JXTGエネルギー 神奈川初の燃料電池バスに水素供給を開始

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2019年9月17日

 JXTGエネルギーはこのほど、横浜市が公共交通の低炭素化を目指して導入する燃料電池バス(FCバス)への水素供給事業者に決定したと発表した。

横浜南水素ステーション
横浜南水素ステーション

 横浜市は神奈川県で初めて市営バスとしてFCバス1台を試験導入し、みなとみらい地区などで運行することを決定した。燃料となる水素は、運行に適した同社の横浜南水素ステーション(横浜市南区)で充填する。

 同ステーションの充填機に、燃料電池自動車(FCV)に加え、FCバスにも対応できる水素充填プログラムを導入することで、充填機1台で対応できる体制を整備する。10月2日の運行開始に合わせFCバスへの水素供給を開始することで、「Zero Carbon Yokohama」を掲げる、横浜市の持続可能な大都市モデルの実現に協力していく。

 横浜南水素ステーションは2016年3月に開所した。ENEOS水素サプライ&サービスが運営している。圧縮水素を水素トレーラーなどで輸送するオフサイト方式となっており、供給設備は圧縮機・蓄圧器・冷凍機・充填機などで構成されている。供給能力は300N㎥/時。

 同社は、全国で41カ所(神奈川県下13カ所、横浜市内6カ所)の水素ステーションを運営している。今後もFCVやFCバスをはじめ、他のモビリティへの供給体制を整備し、水素の製造、輸送・貯蔵から販売に至るまでのサプライチェーン構築に積極的に取り組み、水素エネルギー社会の実現に向けて貢献していく方針だ。

旭化成ホームズ 国際的な環境イニシアチブ「RE100」に加盟

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2019年9月13日

 旭化成ホームズはこのほど、The Climate Groupが運営する国際的な環境イニシアチブ「RE100」=Renewable Energy 100%=に加盟したと発表した。

 RE100は、事業活動で消費する電力を100%再生可能エネルギーで調達することを目標とする企業の連合体で、加盟企業数は9月現在、全世界で190社を超えており、日本企業では22社が加盟している。

 同社は、戸建て住宅「ヘーベルハウス」と賃貸住宅「ヘーベルメゾン」への太陽光発電設備設置を積極的に推進してきた。都市部の限られた屋根面積に高容量のパネルを設置する独自技術の開発や、災害時の電力のレジリエンス強化を目指した蓄電池の併用設置などを促進している。

 これまでに搭載した太陽光発電設備の総量は約360MW以上で、その年間発電量は約360GWhに達した。一方、同社が昨年度に事業活動で消費した電力は約33GWhとなっている。

 今後は、独自の電力供給サービス「ヘーベル電気」によって、固定価格買取期間を終えた太陽光発電設備の余剰電力を買い取り、事務所や工場、展示場の電力として活用する予定。同社は2038年までに、事業活動で使用する電力を100%再エネで調達することを目指す。今後も、事業活動を通して持続可能な社会の実現に一層貢献していく考えだ。

NEDO・昭和化学工業 木質バイオマス熱供給プラントが完成

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2019年9月11日

 NEDOはこのほど、バイオマスエネルギーの地域自立システム化実証事業で、昭和化学工業が熱風炉設備を備えた木質バイオマス熱供給プラントを岡山工場の敷地内に完成させ、試運転を経て、今月中旬に実証運転を開始すると発表した。

バイオマス熱風炉
バイオマス熱風炉

 同プラントでは、以前からバイオマス利用が盛んな地元地域で産出される木の皮などの余剰木質バイオマスを燃料とし、生成した熱を同社の珪藻土製品の製造・乾燥工程に利用する。

 また、同プラントを既存の液化天然ガス(LNG)を燃料とする熱供給プラントに併設し、燃料の価格や調達状況などの変動に応じて、LNG燃料とバイオマス燃料を最適な比率で併用することで、安定的かつ経済性の高いハイブリッド運転を目指すとともに、同事業を通じて同社は、同地域の貴重なバイオマス資源を巡る既存のエコシステムとの共生・協力体制を構築し、地域に根ざしたバイオマスエネルギーシステムの拡大を目指す。

 今後、NEDO事業として同プラントの実証運転を2020年度末まで実施する予定。その後、昭和化学工業による自主研究運転を2023年秋まで実施する。

バイオマス燃料槽
バイオマス燃料槽

 これまでの輸入LNGに100%依存する状態から、地元産出のバイオマス燃料を導入し、既存プラントにバイオマス熱供給プラントを併設することで、燃料のハイブリッド化を図る。

