東洋紡の4-6月期 工業用フィルム堅調も減益に

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2019年8月6日

 東洋紡が5日に発表した、2019年4-6月期の連結業績によると、売上高は前年同期比微増の808億円、営業利益2%減の52億円、経常利益10%減の43億円、純利益46%減の17億円だった。

 販売が好調だった工業用フィルム、液晶偏光子保護フィルム「コスモシャインSRF」やセラミックコンデンサ用離型フィルムの一方で、昨年秋の火災事故により製造設備が焼失したエアバッグ用原糸や機能性クッション材「ブレスエアー」は、代替品調達の影響が出て、全体では微増収減益となった。

 セグメント別に見ると、フィルム・機能樹脂事業は減収増益で、売上高2%減の381億円、営業利益5%増の38億円。工業用フィルムは、「コスモシャインSRF」は大手偏光板メーカー向けに、セラコン用離型フィルムは車載用途でそれぞれ販売を伸ばした。機能樹脂事業では、エンジニアリングプラスチックは、自動車用途で販売が堅調だったものの、中国向けの非自動車用途が伸び悩んだ。

 産業マテリアル事業は減収減益で、売上高1%減の160億円、営業利益は44%減の5億円。エアバッグ用基布は、火災の影響を受け苦戦。スーパー繊維事業では、「イザナス」はロープ用途を中心に、「ザイロン」は自転車タイヤ用途などで堅調だった。生活・産業資材事業では「ブレスエアー」は火災の影響を、衛材用途のポリエステル短繊維は中国市場での需要減少が響いた。

 ヘルスケア事業は増収増益で、売上高22%増の93億円、営業利益は23%増の12億円。医薬は案件獲得に苦戦したが、バイオや機能膜は販売が拡大した。

 繊維・商事事業は減収減益で、売上高2%減の145億円、営業損失2億円(前年同期は営業利益2億円)。アクリル繊維が伸び悩んだ。

 通期業績予想は据え置き、売上高3500億円(前年比4%増)、営業利益220億円(同1%増)を見込んでいる。

協和キリン 12月期中間決算(1日)

2019年8月5日

[協和キリン/12月期中間決算](1日)単位100万円、カッコ内は対前年同四半期増減率。▽連結(国際会計基準:IFRS)=売上収益151,416(12.7%)、コア営業利益32,157(13.4%)、親会社の所有者に帰属する四半期利益48,063(40.2%)。

BASFの1-6月期 ケミカルなど販売減で減収減益

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2019年8月5日

 BASFの2019年第2四半期は、売上高が前年同期比4%減の152億ユーロ、特別項目控除前EBITDAは同27%減の20億ユーロ、特別項目控除前営業利益は同47%減の10億ユーロ、純利益は同50億ユーロ増の65億ユーロとなった。売上高については、主にイソシアネートとクラッカー製品事業の影響により、販売価格が2%下落し、販売量は6%減少した。

 ニュートリション&ケアを除く全事業セグメントで販売量が減少した。特に、ケミカル事業セグメントとアグロソリューション事業セグメントの減少が顕著だった。これは、ベルギーのアントワープと米国テキサス州のポートアーサーで、スチームクラッカーの定期修繕を実施したこと、北米で悪天候が続き、アグロソリューション事業セグメントが打撃を受けたことが原因。

 バイエルから買収した、種子事業と非選択性除草剤事業によるポートフォリオ変更は、2%の増収効果があり、為替も2%の増収要因となった。EBIT(営業利益)に含まれる特別項目は、前年同期のマイナス6600万ユーロに対し、マイナス4億9700万ユーロ。特別項目の増加は、エクセレンスプログラムにおける臨時の費用も要因のひとつとして挙げられる。

 さらに、米国ガルフコーストでの天然ガスを中心とした投資に減損が生じた。この投資からはすでに撤退している。EBITは前年同期の19億ユーロから5億4800万ユーロに減少。純利益の増加は、ヴィンタースハルが連結対象外になったことによる帳簿上の利益によるものだ。

 厳しいマクロ経済環境を考慮し、通期の見通しを修正した。売上高は微減、特別項目控除前営業利益は最大30%の大幅減になると予測。投下資本利益率(ROCE)は、前年を大幅に下回る見込みだ。

 

日本触媒の4-6月期 市況とスプレッド悪化で減収減益

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2019年8月5日

 日本触媒は2日、2019年4-6月期の連結業績(IFRS)を発表した。売上収益は前年同期比10%減の770億円、営業利益55%減の369億円、親会社の所有者に帰属する四半期利益54%減の33億円となった。製品海外市況下落に伴い販売価格が低下したことや、販売数量の減少、スプレッドが縮小したことで減収減益となった。

