昭和電工は21日、完全子会社であるHCホールディングスを通じて3月24日より実施していた日立化成の公開買い付け(TOB)が、予定通り今月20日に終了したと発表した。
その結果、今月28日(TOBの決済開始日)には日立化成は日立製作所の子会社ではなくなり、HCホールディングスの子会社および昭和電工の連結子会社(孫会社)となる予定。
2020年4月22日
2020年4月21日
丸紅はこのほど、インターステラテクノロジズ(IST:北海道大樹町)、D‐Orbit(イタリア)と、超小型人工衛星の軌道投入ロケットに搭載される予定の小型衛星放出システムの研究・開発を行うために、業務提携を目的とした協業意向書を締結した。
丸紅は、2016年よりISTと業務提携。ISTに対し調査研究を委託するとともに販売代理店として国内外の顧客に対してロケット打上げサービスの提案・販売活動を行ってきた。ISTは、宇宙空間である100㎞の高度まで民間企業単独で国内で初めて到達した、微小重力下での実験を行う観測ロケット「MOMO」と、最大100㎏の超小型人工衛星用の軌道投入用ロケット「ZERO」を製造・開発しているロケット開発企業。丸紅とISTは、昨年11月に資本提携を行い、さらなるパートナーシップの強化を図ってきた。
一方、D‐Orbitは、小型衛星放出システムの軌道輸送に焦点を当てた研究・開発を行うイタリアのニュースペース企業であり、「InOrbit NOW」という独自技術を活用した打上げアレンジと軌道投入のサービスを行っている。また、顧客のミッションの内容に応じた小型衛星放出システムを用いて、小型衛星を正確に、安定させて衛星の軌道へと軌道投入させることができる。
今回の業務提携を通じて丸紅は、超小型衛星打上げ事業での協力関係をより強化し、欧州地域をはじめとする幅広い顧客層に対して「ZERO」を活用した衛星打上げサービスの提案・提供を行う。小型衛星事業者の打上げニーズに応えることで、通信技術や地球観測技術などの向上を図り、宇宙産業の発展に貢献していく考えだ。
2020年4月21日
豊田通商はこのほど、ミャンマー電力エネルギー省・電力発電公社から、同国のセダウジ水力発電所の改修プロジェクトを受注したと発表した。受注額は約43億円で、日本政府が国際協力機構(JICA)を通じて実施する有償資金協力によって資金供与される。なお、完工は2024年2月の予定。
ミャンマーは、経済成長に伴い電力需要が高まっており、供給力確保が急務。同国の電力需要の約6割は水力発電所で賄われているが、多くの発電所で設備の老朽化による出力低下が発生し、定常的に計画停電が行われている。
今回、改修を実施するセダウジ水力発電所は、ミャンマー第2の都市であるマンダレーの北東約100㎞にあり、同都市の電力需要の約10~15%(年間発電量130GWh)を賄う。同発電所は1989年に運転開始後、一度も改修されないまま30年以上にわたって使用されており、主要機器の劣化と損傷が課題となっている。
今回のプロジェクトは、セダウジ水力発電所の主要機器(水車・発電機など)と水門の改修を実施する。水車と制御装置は東芝エネルギーシステムズから、発電機は明電舎から調達。また、水門の関連機器は日立造船に発注する。同プロジェクトによって、セダウジ水力発電所の出力が回復し、今後も安定的に電源として使用することが可能となる。
豊田通商は、経済発展とともにエネルギーインフラ整備の重要性が高まるミャンマーで、水力発電所などの再生可能エネルギーの利活用推進を通じ、同国の発展に貢献していく。
2020年4月21日
カネカはこのほど、富士フイルムと新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)向け抗インフルエンザウイルス薬「アビガン」(一般名:ファビピラビル)の原薬を供給することを合意したと発表した。
日本政府は、COVID‐19が拡大する中、効果が期待される「アビガン錠」の備蓄量を200万人分まで拡大することを決定し、富士フイルムは生産体制を拡充させ増産を開始した。カネカは、長年培った医薬品のプロセス開発力と製造技術、品質について高い評価を受けており、今回、メジャーサプライヤーとして原薬の供給を要請された。同社は迅速に供給をスタートすることが社会的使命と考え、設備投資、人員配置転換、生産計画調整により製造体制を整え、7月より供給を開始する。
なお、同社グループ会社Kaneka Eurogentec(ベルギー)では、COVID‐19検査に使用されるPCR検査試薬の供給をすでにスタート。さらに高品質のmRNAやプラスミドDNA(核外細胞質中のDNA)などの技術を用いたCOVID‐19ワクチン向け受託製造も強化し、旺盛な引き合いに対応している。
同社はCOVID‐19に対する課題解決を通じ、人類の健康維持に貢献する考えだ。
2020年4月21日
