旭化成 インフラメンテナンス大賞、経産省の優秀賞に

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2021年2月9日

 旭化成はこのほど、「第4回インフラメンテナンス大賞」において、経済産業省「優秀賞」を受賞したと発表した。なお同大賞は、2016年より、国土交通省をはじめ6つの省が、日本国内のインフラメンテナンスに関わる優れた取り組みや技術開発を表彰しており、今回から経済産業省も実施している。

インフラメンテナンス大賞 保温材剥離後の配管例
保温材剥離後の配管例

 同社が受賞したテーマは「化学会社各社の設備データ共有化とそれを基にした保湿材下腐食の発生予測モデル開発」。長期使用している化学プラントでは、保湿材で覆われた鋼製の化学装置の外面から腐食(CUI)が発生する。それによる事故抑制が各社の共通の重要な課題だが、腐食発生を精度良く予測できれば、検査の合理化や設備の信頼性が向上できる。

インフラメンテナンス大賞 CUI検査用の蒸留塔の足場例
CUI検査用の蒸留塔の足場例

 同社は、この課題を解決するために、多くの化学会社から過去に実施したCUI検査などのデータを多量に収集・解析して、使用条件からこのCUI発生可能性を予測する方法を開発。また、その方法をWeb上で公開し、設備の管理に活用できることを実証した。これらの取り組みが評価され、今回の受賞に至った。

 同社は、今回の受賞を糧に引き続き業界他社と協力して、デジタル技術の活用により設備信頼性の維持・向上に尽力していく考えだ。

インフラメンテナンス大賞 CUI 発生予測モデルを開発
CUI 発生予測モデルを開発

三菱ケミカル 植物工場関連事業をMCASに移管・集約

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2021年2月9日

 三菱ケミカル(MCC)はこのほど、植物工場事業の強化を目的に4月1日付でMCCと子会社の三菱ケミカルアグリドリーム(MCAD)がそれぞれ持つ植物工場事業を、同じく子会社の三菱ケミカルアクア・ソリューションズ(MCAS)に移管し、植物工場に関する事業を集約すると発表した。

苗専用人工光装置「苗テラス」
苗専用人工光装置「苗テラス」

 現在、MCCおよびMCADでは「苗テラス」「ナッパーランド」「AN(AGRICULTURE NEXT)」「Plant Plant」といった水耕栽培技術を用いた植物工場の設計、施工及び販売に関する事業を行っている。一方、MCASは長年にわたり水処理ビジネスを手掛け、そのエンジニアリング力や水処理技術を培ってきた。気候変動や農業人口の減少などで今後ますます植物工場へのニーズが高まる中、MCCグループが有する植物工場関連事業をMCASに集約化することで、MCASが持つ「水」に関する卓越した技術や設計、施工機能などとのシナジーにより、より高度で優れた植物工場関連製品およびサービスの提供を図っていく。また、今回の集約化により将来的には、バイオ技術などを融合させた植物工場の高度化や医療・健康食品・エネルギー分野への展開も目指していく。

葉物専用水耕栽培「ナッパーランド」
葉物専用水耕栽培「ナッパーランド」

 三菱ケミカルホールディングスグループでは、中長期経営基本戦略において、「食糧・水供給」を解決すべき社会課題・注力すべき事業領域の1つに位置付ける。今回の植物工場関連事業の集約化は、この施策の一環であり、今後もMCCグループは保有する財産を結集させてこの課題の解決を目指していく考えだ。

 

昭和電工 自動化ソリューション事業のメキシコ社に出資

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2021年2月9日

 昭和電工は8日、産業向け自動化ソリューション事業を手掛けるメキシコのAMI Automationの株式50%を取得したと発表した。なお、今後5年以内に残りの株式を取得するオプションを保有している。

 AMIは、電炉向けの運転最適化ソフトウェアや電極制御システムを取り扱うMeltshop Solutions事業、各種産業向けの自動化・制御ソリューションを手掛けるIndustrial Systems事業をグローバルに展開。中でもAMIの電極制御システムは、生産量ベースで北米の約90%の電炉鋼生産に活用されている。

