旭化成 ESG経営の一環として五ヶ瀬川発電所を大規模改修

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2018年11月13日

 旭化成は12日、五ヶ瀬川発電所(宮崎県西臼杵郡)の大規模改修工事を実施することを決定したと発表した。工事は来年10月から開始し、2021年10月の稼働を予定。工事にあたっては、近隣住民や周辺環境に十分配慮する。

五ヶ瀬川発電所00
五ヶ瀬川発電所

 同社は創業以来、五ヶ瀬川水系の水力発電所からの送電で事業活動をしており、現在は合計9カ所の水力発電所を所有し、延岡地区の工場群などに電力を供給している。それぞれの設備は竣工後約70年以上経過しており、これまでも計画的に補修工事を行うことで水力発電所を維持・保全し、安全な操業を続けてきた。

 今回、持続的成長に向けたESG経営の一環として、水力発電所の設備信頼性をいっそう強化し、今後も長期にわたって安定したクリーンなエネルギーの供給を継続するために、大規模改修工事の実施を決定した。

 今回の五ヶ瀬川発電所の大規模改修工事により、発電機を効率化することで、現状比約1万1000t/年のCO2排出量削減を実施し、さらなる環境負荷の低減を目指す。

 同社の延岡・日向地区には、水力発電所が9カ所、火力発電所が5カ所あり、同地区で使用する電力の90%を自給している。これまでも、クリーンエネルギーの使用比率を高めるため、2012年からはバイオマス発電を開始した。

 今年9月には第3石炭火力発電所を天然ガス火力発電所へ更新することも決定しており、今回の五ヶ瀬川発電所の大規模定修を皮切りに、順次既設水力発電所の回収も検討していく。

住友化学 SDGs達成に向け社員参加型プロジェクトを実施

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2018年11月6日

 住友化学は5日、「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成に向けた同社グループ社員参加型プロジェクト「サステナブルツリー3.0」を10月4日までの100日間実施し、延べ3万598人の参加者から計7700件の投稿が寄せられたと発表した。

 2016年にスタートした「サステナブルツリー」は、国内外の住友化学グループ役職員一人ひとりが「持続可能な社会の実現に向けてどのように貢献できるか」を考え、専用ウェブサイトに投稿する取り組み。

 3年目となる今回は、6月の投稿開始に先立って専用ウェブサイトをリニューアルし、SDGsに関する総合情報共有サイトとして機能を拡充した。

 具体的には、ウェブサイト内で同社グループ内の優れた取り組み(ベストプラクティス)や製品・技術を紹介し、組織・社員間での相互啓発や情報交換につなげるとともに、気候変動やSDGs関連の最新動向を掲載し、社外の情報にも容易にアクセスできるようにした。

 プロジェクト開始にあたっては、役員がメッセージの発信や自らのコミットメントを率先して投稿し、社員の積極的な参画を促した。こうした取り組みを通じて、国内外の各社・各職場でSDGsに関する社員の理解が着実に深まり、今年は業務を通じたSDGsへの貢献のほか、SDGsに関する勉強会やeラーニングの実施、報告資料などへのSDGsアイコンの表記といった、さまざまな自発的な活動が生まれた。

 同社グループは、持続可能な社会の実現に向けて、引き続き全社一丸となって創造力を最大限に発揮し、化学の力による新たな価値創造を通じた社会課題の解決を目指していく。

日本触媒 インドネシアで森づくり、社会貢献活動

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2018年10月1日

 日本触媒はこのほど、インドネシアで社会貢献活動「生物多様性保全と日尼友好バンテン湾の森」づくりを新たに開始し、開所式と第1回目の植林活動を行ったと発表した。

 同活動は2008年から取り組む「日本触媒の森」づくりの1つとして、エビ・カニなどの生息地確保、高波による海岸線浸食の防止を目的とし、インドネシアの海岸にマングローブの森をつくる活動。現地NGOの協力を得て5年間でヒルギ科の苗木3万本の植林を計画している。

 開所式には、来賓としてセラン市長、バンテン州環境局の職員が出席、今回の活動が地域の発展に寄与するものとして歓迎の意を表した。五嶋祐治朗社長による記念植樹の後、社員ボランティアと現地グループ会社の社員が共同で植林を開始し、さらに現地水産学校の学生も作業に加わり、友好的な雰囲気の中での活動となった。

 同社はCSRの一環として10年間継続して「日本触媒の森」づくりを行っている。今後も生物多様性・自然環境の保全、地域への貢献のために、同社グループを挙げてさらなる活動の充実をはかっていく。

JFEエンジ 川崎市から「エネルギー循環型ごみ収集システム」受注

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2018年9月25日

 JFEエンジニアリングはこのほど、川崎市から廃棄物発電を活用した「エネルギー循環型ごみ収集システム(ZeroE)」を受注したと発表した。

 同システムは、日本初の電池交換型EVごみ収集システムで、焼却施設の廃棄物発電で得られる電気を敷地内の電池ステーションへ送電して電池を充電し、EVごみ収集車に搭載してごみ収集を行うもの。発注した川崎市では、EVごみ収集車2台、電池ステーション1基を導入し、来年2月からの運用を目指す。

