東洋紡 新型コロナ検査薬が製販承認を取得、来月販売へ

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2021年6月29日

 東洋紡はこのほど、新型コロナウイルス遺伝子検査試薬「TRexGene(ティーレックスジーン)SARS-CoV-2検出キット」について、厚生労働省の製造販売承認を取得したと発表した。7月中にも医療機関と検査施設向けに販売を開始する予定。

新型コロナウイルス遺伝子検査試薬。7月から販売へ
新型コロナウイルス遺伝子検査試薬。7月から販売へ

 同検査キットは、鼻咽頭ぬぐい液や唾液などの生体試料から、リアルタイムPCR装置により新型コロナウイルスのRNAを検出する。検体に含まれる阻害物質の影響を受けにくい反応組成を採用したことで、RNA精製を行うことなく、最短約75分で検体の調製から検出までを行える。昨年8月に発売した新型コロナ検出用キットを基に、体外診断用医薬品として新たに開発した。

 同社は、今後もPCR技術を応用し、新型コロナ感染症をはじめ、様々な感染症の検査ニーズに対応する製品の開発に取り組んでいく考えだ。

帝人ファーマ A型ボツリヌス毒素製剤、効能・効果を追加承認

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2021年6月25日

 帝人ファーマは23日、メルツ社(ドイツ)から日本での共同開発・独占販売権を取得し販売しているA型ボツリヌス毒素製剤「ゼオマイン筋注用50単位、100単位、200単位」について、厚生労働省から「下肢痙縮」の効能または効果の追加承認を取得したと発表した。

 帝人ファーマは、筋・骨格系疾患の患者のQOL向上に貢献するため、これまで様々な医薬品・医療機器によるソリューションを提供。また、脳卒中後遺症などによる運動機能障害の改善を支援するリハビリ用として、歩行神経筋電気刺激装置や上肢用ロボット型運動訓練装置などの製品も展開している。

 こうした中、帝人ファーマは、2017年に同剤の日本国内での共同開発・独占販売権をメルツ社から取得し、2020年に上肢痙縮の効能または効果で製造販売承認を得て上市した。そして、両社は下肢痙縮の効能または効果の追加承認を目指し、メルツ社が日本国内で第Ⅲ相試験を実施。帝人ファーマがその結果をもとに変更承認申請を行い、今回の承認取得に至った。

 下肢痙縮は、主に脳卒中の後遺症として起こる筋緊張の増加や、伸張反射の興奮性亢進によって生じる上位運動ニューロン症候群の1つ。下肢筋が過度に緊張することで正常歩行が難しくなることや、体幹が不安定になることで転倒の危険性が高まるなど、患者の日常生活の妨げとなっている。

 現在、下肢痙縮の治療としては、リハビリ、経口筋弛緩剤、神経ブロック療法などが行われている。A型ボツリヌス毒素注射剤である同剤は、末梢のコリン作動性神経終末に作用し、神経伝達物質であるアセチルコリンの放出を阻害することで随意筋の筋力を弱め、筋緊張状態を緩和する。

 特徴としてA型ボツリヌス毒素から、メルツ社が開発した精製技術を使って複合タンパク質を取り除き、神経毒素のみを有効成分としていることが挙げられる。これにより、中和抗体が産生されることによる効果減弱の可能性の低下が期待されている。

デンカ 新型コロナ変異検出試薬を販売、10種を同時検出

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2021年6月23日

 デンカはこのほど、東邦大学医学部と共同で検証実験を進めてきた新型コロナウイルスの変異遺伝子(部位)同時検出システムに使用する検出用研究試薬「IntelliPlex SARS-CoV-2 Variant Analysis Kit」の販売を測定機関向けに開始したと発表した。

