ダイセルの4-6月期 自動車関連部材低迷で減収減益

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2020年8月3日

 ダイセルが31日に発表した2021年3月期第1四半期(4-6月期)の連結業績は、売上高が前年同期比20%減の829億円、営業利益66%減の31億円、経常利益59%減の39億円、純利益88%減の6億円だった。新型コロナウイルスの影響により自動車生産台数が大きく減少する中、主要製品の自動車エアバッグ用インフレータや、エンジニアリングプラスチックの販売数量減少などが響き、減収減益となった。

 セグメント別に見ると、メディカル・ヘルスケア事業は売上高1%減の39億円、営業利益37%減の4億円。コスメ・健康食品事業は、海外での需要の先取りなどで販売数量が増加した。キラル分離事業は、キラルカラムの販売は減少したが、充填剤は伸長した。

 スマート事業は売上高19%減の51億円、営業利益53%減の6億円。液晶表示向けフィルム用の酢酸セルロースや高機能フィルムなどのディスプレイ事業は、ディスプレイ需要低迷を受け、販売数量が減少した。一方、電子材料向け溶剤やレジスト材料などのIC/半導体事業は、国内での半導体市場の需要回復などにより、販売増となった。

 セイフティ事業は売上高48%減の107億円、営業損失23億円(前年同期から37億円減)。自動車エアバッグ用インフレータの販売は、減少した自動車生産台数のあおりを受けた。

 マテリアル事業は売上高5%減の256億円、営業利益14%減の39億円。酢酸は需要減少と市況下落で減収となり、酢酸誘導体は、酢酸市況の下落に伴う販売価格の低下が響いた。たばこフィルター用トウは、海外主要顧客での原料確保の動きなどもあり販売数量は伸びたものの、世界的な需給緩和などにより、販売価格が低下し減収となった。カプロラクトン誘導体やエポキシ化合物などは、自動車生産台数の減少やディスプレイ市場での需要低迷の影響を受けた。

 エンジニアリングプラスチック事業は売上高20%減の352億円、営業利益28%減の39億円。ポリアセタール樹脂、PBT樹脂、液晶ポリマーなどのエンプラ、ABS樹脂、エンプラアロイを中心とした樹脂コンパウンドは、自動車生産台数の減少もしくはスマホの需要低迷が響いた。シート、成形容器、包装フィルムなどの樹脂加工も振るわなかった。

 同日に、コロナ禍による先行き不透明感から発表を見合わせていた上期(4-9月期)の業績予想を発表。売上高1720億円(前年同期比18%減)、営業利益50億円(72%減)、経常利益60億円(68%減)、純利益15億円(87%減)を見込む。通期業績は当初予想を据え置いた。

宇部興産の4-6月期 中国経済の悪化で化学が大幅減益

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2020年8月3日

 宇部興産は31日、2021年3月期第1四半期(4-6月期)連結業績を発表した。売上高は前年同期比18%減の1361億円、営業損失7億円(前年同期比80億円減)、経常損失13億円(同90億円減)、純損失13億円(同59億円減)となった。

 同日開催された電話による決算会見の中で、藤井正幸常務執行役員は、「コロナ禍の影響が顕著に出たことで、大幅な減収減益となった。また、国内では定修要因もあった」と総括した。

 セグメント別では、化学は

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日本ゼオンの4-6月期 エラストマー素材部門が営業損失に

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2020年8月3日

 日本ゼオンは31日、2021年3月期第1四半期(4―6月期)連結業績を発表した。売上高は前年同期比16%減の695億円、営業利益48%減の43億円、経常利益42%減の51億円、純利益41%減の36億円となった。

 同日開催されたオンライン決算会見の中で、松浦一慶取締役執行役員は、「長引く米中貿易摩擦、世界的な新型コロナの感染拡大などによる経済悪化、原料および市況の軟化に伴い、第1四半期の業績は厳しい結果となった。なお、新型コロナによる

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日本ポリプロ 来年1月に五井工場の1系列を停止

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2020年8月3日

 日本ポリプロは31日、五井工場(千葉県市原市)のポリプロピレン(PP)製造設備1系列(年産7万t)の停止を決定したと発表した。なお、製造設備はスラリー法の第5系列で、2021年1月の停止を予定している。

 PP樹脂の事業環境は、今後も中東・アジア地域での新増設が計画され、汎用品を中心とした海外品の流入による国産品需要の低迷によって、非常に厳しい状況になることが想定されている。同社は、プラントの競争力強化と機能性PPの拡充による収益力の強化を進めており、今回、同PP製造設備の停止を決定した。

 同社は今後とも、たゆまぬ技術開発を通じて製品の高機能化を達成し、顧客へ優れた材料を安定して提供できるよう努め、新たなマーケットへの参入を図っていく考えだ。

 

三菱ケミカルと宇部興産 LIB用電解液事業、合弁新社に統合

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2020年8月3日

 三菱ケミカルと宇部興産は31日、リチウムイオン二次電池(LIB)用電解液事業に関し、新設する合弁会社にそれぞれのLIB用をはじめとする電解液事業を承継させることについて共同新設分割計画書に合意したと発表した。

 今年10月1日に設立される合弁新社は「MUアイオニックソリューションズ」(出資比率は三菱ケミカル80%、宇部興産20%)。LIB用電解液の生産能力は合計3万6000t(三菱ケミカル四日市事業所の1万6000t、宇部興産堺事業所の1万t、中国常熟1万t)となる。

 両社は、2018年より合弁形態で運営している常熟宇菱電池材料を通じて、中国で同事業を共同で行ってきた。今回、提携をさらに拡大し、相乗効果による製品開発力の向上ならびに購買、生産、販売体制の効率化による経営基盤の強化を図るとともに、研究開発を統合し、両社の持つ知的財産・技術開発力を一体化することで、国内外の競争力をさらに高め、同事業の長期的な発展を図ることで合意した。

 具体的には、日本で合弁新社を設立し、日本の製造拠点をはじめとして両社の同事業に関わる資産を合弁新社に承継し、統合運営する。また、常熟宇菱電池材料は、合弁新社の100%子会社となる。

 なお、三菱ケミカルの100%子会社の英・MC Ionic Solutions UK、100%孫会社の米・MC Ionic Solutions USは、今回の統合の対象外となっている。