三菱ケミカル・JXTGエネルギー 鹿島地区の連携強化でLLPを設立

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2019年11月11日

 三菱ケミカルとJXTGエネルギーはこのほど、茨城県鹿島地区での石油精製事業と石油化学事業のさらなる連携強化に向けて、両社共同出資による有限責任事業組合(LLP)を設立することを決定した。名称は「鹿島コンプレックス有限責任事業組合」で、11月中旬の設立を予定。出資比率は両社50%ずつ、代表者はJXTGエネルギーが派遣する。

 三菱ケミカル・茨城事業所とJXTGエネルギーが、グループ会社である鹿島石油と鹿島アロマティックスを通じて運営する鹿島製油所は、これまで、石油コンビナート高度統合技術研究組合事業(RING事業)への参画などを通じて連携を図ってきた。

 こうした中、国内における石油製品需要の構造的減少やアジア域内の石油化学プラントの新規立ち上げといった事業環境の変化を踏まえ、今回、更に踏み込んだ連携の検討を進めることにした。

 設立するLLPにおいては、石油精製から石油化学製品を製造する一連の工程を通じて、原料や製造プロセスの更なる効率化施策や、ガソリン基材の石化利用と石油化学製品(誘導品を含む)の生産最適化についての検討を深化させ、両事業所一体とした操業最適化により国際競争力強化を目指す。

 さらに、持続可能な環境・社会の実現を追求する機運が高まる中、循環型社会形成への貢献をLLPの検討テーマに据え、廃プラスチックを石油精製・石油化学の原料として再生利用するケミカルリサイクルの技術検討に取り組んでいく。

東洋紡 海水淡水化へ新技術、サウジで共同実証実験を開始

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2019年11月7日

 東洋紡は、海水淡水化プラントから排出される濃縮海水を効率的に利用する新しい膜技術の実用化に向け、先月9日にサウジアラビアの海水淡水化公団(SWCC)と、東洋紡の連結子会社であるAJMCとともに、共同実証実験の実施に関する覚書を締結した。

調印式で(左から)AJMC のサイードCEO、SWCC のアルハズミ総裁、東洋紡の楢原社長
調印式で(左から)AJMC のサイードCEO、SWCC のアルハズミ総裁、東洋紡の楢原社長

 実用化を目指すのは、「ブラインコンセントレーション(塩水濃縮)膜」=BC膜=と呼ばれる、高濃度の海水を処理するための新しい膜技術だ。東洋紡が長年培った中空糸型逆浸透(RO)膜の技術を応用したもの。BC膜を活用することで、海水淡水化プラントで真水を製造する過程で排出される濃縮海水を、希釈された海水とさらに高濃度な濃縮海水とに分離できる。

 希釈された海水は、海水淡水化プラントで再利用し、造水量を増加させ、高濃度の濃縮海水からは、蒸発・結晶化工程を経て、効率的な有価物の回収が期待されている。BC膜技術の実用化により、濃縮海水を余すことなく再利用する無排水化の実現に向けた取り組みを支援していく考えだ。

 雨水や地下水に乏しい中東地域では、海水から飲料水を作り出す海水淡水化プラントが多く稼働しており、中でもサウジアラビアでは、厳しい気候や人口増加、経済成長を背景に旺盛なプラント需要がある。

 東洋紡は、1980年代から海水淡水化プラント用として中空糸型RO膜を長年にわたり供給してきた。現在、中空糸型RO膜が作り出す真水は1日あたり約160万t、640万人分の使用量に相当する。

 今回の覚書締結を受け、3者はSWCCのアル・ジュバイル海水淡水化プラントに設置される実証実験装置の運転を開始する予定。BC膜の基本特性を把握するとともに、運転ノウハウを確立し、早期の実用化を目指す。

大日本住友 英・ロイバントとの戦略的提携、契約を締結

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2019年11月7日

 大日本住友製薬はこのほど、英国のロイバントサイエンシズとの間で、戦略的提携に関する正式契約を締結したと発表した。

 投資総額は30億ドル(約3300億円)で、同戦略的提携には、ロイバントの子会社5社の株式取得、他の子会社6社の株式取得に関するオプションの獲得、ロイバント株式の10%以上の取得、ヘルスケアテクノロジープラットフォームの取得が含まれている。

