旭硝子財団 地球環境問題など、アンケート調査の結果を発表

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2019年9月9日

 旭硝子財団は6日、第28回「地球環境問題と人類の存続に関するアンケート」調査結果を発表した。同財団は、1992年より、毎年、世界の環境有識者を対象に環境アンケート調査を実施。環境アンケートを通じて環境有識者のみならず、より多くの人々に環境への関心をもってもらい、地球環境問題の解決に貢献することを目指している。

 今年は世界205ヵ国に調査票を送付し、143ヵ国、2072人から回答を得た。調査結果の要点として、人類存続の危機に関する認識では、世界全体の平均環境危機時刻は9時46分だった。昨年は調査開始以来最も針が進んだが1分戻った。日本の環境危機時刻の平均は9時39分となり、昨年に比べ8分進んでいる。

 また危機意識が高いのは、昨年同様、オセアニア、北米、西欧の3地域。東欧・旧ソ連も9時台となったが、アフリカは全地域中で唯1、8時台となった。環境危機時刻を世代別に見ると、「60代以上」の危機意識が9時57分と最も高い。

 危機時刻を決める上で念頭に置く項目は2011年以来一貫して「気候変動」が最多数を占めるが、環境に対する危機感を時刻から見ると、「生物圏保全性(生物多様性)」が9時58分と最も高かった。

 一方、今年から環境問題への取り組みに対する改善の兆しは見られるかという設問を設定。項目として最も多く選ばれたのは「気候変動」だった。また、脱炭素社会への転換については、地域差はあるが全体として僅かながら改善が見られた。

 なお、調査結果は財団ウェブサイト(https://www.af-info.or.jp)で閲覧できる。

東レ 「ホワイト物流」推進運動に参画、自主行動宣言を提出

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2019年9月9日

 東レは6日、国民生活や産業活動に必要な物流機能を安定的に確保するとともに、経済の成長に寄与することを目的とした「ホワイト物流」推進運動の趣旨に賛同し、自主行動宣言を提出したと発表した。

 「ホワイト物流」推進運動とは、深刻化が続くトラック運転者不足に対応し、国民生活や産業活動に必要な物流を安定的に確保するとともに、経済の成長に寄与することを目的とした運動。

 トラック輸送の生産性の向上・物流の効率化、女性や60代以上の運転者なども働きやすい、より「ホワイト」な労働環境の実現を目指す。今年4月に経済産業省・国土交通省・農林水産省が上場会社・各都道府県の主要企業約6300社に参加の呼びかけを開始した。

 東レは、深刻化している物流危機を克服するため自主行動を宣言し、物流環境改善に取り組んでいく。自主行動の項目として、物流の改善提案と協力、パレット等の活用、リードタイムの延長、法令遵守状況の考慮、働き方改革等に取り組む物流事業者の積極的活用、異常気象時等の運行の中止・中断等、を挙げている。

 同社は近年、物流分野のCO2排出量の削減、トラック運転者不足に対応すべく、モーダルシフト(トラックから鉄道・海運輸送への輸送手段変更)を推進するとともに、輸送車両の変更などによる物流効率化にも積極的に取り組んでいる。

 東レは今後も、取引先や物流事業者との相互理解と協力のもと、企業の社会的責任の一環として物流環境の改善に積極的に取り組み、持続可能な物流の実現を目指していく考えだ。

大日本住友製薬 バイオテック企業と戦略的提携で基本合意

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2019年9月9日

 大日本住友製薬は6日、Roivant Sciences社(本社:英国 ロンドン・スイス バーゼル)との間で、戦略的提携に関して基本合意書を締結したと発表した。

 今回の基本合意は、独占交渉権と守秘義務の条項を除き、原則として法的拘束力をもたない。今後、両社は、引き続きデュー・デリジェンスと戦略的提携に関する詳細な条件などについての協議を行い、10月末をめどに法的拘束力のある正式契約を締結する予定だ。