 これにより、岡山工場でのCO2排出量削減と燃料費削減に資するとともに、地域経済の振興の観点からは、同地域の貴重なバイオマス資源を巡る既存のエコシステムと共生した持続可能な社会構築に寄与していく。

 一方、NEDOは、バイオマスエネルギーの利用拡大を推進するために「バイオマスエネルギー地域自立システムの導入要件・技術指針」を策定しており、同実証事業の成果も踏まえて同指針の改訂を行い、広く一般に公開する。これにより、同実証事業をモデルの1つとして熱需要のある全国の他の地域への展開を目指す考えだ。

BASF サーキュラー・エコノミー実現へ

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2019年9月11日

プラ廃棄物を熱分解油に、再利用プロジェクトを推進

 BASFは熱化学的なプロセスを使用することでプラスチック廃棄物をガス化・油化し、再利用する「ケムサイクリング・プロジェクト」を通して、サーキュラー・エコノミー(循環型経済)の実現に向け取り組んでいる。

 昨年末にプラスチック廃棄物を転換した熱分解油を、自社の生産工程の原料として初めて使用し、試作品を作製。10月に開催するプラスチック・ゴム産業の世界最大の展示会である「K2019(国際プラスチック・ゴム産業展)」に先立ち、7月に行われた記者会見で、パートナーの4社が同プロジェクトで作られた初の試作品を披露した。

 自動車大手のジャガー・ランドローバーは、BASFのポリアミド樹脂「ウルトラミッドB3WG6・Cサイクルド・ブラック」を使い、同社初のSUV電気自動車「Iペース」向けに、プラスチック製フロントエンドキャリアの試作品を開発。保護包装材と技術成形部品の世界的なサプライヤーであるストロパックは、温度に敏感な医薬品向けの絶縁包装と鮮魚輸送用の魚箱、電子デバイスの保護包装に、BASFの発泡スチロール「スタイロポールP・Cサイクルド」を採用した。

 また、欧州フィルム包装大手のズードパックは、モッツァレラチーズ向けの特別な密封包装に、ポリアミドフィルムとポリエチレンフィルムを製造。エネルギー管理のデジタル化と自動化のリーディングカンパニーであるシュナイダーエレクトリックは、ケミカルリサイクルされた「ウルトラミッド」から回路遮断器を製造した。

 BASFは同プロジェクトで、現在リサイクルできない複合素材のプラスチックや、汚れのあるプラスチック廃棄物を熱分解油に転換することを目指している。これを市場へ展開できる準備が整えられれば、同プロジェクトはプラスチック廃棄物の課題を解決する、リサイクルと回収の既存プロセスを補完する革新的なものになると同社では考えている。

丸紅 ベトナムでフロン回収・破壊事業に参画

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2019年8月28日

 丸紅はこのほど、来年度にベトナム・ハノイでのフロン類の回収・破壊事業への参画を目指し、廃棄家電や大型空調設備などから回収するフロン類の破壊を目的とした専焼炉を途上国で初めて導入し、有効性に関する実証実験を行うと発表した。

フロン類の専焼型破壊設備
フロン類の専焼型破壊設備

 昨年度に続き、環境省の「2国間クレジット制度(JCM)を利用した代替フロンなど(フロン類)の回収・破壊プロジェクト補助事業」の採択を受け、事業費の一部は補助金を充当させる予定。

 フロン類は、地球温暖化係数がCO2の数10倍から1万数千倍で、世界全体でのフロン類の排出量は、CO2に換算すると年間約9億t、将来的には20億t(日本の年間温室効果ガス排出量の1.5倍)を超えると推計されている。

 特に途上国でのフロン類の排出抑制対策を進めることは、世界全体の温室効果ガス排出量削減につながり、地球規模の温暖化対策として極めて重要となる。

 日本では、改正フロン排出抑制法が今年5月に成立。日本には、ライフサイクル全体にわたり、フロン類の排出を抑制する総合的な仕組みがあり、特に回収・破壊については世界に類を見ない画期的な仕組みがある。

 しかし、ベトナムをはじめとする多くの途上国では、フロン類の回収・破壊に関する規制はなく、空調設備や冷蔵庫、自動車などに充填されているフロン類は、最終的には全て大気中に放出されている。