 昭和電工は従来から、電炉特性に合わせてカスタマイズした高品質な黒鉛電極を提供し、顧客が高品質な電炉鋼を高効率に生産することに貢献してきた。AMIのMeltshop Solutions事業の手掛ける電炉の運転最適化サービスと連携することで、電極のパフォーマンス向上と電炉運転の一層の生産効率化や省エネルギー化、温暖化ガス排出量の削減に貢献するソリューションサービスを提供することが可能となる。

 また、Industrial Systems事業の知見を昭和電工の製造工程に展開することで、黒鉛電極の更なる効率的な生産を実現し、顧客のビジネスにサステナブルな価値を提供するとともに、黒鉛電極市場における昭和電工グループのグローバルリーダーとしてのポジションをさらに強化することを目指していく。

 AMIは自動化・制御ソリューション事業のプレミアインターナショナルカンパニーとして、産業プロセス自動化のための革新的製品・ソリューションを提供。Meltshop Solutions事業は、30年以上にわたり、最新の自動化・制御技術の活用により電炉の効率的な運転に貢献し、電炉最適化における世界的なイノベーター・リーダーとして認識されている。

 昭和電工は、黒鉛電極事業を含む様々な事業・生産プロセスへAMIの持つ自動化・制御技術を活用することにより、両社の更なる事業拡大を目指していく。

 

AGC 長期ビジョンおよび新中期経営計画を策定

2021年2月9日

両利き経営を追求、30年までに最高益を目指す

平井良典社長

  AGCはこのほど、2030年の長期ビジョンと新中期経営計画「AGC plus-2023」(2021~2023年度)を発表。会見の中で平井良典社長は、「コア事業と戦略事業を両輪とする両利きの経営を進めてきた。これをさらに磨き込んで深化させ、事業ポートフォリオの転換を加速する」と語り、

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旭化成 川崎製造所がサステナビリティ調査でゴールドに

2021年2月8日

 旭化成はこのほど、同社の製造統括本部川崎製造所合成ゴム製造部(神奈川県川崎市)が、仏EcoVadis社のサステナビリティ調査で、全評価対象の上位5%に相当する「ゴールド」評価を獲得したと発表した。同調査は「環境」「労働と人権」「倫理」「持続可能な資材調達」の4分野において、企業のサステナビリティへの取り組みを評価。同社はその中でも「環境」と「労働と人権」に関して特に高い評価を受けた。 

EcoVadis サステナビリティ調査 ゴールド
EcoVadis サステナビリティ調査 ゴールド

 EcoVadis社の評価は持続可能性に関する国際的な規格に基づいており、評価対象企業は世界160カ国、200業種、7万5000社以上に及ぶ。そして企業のサステナビリティに関する取り組みを評価する客観的な基準として、このEcoVadis社による評価を認める動きが世界的に広がっている。

 旭化成グループは、グループを挙げてサステナビリティ推進活動に取り組んできた。今回の評価結果を糧に一層取り組みを強化し、「持続可能な社会」実現の一翼を担っていく。

三井化学 スイス社からベストサプライヤー賞を受賞

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2021年2月5日

 三井化学はこのほど、スイスに拠点を置くグローバル医薬品メーカーのデビオファーム社(Debiopharm)から、2019年度のベストサプライヤー賞を受賞し、昨年12月にオンラインによる表彰式が開催されたと発表した。

【三井化学 受賞写真1のキャプション】
(写真左から)ヘルスケア事業本部・パーソナルケア材料事業部の富樫和彦事業部長、同事業部メディカル材料グループの夏地智之氏と石橋大樹グループリーダー

三井化学は、デビオファーム社の代表製品である徐放性トリプトレリン製剤の主原料であるPLGA(ポリ乳酸・グリコール酸共重合体)を長期にわたり供給してきたが、その間の安定供給と品質改善により、デビオファーム社のトリプトレリン事業のグローバルな成功に貢献してきたことが高く評価された。

デビオファーム社から贈られた表彰盾
デビオファーム社から贈られた表彰盾

 デビオファーム社グループで開発と製造を担うデビオファーム・リサーチ&マニュファクチャリング社のセドリック・セイガーCEOは「デビオファームと三井化学は長年築き上げたパートナーシップを通じ、品質の向上とオペレーションの改善に一緒に取り組んできた。これまでの継続的な貢献に感謝している」と称えた。