 大日本住友製薬は、「中期経営計画 2022」の中で、収益の柱である米国での非定型抗精神病薬「ラツーダ」の独占販売期間終了後も持続的な成長を実現するため、「成長エンジンの確立」と「柔軟で効率的な組織基盤づくり」を基本方針として掲げ、事業基盤の再構築に取り組んでいる。

 一方、Roivant社は、「Vant」と呼ばれる子会社を通じて、革新的な医薬品やヘルスケア領域においてデジタル技術を基軸とした価値の提供を目指している。医薬品業界での経験が豊富な人材やデータ技術分野の優れた人材を擁しており、医薬品開発に関するデータ関連技術・手法を独自に開発。アカデミアや他の製薬企業・ベンチャー企業から開発化合物や技術を獲得し、効率的な臨床開発を推進している。

 大日本住友製薬は、今回の戦略的提携により、2022年度までに承認が期待され、将来的にブロックバスターとなりうる開発品を含む多数のパイプラインを獲得することに加え、同社グループ全体のR&D生産性の向上、デジタルトランスフォーメーションの加速を図り、中長期的な成長を目指す。

三井化学 「九州北部大雨」の被災者支援で物資を提供

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2019年9月6日

 三井化学は、先月末に九州北部を中心に多くの被害をもたらした大雨による被災地・被災者支援のため、岩国大竹工場(山口県・広島県)などから同地に向けて物資の提供を行った。

岩国大竹工場での支援物資積み込み
岩国大竹工場での支援物資積み込み

 同社関連製品のウレタンマットレスとブール―シート各200枚を、佐賀県杵島郡大町町の総合福祉保健センターと大町町公民館に、また、同社製の不織布「タフネル オイルブロッター」22箱などを杵藤地区広域消防の大町分署に提供した。

 今回の支援はそれぞれ、緊急災害対応アライアンス「SEMA(シーマ)」と、国交省九州地方整備局からの要請に応えたもの。「タフネル オイルブロッター」については、佐賀県六角川から有明海への油流出防止のために、大牟田工場(福岡県)からの支援となった。

 同社は、「『九州北部大雨』により亡くなられた方々とご遺族に謹んでお悔やみを申し上げますとともに、被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます」と、1日も早い復興を願っている。

出光興産 シェル美術賞2019、対象作家5人を決定

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2019年9月6日

 出光興産はこのほど、シェル美術賞の過去受賞・入選作家のキャリア支援を目的とする「シェル美術賞 レジデンス支援プログラム2019」の対象作家1人、「シェル美術賞 アーティスト・セレクション(SAS)2019」の出展作家4人を決定したと発表した。

 「レジデンス支援プログラム」は、可能性を秘めた若手作家が海外滞在や他国の作家との交流を通じ新しい刺激と気付きを得ることで、作家としてよりステップアップすることを目的に、昨年からスタートした企画。今年もフランス・パリのレジデンス施設「シテ・アンテルナショナル・デ・ザール」での制作活動(渡航費、滞在費、住宅兼スタジオ費、フランス語レッスン受講費用など)を支援する。

 今回は、日・英語での書面や面接で制作コンセプト、滞在プランなどを様々な視点から審査した結果、シェル美術賞2012入選作家の武田竜真氏を選出した。武田氏は今年12月から来年1月まで「シテ・アンテルナショナル・デ・ザール」に滞在し、他作家との交流や制作活動などに取り組む。滞在の終盤には、現地での発表の機会としてオープンスタジオ(作品展示)を開催する。

 一方、「SAS2019」は、「シェル美術賞」の受賞・入選後も作家を継続的に支援することを目的とした企画展。前年度の審査員により選出した若手作家4人の新作・近作を、12月開催の「シェル美術賞展2019」展覧会場内に展示する。

 8回目となる今回は、江川純太氏、川上雅史氏、Colliu氏、村上早氏を選出。また、今年度は昨年の「レジデンス支援プログラム2018」に参加した大城夏紀氏の展示も併せて行う。同社は今後も、次世代を担う若手作家のキャリアを様々な企画・プログラムを通して支援していく考えだ。

