東ソー グループ2社がインテルからPQS賞を受賞

, , , ,

2019年4月9日

 東ソーグループのトーソーSMD(米国オハイオ州)とトーソー・クォーツ(米国オレゴン州)はこのほど、インテルが表彰する2018年PQS(プリファード・クオリティー・サプライヤー)賞の受賞企業に認められた。

 同賞は絶え間ない卓越性への追求と、確固としたプロフェッショナリズムを備えた事業活動を行う企業を表彰するもの。

 PQSの資格を満たすには、供給企業に1年を通じての実績が評価される総合的なレポートで、80%以上のスコアが求められる。また、要求水準の高い継続的な改善計画で80%以上を達成し、確固たる品質と事業遂行を提供することも求められている。

 トーソーSMDは半導体、ディスプレイ、太陽光発電、建材、産業用コーティング市場の製造業者に、薄膜材料とソリューションを提供するリーディングカンパニー。1975年からオハイオ州グローブ・シティに本社を置き、台湾・韓国・中国にも拠点をもって事業を展開している。

 トーソー・クォーツは半導体産業が集積回路(IC)製造に使用する、石英ガラス製品の製造に関する業界リーダーで、1970年からオレゴン州ポートランド、1993年から英国ダラム州で事業を展開している。

 インテルのジャッキー・スターム副社長兼グローバル・サプライ・マネジメント本部長は「PQS賞受賞のサプライヤーはインテルの成功にとって不可欠な存在」と述べている。

宇部興産 スペインのコンパウンド企業買収、PA6事業を強化

,

2019年4月9日

 宇部興産は8日、連結子会社のウベコーポレーションヨーロッパ(UCE)が、スペインのコンパウンドメーカーであるレポール社を買収したと発表した。3月29日に株式譲渡契約書を締結し、31日に株式の過半数を取得した。

 レポール社はナイロン6、ナイロン66をはじめとし、ポリプロピレン、ポリアセタールなどの樹脂を原料とするコンパウンド事業を欧州で展開している。その製品は自動車を中心に、産業資材や電機・電子分野など、幅広く使われている。

 宇部興産はナイロン6事業を積極拡大事業と位置づけ、市場優位性をもつ押出用途のさらなる強化と射出用途の事業領域拡大を進めている。

 今回の買収では、ナイロン6事業での技術・販売の補完関係に加え、レポール社のもつナイロン以外の樹脂でのコンパウンド技術と、製品開発力を獲得することができる。また、プラスチック包装材への環境規制が厳しくなる中、レポール社のもつリサイクル技術は、今後の宇部興産グループのグローバルな製品開発・事業展開に寄与することが期待される。

 同社グループはUCEが保有するコンパウンド工場に加え、自動車の軽量化に向けた樹脂化をけん引する欧州市場に、新たな事業拠点を獲得することになる。

 また、宇部興産のもつ日本・タイの製造拠点とのシナジーを通じ、欧州だけでなく環大西洋とアジアでも、自動車分野などへの射出・コンパウンド事業展開をより一層加速させていく。

三菱ケミカル 生分解性プラ使用の紙コップが次世代カップに選定

, ,

2019年4月8日

 三菱ケミカルはこのほど、同社の生分解性プラスチック「バイオPBS」を用いた紙コップが、次世代のカップを表彰するコンテスト「ネクストジェン・カップ・チャレンジ」で、最もイノベ―ティブなカップの1つとして選定されたと発表した。

受賞した紙コップ
受賞した紙コップ

 「ネクストジェン・カップ・チャレンジ」は、米スターバックスなどが設立した「ネクストジェン・コンソーシアム」の主催。

 三菱ケミカルとタイのPTTグローバルケミカル社が折半出資するPTT MCCバイオケム(PTT MCC社、バンコク)が「バイオPBS」をラミネートに用いた紙コップを出品し、その再生可能性や生分解性が評価された。

 「バイオPBS」は三菱ケミカルが開発し、基本特許を持ち、PTT MCC社が製造する植物由来の生分解性プラスチック。自然界の微生物によって水とCO2に分解されるため、自然環境への負担が少なく、既存の樹脂加工設備で容易に加工できるといった特徴がある。

