DNP リサイクルしやすいフィルムパッケージ2種を開発

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2018年9月7日

 大日本印刷(DNP)は6日、食品や日用品などに使用されるフィルムパッケージ向けに、よりリサイクルしやすい単一素材(モノマテリアル)で構成したパッケージ2種を開発したと発表した。

 近年、海洋プラスチック汚染が大きくクローズアップされ、全世界でリサイクルの推進が求められている。これまでのフィルムパッケージは、特性の異なる複数の素材を組み合わせて各種機能を付与しているため、リサイクルがしにくいという問題があった。

 同社はモノマテリアルによるフィルムパッケージの開発に注力し、製品化に成功。これまで培ってきたプラスチック基材へのコンバーティング技術や製膜技術、蒸着技術などを生かして必要な性能を付与することで、フィルムパッケージとしての機能を損なうことなく、PE素材とPP素材のモノマテリアルパッケージを実現した。

 さらに、地球温暖化防止への取り組みとして、一部に植物由来原料を使用したフィルムを使用することで、石油由来の原材料の使用を削減するとともに、ライフサイクル全体のCO2排出量の削減にも寄与していく。

 昨今の環境に対する危機感から、コストがアップしても環境配慮の取り組みを推進する企業が増加しており、今後はさらに環境配慮パッケージへの要求が高まっていくことが予測される。同社は、製造するフィルムパッケージをリサイクルしやすいモノマテリアルパッケージなどに切り替えることで、2025年度で国内と海外市場を併せて年間500億円の売上を目指す。

 今後も、モノマテリアルパッケージの性能向上や、製品ラインアップの拡充を進めていくことに加え、フィルムパッケージのリサイクルを推進する技術の開発や、スキーム(枠組み・仕組み)の構築についても、リサイクル業者や食品・日用品メーカー、流通企業などと共同で推進していく考えだ。

新日鉄住金エンジ 大ガスとタイでエネ供給プロジェクト

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2018年9月7日

 新日鉄住金エンジニアリングと大阪ガスはこのほど、共同出資するタイの現地法人NSETが、同国で二輪車製造を行うホンダグループのタイ・ホンダ・マニュファクチャリング向けオンサイトエネルギー供給プロジェクトを竣工し、4月1日からエネルギー供給を開始したと発表した。

 同様のエネルギー供給プロジェクトは、昨年11月のホンダ・オートモービル・タイランド社向けに続き、同国では4件目となる。両社は引き続き、これまでの豊富な建設・操業・保守経験を生かし、環境性・経済性に優れたエネルギーエンジニアリングソリューションを提供することで、低炭素社会の実現に向けた顧客企業の取り組みに貢献するとともに、タイでの事業拡大を図っていく考えだ。

 同プロジェクトはガスエンジンによる発電後の排熱から蒸気・温水の双方を回収し、電熱供給する高効率コージェネレーションシステムと、高効率ターボ冷凍機を用いた冷水システムの導入により、15年間にわたり電気と熱(蒸気・温水・冷水)の供給を行い、工場内の省エネを図るもの。

 ガスエンジン・コージェネ設備の能力は、発電出力:7800kW、温水供給能力:2000kW、蒸気供給能力:4t/時、冷水供給能力:4900kW、想定CO2削減量:7000t/年。NSETが、コージェネの建設からオペレーション、ガスの調達まで全て行う「エネルギー・ワンストップサービス」を提供するビジネスモデルとなっている。

 また、系統電圧が低下した際には速やかに自立運転に移行し、コージェネが非常用電源として単独でのエネルギー供給を継続することが可能なため、系統事故時でも工場操業を安定化できる。

 環境面では、同プロジェクトは2国間クレジット制度(JCM)に基づくクレジットの獲得を目指す「環境省 平成27年度JCM設備補助事業」に採択されており、8月23日に環境省の確定検査を完了。JCMを活用することで、15年間で約10万tのCO2を削減し、日本のCO2削減目標の達成に貢献する。

帝人F 「ポランバリア」が花粉問題対策の認証マークを取得

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2018年9月7日

 帝人フロンティアはこのほど、花粉対策素材「ポランバリア」が、花粉問題対策事業者協議会(JAPOC)の認証マークであるJAPOCマークを取得した、と発表した。認定番号はJAPOC‐0043~0049。衣料用の生地がJAPOCマークを取得するのは初めて。

