三井化学 バイオマスナフサ、大阪工場で投入始まる

, , , ,

2021年12月15日

バイオマスナフサの荷揚げの様子

三井化学は14日、大阪工場(大阪府高石市)にネステ(Neste)社のバイオマスナフサ3000tが到着し、エチレンクラッカーへの投入を開始したと発表した。

社会のカーボンニュートラル(CN)実現に向けたプラスチックの “三井化学 バイオマスナフサ、大阪工場で投入始まる” の続きを読む

三井化学 バイオマスナフサ、来月に大阪工場で投入開始

, , , , ,

2021年11月29日

 2050年のカーボンニュートラル達成に向けて取り組みを加速する三井化学は、来月、そのバイオマス戦略の一環として大阪工場のナフサクラッカーでバイオマスナフサの投入を開始する。25日に同社が開催した経営概況説明会で、橋本修社長が明らかにした。当初は10月に計画されていたバイオマスナフサ投入だが、船便混乱の影響により11月の到着を予定するも、結果的に12月にずれ込む形となった。

 バイオマスナフサを原料とする誘導品・製品群は、マスバランス(物質収支)方式により任意のバイオマス度を割り当てるが、それにはISCC(国際持続可能性カーボン認証)が展開する国際的なISCC PLUS認証が必要となる。

 同社は子会社のプライムポリマーとともに両社大阪工場での同認証を取得。また将来のバイオマスナフサ導入に向け、市原工場や三井化学東セロについても同認証取得の準備を進めている。第1ロットとなる12月のバイオマスナフサの投入は3000tを予定。投入前だが顧客からの誘導品などへの引き合いは多く、第2ロット分の発注も終えている。

 今回使用するのは、フィンランドのバイオマス燃料製造会社、ネステ社のバイオマスナフサ。植物油廃棄物や残渣油を原料に製造されており、石油由来原料を使用しない100%バイオマス由来のナフサになる。石油由来品に比べれば割高感のあるバイオマスナフサ由来品のコスト吸収や、今後投入量が増えれば原料調達の課題も抱えるが、まずは日本初のバイオマスナフサ導入により、三井化学は製品提供を通じたグリーンケミストリーを推し進めていく。

ダウ クロックスとCFP削減に向けて協力関係を発表

, , ,

2021年10月28日

 ダウはこのほど、革新的なカジュアル・フットウェアで世界をリードするクロックスと、環境への責任を果たすと同時に実効性能を追求したシューズの生産を目指して、画期的な協力関係を発表した。

 ダウは、同社の新技術「エコリブリウム」を使用したバイオベースの素材をクロックスに供給し、クロックスは「クロスライト」の主要素材として採用する。これにより、クロックスが現在使用している「クロスライト」素材に比べてCO2排出量をさらに減らすことができ、クロックスの顧客へよりサステナブルな選択肢を提供する。

 また、クロックスは、サステナブルな生産ラインを新設するのではなく、バイオベースの新素材の導入によって既存製品を改良するという独自の手法を用いることで、カーボン・フットプリント(CFP)がより少ないフットウェアの生産を追求する。この手法を採用することにより、クロックスは、ブランドに期待されている性能や履き心地の良さを変えることなく、環境負荷がより少ないシューズを顧客に提供していく。

 両社は協力体制の下、ともにカーボン・ニュートラルに向けた取り組みを進めていく。クロックスは、ネットゼロ・ブランドを目指す取り組みの一環として、2030年までにシューズのCFPを50%削減することを目標に掲げる。一方、ダウは2030年までに年間炭素排出量を正味500万t削減することを目標としており、顧客企業と協働し、多くのソリューションのひとつとして代替原料・素材を活用して、顧客企業による排出量削減の取り組みを支援していく。

ダイセル 新規改質セルロース開発、産学共同研究に採択

, , , ,

2021年10月21日

 ダイセルと金沢大学はこのほど、科学技術振興機構(JST)の研究成果展開事業 研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)産学共同(本格型)の新規採択課題として、「バイオマスプロダクトツリーを実現する新規改質セルロースの開発」が採択されたと発表した。研究期間は今年10月~2023年3月を予定している。