 「バイオPBS」を使った紙コップは、すでに3年以上、実店舗での使用実績があり、産業コンポスト設備での処理・リサイクルが可能だ。

 今回、ネクストジェン・カップ・チャレンジのために開発した新たな紙コップは、家庭用コンポスト設備を用いて常温で処理できるよう改良。50カ国以上の国から応募された480点のアイデアの中から、12の受賞者の1つとして選ばれた。

 なお、ネクストジェン・コンソーシアムは、米スターバックスとマクドナルドが設立し、食品サービス業界の大手ブランドオーナーがサポーティング・パートナーとして、世界自然保護基金(WWF)がアドバイザリー・パートナーとして協力している。

 世界的な食品包装廃棄物の問題を解決するために活動しており、ネクストジェン・カップ・チャレンジは、循環可能な次世代紙コップの事業化を目的とした、同団体の最初の取り組みの一つである。

 

SABIC 光学熱可塑性樹脂が設計ソフトDBに初登録

, ,

2019年4月8日

 大手化学製品メーカーのサウジ基礎産業公社(SABIC)はこのほど、4種類の高耐熱光学熱可塑性樹脂が、ゼマックス・オプティックスタジオの材料データベースに追加されたと発表した。ゼマックス・オプティックスタジオは、光学システム設計ソフトウエアの業界標準となっている。

 登録された高機能性材料は、2種類の高耐熱性「レクサン」CXTポリカーボネート(PC)コポリマーのほか、「ウルテム」ポリエーテルイミド(PEI)樹脂と、「エクステム」ポリイミド樹脂の計4種類。

 これらはオプティックスタジオに初めて登録された高耐熱光学熱可塑性樹脂材料で、光学センサーやレンズの設計者に、ガラスやエポキシ樹脂以外の新しい革新的な材料の選択肢を提供することになる。

 「レクサン」CXT17とCXT19PCコポリマーは、過酷な成形条件下でも高耐熱性と高流動性、優れた色安定性をバランス良く発揮する。また、2つのコポリマーは1.6を超える高い屈折率と、紫外線可視スペクトル範囲で高い透過性を兼備している。

 「ウルテム」1010PEI樹脂は、固有の難燃性、高強度と寸法安定性、赤外線スペクトル範囲での高い光線透過率、マイナス40~180℃の広範な温度範囲で耐熱性を持つ。

 「エクステム」XH1015ポリイミド樹脂は、小型部品や複雑形状部品、薄肉部品で卓越した高耐熱性と高流動性を提供する。これらの材料は、ガラスやエポキシ樹脂にはない、大きなメリットをもたらすことができる。

 設計ではさまざまな制約を減らすとともに、設計自由度の向上、薄肉部品や長尺部品、質感の選択など、革新的な形状を実現する。

 また、成形の観点では射出成形によってサイクルタイムを短縮できるほか、エポキシ樹脂で必要となる硬化工程の排除、光学ガラスで必要な高コストの研磨や艶出し工程が不要となる。

帝人 多様な取り組みが評価され「なでしこ銘柄」に選定

,

2019年4月8日

 帝人は経済産業省と東京証券取引所が共同で女性の活躍推進に優れた企業を選定する、2018年度の「なでしこ銘柄」に2年連続で選定された。

 帝人グループは先進的に女性活躍の推進に取り組んでおり、2000年から新卒総合職の女性採用比率などの目標を掲げているほか、現在は国内外を対象に、女性管理職数・女性役員数の目標値を掲げるなど、より一層女性活躍を推進している。

 2020年度に女性管理職数を180人以上といった到達目標を設定しており、その目標達成に向けて、女性リーダーシップ研修やサクセッションプラン(女性候補者の設定)、配偶者海外転勤同行休職制度など、女性管理職の登用推進に向けた制度運用を強化している。

 今回の「なでしこ銘柄」選定は、こうした女性活躍推進の取り組みが評価されたと同社では考えている。「なでしこ銘柄」は、女性活躍推進に優れた上場企業を、「中長期の企業価値向上」を重視する投資家にとって魅力ある銘柄として紹介し、それを通じて企業への投資を促進して、各社の取り組みを加速していくことを狙いとしている。