 これに対し、三井化学ヘルスケア事業本部・パーソナルケア材料事業部の富樫和彦事業部長は「このような名誉ある賞をいただくのは大変光栄なことだ。今後も安定供給の維持とさらなる品質の改善に取り組んでいく」と応えた。

 デビオファーム社はPLGA型徐放性注射剤のグローバルリーダー。PLGAによって「カプセル化」された薬効成分は患者の体内で徐々に血中に放出され、1~6カ月間その効果が持続する。同社の徐放性注射剤は前立腺がんや子宮内膜症の治療薬として、現在90カ国以上で販売されている。

出光興産 北海道製油所がスポーツエールカンパニーに認定

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2021年2月4日

 出光興産はこのほど、北海道製油所(苫小牧市)が、国内元売り製油所として初めて、スポーツ庁の認定制度「スポーツエールカンパニー2021」に認定されたと発表した。同製油所では健康経営を目指した活動(スマートライフキャンペーン:食事・運動・卒煙を三本柱とした健康増進活動)に取り組み、生活習慣の改善が必要な製油所従業員の約74%が減量に成功している。

スポーツエールカンパニー2021
スポーツエールカンパニー2021

 今回の認定では、業務中も立ち姿勢を保つことで、筋肉の代謝や血行促進の効果があるスタンディングミーティングの推奨や、「退勤ウォーキング」などのスポーツ実施機会の提供、外部機関の専門家のコーチングによる運動の習慣化への取り組みなどが評価された。昨年7月には、同製油所の食堂が栄養バランスの取れた食事を提供しているとして、「健康な食事・食環境」コンソーシアムより「スマートミール」認証も取得している。

スタンディングミーティング
スタンディングミーティング

 同社および同製油所は引き続き、従業員の健康増進のため生活習慣改善の支援環境の整備を進める。なお「スポーツエールカンパニー」への認定は、同社グループとしては出光ユニテック(2019年認定)に次いで2事業所目となる。

 

クレハほか 超低環境負荷型コンクリート技術で受賞

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2021年2月4日

 クレハ、西松建設、北九州市立大学、日本アイリッヒ、九州工業大学が共同研究した「発電由来燃焼灰の改質による超低環境負荷型コンクリート製品の実現」が、環境省主催の令和2年度「気候変動アクション環境大臣表彰」で、「開発・製品化部門(緩和分野)」の環境大臣表彰を受賞した。同表彰は、環境省が気候変動の緩和および気候変動への適応に関し顕著な功績のあった個人または団体を表彰するもので、これまでの「地球温暖化防止活動環境大臣表彰」が今年度よりリニューアルされたもの。

 建築業の基幹材料であるコンクリートのCO2排出量は、90%以上がセメントに由来するため、セメントに比べて極めて環境負荷の小さいジオポリマーが近年注目されている。ジオポリマー生成に必要な活性フィラーとして、発電由来の燃焼灰や高炉スラグの微粉末などが使われるが、発電由来燃焼灰はコンクリートの流動性に悪影響を及ぼすため、活性フィラーとして使用するには未燃炭素を3%以下にする必要がある。

 今回の受賞技術は、独自の浮遊選鉱技術により発電由来の燃焼灰から効果的に未燃炭素を除去する改質技術と装置で、セメントフリーなジオポリマーコンクリート二次製品の製造を可能にする。従来のコンクリート製品に比べCO2排出量を50%削減でき、建築材料分野での気候変動抑制への貢献とともに、発電由来燃焼灰の有効活用により環境循環を促進できる点が評価された。

 クレハいわき事業所には石炭火力発電設備があり、その発電由来燃焼灰を産業廃棄物として処理することが地球環境保全上の課題であった。同技術で発電由来燃焼灰を改質しジオポリマーコンクリート製の縁石を作り、同事業所の発電施設周辺に施工することで、実用化を実証した。

 クレハはこれからも気候変動や資源循環への取り組みを積極的に進め、持続可能な社会の発展への貢献を目指していく考えだ。

日本触媒の4-12月期 減収減益で通期予想は据え置き

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2021年2月4日

 日本触媒は3日、2020年度第3四半期(4―12月期)の連結業績(IFRS)を発表した。売上収益は前年同期比14%減の1955億円、営業利益86%減の15億円、税引前利益74%減の36億円、純利益84%減の15億円となった。世界景気の減速、原料価格や製品海外市況の下落に伴う販売価格低下、販売数量減少で減収となった。また生産・販売数量の減少、在庫評価差額などの加工費の増加、スプレッドの縮小、連結子会社NSEの固定資産の減損、三洋化成工業との経営統合中止に伴う関連費用の計上などで減益となった。