 JAPOCマークは、JAPOCが制定した花粉問題対策のシンボルマークであるとともに、JAPOCの規格を満たした製品・用品に付与される認証マーク。関連業界の発展と生活の向上に寄与することを目的としている。

 ポランバリアは細い糸を高密度に織り上げ、生地の表面を平滑にすることで、衣服に付いた花粉を落としやすくした花粉対策素材。コート、ジャンパーなどのアウターウェアや、スポーツウェアなどの素材として使われている。

 ポランバリアが衣料用の生地として、初めてJAPOCマークを取得したのは、衣服に付着した花粉を払い落としやすい性能や、衣服着用時の快適性能など、衣料用の生地に対する全ての評価基準をクリアしたことによる。

ULジャパン EV・HV用電磁環境両立性試験サービス開始

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2018年9月7日

 米国の第三者安全科学機関ULの日本法人であるULジャパン(三重県伊勢市)はこのほど、愛知県みよし市の自動車業界向け試験所「オートモーティブ テクノロジー センター」(ATC)内に、国内初となる電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HV)部品向け固定型ダイナモメーター搭載電波暗室「EHV Chamber」 を開設した。

 既存の高電圧対応電気試験に加え、EV/HV向け最新試験のワンストップ・サービスを提供する国内唯一の試験所となった。今月3日から正式にEMC(電磁環境両立性)試験サービスを開始している。

 同社はEV/HV市場拡大に備える国内車両メーカーや部品メーカーの試験期間の短縮を実現し、開発体制のサポートをさらに強化していく考えだ。2016年10月に発行された国際規格「CISPR 25:2016 Edition4」では、Annex ⅠにEV/HVに搭載される高電圧電源製品の評価方法が新たに追加された。これにより、EV/HV用車載部品の製品化段階で、走行中を模した実負荷試験が要求されるようになった。

 EHV Chamberは、最高トルク125Nm、最高回転数1万2000rpm、動力吸収容量一七〇kWまでの実負荷の再現が可能。さらに、ATCでは欧州メーカーが電気自動車に要求する電気試験(LV123、LV124、LV148)も提供しており、近年増加傾向にある車載向け高電圧製品にも対応する。

 米国・欧州が排ガス規制や燃費規制を開始するなど、現在各国の次世代自動車普及へ向けての対策が急速に進む中、国内各車両メーカーや部品メーカーも、EV/HVに付随する試験要求に対応するために、迅速に体制づくりを推進している。

 ULは最先端試験設備であるEHV Chamberの導入を通じて、EV/HV市場拡大に備えるメーカー各社の試験・開発体制構築をサポートするとともに、次世代自動車の普及と、自動運転技術の実現に貢献し、未来のクルマに対するトータルソリューションを提供していく方針だ。

SEMI 「世界OSAT工場データベース」の最新版を発表

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2018年9月7日

 マイクロ・ナノエレクトロニクス製造サプライチェーンの国際工業会であるSEMIと、テックサーチ・インターナショナルはこのほど、半導体後工程受託製造(OSAT)企業の、世界唯一のデータベースである「世界OSAT工場データベース」の最新版を発表した。

 同レポートは、半導体デバイスのテストとパッケージングを請け負う工場の最新情報を提供するもの。最新版レポートは320の工場を収録し、前回レポートから提供パッケージング技術や対応製品、新工場発表、オーナー変更など、80工場以上の情報が更新された。

 また、今回のアップデートでは両者の情報を組み合わせることで、2016年と17年の売上トップ20のOSAT企業リストを提供し、各工場の技術やサービスの変更を加えた。

 同データベースは中国、台湾、韓国、日本、東南アジア、ヨーロッパ、南北アメリカのOSAT工場を網羅している。特に、工場所在地、技術、能力、センサー、自動車、パワーデバイスなどの特化製品、提供パッケージング組み立てサービス、新規工場の発表(計画、建設中)を重点的に取り上げている。

 同レポートに収録された情報は、世界の120社以上の企業から、両者が収集した。レポートはシングルユーザー・マルチユーザーのライセンスで提供され、SEMI会員割引がある。

 SEMIは米国カリフォルニア州ミルピタスに本部があり、世界2000以上の会員企業、130万人の専門家をつなぎ、エレクトロニクス製造の技術とビジネスの発展を支援している。テックサーチ・インターナショナルは1987年の創立。アドバンストパッケージング技術とマーケット情報を専門とする、技術ライセンス・コンサルティング企業である。