 今年度は上場企業約3600社のうち、同社を含め42社が「なでしこ銘柄」に選定された。なお、同社は「攻めのIT経営銘柄2018」や「健康経営優良法人」にも選定されている。

積水化学 生産子会社2社を統合、「西日本積水工業」に

,

2019年4月8日

 積水化学工業の環境・ライフラインカンパニーはこのほど、西日本エリアの生産子会社の再編を実施し、「西日本積水工業」を発足した。

 同カンパニーでは、主力事業である塩化ビニル管などの汎用品事業で、住宅着工数の減少や新設の公共投資予算の縮小により、将来的に需要が減少すると見込んでいる。こうした国内需要構造の変化を見据え、将来的に必要とされる生産能力・物流体制などを総合的に検討してきた。

 その結果、昨年4月の東日本積水工業に続き、西日本エリアの岡山積水工業と栗東積水工業の2社のマネジメントを一元化することで、西日本エリアでの生産コストと物流コストの効率化を推進することにした。

 栗東積水は、塩ビ管の主力製造拠点である滋賀栗東工場の工場内生産子会社、岡山積水は主に中四国エリア向けの建材や継手などを製造する生産子会社だった。岡山積水と栗東積水の2社の経営統合にあたっては、岡山積水を存続会社とし、栗東積水の事業のすべてを岡山積水が継承することにした。

 また、統合後の会社の名称を「西日本積水工業」に、本社所在地を滋賀栗東工場内に変更し、新たな体制で事業運営の一層の強化と事業価値の向上を図っていく。

 

DIC コベストロとの合弁会社、出資比率の引き下げを完了

, , ,

2019年4月8日

 DICはこのほど、コベストロジャパンとの合弁会社ディーアイシーコベストロポリマー(DCP)の出資比率を4月1日付で変更したと発表した。

 DICが保有していたDCP普通株式30%をコベストロジャパンに譲渡し、出資比率はDIC20%・コベストロジャパン80%となった。

 DICは昨年11月、コベストロジャパンの親会社であるコベストロ社の、広範なグローバルネットワークを通じて熱可塑性ポリウレタン(TPU)事業全体の有機的成長に貢献する戦略に共感し、株式譲渡に合意していた。

 同社は、これまでの長期にわたる強力なパートナーシップを継続しつつ、原料供給などでも引き続きDCPを支援していく考えで、DCPは今後も製造と技術開発をDIC堺工場内にあるDCP堺プラントで行う。

 DCPは、2000年6月発足以降、DICの既存製品であった「PANDEX」を主体に、コベストロ社の「Desmopan」と「Texin」を輸入販売し、TPUのリーディングメーカーとして日本のTPU市場を牽引してきた。

 基本物性に優れ、環境に配慮したTPUは、自動車・家電・通信機器・医療・ヘルスケア・スポーツ用品などの幅広い領域で使われている。

JXTGエネルギー 台湾最大の洋上風力発電事業に参画

, ,

2019年4月8日

 JXTGエネルギーは5日、台湾で洋上風力発電所の建設・運営を行う允能(ゆんねん)ウインドパワー社の権益の6.75%を取得し、台湾での発電事業と洋上風力発電事業に初めて参画すると発表した。

 今回のスキームはJXTGエネルギーと双日、中国電力/中電工、四国電力が共同で参画したスターウインド・オフショア社が、允能ウインドパワー社の持株会社である雲林(ゆんりん)ホールディングス社の株式を、ドイツの大手再生可能エネギー開発事業者のwpdグループから27%(JXTGエネルギー持分は6.75%)を取得するものだ。

 允能ウインドパワー社は2021年12月までに、台湾の雲林県沖合で、同国最大規模となる640MW(64万kW)の洋上風力発電所(着床式)を建設。台湾の再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)に基づき、台湾電力に20年にわたり電力を販売する。

 台湾は2025年までに、5.5GW(550万kW)の洋上風力発電導入を目指しており、今回の開発エリアでもある西海岸一帯を風力発電の開発エアリアと定め、積極的に導入を後押ししている。

 JXTGエネルギーは台湾だけでなく、世界的にも開発余地の大きい洋上風力発電事業に参画し、知見を習得することで再生可能エネルギー事業の推進を図り、低炭素社会の実現に貢献していく。

