BASF ポリアミド強化、ソルベイからの買収が完了

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2020年2月13日

 BASFはこのほど、ソルベイのポリアミド(PA66)事業の買収を、1月31日付で完了したと発表した。これにより、BASFのポリアミドのポートフォリオに、市場での認知が高い「テクニール」などの製品が追加され、事業がさらに強化される。

 また、自動運転やe‐モビリティなどの分野で、より優れたエンジニアリングプラスチックスソリューションによって、顧客を支援することが可能になる。さらに、アジア・北米・南米の成長市場へのアクセスも強化される。

 主要原料であるアジポニトリル(ADN)からの一貫生産により、BASFはポリアミド66のバリューチェーン全体を強化し、供給信頼性を向上することができる。同社が取得したポリアミド事業の購入価格は、現金と負債を含めない状態で 13億ユーロ。同事業の2018年の売上高は約10億ユーロだった。同事業はパフォーマンスマテリアルズとモノマー事業本部に統合される。

 今回の取引には、ドイツ・フランス・中国・インド・韓国・ブラジル・メキシコの8つの生産拠点のほか、アジア・北米・南米の研究開発拠点と技術サポート拠点が含まれる。フランスの2つの合弁会社も含まれ、ソルベイがインビスタと共同で、ADNとヘキサメチレンジアミン(HMD)を生産する合弁事業ブタシミーの50%のシェア、BASFとドーモ・ケミカルスが共同でアジピン酸を生産する、新しい合弁事業アルサシミーの51%のシェアをBASFが取得する。

 買収完了に伴い、ソルベイの社員約700人がBASFに移る。なお、フランスの合弁事業アルサシミーには約650人、合弁事業ブタシミーには約400人が在籍している。

 BASFは2017年9月に、関連する競争当局の承認を条件に、ソルベイのグローバルでのポリアミド事業を買収する契約を締結した。昨年1月18日、欧州委員会は一定の条件の下で、ポリアミド事業の買収を承認。この条件により、当初の取引対象の一部である、欧州のソルベイの生産工場とエンジニアリングプラスチック分野のイノベーション・コンピテンシーを、第3者に売却する必要性が生じた。

 その後、ドイツのドーモ・ケミカルスが欧州委員会から買い手として承認され、ソルベイとドーモ・ケミカルスの取引が1月31日に完了した。

出光 AI活用した出荷予測で在庫管理、サプライチェーンを高度化

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2020年2月13日

 出光興産はこのほど、NECと共同し、国内28拠点の油槽所(共同油槽所含む)でのAIによる出荷予測に基づく石油製品の在庫管理業務を開始したと発表した。

 出荷予測システムは、NECの最先端AI技術群「NEC the WISE」の1つである「異種混合学習技術」がマーケットや気象の状況などに応じた最適な出荷数量を予測。各油槽所の在庫情報を見える化させることで、油槽所在庫の適正化・業務効率化を図る。今後、出光興産は今年中に国内の自社油槽所36拠点と共同油槽所10拠点の合計46拠点についてAIによる出荷予測を展開していく。

 なお、出荷予測を行うNECのAIは、結果に至る理由が説明可能なホワイトボックス型であり、データ学習と人の知見や経験とを効果的に組み合わせることで、予測精度をさらに高めることが可能になる。

 石油製品のサプライチェーンは、海上と陸上にまたがるだけでなく、燃料という安全性が求められる生活必需品であることから様々な制約があり、非常に複雑になっている。天候やマーケットの変化に伴う将来的な出荷増減をコンピュータで予測することは難しく、熟練者の勘や経験に頼っている部分が多く残っていた。

 サプライチェーンの高度化が課題となる中、出光興産は、AIなどのデジタル技術の活用に注力。この一環として、2018年には、青森・八戸・塩釜・福井の各油槽所から地域のサービスステーションと需要家への出荷について、NECのAIで出荷実績や原油価格、気象(気温や降水量)などの情報を基に、各油種の出荷予測の実証実験を行い、レギュラーガソリンの出荷実績と2週間予測の誤差は5%程度に収めることができた。