三菱ケミカルホールディングス(MCHC)は20日、米国シリコンバレーに設立したCVC子会社であるダイヤモンド・エッジ・ベンチャーズ(DEV:米国カリフォルニア州)を通じて、牛乳たんぱく質のカゼインを原料とした生分解性ポリマーを製造・販売するLactips(フランス・リヨン市)に出資したと発表した。
Lactipsのバイオ由来の生分解性ポリマーは、海水でも完全に分解する素材であり、水溶性、ガスバリア性および可食性といった多様な特長を持ちながら、従来のプラスチックと同様に熱成形や押出成形などの加工が可能。両社は今回のパートナーシップにより、海洋プラスチック問題をはじめとする世界規模のプラスチックごみ問題へのソリューション実現に取り組んでいく。
MCHCは、生分解性ポリマーの「BioPBS」や水溶性フィルムのハイセロンなどの環境に配慮した製品やサービスを提供することで、プラスチックのサーキュラーエコノミー(循環型経済)推進に向けた取り組みを強化しており、今回のLactipsへの出資によりその取り組みを加速させていく。
今後もDEVを通じて、同社グループの新たな成長機会をもたらすスタートアップ企業との連携を進めていく考えだ。
2020年4月20日
東洋紡はこのほど、最短60分以内で新型コロナウイルス(SARS‐CoV‐2)の抽出と検出・測定が可能な新型コロナウイルス検出キット「SARS‐CoV‐2 Detection Kit」を開発した。全国の研究機関や大学の研究室、製薬メーカーの研究部門向けに同日から販売を開始し、新型コロナウイルスの治療薬などの早期開発に貢献していく。
同社が開発した検出キットは、遺伝子の抽出工程と増幅(PCR)・検出工程に掛かる手間・時間を大幅に短縮する。遺伝子の抽出工程では、サンプル中に夾雑物(きょうざつぶつ)が混じっていても反応が阻害されにくい、同社独自の遺伝子増幅酵素(特許出願中)を採用。夾雑物を取り除く必要がなくなり、煩雑な遺伝子の精製過程を省略できることから、検出キットに含まれる前処理液とサンプルを混合させるだけで遺伝子の抽出工程が最短2分で完了する。
また、増幅・検出工程では、試薬の配合を調整して酵素の働きを最適化し、増幅に掛かる時間を従来の半分以下の最短56分に短縮。これにより、新型コロナウイルスの抽出から検出・測定まで最短60分以内で実現した。
PCR法には、ウイルスから遺伝子を抽出する工程(約30分~2時間)と、遺伝子を増幅・検出する工程(約2時間)があり、これまで約2時間半以上掛かるのが一般的だった。このため、治療薬などの研究・開発で大量のサンプルを扱う場合に、多くの手間や時間を要する一因となっていた。なお、同検出キットの使用に際しては、汎用的な遺伝子増幅装置(リアルタイムPCR装置)だけで行え、抽出装置などを新たに準備する必要はない。
今後は、同検出キットの開発で得られた知見や技術を応用し、全自動遺伝子解析装置「GENECUBE」用の診断薬の開発に取り組んでいく考えだ。
今回の開発は、日本医療研究開発機構(AMED)の支援を受け、北里大学・大村智記念研究所と国立感染症研究所・インフルエンザウイルス研究センター第2室との共同研究で実現した。
2020年4月20日
カネカはこのほど、グループ会社の玉井化成(北海道小樽市)が、真空断熱材(VIP)を採用し定温保持時間を約2倍に延ばした新製品、定温輸送パッケージ「TACPack Premiumシリーズ」を4月から販売開始すると発表した。
医薬品の輸送時の温度管理は、2018年に国内版GDPガイドライン(流通上の品質確保と偽造薬の流入防止を目的に、適切な管理方法を定めたもの)が制定され、厳格化されている。
発泡ポリスチレン系断熱容器を使用する製品では、夏期の冷蔵温度帯の保持時間に限度があり、長時間輸送に対応できなかった。新製品は、主流のグラスウール系と比べ、内部圧力上昇による熱伝導率性能の劣化が少ない、シリカ粉体系VIPとカネカ潜熱蓄熱材「PATTHERMO」を組み合わせることで、パッケージ内部の温度を長時間保持し、定温保持時間を従来品の約2倍に延長させた。
なお、カネカと玉井化成が共同開発した「PATTHERMO」は、物質が固体~液体に状態変化する際に、融解・凝固点付近に温度が維持される特徴を利用。マイナス50℃~プラス37℃の範囲で15種類の製品をラインアップしている。
カネカは現在、新たな潜熱蓄熱材の開発も進めており、引き続き「TACPack Premium」シリーズを拡充し、市場開拓を加速させる。そして、温度管理ソリューションの提供を通じて医療や生活の質の向上に貢献する考えだ。
2020年4月20日
宇部興産はこのほど、金融安定理事会(FSB)が設置した「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言について賛同を表明すると発表した。同提言に基づき、気候変動が事業に与えるリスクや機会の分析を行い、積極的な情報開示を進め、持続可能な社会への貢献を目指す。