新型コロナウイルスの変異部位検出用研究試薬
新型コロナウイルスの変異部位検出用研究試薬

 同試薬は、デンカが株式の33.4%をもち業務提携をしているプレックスバイオ(台湾・台北市)と共同で開発。理化学品としてプレックスバイオ社からすでに発売されている専用の反応用装置および検出用装置と組み合わせて使用される。高感度かつ同時多項目測定が可能なプレックスバイオ社のπコード法技術を導入することで測定の手間を軽減し、新型コロナウイルスの感染対策として検出の必要性が高まっているアルファ株、ベータ株、ガンマ株などの変異株に見られる計10種の変異部位を同時に検出することが可能になった。この同時検出システムは、理論上100種以上の変異部位まで対応可能であることから、新たな変異の発生や拡大に備え、両社は引き続き研究用試薬の開発を進めていく。

 デンカは新型コロナウイルス感染症への対策を社会的責務と捉え、関係官庁や公的機関、国内外の研究機関の協力と支援の下、様々な角度から感染症対策に貢献する取り組みを進めている。πコード法のもつ高感度検出・同時多項目測定という特長を最大限に活用し、疫学研究の発展を通じて世界の人々のQOL向上に貢献し、真に社会に必要され「社会にとってかけがえのない存在となる企業」を目指していく。

 

デンカ コロナとインフル同時診断キット、国内で承認

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2021年6月18日

 デンカはこのほど、新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスを1つのデバイスで同時に診断可能な抗原迅速診断キットの国内製造販売承認を、厚生労働省から取得したと発表した。

コロナとインフルエンザ同時迅速診断キット「クイックナビ™ -Flu+COVID19 Ag」
コロナとインフルエンザ同時迅速診断キット「クイックナビ™ -Flu+COVID19 Ag」

 同コンボキットはコロナとインフルエンザの両方を十分で判定することが可能となる。そのため、コロナ抗原有無の判定時間を15分から10分に短縮した(同社製品比)。製品名を「クイックナビ-Flu+COVID19Ag」として、デンカと販売提携先の大塚製薬の2社から販売を予定している。

 同コンボキットはイムノクロマト法で特別な検査機器を必要とせず、一般の医療機関でも迅速かつ簡便に検査を行える。1つのキットでのインフルエンザとコロナの同時診断に加え、診断時間の短縮により医療機関のさらなる負担軽減、および医師の指導の下で医療機関・高齢者施設などでの速やかなスクリーニング検査体制構築と感染拡大防止に貢献していく。

 同社が昨年8月に発売した新型コロナウイルス抗原迅速診断キット「クイックナビ-COVID19Ag」は、今年3月に国内の医学専門誌に掲載された論文の中では、PCR法による検出と比較して抗原検査の感度は86.7%、特異度は100%と示された。また、一般に偽陽性と呼ばれる例は確認されなかったなど、実際の使用に対し十分な性能が示されたと結論づけている。同社は感染症対策を社会的責務と捉え、抗原迅速診断キットについてはすでに1日最大13万検査分の生産体制を構築している。

 今後も、検査時間のさらなる短縮や感度向上キットの開発を進め、予防・検査体制の拡充を通じて人々のQOL向上に貢献し、「真に社会に必要とされる企業」を目指していく。

 

デンカ 新型コロナ抗原迅速診断キット、政府に供給

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2021年6月15日

 デンカはこのほど、新型コロナウイルス抗原迅速診断キット「クイックナビ-COVID19 Ag」を、迅速な抗原検査体制の充実を図る厚生労働省の配布事業に供給することを決定したと発表した。今回の配布事業を通じて、医療機関や老健施設などでの無症状者などを含めたスクリーニング検査体制が早期に構築され、クラスター発生回避や感染抑制につながることが期待される。

 同社は、昨年8月に同キットを販売開始して以降、生産・供給に最大限努めてきた。コロナウイルスの感染拡大防止に向けて全国的な検査体制拡充の必要性はさらに高まっていることから、同社のもつ同キットの在庫を厚労省に供給することを決めた。今後、抗原検査の活用範囲がさらに広がり短時間(15分)で結果の確認ができる同キットの需要が拡大した場合、同社は積極的に増産を行い需要に対応していく。