帝人フロンティア ベトナムで「サプライチェーンCSRセミナー」開催

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2019年9月6日

 帝人フロンティアは18日にベトナム・ホーチミン市のホテルニッコーサイゴンで、現地の取引先を対象とした「サプライチェーンCSRセミナー」を開催する。

 同社が2012年から取り組んでいる「CSR調達」推進の一環として開催するもので、現地の取引先での法令順守と人権保護の徹底を目的としている。

 講演内容は①「CSRの潮流」(エナジェティックグリーン)②「ベトナム企業のサステナビリティ活動と優良事例」(ベトナム商工会議所)③「ベトナム労働安全衛生に関する動向」(ベトナム労働傷病兵社会省)④「環境問題対応に関する動向と先進事例」(ベトナム環境総局南部環境部)。

 ベトナムでの開催は今回で7回目となり、昨年8月に開催した第6回セミナーには、縫製や検品、物流などのサプライヤーと同業他社35社の78人が参加した。サプライチェーンにおけるCSRやサステナビリティ関連の取り組みが注目される中、今回は多くの日本企業が生産拠点を置くベトナムで、人権尊重や労働環境の適正化、環境問題に関する動向や規制への対応について考える機会の提供を目指す。

 帝人フロンティアは素材の開発・調達から製品化に至るまで、一貫したバリューチェーンをグローバル展開している。事業継続の観点からCSR調達を極めて重要な課題と捉え、社員研修をはじめ、国内外調達先に対するアンケート調査や監査など、様々な活動を展開している。

 「サプライチェーンCSRセミナー」についても引き続き国内外で開催し、さらにCSR調達の輪を広げていくことを考えている。

三菱商事 MaaS事業を展開、フィンランドMG社へ出資

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2019年9月6日

 三菱商事はこのほど、MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)事業を展開するフィンランドのMaaS Global社(MG社)の第三者割当増資を引き受け資本参画したと発表した。

 MG社は、様々な交通手段(鉄道・バス・タクシー・レンタカー・レンタルバイクなど)を組み合わせたルート検索・予約・発券・決済までを可能とするMaaS事業を、スマートフォン用アプリケーション「Whim」を通じて世界で初めて実用化し展開している。

 MG社の強みは、「Whim」アプリを開発した技術力と、月額定額制で提供するなどの企画力にある。2017年のヘルシンキでの「Whim」サービス開始を皮切りに、現在はベルギー、イギリスでも同サービスを展開し、フィンランドでは同アプリのダウンロード数が10万を超えている。今後の計画として、日本を含む世界各国へのサービス地域拡大も予定している。

 MaaSは、人々の移動における利便性向上だけでなく、公共交通機関の利用促進を通じて、都市人口増加による自動車渋滞や環境問題などの課題の解決手段としても、市場の拡大が期待されている。こうした中、各国政府・自治体や様々な交通事業者などがMaaSの導入検討や実証実験を進めており、日本では、MaaSによる地方での交通手段の確保や観光地での移動の利便性向上なども期待されている。

 三菱商事は、今年4月の組織再編に伴い、新たに自動車・モビリティグループを組成。従来の自動車販売・金融などの事業拡大に加え、デジタル化やCASEの進展による業界構造の変化を捉え、ヒトやモノの移動に関する課題を解決するモビリティ・サービス事業への取り組みを進めている。

 今回のMG社への資本参画を契機として、海外ネットワークやさまざまな産業との接点を生かし、アジアを始めとする各国・地域へMG社事業の横展開を図る。さらには、不動産・小売・旅行など、移動の発着地点となるさまざまな関連事業者と連携し、単なる移動サービスを超えた事業(Beyond MaaS事業)にも取り組むことを目指していく。