 空調設備や冷蔵庫、自動車などの普及が進む途上国で、現状のままでは将来的に深刻な環境問題に発展することが危惧されている。丸紅は、実証実験を通じて、ベトナムで専焼型破壊設備の有効性を確認し、規制やインセンティブなどを活用したフロン類回収・破壊スキームを確立するために、ベトナム政府などへの政策提言や啓発活動を行っていく。

 実証実験で有効性を確認後、ホーチミン、ダナンにも展開し、将来的にはその他の途上国で事業化を目指す。また丸紅は、JCMの枠組みを通じて事業を実施することで、日本の温室効果ガス削減目標達成にも貢献する考え。

出光興産 「東京湾環境一斉調査」に参加

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2019年8月27日

 出光興産はこのほど、「東京湾環境一斉調査」(東京湾再生推進会議モニタリング分科会)に参加し、7日に千葉県市原市、9日に東京都港区お台場で水質調査を実施した。

 「東京湾環境一斉調査」は「全国海の再生プロジェクト」の一環として、東京湾の水質状況や生息生物の環境モニタリングを通じて、汚濁メカニズムの解明や、東京湾再生への関心の醸成を目的に2008年より開始。今年で12回目を迎え、国や東京湾海域・流域河川近隣の自治体・企業・市民団体などの計138機関が参加し、一斉調査を行っている。

 同社は東京湾沿岸に立地する企業として、東京湾の生物多様性の保全に継続的に貢献することを目的に、調査主催団体の1つである「東京湾再生官民連携フォーラム」に参画。水質調査活動は千葉事業所で2013年から、お台場オフィスでは2018年から参加している。

 当日は千葉事業所内の海辺と、お台場周辺海域で、海水の水質(透明度、塩分、溶存酸素量〈DO〉など)の測定を行った。出光興産は、社会的責務である安全で安定的なエネルギー供給の実現を目指すとともに、水質調査への参加をはじめとする環境保全活動に積極的に取り組み、持続可能な生態系・生物多様性の保全に貢献していく。

AEPW 三菱ケミカルHD越智社長「日本が廃プラ問題に積極的に関与」

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2019年7月23日

 Alliance to End Plastic Waste(AEPW:廃棄プラスチックを無くす国際アライアンス)は22日、都内で日本初の国際フォーラムを開催。その後に記者会見を行った。

フォーラムに出席した(左から)岩田圭一住友化学社長、越智仁三菱ケミカルHD社長、ヴァージニー・ヘリアスP&G副社長、淡輪敏三井化学社長
フォーラムに出席した(左から)岩田圭一住友化学社長、越智仁三菱ケミカルHD社長、ヴァージニー・ヘリアスP&G副社長、淡輪敏三井化学社長

 P&Gチーフ・サステナビリティ・オフィサーのヴァージニー・ヘリアス副社長はAEPWについて「全世界グローバル企業40社が(5年間で)15億ドルをコミットしている環境における廃棄プラスチックを無くすための世界最大規模の取り組みだ」として活動内容を説明した。

 同アライアンスはプラスチックの製造、加工、使用、廃棄物管理などバリューチェーン全体からさまざまな企業が参加。4つの主要分野として①インフラ開発②廃プラ収集とリサイクル増加により使用済みプラの価値を創造するイノベーション③実際に行動を起こすために企業・政府によるコミュニティに対する教育・啓発活動④海への流出を防ぐため河川などのクリーンアップを挙げている。

 戦略を下支えする3つの基本原則として、プラは有用な資源であり再利用が必要、廃棄プラを環境に流出させないことで経済的な効果を生み出す、成功を収める上で必須となる官民連携といったコラボレーションの重要性を示した。

 続いて三菱ケミカルホールディングスの越智仁社長が、AEPWに

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大阪府立大 NEDO事業で電力系統安定化技術に着手

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2019年7月23日

 大阪府立大学はこのほど、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募した「再生可能エネルギーの大量導入に向けた次世代電力ネットワーク安定化技術開発」に採択されたと発表した。期間は2019~2021年度の3年間。

 研究を行うのは、工学研究科電気情報システム工学分野の石亀篤司教授、高山聡志講師(電力システム研究グループ)らのチーム。今回の採択により、発電量が変動しやすい再生可能エネルギーの導入を促進する、次世代の電力系統安定化に必要な基盤技術の開発に着手する。

 今回のプロジェクトのポイントは、石亀教授や高山講師らが現在の電力システムに加え、太陽光発電や風力発電をはじめとする再生可能エネルギーなど、新たな電力供給システムに関する基礎・応用研究を進める研究者であること。国が目指す再生可能エネルギーの主力電源化に向け、電力系統安定化に必要な基盤技術の開発を他の4研究機関と担う。