 同社は、経営計画の中でヘルスケア領域を重点分野と位置づけ、インフルエンザワクチンや各種ウイルス抗原迅速診断キットなどの感染症領域に加え、新たにがん領域についても様々な新規事業に取り組んでいる。今後もSDGsを羅針盤に、予防・診断・治療の各領域の製品開発と製造を通じて世界の人々のQOL向上に貢献することで、真に社会に必要とされ「社会にとってかけがえのない存在となる企業」を目指していく。

旭化成ファーマ 100日咳菌抗原キット、販売を開始

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2021年6月1日

 旭化成ファーマは31日、体外診断用医薬品「リボテスト」シリーズの新製品として、百日咳菌抗原キット「リボテスト 百日咳」の販売を今月16日から開始すると発表した。

「リボテスト 百日咳」

 同製品は、百日咳菌感染の診断補助を目的とし、旭化成が開発した抗体技術(L7/L12)を用いて、旭化成ファーマが製品化した迅速診断キット。イムノクロマト法(抗原抗体反応を利用した免疫測定法)で、鼻咽頭拭い液から百日咳菌抗原を15分で判定できる。

 百日咳は主に百日咳菌に起因する感染症であり、百日咳菌の感染力は非常に強いことが知られている。特にワクチン接種前の乳幼児で重篤化しやすく、ワクチン効果が減弱した小児、成人の感染が乳幼児への感染源となることが報告されている。そのため、早期診断と適切な初期治療が重要だが、従来の検査方法は専用の機器・設備が必要なうえ時間もかかることから、初診時で迅速に結果が得られる検査の開発が求められていた。

 旭化成ファーマは、同製品が百日咳菌感染の迅速診断に大きく貢献できるものと期待している。なお、同製品は、アークレイマーケティング、極東製薬工業を通じて販売される。

タカラバイオ 迅速・簡便な新型コロナ株変異検出用試薬を販売

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2021年5月19日

 タカラバイオはこのほど、新型コロナウイルス変異株の変異検出用リアルタイムPCR試薬(研究用試薬)の販売を開始した。検体からウイルスRNAを精製する工程が不要で、迅速・簡便に1時間以内で検出が可能だ。

 新型コロナウイルスの変異株による感染が増加しているが、スパイクタンパク質のN501YとE484Kの2カ所の変異を検出する迅速・簡便なリアルタイムPCR試薬。コアキット(PCR酵素ミックスと前処理試薬のセット)と、N501YとE484Kの変異をそれぞれ特異的に検出できるプライマー/プローブから成り、これらを組み合わせて変異検出に使用できる。

 コアキットには現在販売中の研究用試薬「SARS-CoV-2 Direct Detection RT-qPCR Kit」と同じダイレクトPCR技術が使われており、一般的な検査キットのようにRNAを精製する必要がない。唾液などの検体に前処理試薬を添加して加熱するだけでPCRを開始でき、検査時間は1時間以内で、大幅に時間短縮できる。また、同社のqPCR装置や市販のqPCR装置への適合性も確認している。なお、製品化は群馬パース大学大学院木村博一教授の監修によるもの。

 同社はすでに、新型コロナウイルス変異株解析のための次世代シーケンサーによるゲノム配列解析サービスを行っているが、特定の変異株の検出を簡便に行う方法を提供することで、PCR技術、遺伝子工学技術を通して新型コロナウイルス感染症対策に貢献していく考えだ。

 

デンカ 米国向けに新型コロナ抗原迅速診断キットを供給

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2021年5月6日

 デンカは28日、米国Xtrava Health社と提携し、新型コロナウイルス抗原迅速診断キット「クイックナビ-COVID19 Ag」を、「SPERA COVID19 Ag Test」としてXtrava社に供給すると発表した。

米国向けに供給するコロナ抗原迅速診断キット
米国向けに供給するコロナ抗原迅速診断キット

 米国では新型コロナ感染拡大防止に向けた緊急政策の下で、医療機関だけでなく介護・教育施設や自宅などでの検査体制の拡充が検討されている。集団スクリーニングテストの対象範囲拡大や検査頻度の増加などにより今後検査需要がさらに増えると予測されることから、迅速かつ簡易に使用できるデンカの抗原迅速診断キットを供給し、米国市場に本格参入する。