 電池ステーションは、川崎市浮島処理センター内に設置する。出力1万250kWの発電能力を持つ同センターは、JFEエンジニアリングが設計・建設を行い1995年に稼動を開始した施設で、同社は20年以上にわたり同施設のメンテナンスも行っている。

 同社と川崎市は、2016年3月から1年間、同センターから発電された電気を用いてZeroEの実証試験を行い、実用化に向けた検証を行ってきた。

 同システムの特長は①廃棄物発電を活用したエネルギー循環型の地球環境にやさしいシステムのため、走行中・作業中のCO2やNOxの排出がなく、走行音も静かで②電池ステーションでの電池交換は、ボタン1つで短時間に自動交換(所要時間:約3分/回)でき、一日の走行距離を確保しながら効率的なごみ収集作業が行え③災害対策拠点や避難所などでの非常電源としても活用可能なこと。

 同社は今後も、最先端のエンジニアリングを行うことで、安心・安全な街づくりと地球環境保全に貢献していく考えだ。

昭和シェル 大型LNGトラックへの燃料供給事業を開始

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2018年9月19日

 昭和シェル石油はこのほど、京浜トラックターミナルL(LNG)+CNG(圧縮天然ガス)ステーションで、9月から関東初となる大型LNGトラックへの燃料供給を開始したと発表した。

 二酸化炭素や窒素酸化物の排出が少ないLNGトラックは、運輸業界が直面する環境課題解決への貢献が期待されている。加えて、超低温で液化されるLNGはエネルギー密度が高く、従来のCNGトラックでは実現できなかった1回の充填で約1000km超の長距離走行が可能になると言われており、充填時間も短縮できることから持続可能な次世代車両として注目されている。

 同社は当該ステーションの運営者として、環境省の「CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業」の1つである「大型LNGトラックおよび最適燃料充填インフラの開発・実証事業」の実証走行試験に使用される大型LNGトラックへ燃料供給を行い、供給実績データなどを提供することで東京~大阪間の実証走行試験に協力する。

 近年、LNGを含む低炭素エネルギーに対する社会的需要が高まる中、さらなる需要拡大においては多大な初期投資やインフラの未整備などが課題。同社は中長期戦略として、インフラ整備と利用普及を視野に入れたLNG事業拡大を推し進め、低炭素社会の実現に貢献していく考えだ。

三井化学 世界の代表的なESG投資指数の構成銘柄に採用

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2018年9月19日

 三井化学はこのほど、世界の代表的なESG投資指数のひとつであるダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス(DJSI)のアジアパシフィック地域版「DJSIアジアパシフィック」の構成銘柄に採用されたと発表した。

 DJSIは米国のS&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社とスイスのロベコサム社が共同で開発した株式指数で、経済・環境・社会の側面から企業の持続可能性(サステナビリティ)を評価し、総合的に優れた企業が選定される。

 DJSIアジアパシフィックはアジア・太平洋地域の主要企業約600社が対象で、今年度は150社が選定された。三井化学グループはESG要素の経営・戦略への組み込みと、ステークホルダーへの情報開示を強化するため、4月にESG推進室を新設した。

 これは、同社グループがこれまで進めてきた経済・環境・社会の3軸経営を深化させ、ESGを中核に据えたサステナビリティ経営を行っていくことを表明したもの。今後も、事業活動を通じた社会課題解決を図ることにより、社会と同社グループの持続可能な発展を目指していく。

旭化成 延岡の石炭火力発電所を天然ガス火力に更新

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2018年9月13日

 旭化成は12日、同社延岡地区(宮崎県延岡市)で、第3石炭火力発電所(1971年竣工、3万4000kW)を、天然ガス火力発電所に更新することを決定したと発表した。

 新設する天然ガス火力は ガスタービンコージェネレーション方式で、出力は3万4000kW、蒸気発生量は130t/h。また、6500klのLNG(液化天然ガス)タンクや内航船受け入れ設備、LNG気化器、ガス導管などで構成されるLNG基地を同市に建設する。運転開始は2022年を予定している。

 この決定を受け、同社は宮崎ガス・大阪ガス・九州電力・日本ガスと、12月をめどに合弁会社「ひむかエルエヌジー(仮称)」を設立。同地区への天然ガス供給に必要な、LNG基地や導管などのインフラ設備の建設、インフラの保有、運営に関して詳細を詰める。

 合弁会社の出資比率は宮崎ガス51%、大阪ガス34%、九州電力7%、日本ガス7%、旭化成1%。旭化成は環境問題の解決を図り、持続的な成長を果たすため、温暖化ガス削減に取り組んでいる。高効率の天然ガス火力発電所を導入することで、年間約16万tのCO2排出量を削減し、環境負荷を低減する。

 また、5社は各社の経営資源と事業ノウハウを融合し、省エネ・CO2削減に大きく寄与する天然ガスの安定供給と普及拡大に取り組むとともに、これらを通じて延岡地域の発展に貢献していく。