同社グループは、昨年度スタートした中期経営計画「Vision UBE 2025~Prime Phase~」で「資源・エネルギー・地球環境問題への対応と貢献」を基本方針の1つに掲げている。UBEグループ全体として、プロセス改善や省エネ活動を通じ、2021年度までに温室効果ガス(GHG)を15%削減する目標を立て、対応を行っている。
今後も引き続きGHG削減に取り組むとともに、環境貢献型製品・技術を育成、伸長させることで、製品のライフサイクル全体を通じたGHG排出削減を実現し、脱炭素社会に貢献していく。また、今回の賛同表明を踏まえ、気候変動への対応を含めた環境問題への取り組みを一層充実させるとともに、TCFDの提言に基づいた情報開示を積極的に行っていく考えだ。
2020年4月20日
JXTGエネルギーは17日、サウジアラビアでENB製造装置新設の事業化可能性調査(FS)を開始したと発表した。ENBは、自動車の窓枠やラジエターホースなどに使用される合成ゴム(EPDM)の製造に欠かせない成分。中長期的に見込まれる世界的な自動車生産の増加に伴い、同成分の需要も堅調に拡大すると見込まれている。
同社グループは1979年の日本での生産開始以来、日米で生産体制を増強し、現在日本(1系列)、米国(2系列)の両拠点で世界最大となる年産6万8000tの生産能力を持つ。北米・欧州・アジアのタンクターミナルからなる供給ネットワークを通じて、世界で事業展開している。
今回、FSを開始したサウジアラビアでは、Saudi Arabian CompanyとTotal Raffinage Chimieが出資する石油化学計画「AMIRALプロジェクト」の原料供給を背景に、継続的な成長が見込まれるENB需要に対する生産体制の構築が可能となる。同社は、日米に次ぐ第3の拠点として、同地の既存顧客はもとより、世界の全顧客へ向けた供給体制を盤石とするために、ENB製造装置新設の検討を開始した。
JXTGエネルギーは、2040年JXTGグループ長期ビジョンに掲げる、付加価値の高い誘導品事業への進出・海外展開などを通じて、顧客の多様なニーズに対応し、アジアを代表するエネルギー・素材企業を目指す。
2020年4月20日
INCJと合弁、持続可能な社会の創生に貢献
積水化学工業は、ESG経営を最重要課題に掲げ、社会・環境問題の解決に注力している。中でも、廃プラスチックを含む可燃性ごみを都市油田に変える「ごみの資源化」を重要なテーマの1つとして取り組んでおり、次世代に豊かな社会を引き継ぐため、化石資源に頼らない究極の資源循環社会システムの創生を目指している。
2017年には、米ベンチャー企業ランザテック社と共同開発した、世界初の革新的生産技術「BR(バイオリファイナリー)エタノール技術」を確立。生ごみ、衣類、プラ、紙・木材などの可燃性ごみを、分別することなくガス化し、熱・圧力を用いることなく微生物によりエタノールに変換することができる。
同社は、同技術の実用化と事業化に向け、環境省委託事業(二酸化炭素の資源化を通じた炭素循環社会モデル構築促進事業)などを活用し、各自治体や関連企業などのパートナー募集やビジネスモデルの検討を進めてきた。
こうした中、今月16日に、BRエタノール技術の実証事業の実施や事業展開を行うことを目的に、経済産業省が所管とする官民ファンド「INCJ」と合弁会社「積水バイオリファイナリー」の設立を発表。岩手県久慈市に実証プラントを新設し、2021年度末に稼働させ実証事業(エタノール供給)をスタートする。
まず標準的規模のごみ処理施設の処理量の10分の1程度のごみ(1日約20t)の提供を受け、エタノールを生産。そして自治体、ごみ処理関連企業、プラントメーカーなどのパートナーを広く募り、生産したエタノールを様々な製品・事業へ活用する検証を行い、2025年度には本格事業化を目指していく計画だ。
日本で排出される可燃性ごみは年間約6000万tと見られている。国内でのプラスチック生産に用いられる化石資源のほぼ2倍に及ぶが、ほとんどが再利用されず焼却・埋め立て処分されている状況。また、プラスチックは、私たちの生活には欠かせないものの、海洋プラスチック問題などがクローズアップされており、使用済みプラスチックの再活用が求められている。
同技術の事業化や事業拡大、社会への普及のためには、原料となる廃棄物関連の行政を所管する自治体や、民間企業などのパートナーとの強固な連携が欠かせない。積水化学は、INCJの協力を得て、自治体やごみ処理関連企業、プラントメーカー、エタノールを利用する企業などと強い協力関係を構築するとともに、関連省庁との協議や連携なども円滑に進めることを期待している。
両社は、合弁会社「積水バイオリファイナリー」を通じて、日本各地の地方貢献や、カーボンリサイクルを通じたサーキュラーエコノミーの実現により社会課題解決に寄与するとともに、持続可能な社会の創生に貢献していく考えだ。