ない感染初期にも感染症判定が可能になると考えられ、重症化する前に治療に結びつけることができる。

 また、この濃縮技術とビズジーンの遺伝子診断キットを組み合わせることにより、従来の抗体・抗原を用いた迅速診断キットと同等の時間で、診断精度を向上させることも期待される。

 今後、両社は、今回の資本・業務提携を足掛かりに、臨床試験などを通じて技術優位性の確認や量産化の仕組みの構築を早期に行い、まずはデング熱診断用での商業化を目指す。また、新型コロナウイルスをはじめ世界的に流行している感染症への展開の可能性を検討し、適応範囲の拡大を図る。さらに、ウイルス濃色デバイスの展開のみならず、両社のもつサービス・技術・知見を融合させることにより、各種診断領域の連携範囲を拡大していく考えだ。

ウイルスが濃縮される仕組み
ウイルスが濃縮される仕組み

 

東亞合成 大分ケミカルを吸収合併、運営管理を効率化

, ,

2020年9月29日

 東亞合成は28日、完全子会社である大分ケミカルを吸収合併すると発表した。

 大分ケミカルは1983年に設立して以降、東亞合成グループのアクリル事業の子会社として、アクリル酸などの製造業務に特化した事業を行ってきた。

 今回、東亞合成グループ内での経営資源のさらなる一体化を図り、事業運営管理を効率化するため、大分ケミカルを吸収合併することを決定。東亞合成を存続会社として大分ケミカルは解散となる。

 なお、合併予定日は2021年1月1日を予定しており、吸収合併後に大分ケミカル本社工場は東亞合成大分工場となる。

 

ENEOS 千葉製油所での合弁事業継続で最終合意

, , , ,

2020年9月28日

 ENEOSは25日、中国石油国際事業(PCI)傘下の中国石油国際事業日本(PCJP)との合弁会社、大阪国際石油精製(OIREC)が運営する製油所を、今年12月に現在の大阪製油所から千葉製油所に変更し、合弁事業を継続することについてPCJPと最終合意に至ったと発表した。

 合意を受け、ENEOSは大阪製油所をOIRECから会社分割により取得し、新たに協業する千葉製油所(原油処理能力12万9000BD)を、同じく会社分割によりENEOSからOIRECへ承継される。また、大阪製油所(同11万5000BD)は来月に精製機能を停止し、アスファルト発電設備を運営する事業所となる。

 両社は、現行の合弁契約が今月末に期限を迎えることから、ENEOSの製油所運営能力と、PCIグループの優れた製品マーケティング能力を相互に有効活用するために、戦略的枠組みを維持・存続させていくとの認識の下、今後の協業のあり方を協議していた。

 なお、合弁会社OIREC(出資比率:ENEOS51%、PCJP49%)は、2010年10月に設立。日本国内の石油需要の構造的減少が見込まれる一方で、アジア・太平洋地域では今後石油製品需要が着実に増加し、ビジネスチャンスが拡大するとの見通しから、大阪製油所の運営を開始した。

 

トクヤマ 樹脂フィルム子会社の株式をレンゴーに譲渡

, ,

2020年9月28日

 トクヤマは25日、同社が80%を出資する子会社サン・トックスの株式46%を、現在サン・トックスの株式20%をもつレンゴーに対して譲渡すると発表した。

 今回の株式譲渡は、来月10月1日に行われる予定で、その後サン・トックスの出資比率は、レンゴー66%、トクヤマ34%となり、サン・トックスはトクヤマの連結子会社から除外され、持分法適用関連会社となる。なお、株式譲渡については、公正取引委員会による独占禁止法関連の承認を得られることを実行の条件としている。

 サン・トックスは、2015年にレンゴーから第3者割当増資による出資を受け、レンゴーの資本参加の下で事業運営を進めてきた。今回、サン・トックスのプラスチックフィルム事業の強化・発展を目的として、株式譲渡を決定した。なお、トクヤマは持分法適用関連会社として引き続きサン・トックスの運営に協力していく。

トクヤマ 高純度IPAの製販合弁会社を台湾に設立

, , ,

2020年9月28日

 トクヤマは25日、台灣塑膠工業と電子工業用高純度イソプロピルアルコール(高純度IPA)の製造・販売を目的とした合弁会社を台湾(高雄市)に設立すると発表した。合弁会社の出資比率は折半で、来月に設立し2022年1月の事業開始を予定している。

 近年、5G、IoT、AIなどの進展により、半導体市場は中長期的に拡大することが見込まれている。それに伴い高純度IPA需要も漸増すると見られており、また半導体の微細化の進展により高品質化と安定供給に対する顧客からの要求がますます高まってきている。

 同社の高純度IPAは、低不純物濃度を特長とする独自の直接水和法で製造されており、同社は半導体製造プロセスで使用される洗浄液として、さらなる高純度化を追求してきた。

  今回の合弁会社設立により、台湾で原料のプロピレンからの一貫生産体制を構築し、高純度IPAビジネスを一層拡大するため、台湾の顧客ニーズに即応する生産・供給体制を整備していく考えだ。

 

日産化学 気候関連財務情報開示タスクフォースに賛同

,

2020年9月25日

 日産化学はこのほど、気候変動関連リスクとビジネス機会に関する情報開示を求める「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言に賛同を表明したと発表した。

 TCFDはG20の要請で金融安定理事会(FSB)により2017年に設置され、「ガバナンス(検討体制と企業経営)」「戦略(企業経営への影響と対策)」「リスク管理(リスクの特定・評価・対応方法)」と「指標と目標(リスクと機会の評価指標と進捗度評価)」を開示することを奨励している。全世界で1382社(うち日本は298社)、化学会社は35社が賛同している。日本は2017年の住友化学、18年の三菱ケミカルHDをはじめ現在18社で、化学会社全体の過半数を占める。

 日産化学は企業理念「優れた技術と商品・サービスにより、環境との調和を図りながら、社会に貢献する」の下、2030年への環境・社会・経済の変化を見据え、16年始動の長期経営計画「Progress 2030」で環境エネルギー分野の課題解決に向けた研究開発を開始。「気候変動の緩和」をマテリアリティの1つに選び、21年度までに温室効果ガス排出量20%削減(13年度比)をKPIに掲げて排出削減活動を推進している。

 今後も引き続きこれらの取り組みを充実させ、TCFDの提言を踏また情報開示を通じ、社会の持続的発展に貢献していく考えだ。