 両者は長年、セルロースを中心に共同研究や人材交流を続けており、2018年には包括連携協定を締結、2019年には「先導科学技術共同研究講座」を設置し、セルロース系の脱ヒ素浄化材の開発研究や、バイオマス由来の脱石油系合成プラスチックの製造を目指した基礎研究に取り組んできた。

 そして、昨年12月には「金沢大学新産学協働研究拠点(仮称)」を設置することで合意。利用の進んでいない森林資源や、農業・水産業の副産物、廃棄物など、一次産業から生じる天然資源を、環境にやさしい次世代化学変換プロセスによって、様々なバイオマス新素材に変換する技術を共同研究し、「バイオマスプロダクトツリー」の実現に向けた取り組みを進めている。

 今回採択された課題は、人類がこれ以上地球に負荷をかけることのない未来社会を目指すバイオマスプロダクトツリー構想を実現するために、木材や綿花などのバイオマス資源から効率的に製造される、成形加工性と海洋分解性に優れた新規改質セルロースを開発すること。

 具体的には、新規改質セルロースの連続製造プロセスのセンシング技術、低コスト・省エネルギー化、ワンウェイ用途のプラスチック製品に対応した成形加工性を実現する物性制御技術などについて研究開発を進めていく。

ダイセルと京都大学 包括連携協定を締結、低炭素社会を実現

, , ,

2021年10月14日

 

循環型・低炭素社会実現に向け包括連携協定を締結

 ダイセルと京都大学はこのほど、自然と共生する低炭素社会の実現、新産業創出に役立つことを目的に包括連携協定を締結した。この協定の下、包括的研究連携協定を締結するとともに、「バイオマスプロダクトツリー産学共同研究部門」を京大宇治キャンパス内に設置する。

 包括的研究では、ダイセルのリサーチセンターと京大の5部局(大学院農学研究科、大学院人間・環境学研究科、化学研究所、エネルギー理工学研究所、生存圏研究所)とが連携し、バイオマスの新しい変換プロセス「新バイオマスプロダクトツリー」実現に向けた研究開発と、持続的循環利用を共通テーマとした基礎的研究と研究成果の社会への還元を目指す。 

 一方、「バイオマスプロダクトツリー産学共同研究部門」は、京都大学生存圏研究所、化学研究所、エネルギー理工学研究所とダイセルの共同ラボとして、国内外の多様な分野から優秀な人材が集い、学術分野、産業界、地域を繋ぐハブとして機能する研究拠点とする計画。

 ダイセルの主力製品である酢酸セルロースは、木材由来のパルプを原料とするバイオマス製品だが、木材などの天然高分子は元来溶けにくく、その製造プロセスには多くのエネルギーを消費する。同社ではこの課題に対し、京大との共同研究によって、常温常圧で木材を溶かす技術の確立を目指している。

 この技術により、セルロースに加え、木材に含まれるヘミセルロース、リグニンなども活用した「新バイオマスプロダクトツリー」が実現し、高機能製品の開発につながることが期待される。

 さらにその先に目指すのが、「バイオマスバリューチェーン構想」だ。共同研究中の新技術では、木材に限らず、農林水産業の廃棄物からも有益な成分の抽出が可能。有価で処分される素材を二次産業の原料として活用することで、一次産業の経済性を向上させ、一次産業と二次産業に循環を生む新しい「産業生態系」が構築できる。

 この経済循環によって、林業を復活させ森を再生するとともに、山・川・海を含む自然の生態系の回復にも寄与する。両者は、産学官の垣根を越えて、この構想の実現に向けて取り組んでいく。

AGC メッセンジャーRNA生産設備、独工場で新設

, , , , , ,

2021年9月17日

 AGCはこのほど、バイオ医薬品の製造開発受託(CDMO)事業子会社である米AGCバイオロジクスが、ドイツのハイデルベルグ工場に、メッセンジャーRNA(mRNA)の製造受託サービスの提供体制を構築するとともに、その原料となるプラスミドDNA(pDNA)生産ラインの増設を決定したと発表した。2023年中ごろの稼働開始を予定している。

AGCバイオロジクスのハイデルベルグ工場(ドイツ)