ハネウェル プラント最適化ソリューションが日本で初採用

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2018年9月6日

 ハネウェルはこのほど、「つながる工場」製品群の「ハネウェル・コネクテッド・プラント」が提供する、クラウドベースのプラント最適化ソリューション「アセット・パフォーマンス・スイート」が、アジアで初めて日本国内で採用されたと発表した。 同社のトランスポーテーションシステムズ事業部が所有する、自動車用ターボチャージャー製造施設である児玉工場(埼玉県)で新規に導入した。

 ハネウェル・コネクテッド・プラントは、同社が長年にわたりプラント業界で蓄積した、専門性と制御技術の実績を集約した顧客のプラントに最高レベルの安全性と信頼性、効率性や収益性を可能にするソリューション。オペレーションのデータを「対応するための」情報として提示することで、プラントの稼働状態の最適化、異常の予測検知や不測の操業停止の防止に寄与する。

 プラントの稼働状態を常に高いレベルに維持することで、「毎日の操業をベスト」にする。児玉工場では工場内に設置した、標準的な産業通信プロトコルで接続した約70台のサードパーティー製の電気メーターや流量メーター、エアコンプレッサなどのフィールド機器からデータを取得。収集したデータはワイヤレス通信ゲートウェイから、安全にクラウドベースのアセット・パフォーマンス環境に送信する。

 アセット・パフォーマンスでプロセスデータと設備データから、アナリティクスとKPI(主要パフォーマンス指標)を作成。設備の稼働状態やエネルギー消費状況と参照することで、オペレーションを最適な稼働状態に維持するための対応に必要な情報を提示する。

 また、アセット・パフォーマンスの高精度の解析結果を、トランスポーテーションシステムズが運用する他社製のISO50001(エネルギーマネジメントシステム)プラットフォームに安全に統合し、将来のエネルギー消費を予測し計画運用する。

 ハネウェルトランスポーテーションシステムズの木下靖博・日本カントリーリーダーは「アセット・パフォーマンスを導入し、設備レベルの詳細な運転パフォーマンスをモニタリングし可視化することで、製造現場での空気漏れなどのエネルギーロスに至る要因を容易に特定し、省エネ化とエネルギーコストの削減ができるようになった」と話している

NEDO 「超スマート社会」で研究開発テーマを採択

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2018年9月6日

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)はこのほど、人工知能(AI)などの先進技術を活用した「超スマート社会」の実現に向けた研究開発プロジェクトを開始し、新たに6件の研究開発テーマを採択した。

 今回は大学を中心に各種デバイスメーカーなどを委託先として、「生産性」分野から3件、「健康、医療・介護」分野2件、「空間の移動」分野1件のテーマが採択された。NEDOは各事業を通じ、スマートモビリティ、地域介護システム、食品バリューチェーンなど、社会の様々なニーズにきめ細かく対応でき、あらゆる人が質の高いサービスを受けられる「超スマート社会」の構築を推進していく。

 政府が2017年に策定した「人工知能の研究開発目標と産業化のロードマップ」の中で、AI技術の社会実装が求められる重点分野として、「生産性」「健康、医療・介護」「空間の移動」の3つを設定。これを受けNEDOは、三分野を対象に研究開発プロジェクトを開始した。

 同プロジェクトでは、これまで開発や導入が進められてきたAIモジュール、データ取得のためのセンサー技術、研究インフラを活用しながら、サイバー(仮想)とフィジカル(現実)の両空間が高度に融合した「超スマート社会」を実現するための研究開発・実証を行う。

 AI技術は、欧米を中心に先行的なソフトウエアプラットフォームの研究開発が盛んだが、社会実装の実用例はまだ少ない。NEDOは同プロジェクトを通じて、日本の得意分野にAI技術を応用することで競争優位性を確保するとともに、AIの有効活用に不可欠な現場データの明確化と取得・蓄積・加工のノウハウを確立し、AIの社会実装の先行的な成功事例を創出していく考えだ。