 セグメント別にみると、基礎化学品事業は、売上収益9%減の324億円、営業利益43%減の23億円。アクリル酸及びアクリル酸エステル、酸化エチレンは、販売数量が減少し、原料価格や製品海外市況下落に伴い販売価格が低下した。エチレングリコールは、販売数量は増加したが販売価格が低下。セカンダリーアルコールエトキシレートは、販売数量が減少した。

 機能性化学品事業は、売上収益10%減の420億円、営業利益73%減の11億円。高吸水性樹脂と特殊エステルは、販売数量が減少したことや、原料価格下落に伴い販売価格が低下した。コンクリート混和剤用ポリマー、電子情報材料及び無水マレイン酸は販売数量が減少。洗剤原料などの水溶性ポリマー、ヨウ素化合物、エチレンイミン誘導品及び塗料用樹脂は、販売数量が増加した。

 環境・触媒事業は、売上収益1%減の26億円、営業利益1億円増の9000万円(前年度は損失)となった。自動車触媒及び脱硝触媒は販売数量が減少したが、プロセス触媒、燃料電池材料及びリチウム電池材料は、販売数量が増加した。

 なお、通期業績予想については、7月31日に修正を発表している。

 

帝人の4-6月期 ポリカーボネート市況の悪化で減益に

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2019年8月5日

 帝人は2日、2019年4-6月期の連結業績を発表した。売上高は前年同期比1%減の2146億円、営業利益7%減の170億円、経常利益20%減の169億円、純利益45%減の108億円となった。

 セグメント別にみると、マテリアル領域は、素材市況悪化の中、高機能材料分野を中心に一定の利益を維持し、売上高3%減の1599億円、営業利益29%減の64億円となった。マテリアル事業において、アラミド繊維分野では、主力のパラアラミド繊維が摩擦材、ゴム補強材などの自動車関連用途の販売数量でやや減少したものの、売値・販売構成の改善が収益に貢献した。

 炭素繊維分野では、炭素繊維が航空機用途では順調に推移したものの、コンパウンド用途では前期終盤から続く市況低迷により販売が減少した。樹脂分野では、主力のポリカーボネート樹脂が汎用品で市況価格の大幅下落の影響を受けたが、高付加価値品販売が収益を下支えした。フィルム分野では、自動車や電子部品用PENフィルムなどが堅調に推移したが、工程用離型フィルムの販売は低調だった。

 繊維・製品事業の衣料繊維分野では、国内の市況影響により衣料製品販売で苦戦したものの、産業資材分野では主に短繊維の販売が好調を維持した。複合成形材料事業ほかの複合成形材料分野では、北米のピックアップトラックやSUVなどの需要増や新規モデルの立上げを背景に、米国CSP社の自動車向け量産部品の販売が堅調に推移した。

 ヘルスケア領域は、「フェブリク」を中心に主力製品の好調を受け増益となり、売上高2%増の398億円、営業利益6%増の105億円。その他(IT事業など)は、売上高17%増の149億円、営業利益約2倍の13億円となった。

 なお同日、通期連結業績予想の修正を発表。フィルム事業会社譲渡や為替の見直しなどから、売上高を9100億円から9千億円に減額している。利益項目については修正を行っていない。

旭化成の4-6月期 市況悪化やスマホ市場鈍化で減益に

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2019年8月5日

 旭化成は2日、2019年4-6月期の連結業績を発表した。売上高は前年同期比3%増の5021億円、営業利益14%減の413億円、経常利益15%減の440億円、純利益33%減の244億円となった。営業利益は減益となったが、最高益となった昨年度に次ぐ成績を記録した。

 セグメント別にみると、マテリアルセグメントは、売上高3%減の2714億円、営業利益26%減の259億円となった。基盤マテリアル事業は、アクリロニトリルの交易条件が改善したものの、ナフサクラッカーの臨時修繕や定修による誘導品販売量減少、また各製品の市況下落による交易条件悪化で減収減益となった。

 パフォーマンスプロダクツ事業は、セージ社連結やナイロン66の交易条件改善が寄与したが、不織布やエンジニアリング樹脂などの販売数量が減少し増収減益となった。スペシャルティソリューション事業は、中国向けイオン交換膜やスマートフォン関連電子部品などの販売数量が減少し、減収減益だった。

 住宅セグメントは、売上高12%増の1446億円、営業利益28%増の99億円だった。建築請負部門による引渡棟数が増加し増収増益となった。ヘルスケアセグメントは、売上高8%増の827億円、営業利益3%増の126億円。医療機関向け除細動器の販売数量が増加し増収増益となった。

 なお同日、上期連結業績予想の修正を発表。売上高を当初予想比170億円減の1兆710億円、営業利益30億円減の945億円、経常利益40億円減の980億円に下方修正した一方、純利益は30億円増の700億円と上方修正している。通期見通しについては見直しを行っていない。