 新型コロナウイルスワクチン用途で実用化されているmRNAは、新しい創薬モダリティとして注目が集まっており、ワクチン以外の分野も含め世界的な需要増が期待されている。AGCバイオロジクスは、すでにハイデルベルグ工場で事業化しているpDNAの製造受託事業で培った技術やノウハウを生かし、新たにmRNAの製造受託サービスを提供する。

 また、先日発表した遺伝子・細胞治療薬拠点であるイタリアのミラノ工場の増強、および米国のロングモント工場の買収に加え、mRNAだけでなく遺伝子・細胞治療向けの原料でもあるpDNAの製造能力を増強することで、世界でも数少ない原料から遺伝子細胞治療まで一気通貫のサービスを提供できるCDMOとしてさらに成長を加速させていく。

 AGCグループは、ライフサイエンス事業を戦略事業の1つと位置づける。合成医農薬CDMO、動物細胞と微生物を使ったバイオ医薬品CDMOで積極的な買収・設備投資を行い、その事業を拡大させてきた。さらに、昨年には成長著しい遺伝子・細胞治療分野に事業の幅を広げており、2025年の目標として売上高2000億円以上を掲げている。

 今後も各地域の顧客にグローバルで統一された高水準の品質・サービスを提供できるよう、各拠点のシナジーを最大限に発揮させ、製薬会社、患者、そして社会に貢献していく。

AGCグループCDMO事業拠点

出光興産 石炭とバイオの混焼率、最適化するシステムを開発

, , ,

2021年7月16日

 出光興産は15日、同社と日本郵船グループが出資する郵船出光グリーンソリューションズが、石炭ボイラーにおけるバイオマス燃料の最適な混焼率を算出するシステム「BAIOMIX(バイオミックス)」を開発し、8月に販売開始すると発表した。なお、郵船出光グリーンソリューソンズが販売するボイラー制御最適化システム「ULTY-V plus」へ同システムを搭載することで、石炭ボイラーでのバイオマス混焼を最適に自動制御することが可能となる。

 昨今、低炭素社会の実現を目指し、バイオマス燃料を石炭の代替とする動きが加速している。しかし、バイオマス燃料は石炭に比べ粉砕性や発熱量が劣るため、大型の微粉炭ボイラーでは使用量が制限されているのが実情。出光興産は、石炭火力発電所でのバイオマス混焼を拡大するため、粉砕性や発熱量などに優れ、石炭とほぼ同様に取り扱うことが可能な半炭化した木質ペレット「ブラックペレット」の開発を行っており、既存の石炭火力発電設備を利用したCO2の低減に取り組んでいる。

 こうした中、今回開発した同システムは、「ブラックペレット」をはじめとしたバイオマス混焼による、機器や発電効率への影響・経済的負担を算定し、過去の混焼率データからAIが最適な混焼率を算出する。なお、石炭とバイオマス燃料を既存設備で混合してから燃焼する方式に加え、バイオマス燃料を専用ラインから投入し石炭と炉内混焼する方式など、さまざまな燃焼方式にも利用できる。

 出光興産はエネルギーの安定供給とともに、地球環境をはじめとする社会課題の解決に貢献するため、2030年ビジョンとして「責任ある変革者」を掲げる。両社は、これからも顧客の声に耳を傾け、低炭素社会の実現に向けた製品づくりに努めていく。

エア・ウォーター 未利用バイオガスをLNG代替で活用

, ,

2021年7月7日

 エア・ウォーターはこのほど、家畜ふん尿由来のバイオガスに含まれるメタンを液化バイオメタン(LBM)に加工し、液化天然ガス(LNG)の代替燃料として牛乳工場へ供給するサプライチェーンモデルの構築と実証を北海道十勝地方で開始すると発表した。

 この「未利用バイオガスを活用した液化バイオメタン地域サプライチェーンモデル実証事業」は、環境省の「CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業」の優先テーマとして採択。メタン純度99%以上のLBMを年間360t製造する計画で、全量がLNGの代替で消費されるとサプライチェーン全体でのCO2削減量は年間7740t、温室効果ガス(GHG)削減率は60%以上になる。