 Xtrava社は「SPERA」の発売実現に向けて、今年3月に米国国立衛生研究所(NIH)とRADxに基づく契約を締結。現在、Xtrava社はPOCT(Point of Care Testing)用として米国食品医薬品局(FDA)緊急使用許可取得を目指して臨床試験を進めており、今年後半の販売を目標にしている。

Xtrava Health社のリーダーとコンパニオン・デジタル・テスト・プラットフォーム
Xtrava Health社のリーダーとコンパニオン・デジタル・テスト・プラットフォーム

 デンカの抗原迅速診断キットと、Xtrava社のリーダーで診断キットの結果を読み取る「コンパニオン・デジタル・テスト・プラットフォーム」を組み合わせることで、感度や使い勝手、検査精度向上を図り、一般の人々にも簡易に扱えるように、OTC(処方箋がなくても店頭で購入できる医薬品)市場への導入を目指していく。

東ソー 新型コロナ抗体検出試薬のラインアップを拡充

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2021年4月28日

 東ソーは27日、同社の全自動化学発光酵素免疫測定装置 「AIA-CL2400」および同等機種向けの専用試薬として、新型コロナウイルスのスパイクたんぱく質(SP)に対する抗体を検出できる研究用試薬2種の販売を開始したと発表した。

抗体検出試薬「SP-Total」
抗体検出試薬「SP-Total」

 同社は昨年12月から新型コロナのヌクレオカプシドたんぱく質(NP)に対する2種の抗体検出試薬を販売しており、今回の追加により四種類の抗体検出試薬を揃えた。さらに同社装置と組み合わせることにより1時間で最大240テストの測定ができることから、ウイルス感染後やワクチン接種後の免疫獲得状態の把握など、新型コロナ感染症の基礎的、臨床的研究に貢献できる。

測定装置「AIA-CL2400」
測定装置「AIA-CL2400」

 同研究用試薬の開発は、日本医療研究開発機構(AMED)の令和2年度ウイルス等感染症対策技術開発事業(実証・改良研究支援)の補助を受け、横浜市立大学のグループと共同で実施。研究成果は「Frontiers in Microbiology」誌に掲載されている。同社は、横浜市大をはじめ外部機関の協力を得て、「AIA-CL」装置向けの新型コロナ抗原検査試薬についても開発中であり、今後研究現場および医療現場へのさらなる貢献を目指していく。

日本触媒 抗ウイルス効果の化粧品素材、コロナ不活化を確認

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2021年4月26日

 日本触媒は23日、化粧品素材として開発した機能性ポリマーに新型コロナウイルスの不活化効果があることを確認したと発表した。この機能性ポリマーを配合した化粧品は、肌や毛髪を潤すとともに、菌やウイルスによるダメージから守ることが期待される。

 同社が開発した機能性ポリマーは親水性モノマーと疎水性モノマーで構成され、水分保持機能と被膜形成機能を両立した新しいポリマー。これまでに細菌への抗菌作用やエンベロープ(膜状の構造)ウイルス類であるインフルエンザウイルスに対する不活化効果を示すことを確認していた。

 同社では、抗菌・抗ウイルス機能をさらに検証するため、新型コロナ感染症を引き起こすSARSコロナウイルス2に対する効能評価を実施。今回の評価では、ポリマー濃度0.1%の試験条件下で、ウイルスの不活化効果は処理時間60分で約99%、120分で約99.9%であることが判明。ポリマー濃度0.1%、60分以上の接触により十分な効果が発揮される。

 同社は、今後も詳細データの取得を行い、SARSコロナウイルス2に対するポリマー濃度の影響なども明らかにしていく。なお、今回の成果の一部は「CITE JAPAN 2021」(第10回化粧品産業技術展)で発表される予定。