 大日本住友は「中期経営計画2022」の中で、収益の柱である米国での非定型抗精神病薬「ラツーダ」の独占販売期間終了後も持続的な成長を実現するため、「成長エンジンの確立」と「柔軟で効率的な組織基盤づくり」を基本方針として掲げ、事業基盤の再構築に取り組んでいる。

 ロイバントは、機敏性と起業家精神を重視したバイオファーマ会社である「Vant」を複数設立し、革新的な医薬品とテクノロジーを患者に迅速に提供することにより、健康に寄与することを目指している。各Vantは、独特な手法による人材の採用やテクノロジーの導入を通じて研究開発と販売の効率化に取り組んでいる。

 大日本住友は、戦略的提携により、2022年度までに上市が期待され将来的にブロックバスターとなりうる開発品を含む、多数のパイプラインを獲得することに加え、グループ全体のR&D生産性の向上、デジタルトランスフォーメーションの加速を図り、中長期的な成長を目指す。

三井化学 台風15号・19号による被災地・被災者支援

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2019年11月7日

 三井化学は5日、台風15号と19号による被災地や被災者支援のため、日本赤十字社を通じ義援金500万円を寄付する、と発表した。また、CSRの一環として行う社内の寄付基金積み立て活動「ちびっとワンコイン」からも同団体に寄付する。

 三井化学グループでは、今回の義援金のほか、市原市と緊急災害対応アライアンス「SEMA(シーマ)」の要請により、同社関連製品のブルーシート349枚(台風15号=199枚、19号=150枚)を提供した。

 同社はこのたびの台風被害ついて、「亡くなられた方々とご遺族に謹んでお悔やみを申し上げますとともに、被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます」とコメントしている。

住友化学 台風19号豪雨災害の被災者と被災地に寄付

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2019年11月7日

 住友化学はこのほど、台風第19号の被災者の救済や被災地支援ため、日本赤十字社を通じて300万円を寄付すると発表した。また、「経団連1%(ワンパーセント)クラブ」が募集する日用品などの支援に賛同し、グループ会社とともに、役職員から募った物資を提供する。

 同社は「豪雨災害により亡くなられた方々とご遺族に謹んでお悔やみを申し上げますとともに、被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます」とコメントしている。

カネカ PHBH製ストローの導入拡大、セブン‐イレブン1万店に

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2019年11月6日

 カネカとセブン‐イレブン・ジャパンは、11月5日から順次「セブンカフェ」のアイスコーヒーとアイスカフェラテで、PHBH製ストローの使用を開始した。対象店舗は北海道・北陸・関西・中部・四国・九州・沖縄の約1万店となる。

 両社は共同で「カネカ生分解性ポリマーPHBH」を用いた製品の展開に取り組んできた。PHBHを使用したセブンカフェ用のストローは、8月から高知県内のセブン‐イレブンで先行導入したが、さらなる環境対応を推進するため、エリアを拡大することにした。

 プラスチック素材の製品は、暮らしにとって便利で欠かせないものになっている一方、適切な処理がなされないことによって、マイクロプラスチックとして海中に漂い、生態系や人々の健康へ影響を与える懸念が高まっている。

 PHBHは、カネカが開発した100%植物由来のバイオポリマーで、幅広い環境下で優れた生分解性を持つ。特に近年では、マイクロプラスチックによる海洋汚染が世界的な社会問題となっており、生態系への影響が懸念されているが、PHBHは海水中で生分解する認証「OK Biodegradable MARINE」を取得しており、海洋汚染低減に貢献する。

 カネカは今後も、セブン&アイ・ホールディングスとPHBHを使用した各種製品の開発を進め、環境汚染問題にソリューションを提供していく。

三井化学 眼球手術訓練シミュレーターがグッドデザイン賞に

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2019年11月6日

 三井化学と名古屋大学はこのほど、ヒトの眼に近い眼球モデルを搭載した眼球手術訓練シミュレーター「Bionic‐EyE」が、2019年度グッドデザイン賞(主催:日本デザイン振興会)を受賞したと発表した。高い技術に加え、医療従事者の技術向上や、将来的な医療用ロボットの性能向上への貢献が高く評価された。