 具体的には、再生可能エネルギーを大量に導入した際に懸念される、系統制約の諸課題を克服する研究・開発を行う。これにより、経済産業省「エネルギー基本計画」が掲げる「2030年の再生可能エネルギー比率22~24%」の達成に貢献する。

 人工知能を形成する手法の1つである強化学習を使い、他のPCS(パワーコンディショナー)と協調しながら、電圧・潮流制御を実施する制御方式を開発する。

 強化学習は数値化された報酬信号を最大にするため何をすべきかを、環境から得られた状態情報により学習することで、適切な行動選択を行う手法。試行錯誤を通じた学習を行うことで、不確実性のある場合や設計すべきパラメーターが多い場合、優れた解を得られる可能性が高いことが報告されている。

 今回の事業で対象とする配電系統の電圧・潮流制御についても、太陽光発電の普及や需要家行動の変化に伴い不確実性が高くなりつつあること、広範囲にわたって普及しているシステムであるため、一意にパラメーター設計が難しいことを考慮すると、将来の系統安定化対策としては非常に重要な技術であるという。

花王グループ 国内生産拠点でCO2排出量ゼロ電力の使用が加速

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2018年12月4日

 花王グループは、事業活動による温室効果ガス排出量を削減する取り組みの一環として、太陽光発電設備の導入とCO2排出量ゼロ電力の購入を実施し、順次、再生可能エネルギーの導入を進めていく。

 10月から国内の5つの生産拠点(愛媛工場:花王サニタリープロダクツ愛媛、栃木工場、鹿島工場、川崎工場、小田原工場:花王コスメプロダクツ小田原)で、CO2排出量ゼロ電力の購入をさらに実施し、再生可能エネルギーの導入を推進している。

 その結果、①国内生産拠点での購入電力による再生可能エネルギーの使用割合が約35%②CO2年間排出量は2017年実績と比較して5万4000tの削減(一般家庭の約2万4000戸分の電力によるCO2排出量に相当)③今回の取り組みの中で、特に、紙おむつなどのサニタリー製品を生産する愛媛工場では、非化石証書を使用した電気を調達することにより、購入電力のCO2排出ゼロ化(CO2排出量年間2万5000t削減)④水力電源の受電やグリーン電力証書を使用することで4工場(栃木工場、鹿島工場、川崎工場、小田原工場)合計でCO2排出量年間2万9000tの削減、などの実現を目指す。

 同社では、購入電力のCO2削減の有力な手段として、流通量の多い非化石証書の積極的な活用を検討していく。また、今後も事業活動によるCO2排出量削減の取り組みの一環として、太陽光発電設備の導入やCO2排出量ゼロ電力の利用を進めていく方針だ。

経産省 海洋プラ対策でアライアンス設立、参加企業募る

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2018年12月3日

 経済産業省はこのほど、海洋プラスチックごみ問題の解決を目指す「クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス(仮称)」を設立し、先月20日から事務局の産業環境管理協会(産環協)を通し、参加企業の募集を開始した。

 プラスチック製品の持続可能な使用や代替素材の開発・導入に関心の高い、幅広い業種の企業や団体の参加を呼び掛けている。なお、会員は随時募集するとしているが、年明けに設立総会を実施予定のため、設立時の参加企業については、12月20日時点で取りまとめを行う。

 地球規模の新たな課題である海洋プラごみ問題の解決に向けた取り組みを、世界全体で推進することが求められている。こうした中、海洋プラごみを削減するためには、ポイ捨て防止の徹底をはじめとする廃棄物の適正管理に加え、プラスチック製品の3R(リデュース・リユース・リサイクル)のより一層の強化や、生分解性に優れたプラスチック、紙などの代替素材の開発と普及を促進することが重要となる。

 経産省はこれらを踏まえ、幅広く関係者の連携を強めイノベーションを加速するため、以下の事業の実務母体として、同アライアンスを設立した。

 ①素材の提供側と利用側企業の技術・ビジネスマッチングや先行事例の情報発信などを通じた情報の共有②研究機関との技術交流や技術セミナーなどによる最新技術動向の把握③国際機関・海外研究機関などとの連携や発展途上国等への情報発信などの国際連携④プラスチック製品全般の有効利用に関わる多様な企業間連携の促進などを行う。事業概要や応募方法などの詳細は、産環協のウェブサイト(http://www.jemai.or.jp)まで。