 この結果を踏まえ、出光興産はNECのAIを活用した油槽所の出荷予測と在庫管理システムを構築。出荷実績やマーケット情報、気象情報などのデータ学習に基づき、各油槽所の油種ごとの出荷数量を予測・見える化させることで、サプライチェーンの効率化を実現している。

 出光興産とNECはAIをはじめとするICTの活用に積極的に取り組み、デジタル化に対応した新事業・サービスの創出と業務の効率化を推進していく。

デンカ 住設事業のソリューションカンパニー設立

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2020年2月13日

 デンカはこのほど、プラスチック製雨どいをはじめとした住設事業と、金属雨どいの製造・販売会社である100%連結子会社の中川テクノを統合し、来年年4月1日付で住設事業のソリューションカンパニーを設立すると発表した。

 今後、この新会社にグループの経営資源を集約し、営業力を強化するとともに、「省施工」「軽労化」「環境対応」をキーワードとした新製品開発と新規事業の創出により、スペシャリティー化を加速していく考えだ。

 デンカは経営計画「Denka Value‐Up」の中で、基盤事業のスペシャリティー化を成長戦略の1つに位置づけ、外部環境の影響を受けにくいスペシャリティーグレードの比率拡大やソリューションビジネスへのシフトを推進している。今回の取り組みはその一環となる。

三菱ケミカルHD 2030年の目指す姿「KAITEKI Vision 30」を発表

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2020年2月13日

「KAITEKI Vision 30 」を説明する越智仁社長
「KAITEKI Vision 30 」を説明する越智仁社長

 三菱ケミカルホールディングスは12日、都内で事業説明会を開催し、2021年度からスタートする次期中期経営計画の骨核となる2030年の目指す姿「KAITEKI Vision 30」(KV30)を発表した。

 越智仁社長は「政治・経済、環境問題、化学技術の進化など世界の潮流が大きく変化する中、我々が

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クラレ 新型ウイルスで対策チーム設置、感染拡大へ対応

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2020年2月12日

 クラレグループでは、グループ従業員の安全確保の観点から、世界保健機構(WHO)や外務省などの発表をもとに、同社の危機管理基準に則り、地域ごとに警戒レベルの発信と出張可否に関する決定を行っている。今回の新型コロナウイルスの感染拡大に関しては、先月24日にクラレグループ対策チームを設置した。

 具体的には、グループ従業員に対し(2月6日時点)、①中国本土(香港・マカオ・台湾は含まない。以下同様)への出張の原則禁止②中国本土からの海外出張の原則禁止③中国本土から一時帰国している駐在員の出社や取引先への訪問の一時制限―の対応を行う。③の一時帰国者には、帰国後10日間、出社や取引先への訪問を原則禁止とし、電話会議・ウェブ会議などを活用した在宅勤務を義務づける。

 一方、中国グループ会社の稼働と従業員への対応については、同社グループは、中国本土に上海を中心として13のグループ会社があるが、湖北省武漢市には拠点がないことから、現地グループ会社に関しては、中央政府や地方政府の方針に従った稼働開始を予定し、従業員の安全確保に配慮し対応していくとしている。

 同社では、今後も各方面からの情報収集を行い、状況に合わせて必要な対応を速やかに実施していく考えだ。

三菱ケミカル シンガポールのグループ3社を4月に統合

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2020年2月12日

 三菱ケミカルは10日、シンガポールにあるグループ会社3社について4月1日をめどに統合すると発表した。三菱ケミカルホールディングス(MCHC)グループの中期経営計画に掲げるグループ会社削減方針に従い、グループ会社を統合し互いのノウハウやリソースを共有・集約することで事業の総合力を強化するのが狙い。