 バイオガスはメタン発酵設備で家畜ふん尿から取り出され、メタン約60%とCO2約40%からなる。そのメタンを分離・液化したものがLBMで、熱量は一般的LNGの90%程度。北海道でのバイオメタンの潜在製造能力は年間約30万tで、北海道の工業用LNGの年間消費量約50%に相当する。現在バイオガスは主に酪農家で製造されて自家発電などに使われるが、ガス導管網や余剰電力売電用の送電網などのインフラ整備が限られるため、バイオガスの製造・活用は限定的だ。

 今回、大樹町の酪農家で作ったバイオガスを捕集し、帯広市のセンター工場でLBMに加工し、十勝地方の牛乳工場でLNG代替燃料として使用する、地域循環型のサプライチェーンを構築する。なお、バイオガスからのLBM製造は国内初の取り組みだ。将来的には、近隣工場のボイラーやLNGトラック、ロケット用燃料として活用し、LBM製造時に発生するCO2はドライアイスなどに加工・販売することも検討している。

 LBMは持続可能でクリーンな国産エネルギーで、製造・供給には既存のLNGインフラが活用でき、大規模な設備投資なしでサプライチェーンの脱炭素化に貢献できる。下水処理場や食品残渣から発生するバイオガスにも適用でき、国内全域や海外への展開も可能だ。脱炭素社会の進展を見据え、LBMを新たなエネルギー製品と捉え、早期の社会実装を目指し技術開発を進めていく考えだ。

三井化学 バイオナフサでCNとバイオプラ加速、日本初

, , , ,

2021年5月21日

 三井化学は20日、2050年のカーボンニュートラル(CN)の実現に向け、フィンランドにある世界有数のバイオマス燃料製造会社であるネステ社(Neste)および豊田通商とバイオマスナフサの調達に関する売買契約を締結したと発表した。

バイオナフサは、ネステ社のシンガポール製油所(写真、同社ウェブサイトから)やロッテルダム製油所などで生産されている
バイオナフサは、ネステ社のシンガポール製油所(写真、同社ウェブサイトから)やロッテルダム製油所などで生産されている

 今年10月以降をめどに大阪工場(大阪府高石市)のエチレンプラント(クラッカー)に、日本で初めて原料としてバイオマスナフサの投入を予定。エチレン、プロピレン、C4留分、ベンゼンといったバイオマス基礎原料を生産する。同時に、マスバランス(物質収支)方式によるバイオマスナフサを原料とした、既存品と同等品質のフェノールなどのバイオマス化学品や、ポリオレフィンをはじめとしたバイオマスプラスチックの製造とマーケティングを開始する。調達量は、来年3月までの今年度中に1万tを計画。価格は石油由来ナフサの2~3倍程度になる見込みだ。

 ネステ社は、リニューアブル・ディーゼル(発展型再生可能ディーゼル)では世界トップのシェアを誇るバイオマス燃料のサプライヤー。同社のバイオマスナフサは、植物油廃棄物や残渣油を原料に製造されており、石油由来の原料を使用しない100%バイオマス由来のナフサとなる。今回、バイオマスナフサを使用することで、原料からプラスチック製品が廃棄されるまでのライフサイクルでのCO2は、石油由来ナフサ使用時に比べて大幅に削減されることが期待される。

 一方、バイオマス認証については、三井化学と豊田通商は、バイオマス認証制度として欧州で広く採用されているISCC認証を取得する予定だ。同認証はEUのバイオマス燃料などの認証としてすでに広く認知されており、複雑な生産工程をもつサプライチェーンのバイオマス化を推進させるマスバランス方式の有効な認証制度。バイオマス原料の割合を認証済みの手法で最終製品に割り当てることで、顧客の意思により使用原料のバイオマス化を選択できる。

 三井化学は昨年、総合化学メーカーとしていち早く「2050年のCN」を宣言し、循環経済の実現に向け、化学品・プラスチックのリサイクルとバイオマス化の両輪を進めている。地球温暖化対策に貢献するバイオマス化は、CN実現に向けて重要な戦略課題と捉えており、素材・プロセスの開発とともに、ステークホルダーとの対話を通じてバイオマスの社会への実装を推進している。3社は今後連携を深めながら、日本での国産バイオマスプラの新市場創出を図っていく考えだ。

マスバランス方式によるバイオマス割り当てのイメージ
マスバランス方式によるバイオマス割り当てのイメージ