 同シミュレーターは、東京大学と共に行った、内閣府の革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)によるオープンイノベーションで開発。三井化学の材料技術と、名古屋大学未来社会創造機構・新井史人教授と小俣誠二特任助教の精密工学技術に、東京大学眼科教室・相原一教授の医学的知見や、東京大学工学研究科・光石衛教授と原田香奈子准教授の医療ロボット技術を組み合わせた。

 ヒトの眼球の特性を研究し、材料を層状に構成することで、数ミクロンの非常に繊細な組織である白目の感触を忠実に再現。難易度の高い緑内障の手術スキルを画期的に向上させることに貢献している。

 緑内障は失明原因の第1位。患者が増加する中、緑内障手術時の白目の薄切りと縫合という難易度の高い手術には、若手医師の早期育成が喫緊の課題となっている。従来の訓練では、ヒトの眼球より硬いブタの眼球を使用するなど、訓練の有効性や衛生面、動物愛護の観点からも問題があった。

クレハ 譲渡したブローボトル事業に出資、製造・販売を支援

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2019年11月6日

 クレハはこのほど、共同印刷が設立した「共同クレハブローボトル」に11月1日付で出資し、ブローボトルの製造を行うと発表した。出資比率は共同印刷が75%、クレハが25%。

 クレハは7月24日に、ブローボトル事業を共同印刷に承継させる契約を締結した。クレハが製造・販売してきたブローボトルは11月1日以降、製造は共同クレハブローボトルが、販売は共同印刷が行う。それぞれに対し、クレハからブローボトルの製造・販売に従事していた従業員が出向してサポートする。

 ブローボトルは内層にガスバリア性に優れたEVOH樹脂を使い、内外層にオレフィン樹脂を使用した、共押出中空成形法による食品用の多層プラスチック容器。優れたガスバリア性により水分・酸素・CO2のガスを通しにくく、微生物や酸素による食品の変敗を防ぐとともに、保香性にも優れている。これらの特性を生かし、マヨネーズやケチャップ、ソース、ドレッシング、油などの液体容器として利用されている。

 クレハは機能製品事業をコアとする事業ポートフォリオへの変革を進めている。ブローボトル事業を共同印刷に承継させることで、同社の生活・産業資材部門の製品群とのシナジーが発揮され、クレハと共同印刷相互の事業の発展に資すると考えている。

ダイセル 近畿地方発明表彰で発明奨励賞を受賞

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2019年11月6日

 ダイセルは5日、グループ会社であるダイセル・エボニックが、今年度の「近畿地方発明表彰」で、「ゴム‐ナイロン複合化シート」の功績により「発明奨励賞」を受賞したと発表した。

 「地方発明表彰」は優れた発明などを生み出した技術者・研究者に対して行われるもので、1921年からの歴史がある。今回の表彰では、優れた発明の完成、実施効果の高さ、地域産業への貢献が評価された。

 同発明は、ナイロンフィルムとゴムを化学反応で直接接合させたシート。「R‐COMPO」として販売しており、世界的にもユニークな素材として、ビジネスシューズ、カジュアルシューズを問わず、様々な靴に採用されている。特に靴底に使われ、従来以上の軽量化とグリップ力を実現し、スポーツ分野ではオリンピック出場選手にも愛用されている。

 これまで必要だった接着剤、溶剤が不要なため、作業者の健康や周辺の環境に対してより配慮した製造が可能だ。なお表彰式は、11月19日に福井市の「ザ・グランユアーズフクイ」で行われる。

日本触媒 近藤忠夫名誉顧問が「旭日中綬章」を受章

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2019年11月6日

 日本触媒は5日、近藤忠夫名誉顧問が、日本の産業振興に貢献した功労により、秋の叙勲で旭日中綬章を受章したと発表した。

 近藤名誉顧問は「この受章は私個人が受けたものではなく、これまで関わらせて頂いた関連業界および弊社グループを代表したものと受け止めている。これまで大変お世話になった取引先、関連業界団体、弊社グループの先輩・社員の皆様に、心より感謝するとともに厚く御礼申し上げる」とコメントしている。