昭和電工はこのほど、フジサンケイグループ主催の「第29回地球環境大賞」で「日本経済団体連合会会長賞」を受賞した。
同社グループが取り組んでいる、使用済みプラスチックのケミカルリサイクル(CR)による低炭素な化学品原料化・資源循環事業が環境負荷低減に資すると評価された。なお、表彰式は4月8日に、秋篠宮同妃両殿下ご臨席の下、明治記念館(東京・元赤坂)で行われる予定。
同社は2003年より、リサイクル手法の1つであるCRによる使用済みプラのリサイクル事業を展開中。川崎事業所では、回収された使用済みプラを熱分解によりガス化し、水素や一酸化炭素を取り出し、化学品の原料として利用している。
一酸化炭素は炭酸製品に、水素はアンモニアの原料として利用するほか燃料電池車やホテルに設置された燃料電池での発電用として供給するなど、低炭素社会実現に向けた取り組みにも貢献。
このような使用済みプラを焼却処理しないことによるCO2排出削減だけでなく、陸上での資源循環を推進し、海洋流出するプラの削減に寄与する取り組みであることが高く評価され、今回の受賞となった。
同社グループは、CRをはじめ、鉄のリサイクルに必ず使われる黒鉛電極の世界各地への供給や、日本で最初にアルミ缶リサイクル活動に取り組み、回収済みアルミ缶を新たなアルミ缶として製造する「can‐to‐can」など、環境に配慮した事業活動を積極的に推進している。引き続き、社会的課題の解決に貢献する製品・技術・サービスの提供に取り組み、地球環境負荷低減へ貢献していく方針だ。