【化学企業 入社式訓示④】トクヤマ 横田浩社長

, ,

2019年4月5日

 皆さんは、まさにVUCAという言葉に代表されるような激動、不確実、複雑、不透明な時代に社会人としての一歩を踏み出した。自由と民主主義を基調にした正義が揺らぎつつある。

 AIは人類を豊かにするのか、人の脅威になるのか、人の仕事を奪うのか、共存できるのか。こうした世の中にあって、何に希望を見出してこれからの人生100年時代を生き抜いていくのか。

 常に勉強し知識を蓄えながら、仕事の実践を通じて、自分を磨き続けることが大事。そして、しなやかに世の中の変化に対応していく。そうした能力を、人間力を養い続けることによってしか、明るく楽しい人生を切り開く術はないのではないか。

 変化の中には必ずビジネスチャンスがある。そのチャンスをつかみ取るには不断の積み重ねにより、広く細密な網を張れるかどうかにかかっている。常にその準備を怠らないこと。

 皆さんには、トクヤマのビジョンにある4つの価値観を常に念頭にそれを実践する社員になってほしい。

 1、日本人が育んできた求道的職業倫理を持って自立した人になる。

 2、勉強する習慣を身に着け、ベースになる知識を基に常に好奇心を持てる人になる。

 3、常に外に目を向けて、世界中の人と触れ合いながら人間力を磨く人となる。

 ドラッカーはこう言っている。 「未知への跳躍を大きくしようとすれば、離陸の基礎を固めなければならない」。皆さんはプロの仕事人にならなければいけない。

 4、これをやりたいという自立した人になってほしい。そうすれば仕事はとても面白くワクワクするような日々を過ごせるようになるはず。

 最後に、創業者である岩井勝次郎の言葉を紹介してあいさつを締めくくりたい。「常に事業は艱難に成り、安逸に敗る」。

 わが社はマレーシアのつまずきから立ち直り、今、成長戦略に軸足を移した。常に困難に立ち向かってこそ事業は強くなる。それは社員一人ひとりの力の結集でしか成し遂げられない。そしてより高みを目指すには、 一人ひとりの力が他社に負けない力を持っていなければならない。

 まさに企業は人なり。皆さんに大いに期待している。

 

【化学企業 入社式訓示④】東洋紡 楢原誠慈社長

, ,

2019年4月5日

 近代産業の父であり、当社の創業者でもある渋沢栄一氏は、「順理則裕(じゅんりそくゆう:りにしたがえばすなわちゆたかなり)」を座右の銘に掲げていた。これまで「順理則裕」は、「道理に生きることで、心がゆたかになり、いずれ繁栄につながる」と解釈されてきた。

 しかし、渋沢氏が著書「論語と算盤」などで道徳と経済の一致を説いた真意とは、〝なすべからずことはするな〟という消極的な〝理〟のみならず、〝なすべきことをせよ〟という積極的な〝理〟を重視していたに違いないとの思いに至った。

 そこで当社は、「順理則裕」を〝なすべきことをなし、ゆたかにする〟、すなわち〝企業は本業を通じて、企業の利益と社会的課題の解決を両立させることによって社会貢献を目指すとともに、自らの事業も成長させよ〟と、能動的な行動原理として再定義した。

 これは、近年広く世の中で提唱されている〝CSV(共有価値の創造)〟に通ずる概念だ。100年も前の日本でこのような考えを説いた創業者の遺志に応え、環境・ヘルスケア・高機能で、社会に貢献する価値を創りつづけるカテゴリー・リーダーを目指し、邁進していこう。

 「1/3思考」の実践についてお話しする。皆さんにとって慣れない社会人生活がスタートし、「今日のこと」ばかりで過ごす日々が続くことだろう。

 そこで、「足元(今日)」だけにとらわれないように、3分の1ずつ違うことを考えてはどうだろうか。

 1つ目は「基礎を学ぶこと」。

 2つ目は「夢を描くこと」。

 3つ目は「順理則裕を実践すること」。

 このように、「足元」「未来」「(社会人としての)土台」について3分の1ずつ考え、行動することで、皆さんがこれから成長し、会社の発展にも寄与するものと信じている。