帝人グループ オランダの美術館の「カラフル・ジャパン」に協賛

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2019年9月5日

 帝人グループは、オランダのアムステルダム市立近代美術館で今月7日から開催される「カラフル・ジャパン」展に協賛する。

 同社グループは、企業理念の1つとして「社会とともに成長します」を掲げ、芸術・文化活動などを支援しており、2007年からは同美術館の主要スポンサーとなっている。また、その一環として、周辺地域では「バスタブ(浴槽)」の愛称で親しまれている新館正面とひさしの部分に、同社は世界最大規模の複合材料製パネルを提供した。

 同パネルは、テイジン・アラミド(オランダ・アーネム市)のパラ系アラミド繊維「トワロン」とテイジン・カーボン・ヨーロッパ(ドイツ・ヴッパタール市)の炭素繊維「テナックス」のシートに樹脂をコーティングした複合材料で、パネルの中核素材である変性硬質ポリウレタンフォームを両側から挟む「サンドイッチ構造」となっている。

 強度に優れ、縦方向への熱膨張率が小さいアラミド繊維と炭素繊維を使用することで、樹脂が熱で膨張した際の建造物への影響を最小限に抑えることができ、平坦な表面が維持される。新館には、これを185枚つなげた全長約100m、幅約25mという世界最大規模の複合材料製パネルが使用されている。

 「カラフル・ジャパン」展は、アムステルダム市立近代美術館が所蔵する、1930年代から現在に至るまでの日本人アーティストによる約800点のポスター作品のうち、スポーツ祭典や博覧会の告知ポスターなど266点を厳選した展示会。

 同社グループは、欧州での持株会社をオランダにもち、10年以上にわたりアムステルダム市立近代美術館と関わりのある日本企業として、「カラフル・ジャパン」展の趣旨に賛同し、協賛に至った。

デンカ 構造物診断技術による文化財保全事業に参画

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2019年9月4日

 デンカとグループ会社のデンカリノテックは、リノテックのコンクリート構造物の診断技術を活用し、世界文化遺産である京都・醍醐寺の文化財保全事業にKYOTO’S 3D STUDIOを通じて参画した。今回の取り組みは、第25回国際博物館会議京都大会(1~7日:国立京都国際会館)の醍醐寺ブースで紹介している。

醍醐寺三宝院唐門
醍醐寺三宝院唐門

 リノテックの診断技術は360度全方向へのレーザースキャニングにより、文化財などでの構造点群データを取得し、そのデータ情報を元に設計・施工から維持管理を行うもので、図面や設計図がない構造物にも適用することができる。

 加えて、損傷状況や修復履歴などの維持管理情報を三次元構造物モデルに関連づけしたBIM/CIMに応用し、立体的な資料として効率的に一元管理することが可能だ。

 さらに今後は、こうした3Dデジタル計測技術を、デンカが創業以来培ってきた無機材料設計・補修材料・施工技術と組み合わせることで、種々ある文化財のうち、歴史的価値の高いコンクリート構造物の効率的な長寿命化・高耐久化などにも取り組んでいく。

 デンカグループは経営計画「Denka Value‐Up」の下、「基盤事業のスペシャリティー化」を進めている。後世に伝え続けていかねばならない文化財保全事業の一翼を担うべく最先端の高付加価値インフラソリューションを提供し、SDGs(持続的な開発目標)の1つである「住み続けられるまちづくり」の実現に貢献していく考えだ。

大日本住友製薬 中国で抗精神病薬「ラツーダ」を発売

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2019年9月4日

 大日本住友製薬は3日、中国子会社である住友制葯(蘇州)が、非定型抗精神病薬「ラツーダ」を同日、中国で成人の統合失調症を適応症として発売したと発表した。

 「ラツーダ」は、同社が創製した非定型抗精神病薬で、米国などで「LATUDA」の製品名で販売中の同社グループの中核製品。今年1月に、中国の国家薬品監督管理局より輸入許可が得られていた。

 同社は中国で昨年発売した非定型抗精神病薬「ロナセン」に加え、今回の「ラツーダ」発売により、中国での統合失調症の治療選択肢を広げ、統合失調症治療に一層貢献できるものと期待している。