 統合するのは、いずれも三菱ケミカル100%出資の子会社で、アジアパシフィック域内の地域統括などを行う「Mitsubishi Chemical Asia Pacific」、合成樹脂コンパウンドを販売する「Mitsubishi Chemical Performance Polymers Asia Pacific」、「ソアノール」と「ゴーセノール」を販売する「Nippon Gohseei Asia Pacific」の3社。

 統合新社は「Mitsubishi Chemical Asia Pacific」となり、①アジアパシフィック域内の地域統括②三菱ケミカルグループ製品の販売③MCHCグループ会社からの総務・人事・経理などのサービス業務受託―を担う。従業員数は合算で約50人。

東レ 国際NPOの水資源保護に関する調査で最高評価を獲得

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2020年2月10日

 東レはこのほど、国際的な非営利組織CDPが実施した水資源保護に関する調査で、「水セキュリティAリスト企業」に初選定されたと発表した。

 同社は「今回の結果は、東レグループがこれまで水資源保護に資する活動に取り組んできたことや、水資源保護にかかる具体的な目標を設定し、その達成に向けて着実に取り組みを進めていることが評価されたものと考えている」とコメントしている。

 近年、世界的な気候変動により、降水量の偏在化や国土乾燥化など、地球規模の水不足が深刻化しつつあり、また、世界的な人口増加の中、水不足に苦しむ人々は5億人に達すると言われている。さらに、新興国での食糧需要は今後増加する見込みであり、水不足は農作物不作による飢饉頻発のリスクとされていることから、安全な水の確保は、持続可能な開発目標(SDGs)の1つとされている。

 東レグループは、「わたしたちは新しい価値の創造を通じて社会に貢献します」の企業理念の下、長年にわたり、さまざまな地球環境問題の解決に貢献する革新技術・先端材料の創出に積極的に取り組んできた。そして、海水淡水化などの水処理技術の開発・提供により、世界各地域の水不足の解決にも大きく貢献してきた。

 「東レグループ サステナビリティ・ビジョン」では、「2050年に向け東レグループが目指す世界」の1つとして、「誰もが安全な水・空気を利用し、自然環境が回復した世界」を掲げ、これに関連する2030年度に向けた数値目標として、「水処理膜により新たに創出される年間水処理量を3倍に拡大」と「生産活動による用水使用量の売上高原単位を、東レグループ全体で 30%削減」の目標を設定。

 これらの実現に向け、グループ全体で、より一層、水資源の確保に資する水処理技術の開発・提供に尽力するとともに、自らの事業活動の中でも、循環再利用による用水の有効活用や、その適切な管理に努めている。

 今後も東レグループは、水不足や気候変動を含む社会的課題の解決に向けた取り組みを積極的に推進し、持続可能な社会の実現に貢献していく考えだ。

昭和電工 AIを用いた設備投資審査知見活用システムを導入

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2020年2月10日

 昭和電工はこのほど、FRONTEOが開発した人工知能(AI)「KIBIT」を用い、生産設備など投資の社内審査で効率的に知見を活用する検索システムを導入し、今年1月末から運用を開始した。

 生産設備などの新設、維持・更新投資を判断する際には、過去に行った投資判断の財務的投資効果や安全・安定稼働など多くの視点で審査を行う。

 生産技術とエンジニアリング上の妥当性の審査には、過去約20年間の累計2000件を超える審査で得られたノウハウを活用しているが、これまでは複数の文書データベース・文書ファイルからキーワード検索していたため絞り込みが容易ではなく、また、類似性の判断では審査員の経験に依存するところも大きく、蓄積されたデータを十分に活用できていなかった。

 そこで、過去の審査で蓄積された設備の安全・安定稼働に関わる視点をより有効に活用するため、AIを用いたデータベース検索システムの導入に至った。

 FRONTEOが開発した「KIBIT」は、専門家や業務熟練者が備える〝暗黙知〟を再現した人工知能。添付ファイルを含む文書情報から、キーワードだけでなく文脈も捉え文章の特徴量を抽出し、類似性を判断することができる。この特長を活用し、審査員の経験に依存することなく過去の類似案件を抽出できるシステムとして導入した。