 セグメント別に見ると、基礎化学品事業は減収減益。アクリル酸とエステルは需要低迷による製品海外市況の下落と原料価格下落による販売価格の低下、販売数量の減少で減収。酸化エチレンも同様に価格低下と数量減少で減収。エチレングリコールとセカンダリーアルコールエトキシレートは、販売数量が増加するも製品海外市況による販売価格低下で減収だった。

 機能性化学品事業は減収減益。高吸水性樹脂と特殊エステルは市況下落に伴う価格低下と数量減少で減収。コンクリート混和剤用ポリマーと洗剤用水溶性ポリマー、塗料用樹脂も需要低迷による数量減少と価格低下で減収。無水マレイン酸は数量増となったが価格低下で減収。電子情報材料とエチレンイミン誘導品は販売価格は上昇したが数量減少で減収。樹脂改質剤と粘着加工品は数量減少で減収。ヨウ素化合物は販売価格上昇と販売数量増加で増収となった。

 環境・触媒事業は減収減益。プロセス・排ガス処理・脱硝用触媒は販売数量減少で減収。燃料電池材料は販売価格低下で減収。リチウム電池材料は販売数量増加で増収となった。

 なお、通期業績予想は、前回発表値を据え置いた。前回精査中としていた経営統合関連費用を計上したが、アクリル酸とアクリル酸エステルの販売数量が想定を上回ることや在庫評価差額などの加工費の減少が見込まれるため、前回発表値並みの業績予想としている。

ダイセルの4-12月期 減収減益も通期予想を上方修正

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2021年2月4日

 ダイセルは3日、2020年度第3四半期(4-12月期)の連結業績を発表した。売上高は前年同期比10%減の2814億円、営業利益17%減の187億円、経常利益17%減の202億円、純利益142%増の112億円となった。

 セグメント別に見ると、メディカル・ヘルスケア事業は増収減益。コスメ・健康食品事業は中国の需要回復などで化粧品原料の増販となったが、その他域の需要減少で減収。キラル分離事業はカラムの販売増加や、中国とインドでの事業が好調で増収となった。

 スマート事業は減収減益。ディスプレイ事業は液晶表示向けフィルム用の酢酸セルロースや、高機能フィルムの需要低迷などで数量減少。IC/半導体事業は電子材料向け溶剤やレジスト材などの堅調な需要で増収だった。

 セイフティ事業は減収減益。モビリティ事業はエアバッグ用インフレータなどが数量減少で減収だった。

 マテリアル事業は減収減益。酢酸は需要減少と市況の下落、酢酸誘導体は一部製品の需要増加があったものの市況下落の影響で減収となった。アセテート・トウは海外主要顧客向けで数量を保つも為替影響などで減収。カプロラクトン誘導体やエポキシ化合物などは一部用途の需要回復はあったが、欧州市場やFRP向け需要の低調で数量減少した。

 エンジニアリングプラスチック事業は減収減益。POM樹脂、PBT樹脂、液晶ポリマーなどは次世代通信用途で増加したが、自動車減産やスマートフォン需要の低迷で減収。ABS樹脂やエンプラアロイなどのコンパウンド事業も自動車生産や住宅着工の減少が響いた。樹脂加工事業は包装フィルムの販売減少などで減収した。

 その他部門は防衛関連事業の数量増加で増収増益。期初の様々な産業の需要低迷で減収減益となったが、徹底したコストダウンと自動車生産などの需要回復を着実に捉え、各セグメントで想定を上回る結果となった。

 第4四半期(1-3月期)も新型コロナの感染再拡大や半導体不足による自動車生産への影響など先行き不透明だが、経営成績、需要予測や販売価格是正などを踏まえ、通期業績予想を、売上高3880億円(前回発表比200億円増)、営業利益280億円(同60億円増)、経常利益295億円(同65億円増)、純利益180億円(同40億円増)に上方修正した。