 なお、同プロジェクトは「人工知能技術適用によるスマート社会の実現」として、実施期間は18~22年度(予定)、予算は約59億円を見込んでいる。

信越化学 シリコーン事業で1100億円の設備投資

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2018年9月5日

 信越化学工業はこのほど、主力事業の一つであるシリコーン事業で1100億円近くの設備投資を実施すると発表した。シリコーンの中間製品のモノマーとオイル系・樹脂系・ゴム系のさまざまな最終製品の生産能力を、国内外の主要な拠点で増強する。

タイのシリコーン拠点で100%子会社のアジア・シリコーンズ・モノマー社

 同社は世界の多くのユーザーから多種多様な要望を受けており、これに応えていくために一連の投資を行い、一貫生産体制をさらに強化するとともに、ユーザーの課題解決に貢献できる力を高める方針だ。

 今回の設備投資は約2年半にわたり段階的に実施し、モノマーの増強と最終製品の増強を並行して進めていく計画で、投資の内訳は、モノマーなど中間製品の生産能力の増強に約500億円、最終製品の生産能力の増強に約500億円、その他インフラや出荷など付帯設備の増強に約100億円を見込んでいる。

 モノマーは日本とタイの既存の拠点、最終製品群は日本に加え、海外にある6カ国

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旭化成 欧州でキュプラ繊維の商標を「Bemberg」に統一

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2018年9月5日

 旭化成は4日、欧州でキュプラ繊維の商標を「Bemberg」に統一すると発表した。また、欧州でのBembergブランドの使用開始と同時に、今後はインド・パキスタンでも「Asahi Bemberg」からBembergに商標を統一する。これにより、同社はキュプラ繊維「ベンベルグ」のプロモーションをグローバルに強化していく。

 Bembergの商標は、欧州では他社の商標として登録されていたが、このほど世界唯一のキュプラ繊維製造会社として当該商標を取得した。同社はこれまで、欧州などでは「Cupro」の名称でマーケティング活動を行っていた。

 旭化成のベンベルは、1931年に生産を開始し、87年の歴史がある。今後も素材特性や生産技術に磨きをかけ、サステナブルなオンリーワン素材としてベンベルグブランドの展開を推進していく。

 プロモーション強化策として①新ビジュアルによる新たなイメージを欧州中心に発信(欧州で製作中)②サステナブルな素材としての発信強化③ベンベルグ特有の、糸を細かく毛羽立たせ光沢感を抑えたフィブリル加工の環境対応型新技術の紹介④コンポスタブル(堆肥化可能)な生分解糸としてのアピール⑤日欧とアジアのコンバーターと生地の開発強化⑥各展示会への出展(Premiere Vision Paris、Intertextile 上海など)⑦アパレル・ブランドとのコラボ企画検討(百貨店での消費者への販促イベントなど)⑧社会貢献活動の強化(インドにおけるビジネス行動要請〈BCtA〉、中国での〈旭化成・中国未来の星デザインイノベーション大賞〉など)を計画中だ。

 なお、パリで19~21日に開催される「Premiere Vision Paris」で8つの強化策の発表を予定している。

太陽石油 蓄電池電解液のベンチャー企業に出資

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2018年9月5日

 太陽石油はこのほど、「LEシステム」(福岡県久留米市)に、2億400万円を出資したと発表した。

 LEシステムは、電力貯蔵用電池の1つである、バナジウムレドックスフロー電池(VRFB)に用いられる電解液の研究開発・製造を行うベンチャー企業。出資とともに、VRFBの電解液製造にかかわる「業務提携に関する基本合意書」の締結も行った。

 VRFBはリチウムイオンなど他の電池と比較して、安全性に優れ大容量の蓄電システムに適した電池。ただ、レアメタルを原料とする電解液の高いコストが普及のネックとなっている。

 LEシステムは電解液原料であるバナジウムを、火力発電所などの重油燃焼煤から安価に回収する新技術(特許出願中)を持っている。現在は茨城県つくば市と稲敷市で電解液量産化の実証を行っており、2020年度からの本格生産を目指し、福島県浪江町で商業化プラントの建設を計画している。

 国内外で太陽光や風力などの再生可能エネルギーの導入が進められている。しかし、発電量が自然環境に左右される不安定な電源であることが大きな課題で、今後、これらの不安定性を補完する電池へのニーズがより高まることが見込まれる。

 太陽石油はこれら電解液事業の社会的意義や将来性に期待し、早期事業化に向けてLEシステムへの出資を決定し、将来的な業務提携に関する基本合意書を締結した。