旭硝子財団 地球環境の意識調査で危機感がさらに高まる

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2018年9月11日

 旭硝子財団はこのほど、世界の環境有識者を対象に毎年行っている「地球環境問題と人類の存続に関するアンケート」調査で、世界全体の平均危機時刻が1992年の調査開始以来、最も針が進んだと発表した。

 27回目の今年は205カ国に調査票を送付し、139カ国の1866名から回答を得た。人類の存続の危機に対する認識を表す環境危機時計では、全回答者の平均危機時刻が昨年から14分進んで9時47分を示し、調査開始以来、最も針が進んだ。

 調査10地域のうち、日本、アジア、北米、西欧、アフリカ、中東の6地域で針が進み、オセアニア、南米、中米、東欧・旧ソ連の四地域で針が後退した。昨年の危機時刻と比べると、回答者数の多い日本と中国で針が大幅に進み、危機意識が高まっている。

 東欧・旧ソ連は針が昨年よりさらに後退し、唯一、8時台の領域に留まった。2013年と比べると、約1時間、時刻が後退している。また、東欧・旧ソ連を除くすべての地域は「極めて不安」の領域にある。

 危機感が最も高いのは10時11分の北米で、西欧、オセアニアも10時台でこれに続く。なお、西欧は調査開始以来、初めて10時台に突入した。調査開始以降の世界全体の危機時刻の推移では、1996年以降、2000年を除き、常に九時台の「極めて不安」領域を示している。

 世界全体と日本の危機時刻を比較すると、2016年には、日本は世界と30分の差があったが、昨年、今年と針が進み16分に短縮した。世代別では、20代・30代の危機時刻が、初めて全世代を通して唯一、10時となった。

 危機時刻を決める上で念頭に置く項目では、2011年以来、一貫して「気候変動」が最多。環境に対する項目ごとの危機感を時刻から見ると、「食糧」が最も高くなっている。

日化協など5団体 「海洋プラスチック問題対応協議会」設立

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2018年9月10日

 化学関連5団体(日本化学工業協会、日本プラスチック工業連盟、プラスチック循環利用協会、石油化学工業協会、塩ビ工業・環境協会)は7日、海洋プラスチック問題に対応することを目的に「Japan Initiative For Marine Environment」(JaIME:海洋プラスチック問題対応協議会)を設立した。

会長に選任された日化協の淡輪敏会長
会長に選任された日化協の淡輪敏会長

 海洋プラスチック問題は、海洋に流出したプラスチックごみによる環境汚染などが、政治的にもグローバルな環境課題として認識されつつある。こうした中、プラスチック産業を含めた日本の化学産業として取るべき対応などを審議し、企画・立案・実施・推進する協議会を立ち上げた。

 同日、第1回会合(発足式)後に記者会見を開催。初代会長に選任された日化協の淡輪敏会長(三井化学社長)は「化学産業界が注力しているレスポンシブルケア活動に鑑みると、海洋プラスチック問題は

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昭和シェルなど バーチャルパワープラント構築実証事業を実施

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2018年9月10日

 昭和シェル石油はこのほど、西部石油・横河ソリューションサービスと、西部石油山口製油所で、バーチャルパワープラント(VPP)構築実証事業を今秋から共同で行うと発表した。

 製油所のエネルギーリソースによるVPP構築実証事業は、国内初の本格的な取り組みで、経産省のVPPアグリゲーター事業およびVPPリソース導入促進事業の一環。VPP構築実証事業は、高度なエネルギーマネジメント技術により、工場や家庭などが有するエネルギーリソースを遠隔制御・統合管理し、あたかも1つの発電所のように機能させる仕組みの構築を目指したもの。

 VPPは、火力電源の代替となる需給調整力の創出と、再生可能エネルギーのさらなる導入を可能にする新たなエネルギーシステムとして注目されている。今回の実証試験で、横河ソリューションサービスは、リソースアグリゲーターとして、アグリゲーションコーディネーター(AC)である関西電力からの需要量を調整する制御(DR)に関する信号を、DRの実施に必要な発動時間帯や需給調整量などの情報に変換し、西部石油山口製油所に新設するシステムへ通知する。

 このシステムでは、通知された情報から製油所の稼働状況に合わせて、DRに対応するための電力供給量や抑制量などを算出し提示する。西部石油はエネルギーリソース提供者として、提示された情報をもとに、生産プロセスへの影響を考慮しながら、プラントの自家発電設備である、ボイラー・蒸気タービン・発電機(BTG)を制御し、電力需要量を増減させ、ACからの要請に応える。

 昭和シェル石油はプラントリソースコーディネーターとして、同実証全体をコーディネートし、生産プロセスへの影響等を加味したうえでBTGの運用条件を分析し、製油所のエネルギーリソース活用を拡大・発展させていく。

 3社は、電力の需給調整力の創出と再生可能エネルギー導入拡大に貢献するVPPの実現に向けて、同実証でインダストリアルIoT(IIoT)を活用した仕組みを構築し、持続可能な開発目標SDGsの達成に貢献する活動を進めていく。