 導入テストでは、類似案件の検索から類似性判断までの時間は従来の10分の1近くまで短縮できる効率性の高さを確認している。また、複数の類似案件を同時に抽出できることにより、設備安全対策に関わる知見を最大限活用することが可能となる。同システムは今後、設備投資時審査で本格運用するとともに、生産現場の事故・異常情報にも応用展開する検討を進める。

 昭和電工グループは、中期経営計画「The TOP 2021」の中で、「AI/IoTの強化」を進めている。今後も、生産現場でのAI/IoT活用を推進することで安全・安定操業、事業競争力強化を図っていく。

住友化学 「日経アニュアルリポートアウォード」優秀賞に

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2020年2月7日

住友化学レポート2019
住友化学レポート2019

 住友化学はこのほど、「日経アニュアルリポートアウォード2019」で、優秀賞を受賞したと発表した。2016年、17年に続き3度目の優秀賞受賞となる。

 同アウォードは、日本企業が発行するアニュアルリポートのさらなる充実や普及を目的として、日本経済新聞社が1998年より毎年実施しているコンテストで、機関投資家らの審査による得点上位企業が表彰される。第22回目となる2019年度は、133社の応募に対してグランプリ1社、準グランプリ3社、特別賞2社、優秀賞14社が選ばれた。

 統合報告書「住友化学レポート」は、ステークホルダーに同社の価値創造ストーリーをわかりやすく伝えことを目指し、事業の強みや戦略、業績報告に加え、コーポレート・ガバナンス体制や環境・社会への取り組みなど、財務情報と非財務情報を統合的にまとめている。

 今回の受賞は、「気候変動関連の記載が充実している」「経営陣が、事業を通じて持続可能な社会の実現に貢献することを意識していることが伝わる」「投資家が中長期的な企業価値向上を評価するための十分な情報が開示されている」などが評価された。

 同社は、今後も「住友化学レポート」の改善・充実に励むとともに、適時・適切な情報開示や、株主・投資家をはじめとした幅広いステークホルダーとの対話を通じて、企業価値の向上に努めていく考えだ。

三井化学 アニュアルリポートが4度目のアウォード受賞

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2020年2月7日

三井化学レポート2019
三井化学レポート2019

 三井化学はこのほど、日本経済新聞社が主催する「日経アニュアルリポートアウォード2019」で、優秀賞を受賞したと発表した。2016年度の優秀賞、2017年度の特別賞、2018年度の準グランプリに続く4度目の受賞。

 今回の受賞は①中長期の企業価値向上への記述が説得力のあるものであり、よくバランスのとれたリポートである②トップメッセージ、CFOメッセージがわかりやすく、会社が目指している方向性や考え方がよくわかる内容になっている③環境(E)、社会(S)についての開示が大変充実している―ことが高く評価された。

 同アウォードは、日本企業が発行するアニュアルリポートのさらなる充実と普及を目的として、1998年から毎年開催されており、現役のファンドマネージャーやアナリストらが、多岐にわたる審査基準により厳正に審査を行い、特に優れたレポートを表彰するもの。第22回となる2019年度は、133社が参加し、その中から、グランプリ一社、準グランプリ3社、特別賞2社、優秀賞14社が選出された。

 三井化学のリポートは、株主・投資家をはじめとするステークホルダーに、同社グループの事業活動を通じた社会課題解決に対する取り組みを、経済・環境・社会の三軸の面から指標を交えて紹介している。中長期的な価値創造への理解を深めてもらうとともに、〝質の高い対話〟のプラットホームとなる報告を目指している。

 今後もより一層、株主や投資家の理解と信頼を得られるよう、積極的な情報開示と対話を重視し、IR活動の取り組みを強化していく考えだ。