旭化成は12日、五ヶ瀬川発電所(宮崎県西臼杵郡)の大規模改修工事を実施することを決定したと発表した。工事は来年10月から開始し、2021年10月の稼働を予定。工事にあたっては、近隣住民や周辺環境に十分配慮する。
同社は創業以来、五ヶ瀬川水系の水力発電所からの送電で事業活動をしており、現在は合計9カ所の水力発電所を所有し、延岡地区の工場群などに電力を供給している。それぞれの設備は竣工後約70年以上経過しており、これまでも計画的に補修工事を行うことで水力発電所を維持・保全し、安全な操業を続けてきた。
今回、持続的成長に向けたESG経営の一環として、水力発電所の設備信頼性をいっそう強化し、今後も長期にわたって安定したクリーンなエネルギーの供給を継続するために、大規模改修工事の実施を決定した。
今回の五ヶ瀬川発電所の大規模改修工事により、発電機を効率化することで、現状比約1万1000t/年のCO2排出量削減を実施し、さらなる環境負荷の低減を目指す。
同社の延岡・日向地区には、水力発電所が9カ所、火力発電所が5カ所あり、同地区で使用する電力の90%を自給している。これまでも、クリーンエネルギーの使用比率を高めるため、2012年からはバイオマス発電を開始した。
今年9月には第3石炭火力発電所を天然ガス火力発電所へ更新することも決定しており、今回の五ヶ瀬川発電所の大規模定修を皮切りに、順次既設水力発電所の回収も検討していく。